日経新聞 インターネット「アマゾン、クラウド攻勢」=シェア首位、収益の柱に=4~6月、部門利益28%増=

2017年08月02日 07時17分11秒 | インターネット
日経新聞 2017年7月29日(土) P.12 企業1面
『アマゾン、クラウド攻勢』

『4~6月、部門利益28%増』=シェア首位、収益の柱に=

 米アマゾン・ドット・コムが「クラウド企業」としての存在感を高めている。

2017年4~6月期決算は祖業のネット小売り事業が営業赤字だった一方で、クラウド事業の営業利益は前年同期比28%増の9億ドル(約1000億円)と好調だった。

市場シェア首位を走るクラウド事業が収益を支える柱に育ってきた。

 米調査会社のカナリスによると、アマゾンのクラウド「AWS」の市場シェアは17年1~3月期で31.3%に達する。

2位のマイクロソフト(12.3%)に差をつけ、市場での地位を固めている。

 クラウド事業はひとつのデータセンターを複数顧客で共有するため利益率が高い。

アマゾンの17年4~6月期の同事業の営業利益率は22%で、北米の小売り事業の1.9%を大きく上回る。

アマゾン全体の売上高の11%にすぎないクラウド事業が、今やアマゾンの利益の源泉となっている。

 「AWSの営業人員の採用を増やしている」。

アマゾンのブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は27日の決算会見で、クラウド事業のさらなる攻勢に含みを持たせた。

 アマゾンが流通業で見せる圧倒的な支配力は、クラウドの世界でも同じ。
AWSは事業化が06年からと早く、データセンター投資でも先行。

競合がクラウド事業で伸び悩む中、アマゾンは着実に差を広げている。

ゴールドマン・サックス証券のアナリスト、ヒース・テリー氏は27日に出したリポートで「値下げ競争の中でもAWSは成長を維持している」と述べ、減益決算でも買い推奨を継続した。

(シリコンバレー=中西豊紀記者)


●関連日経記事:2014年4月2日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「アマゾン、クラウドで世界席巻」=米国防総省、品質に『お墨付き』=』(2014年4月1日付)

●関連日経記事:2017年7月2日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「アマゾン、新陳代謝促す」=高級スーパーのホールフーズ買収=』(6月30日付)

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日経新聞 経営「ユニリーバ 深く広く開拓」=ミャンマー:中間層狙い再進出=インド:高級ヘアケア展開=

2017年08月02日 06時29分20秒 | 経営
日経新聞 2017年7月29日(土) P.11 アジアBiz面
特集連載『グローバル企業 in Asia』

『ユニリーバ 深く広く開拓』=ミャンマー: 中間層狙い再進出=インド: 高級ヘアケア展開=

 食品・日用品の世界大手、英蘭ユニリーバによるアジア市場の開拓が新段階に入った。

ミャンマーで合弁を設立するなど後発の新興国にも攻め込み、すでに実績のあるインドでは高級ブランドの買収で富裕層向けに進出する。

同社は安価な小分けの商品などでアジアの需要を掘り起こすことに成功。
各地の発展段階に合わせた戦略により、勃興するアジアの消費をさらに幅広く取り込む。


 ヤンゴンの住宅街の路地裏にある市場。
女性たちが経営する小さな店舗にはスナック類や飲料、生活雑貨が所狭しと並ぶ。

1回使いきりサイズのユニリーバのシャンプーも定番商品の一つ。
連なった小袋が天井や壁から垂れ下がっている。

 ミャンマーではまだ、先進国で売られるようなボトル入りのシャンプーは高価だと感じる人が多い。

家政婦のノー・トゥーさん(21)は「小袋でしか買っていない。 安くて経済的だわ」と話す。

道端にあるようなお店でも買え、10ミリリットル入りの1袋あたりの値段は100チャット(約8円)で済む。

 ユニリーバは5月、ミャンマーで洗剤やシャンプーを製造する現地企業と合弁会社を設立すると発表した。

日用品事業を新会社に統合し、年間売上高は1億ユーロ(約130億円)を超える。
2020年までに3億ユーロに拡大するのが目標だ。

 同社がミャンマーに本格復帰するのは、1965年に社会主義政権下で工場を国有化され、撤退して以来52年ぶりだ。

 現地では消費生活が急速に変化し、伝統服を着ていた女性の間でスカートやジーンズを身につける人が増えた。

ユニリーバの東南アジア・オーストララシア事業会社のピエール・ルイギ・シギスモンディ社長は「経済成長や政治の安定、中間層の拡大で長期的に成長する市場だ」と期待する。

