日経新聞 教育「家庭環境で異なる学校の効果」=「やさしい経済学」 教育投資の優先順位を考える ④=

2017年12月16日 01時54分28秒 | 教育
日経新聞 2017年12月15日(金) P.35 経済教室面
連載『やさしい経済学』=慶応義塾大学教授 赤林 英夫=

『教育投資の優先順位を考える ④』=家庭環境で異なる学校の効果=

 教育段階が上がると社会的収益率はなぜ下がるのでしょうか。

その背後には、人的資本の「限界生産性の逓減(ていげん)」があると考えられます。

これは投資を続けると費用対効果が下がる傾向のことで、どの生産過程にも見られる普遍的原理です(=収穫逓減の法則)。

 幼児期や小学校期の教育の目的は言語や四則演算の習得、そして道徳性などの向上です。
これらなくして次の段階に進んでも意味がない基礎的人的資本です。

親の無関心や虐待により、こうした基礎技能を習得できないと、取り返しがつきません。
それに比べて高等教育の収益率が相対的に低いのは自然でしょう。

ヘックマンは、幼児教育が言葉や計算以前の能力、例えば我慢強さや社会性など「非認知能力」を醸成する場として、後の学習行動の投資収益にも影響する重要な段階だと主張しています。

 限界生産性逓減は1日の学習にも当てはまります。

就学前のこどもに長時間学習させても、途中で集中力が落ちてあまり身につかないでしょう。

教育投資の収益は労働生産性と同様、1日の中でも逓減します。

家で学ぶ機会のないこどもが幼稚園に行くと大きな効果が期待できますが、午後も引き続き学習しても、同じ効果が得られるとは限りません。

また、絵本や知育玩具が多く、親が何でも教える家庭だと、学校で「追加的に」得られる教育効果は大きくはないでしょう。

 図の曲線は教育投資の生産性は逓減することを示しています。

学習環境の異なる2つの家庭のうち、家庭Aでは学校に通わなくても高い教育水準が得られるのに対し、家庭Bでは低い教育水準しかありません。

結果、同じ学校教育で得られる限界的成果(=学校教育1単位から得られる限界的成果)は、家庭Aよりも家庭Bの方が高いことが見て取れます。

内外の研究で、不利な環境のこどもほど学校教育の効果は大きいとされていますが、その背景にはこのような原理があると考えられます。

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日経新聞 教育「怪しいサイト カードで学ぼう」=静岡大など、中学生向け=

2017年12月05日 04時55分53秒 | 教育
日経新聞 2017年11月29日(水) P.42 社会面
『怪しいサイト カードで学ぼう』=静岡大など、中学生向け=

 静岡大と情報セキュリティー会社のカスペルスキーは、子供のネットトラブルを防止しようと、危険なサイトやアプリの見分け方を学べる中学生向けのカード教材「ネットの『あやしい』を見きわめよう」を共同でつくった。

無償ダウンロードで提供している。


 カードは計10枚。
個人情報の入力画面やアプリの説明文などよく見る状況が印刷されている。

必要のない個人情報へのアクセス許可を求めるアプリといった内容を取り上げている。

 教諭が使う説明スライドや指導案などをセットで提供している。
授業では生徒に怪しいものと怪しくないものを分けさせた後、グループで話し合う。

最後に教諭がポイントを説明しながら答え合わせをすることで「ネットを安全に使う判断力が身につく」(カスペルスキー)。

 これまでのセキュリティー教育は「怪しいサイトに気をつけましょう」といった抽象的な指導にとどまる例が多く、開発した静岡大教育学部の塩田真吾准教授は「どこを判断のポイントにするのかを具体的に教えることが重要だ」と狙いを話した。


●関連日経記事:2012年9月30日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「グーグルサイトの”消去してくれない”リスク」』(2012年9月28日付)

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日経新聞 教育「間違いやすい勉強法」=受験期の過ごし方=

