日経新聞 健康「夏休みに五感取り戻そう」=こころの健康学=

2017年08月09日 18時12分32秒 | 健康
日経新聞 2017年8月7日(月) P.15 医療・健康面
連載『こころの健康学』=認知行動療法研修開発センター 大野裕=

『夏休みに五感取り戻そう』

 将棋にうとい私だが、藤井聡汰四段が連勝記録を伸ばしていたときには、人間の持つ潜在能力のすごさを感じた。

将棋についてはプロ棋士と人工知能(AI)の戦いも話題になった。
私は、プロ棋士がAIに敗れたというニュースに接した時にも、人間の持つ可能性を感じた。

 AIがどこまで発展するのかと不安と期待の入り混じった気持ちになる一方で、AIと渡り合える人間の潜在能力に驚きを感じた。

機械と違い心や体が一定していない人間が、機械とギリギリのところで戦えることに、人間の可能性を感じた。

 以前、ある講演会で将棋の高段者が感覚の大切さを話していた。
私もだが一般の人は高段者が何手先まで読むかを気にする。

しかし、その人は、先の手を読むよりも、その瞬間の感覚を大切にしているというのだ。

いろいろ考えて一つの手を打つ時、その手が良い手かどうかは、将棋の駒を将棋盤に置くときの感覚で判断するという。

 駒を置こうとしたときによい気持ちになるようだったら、安心して置くことができる。

しかし、何かすっきりしない、不愉快な感じになるようだったらよくない手なので、駒を引っ込めるという。

私は将棋のことはわからないが、五感の働きの大切さが伝わってきて、とてもよく納得できる話と思った。

 ちょうど今、夏休みをとる人が多い時期だ。
毎日、学校や仕事で学業や業務、家事など日常に追われていると五感が鈍りがちになる。

せっかくの夏休み、日常から少し離れて自然の中で五感を取り戻す体験をする機会にしていただきたい。


●関連日経記事:2017年7月30日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 開発「消費電力1万2000人分」=「AIと世界」 見えてきた現実 ④=』(7月27日付)

●関連日経記事:2017年7月19日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介『人口知能はどのようにして「名人」をこえたのか?』=愛知学院大特任准教授 山本一成著=』(7月8日付)

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日経新聞 海外メディア『独占打破へ「取引所」方式を』=英FT R・ハーディング東京支局長=

2017年08月09日 07時20分07秒 | 海外メディア
日経新聞 2017年8月7日(月) P.7 オピニオン面
連載『英フィナンシャルタイムズ』=8月2日付=

『独占打破へ「取引所」方式を』=東京支局長 ロビン・ハーディング=

 米配車アプリ最大手のウーバーテクノロジーズは数々の失策を犯したにもかかわらず、存続している。

それどころか、この事業で圧倒的に優位な立場にある同社の市場独占が進んでいる。
それは運転手にも利用者にも望ましいことではない。

これに対し、素晴らしい解決策がある。
ウーバーを自由市場資本主義を象徴する証券取引所とみなすのだ。

 ウーバーのほか、米競売大手イーベイ、民泊仲介大手エアビーアンドビービーなどのオンラインプラットフォーム企業は、利用者が増えれば増えるほど利便性が高まる「ネットワーク効果」を享受している。

ウーバーはこのおかげで時価総額が推定700億ドル(約7兆7000億円)に達し、創業者のトラビス・カラニック氏が運転手を罵倒したことが公になっても、特に事業に支障は出ていない。

 独占企業は資本主義を破壊する。

しかし事業分割命令や価格統制、規制強化といった従来の独禁法当局による措置は、ネットワーク効果を持つ企業には効かない


 我々に必要なのはプラットフォーム企業の事業の本質を考え直すことだ。

ウーバーの場合、単なるスマートフォンのアプリや配車サービスの提供会社ではないし、ソフトウエア企業でもない。

同社は”買い手”と”売り手”を取り持つ典型的な仲介業者なのだ。

 公正で開かれた市場を運営する上で、参考になるモデルがある。
米国で1975年の証券市場改革で生まれた「全米市場システム(NMS)」だ。

株式市場間の競争を促すために構築された。

 NMSには特に重要な規制が2つある。

一つは取引所などが非会員に不当なアクセス制限を課すことを禁じたアクセス規制で、もう一つは、最良の希望価格を提示した市場に売買注文を送ることを義務付けたオーダー・プロテクション規制だ。