 ユニリーバの総売上高に占めるアジア(中東・アフリカ含む)の比率は07年に31%だったが、16年には43%まで高まった。

 成長を支えたのはアジアの実情に合った営業戦略だ。
小分けの洗剤や調味料を低価格で販売し、低所得層も取り込んだ。

零細商店に商品のアピール方法などを細かく指導し、農村の女性にも商売を教えて地元の営業員とした。

こうした手法を後発の新興国にも広げる。

 バングラデシュでは農村などの女性を活用し、各地で衛生管理の啓蒙ビデオの上映やサンプル配布を代行してもらう試みを始めた。

その過程では新興国向けマーケティング事業を手がけるスタートアップ企業、ネクストビリオン(シンガポール)の力を借りた。

 ユニリーバはスタートアップとの連携を重視し、2月にシンガポールで共同作業スペースを開設した。

ネット広告や食品関連など約40社が利用する。
入居企業はユニリーバのブランド力や営業網を使い、アイデアを素早く試すことができる。

 英国とオランダの企業が統合したユニリーバは、それぞれの国の植民地だったインドとインドネシアではすでに強力な営業基盤を築いている。

 そのインドでは16年に伝統医学アーユルヴェーダに基づく化粧品ブランド「インドゥレカ」を33億ルピー(約57億円)で買収した。

100ミリリットル入りで400ルピー(約700円)台のヘアオイルなど高価格品を展開する。

 経済が成長し、豊かな層が厚みを増すインドでは高級ブランドのイメージ作りを急ぐ。

「アーユルヴェーダの分野でプレミアム商品を強化できる」とインド法人で日用品最大手ヒンドゥスタン・ユニリーバのサンジブ・メタ最高経営責任者(CEO)は自信を示す。

すすぎの水を節約できる洗濯洗剤や、インド料理の強い油汚れや臭いを強力に落とせる食器洗剤など高級品も投入した。

『P&G・味の素と競合激化』
 アジア市場を開拓するユニリーバの現地子会社は高収益を維持し、本社に潤沢に還元している。

 本社が株式の85%を持つユニリーバ・インドネシアは、16年12月期の自己資本利益率(ROE)が134%。

純利益が株主資本を上回る高収益企業だ。
配当性向は99.9%で、純利益のほぼすべてを株主に還元する。

 本社が51%出資するインド子会社のヒンドゥスタン・ユニリーバも配当性向は80%を超える。

 子会社が稼いだ利益は、アジアの増産投資や商品開発にも再び向けられる。

東南アジア地域トップのシギスモンディ社長は「成長が速く収益も高いアジアに継続的に投資する」と強調する。

 ただ、こうした好循環が今後も続くとは限らない。

米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やユニ・チャーム、味の素などの日本勢もアジアで製造・販売体制を強化し価格競争が激しくなってきた。

P&Gはユニリーバ流を模倣し、フィリピンで「サリサリストア」と呼ぶ零細商店に経営ノウハウを教える。

ユニリーバは2月に米食品大手クラフト・ハインツから16兆円規模の買収を仕掛けられ、従来よりも株主と短期的な収益を重視することも迫られる。

長期的で地道な取り組みが求められるアジア事業に負の影響が及ぶかどうかも注視される。

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東京=渡辺禎央記者、ヤンゴン=新田裕一記者、ムンバイ=早川麗記者、シンガポール=菊池友美記者、ジャカルタ=鈴木亘記者


●関連日経記事:2017年2月23日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「インドで日用品の最大手はユニリーバ」=主婦を販売員に採用して地域密着BOPビジネス=』(2月21日付)

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日経新聞 法務・犯罪「パキスタン首相 罷免」=「パナマ文書」発端 税逃れ疑惑で=

2017年08月02日 06時02分15秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年7月29日(土) P.9 国際面
『パキスタン首相罷免』=最高裁が「不適格」判断=