2017年11月30日 03時02分25秒 | 教育
日経新聞 2017年11月27日(月) P.16 教育面
連載『挑む』

『間違いやすい勉強法』=受験期の過ごし方=

 11月に入ると、高校2年生、3年生を対象にガイダンスを行う。

2年生には、そろそろ受験モードに入る時期が来たので、今までの自分を振り返り、これからの学習について真剣に考えるきっかけとなるような話をする。

 3年生には、これから3月までの過ごし方が話題の中心になる。
ごく少数の例外を除いて、受験生は「不安」と闘いながら受験までの日々を過ごす。

そのときに、いくつか陥りやすいことがある。

直前期の実例を挙げつつ、「こんなところに気をつけておかないと、マズいことになっちゃうよ!」と話すのである。

 一番やりがちなのが、独りよがりの勉強法である。

この時期になると「今はセンター試験対策を全力でやってます」という生徒が出てくるのだが、これはマズい。

センター試験に比重をかけつつもやはり大学の個別試験に向けた記述対策もやらなくてはいけない。

 「苦手教科を集中してやってます」という声をよく聞くが、科目間のバランスが崩れた勉強を続けても得るものは少ない。

 「いや、センターは大丈夫なんで今は難しい問題をどんどん解くようにしてるんです」というのも危ない。

基礎基本を軽視し、復習せずにあちこちに手をつける。
これでは、せっかくやったことが身につかない。

 「時間がないから」という声もよく聞くようになる。

「時間がないから、学校に行かずに自宅で勉強します」とか、「通塾にかかる時間がもったいないから、自分でやります」などと言いだしたら要注意だ。

実は生活のリズムをつくり、メリハリのある日々を送る方が勉強は効率的に進むのだが、頭の中で「あれもやらなきゃこれもやらなきゃ。 じゃあ一刻も無駄にできない」となってしまうのだろう。

 生徒たちは笑いながら聞いているが、ひょっとしたら受験が近づくにつれ同じことをするかもしれない。

そんなときに、ガイダンスの話を思い出し、冷静になって受験に臨んでくれたらよいのだが。

(橋)


●関連日経記事
:2014年12月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「新高校1年生、早くも不登校」=大人になれぬまま進学=(2011年5月30日付)』

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日経新聞 教育「日本のビジネススクール、学ぶ量・質の充実を」=日本大学教授(経営戦略) 若林広二氏=