これにより、複数の市場の価格情報と約定情報が集約され、透明性や効率性が高まった。

 ほぼ同じ規制が配車サービスにも適用できるだろう。

アクセス規制の下、ウーバーと同業各社は配車を望む利用者と、乗客を探している運転手の情報を共有する。

オーダー・プロテクション規制により、ウーバーは低料金を提示した運転手の中で利用者の最も近くにいる運転手に配車させなければならなくなる。

運転手の登録先が自社か他社かは問わない。

 つまり、どの企業のアプリを使おうと、配車取引は成立しやすくなる。
ネットワーク効果は影響力を失い、独占状態は解消する。

 プラットフォーム企業を取引所のようにするには、決済システムなどのインフラ整備が必要だ。

とはいえ、何十もの取引所を通じ、数兆ドルに相当する何千もの株式を売買できるなら、配車サービスでも同様のことが可能なはずだ。

 この原則は、ネットワーク効果を持つソーシャルネットワーク企業など、ほかのプラットフォーム企業にも通用する。

 プラットフォーム企業は利用者にも事業者にも多大な恩恵をもたらした。
これを規制で縛るのは誤りだ。

取引所への移行は、賃金の停滞や資本主義制度に対する不満が高まっている今こそ求められるリベラルで自由市場主義的な解決策だ。

ここ数年、米シリコンバレー企業はあらゆるサービスにウーバーの事業概念を応用しようとしてきた。

今後は取引所の概念を応用すべきではないか。


●関連日経記事:2017年7月27日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「IT業界 競争保てるか」=「監視強化、創造に余地」 米イェルプ L・ロウ副社長=』(7月25日付)

●関連日経記事:2017年7月21日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「米新聞、ネット2強に異議」=2000社、広告「寡占」巡り集団交渉訴え=』(7月20日付)

●関連日経記事:2017年7月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「少ない雇用、処方箋見えず」=ニュー・モノポリー 米ITビッグ5 (下)=』(7月15日付)

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日経新聞 国際「EV革命と石油の終わり」=事業の寿命、自問続けよ=

2017年08月09日 06時38分14秒 | 国際
日経新聞 2017年8月7日(月) P.5 企業面
連載コラム『経営の視点』=編集委員 松尾博文=

『事業の寿命、自問続けよ』=EV革命と石油の終わり=

英仏政府が2040年までにガソリン車の国内販売を禁じる方針を決めた。

トヨタ自動車とマツダは電気自動車(EV)の共同開発を視野に資本提携で合意した。

EVの台頭や、再生可能エネルギーの急速なコスト低減が、石油の大量消費を前提とする20世紀型の社会・産業構造を変えようとしている。

 「液化天然ガス(LNG)はいつまで必要か」
 「ずっと続くと信じてやっている」

 三菱商事の垣内威彦社長の問いに、エネルギー部門の幹部は気色ばんだ。
同社の16年3月期決算は資源安の影響を受け、初の連結最終赤字に沈んでいた。

 同年4月に就任した垣内社長がまず手を付けたのは150に及ぶ事業単位の「仕分け」だった。

それぞれの事業を5段階に分類し、ピークアウトしたと判断した事業は撤退も考える。

 三菱商事はLNGビジネスのパイオニアだ。

1969年に投資を決めたブルネイLNGプロジェクトは「失敗すれば三菱商事が3つつぶれる」と言われた。

この決断が花開き、原料炭などとともに三菱商事を支える主力事業に育った。

 だが、「どんな事業、どんなビジネスモデルにも寿命がある」と、垣内社長は言う。
過去に安住して未来はない。

ピークアウトに向き合い、どう乗り越えるのか。
問われているのは変化への対応力だ。

中核事業だからこそ自問を迫った。

 燃料転換にとどまらず、人工知能(AI)やIoT、シェアエコノミーなど、自動車を起点とする革命は全産業に広がる可能性がある。

誰が主導権を握るのか。
垣内社長は「見極めるためにも自動車ビジネスに関与し続ける」と話す。

 石油のピークはいつか。
ここ数年、関心を集めるテーマだ。

「地球上には経済成長を支えるだけの石油がない」とするかっての議論はない。

温暖化対策や、自動車・発電の燃料転換によって石油消費は遠からず減少に転じ、石油が余る時代がくるとの見方だ。

 「石油の終わり」と決めつけるのは早計だ。

英メジャー(国際石油資本)、BPのチーフエコノミスト、スペンサー・デール氏は「現在、200万台のEVが35年に1億台に増えても、失われる石油需要は日量300万~400万バレル。 1億バレル前後の需要全体で見れば小さい」と指摘する。

EVの実力を見極めるにはもう少し時間が必要だろう。

 ただし、国家運営を石油収入に頼る産油国は小さな可能性も見過ごせない。

国際エネルギー機関(IEA)の事務局長を務めた田中伸男・笹川平和財団会長は、「国営石油会社の新規株式公開(IPO)など、サウジアラビアが大胆な改革を進める背景には石油の需要ピークへの備えがあるのではないか」と見る。

 仏トタルの生産量は10年前、石油が7割、天然ガスが3割だったが、今は5対5。

パトリックプ・ヤンネ最高経営責任者(CEO)は「35~40年にはガス比率がさらに上がり、再生可能エネルギーが全体の2割を占めるだろう」と語る。

 メジャーとはもはや、巨大石油企業の代名詞ではない。
エネルギー大転換のうねりは速度をげ、国家と企業に変身を迫る。


●関連日経記事:2017年8月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 開発「EV迫る主役交代」=部品や素材、開発加速=』(7月28日付)

●関連日経記事:2017年8月6日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「米新車減速、構造不況の影」=カーシェア1台増えると19台の購入が消える=』(8月6日付)

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