日経新聞 安心・安全「日本の安全神話は世界に通用するか」=農産物の世界安全基準 グローバルGAP=

2016年06月08日 07時04分51秒 | 安心・安全
日経新聞 2016年6月7日(火) P.17 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『日本の安全神話は世界に通用するか』

 日本の企業経営者は語る。

「日本的経営は欧米企業と違いモラルが高い」「中長期的視野に立っており、自己資本利益率(ROE)などの経営指標を一律に適用すると日本企業の良さを損ねかねない」と。

 日本の農産物・加工食品の生産者は語る。

「日本の農産物や食品は安全性が高く、味も良い」「日本に来た旅行者の食材や食品に対する評価は極めて高く、もっともっと輸出潜在力がある」と

 しかし、本当にその通りなのか。
これらの主張は世界に通用しない独(ひと)りよがりではないか。

 安心や安全に関わる企業の不祥事が相次いでいる。
日本企業の古い経営体質が温床だ。

コーポレートガバナンス(企業統治)強化と言いながら、実力が伴っていないと言わざるを得ない。

これでは「日本企業のモラルは高く、正直である」と訴えてみたところで、海外の消費者や投資家に向けての説得力はない。

 農産物や加工食品についても同じだ。

食品への異物混入、廃棄食品の再流通といった不祥事は、日本の安全神話に暗い影を落とした。

農業従事者や食品の作り手が正直でも、日本のシステムは食品テロなどに対して脆弱(ぜいじゃく)であることを露呈してしまった。

 今後、農産物や食品を大々的に輸出する際に「日本はモラルが高いから安心・安全だ」と訴えてみても、その主張を裏付けられなければ海外消費者の信頼を得られない。

 両社に共通するのは、世界に通用しない「ガラパゴス」的主張だという点である。

日本企業のモラルが世界の企業より高く、日本の農産物や食品が世界一安全である点をセールスポイントにするのなら、まずは世界基準をクリアしていることを示す必要がある

 農産物や食品であれば、世界に認知された安全管理基準であるグローバルGAP(農業生産工程管理)のクリアを優先すべきだ。

そのうえで、より厳しく透明性の高い日本基準を作り、クリアするというのなら話は分かる。
しかし安全神話の下で日本の生産者の世界基準への対応は大幅に遅れているのが実態である。

これでは世界市場の開拓は絵に描いた餅である。

 企業経営者も農業関係者も、今こそガラパゴス的発想から抜け出さなければならない。

(追分)


●関連日経記事:2014年7月24日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 安心・安全「ミツバチ大量死」=イネ農薬原因か=』(2014年7月20日付)

◆父さんコメント:
 「買う側の顧客目線でサービスを考える」。

製造・販売に関係する者の常識である。
グローバル市場では、顧客は日本人だけでなく、海外の顧客がサービスの対象者だ。

であるなら、海外の購入者が求める安全・安心のサービスは何か、を追及すれば解は簡単に見つかる。

生産者の目線で「顧客は理解してくれるはずだ」の発想は、顧客を忘れた独善にすぎない。
それはグローバル経営から遠く離れた、閉鎖社会の経営手法といわれても仕方がない。

●関連日経記事:2016年6月8日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 自己啓発「自立と自律。 自ら行動し挑戦する」=「未知」への好奇心と情熱を持つ=』(6月7日付)

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1 コメント

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特殊鋼歴史研究 (たたらファン)
2016-10-29 19:14:40
 安来製鋼所の伊部喜作氏に知ってもらいたい気がしますね。

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