2017年11月29日 06時33分27秒 | 教育
日経新聞 2017年11月15日(水) P.34 経済教室面
連載コラム『私見卓見』

『ビジネススクール、学ぶ量・質の充実を』=日本大学教授(経営戦略) 若林広二=

 日本のビジネススクール(経営大学院)は、ビジネスリーダーを育てるという本来の役割を果たせていないようだ。

法科大学院の司法試験の合格率のような明確な指標がなく、深刻に取り沙汰されることが少なかったが、米国をはじめ国際的な水準から引き離されているようにみえる。

 ビジネススクールに携わっていた経験からも省(かえり)みると、まず学習時間(授業を含めた学びの時間)に問題がある。

学習時間を単純比較が可能な授業時間に絞ると、修了要件として米国は60単位程度の設定が多いのに対し、日本は30~50単位前後と幅がある。

 仮に40単位としても、日本は1単位当たりの授業時間も2~3割少ないため、米国のおおそ半分の時間で終了できる計算になる。

米国の場合、膨大な量の予習が課せられることも考えると、米国人でさえ2年間学習に専念しないと終了できない仕組みだ。

 次に経営戦略や財務会計、マーケティングといった学習内容の充実度である。

日本では、こうしたコア科目の構成比を総単位数の半分以上に設定し、早期に必修で学ぶカリキュラムになっていないように見受けられる。

米国では、コア科目の成績次第では落第も当たり前だ。

会社員時代にミシガン大のビジネススクールで学ぶ機会を得た私を含め、経験者は留学時代に「嫌になるほど勉強した」と語る。

 米国の場合、激しい競争を乗り越えた修了生の間に同志意識が芽生え、強固なネットワークを形成する。

ビジネススクールのブランド力が高まり、高額の授業料にもかかわらず世界中から志願者を集める一因になっている。

 量・質ともに充実した学習が社会的な評価をもたらす米国に対し、日本の現状は悪循環に陥っているようにみえる。

日本のビジネススクールを終了しても、貸し方・借り方の仕分けや新製品の売り上げ予測ができないMBA(経営学修士)が誕生してしまう。

 具体的な改善策としては、現状の数倍の学習時間の確保と、カリキュラムのコア科目への集中をあげたい。

オンライン授業による不足時間の補完も検討に値する。
ビジネススクールの関係者が、国際標準のモデルを改めて認識することが重要だろう。

 ビジネススクールが国際標準を上回ろうとすれば、学生は困難な体験をすることになる。

困難な体験と引き換えに、どんな組織でも力を発揮できるMBAが生まれることを切望する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 当欄は投稿や寄稿を通じて読者の参考になる意見を紹介します。

〒100-8066 東京都千代田区大手町1-3-7日本経済新聞社東京本社「私見卓見」係またはkaisetsu@nex.nikkei.comまで。

原則1000字程度。
住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記。

添付ファイルはご遠慮ください。
趣旨は変えずに手を加えることがあります。

電子版にも掲載します。


●関連日経記事:2017年9月5日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発『米ハーバードビジネススクール卒業生は「ゴールデンパスポート」を持つ』=エリート・コミュニティーの存在=』(9月4日付)

●関連日経記事:2017年11月12日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「祖父母が移民 異文化で育つ」=一橋大学教授 クリスティーナ・アメージャンさん=』(11月7日付)

●関連日経記事:2017年11月10日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育「人生観変わり成長」=「短期留学への挑戦」 明治大学副学長 大六野耕作=』(11月6日付)

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日経新聞 教育「人生観変わり成長」=「短期留学への挑戦」 明治大学副学長 大六野耕作=

2017年11月10日 02時41分57秒 | 教育
日経新聞 2017年11月6日(月) P.14 教育面
『短期留学への挑戦』=明治大学副学長 大六野 耕作=