『「パナマ文書」発端、税逃れ疑惑で』

 パキスタン最高裁は28日、税逃れ疑惑で訴追されていた同国のナワズ・シャリフ首相に「不適格」との判断を下し罷免(ひめん)した。

与党報道官も「首相は失職した」とし、判決に従う意向を示した。

各国の富裕層らの税逃れを昨年暴露した「パナマ文書」問題を発端に野党が提訴し、首相が退任に追い込まれる異常事態に発展している。


 最高裁大法廷の判事全5人が不適格判断で一致し、公職関係者の汚職を裁く説明責任法廷で、首相と親族の疑惑を審理するよう命じた。

ムハンマド・イスハク・ダール財務相も罷免された。

与党のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)は近く後継首相を公表する見通し。

サルダール・アヤズ・サディク国会議長らの名が挙がっている。

 シャリフ氏に税逃れ疑惑がかかったのは、パナマの法律事務所から流出した「パナマ文書」が発端だった。

この文書は各国富裕層らによるタックスヘイブン(租税回避地)などを使った節税実態を暴露。

シャリフ氏に関しては、政府に届け出た資産とは別に英領バージン諸島に法人を設け、ロンドンに不動産を保有しているとしていた。

 野党「パキスタン正義運動(PTI)」などの申し立てを受け、最高裁は4月、連邦捜査局や中央銀行からなる合同捜査チームを設けて60日以内に調べるよう命じていた。

最高裁は今回、選挙管理委員会にシャリフ氏の議員資格失効も命じた。

 与党報道官は28日、同氏の首相職の失効を認める一方で「公正な判決に関するすべての法的、憲法上の要件がひどく踏みにじられた」と指摘し、今回の判決を批判した。

ただ、来年には次期総選挙が控えている。

シャリフ氏が首相職に固執すれば、与党PML-Nからの民意離反につながるとの政治的判断もあって、最高裁への徹底抗戦を封印したとみられる。

 同国経済は中国が資金支援する「中パ経済回廊」などインフラ事業が追い風となり5%台の成長率を保つ。

前回の第2次シャリフ政権は1999年の軍事クーデターで崩壊したが、現時点では、今回の罷免で政情不安などに陥る可能性は低いとの見方が多い。

▼シャリフ政権を巡る主な動き

【1990年】
 総選挙に勝利し、第1次シャリフ政権発足

【93年】
 汚職を理由に大統領がシャリフ氏を解任

【97年】
 総選挙に再び勝利し、第2次シャリフ政権を発足

【98年】
 核実験に成功

【99年】
 ムシャラフ陸軍参謀長(当時)らのクーデターで政権崩壊、翌年に国外追放

【2007年】
 シャリフ氏が帰国

【13年】
 総選挙を経て第3次シャリフ政権発足

【17年7月】
 最高裁がシャリフ氏を罷免

(ニューデリー=黒沼勇史記者)


●関連日経記事:2016年4月11日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「税逃れ 新興国揺らす」=パナマ文書に首脳らの名=』(2016年4月10日付)

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日経新聞 開発「日特エンジの巻き線機: 車やスマホ、個別対応」=欠かせぬ企業 ⑥ 「巻く」=

2017年08月02日 05時30分01秒 | 開発
日経新聞 2017年7月28日(金) P.16 投資情報面
特集連載『欠かせぬ企業 ⑥』=巻く=

『日特エンジの巻き線機』=車やスマホ、個別対応=

 自動車、スマートフォン(スマホ)、ICカード乗車券。

このすべてに欠かせないものといえば何か。

 答えは銅線を巻き付けたコイルだ。
電気で動くあらゆる製品の背後には、電気を流して磁場をつくるコイルの存在がある。

非接触型のICカードにも微弱電流で集積回路を起動させる微細コイルが仕込まれている。

 ジャスダック上場の日特エンジニアリングは、このコイルをつくる巻き線機で世界シェア約4割を握る。

主力工場の福島事業所(福島市)には、欧米やアジアのメーカーの担当者が引きも切らない。

記者が訪れた日も17もの取引先が来社したという。

 一口にコイルといっても巻く銅線の太さは様々。

直径数ミリの針金状のものもあれば、スマホ向けの15マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと髪の毛よりかなり細い線もある。

しかも銅線メーカーによって、癖や品質も異なる。
それを正しい位置に、いかに規則正しく隙間なく負けるかが、コイルの性能を左右する。

 巻き線機のほとんどが、顧客企業の要望に応じてつくるオーダーメードだ。

そのため工場にはベルトコンベヤーや産業用ロボットなど量産ラインはなく、代わりに随所で、組み立て途中の巻き線機を前に納入先と熱心に話し込む日特エンジの技術者の姿が見られた。

近藤進茂社長は、「顧客に対応した『生産技術込み』の設備だから、競合品より3割高くても売れる」と胸を張る。

 目下の悩みは、次々舞い込む受注に「生産能力が追いつかない」(近藤社長)こと。

2018年3月期の連結純利益は前年比3%増の23億円と、最高益(24億円)に肉薄する水準を見込んでいる。

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菊池毅記者、菊池貴之記者、白壁達久記者、大酒丈典記者、丸山大介記者が担当しました。


●関連日経記事:2017年7月31日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 開発「日本セラミック: 見えないものを見る赤外線センサー」=欠かせぬ企業 ⑤ 「感じる」=』(7月27日付)

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