『人生観変わり成長』=日本の学生、高い潜在力=脱・就活目的の勉強=

 明治大学の大六野耕作副学長によると、内向きといわれる大学生も短期留学などで人生観が変わるような体験をすると驚くほど成長するという。


 日本学生支援機構によると、大学などが提供する留学の70%は3カ月未満の短期留学である。

明治大学も例外ではない。
昨年度の海外留学者1524人のうち約千人(65%)が短期留学だった。

 明治大学は2009年、「国際化拠点整備事業(グローバル30)」への採択を契機に国際化にかじを切ったが、当初から他大学とは異なる短期留学戦略を考えていた。

外国語・文化研修ではなく、専門科目で国際的に通用する学生を育てる戦略である。

 目を付けたのがカリフォルニア大学バークレー校(UCB)のサマーセッションだ。

毎年5月末から12週間、人文・社会科学から生命科学に及ぶ600以上のコースに、UCBの学生を含む8千人が全米から集まる。

これに4千人の留学生が加わり、同じクラスで激しい競争を繰り広げる。

1セメスター(4カ月)の授業を、1セッション6週間(週5日)でこなすのだから、米国人学生でさえ音(ね)をあげる。

 授業が始まると、学生たちからは悲鳴に近いメールが飛び込んでくる。

 「議論についていけない。 毎日100ページの論文はこなせない。 バークレー校の学生は優秀過ぎる。 もうダメです」。

こんなメッセージを2週間ほど送り続けた女子学生がいた。

セッションも終わりに近い8月初旬、UCBで彼女に出会った。
私を見つけるなり駆け寄って来て「先生、Aです。 3科目ともAですよ」。

自信にあふれた声にはひ弱さのかけらもなかった。

 最初は大きなショックを受けたという。
ディスカッションに加われない。

体重が7キロも落ち一時は帰国さえ考えた。
しかし、精神的に追い込まれて気持ちが変わった。

苦しくてもやるだけ。
それからは毎日、オフィスアワーで教員を質問攻めにした。

学生同士の勉強会にも参加し、試験前1週間は図書館に泊まり込んだ。
終わってみればGPA(成績評価値)4.0、トップの成績だった。

    ◆    ◆

 本学は6年前から学生をUCBに派遣し、現在は全学から毎年約30人が参加する。

UCBの単位は本学でも認定されるが、単位数が増えると授業料もかさむため(16単位で90万円)、今年から1人最大100万円の助成制度を整えた。

 世間では「内向き」で「勉強しない」大学生というイメージが強いが、実は日本人学生の潜在能力は極めて高い。

世界の学生と競い合う中で一度は挫折しても、挫折をバネに立ち上がれば驚くほどの力を発揮する。

この6年間でUCBなど米国5大学に150人を派遣したが、参加者の約4割がGPA3.0以上の好成績を収めている。

 キーワードは、Life Changing Experiences (人生観が変わるような体験)である。
国の内外は問わない。

ただ、人間関係が”周囲3メートル”の友人に限定され、他人と違う行動を恐れる若者には劇的な体験はリスクに映るらしい。

大学入学、会社への就職がゴールになりがちな日本では、新たなことに挑戦する意識も生まれにくい。

 その点、日本の価値観が通じない海外では自らの殻を破って行動し働きかけない限り、相手の理解や尊敬は得られない。

グローバルな時代を生き抜く資質とはそうしたものではないか。
もちろん英語力も高いに越したことはない。

しかし、図に示すようにサマーセッションの成績と英語力の間に直接的な関係はない(添付図によると、米国5大学に派遣した大部分の学生がTOEIC675点以上であるが、GPA成績は2.0~4.0にばらついている)。

むしろ、果敢に挑戦する姿勢、専門的な知識の有無で勝負は決まる。

    ◆    ◆

 「人生観が変わるような体験」をリスクと見る学生も時代の風は感じている。
今のままではグローバルな時代に生き残れないという不安もある。

これを反映してか、留学ニーズにも変化が生じている。
海外長期インターンシップやPBL(課題解決型学習)の流れだ。

 明治大学も4年前から、オランダのロッテルダム・ビジネススクール(RBS)と提携して「プロジェクトの実行を通じて知識の獲得」を測るPBLを開始した。

TOEIC(R)765点以上で、海外のビジネス体験を希望する学生を対象に頭の柔らかさと精神のタフさを基準に選抜し、1セメスター4人を派遣する。

交換留学なので学費はかからない。

 派遣学生はRBSの学生とともに輸入プロジェクトを実施する。
会社を設立し出資者を募る。

獲得した資金で自ら商品を買い付け、宣伝・販売を行う。

販売実績・財務状況を定期的に出資者に報告し、学期末には株主総会を開き会社を解散する。

この流れの中で経済、法律、マーケティング、貿易、簿記、異文化コミュニケーションを実践的に学ぶプログラムだ。

 ある参加学生は「世界から移民が集まるオランダにきてグローバルの意味を初めて理解できた。 多様な価値観が存在する中では、自分の考えを明確に述べ議論を戦わせる中でアイデアを生み出す必要がある」と語る(=大航海時代をリードしたオランダ。 一般的な普通の学生でも母国語以外に「英語」「ドイツ語」は話せる国際性を伝統的に持っている!)。

多文化環境でもまれながら、プロジェクトをリードするまでに成長した。

 専門知識を習得し果敢に挑戦する姿勢を持てば、日本の学生は驚くほどの力を発揮する。

こう考えると、学生には「就活」にとらわれず勉強し、「人生観が変わるような体験」を思う存分してもらいたい。

 企業の採用担当者から「就活のわな」という言葉を聞いた。

自分が「何をしたいか」が曖昧(あいまい)なまま、企業に「入ること」だけが目的になっているという意味だ。

 現在の「就活」は企業にとっても大学にとっても、グローバルな人材を育てるうえでの足かせになっていないか?

企業と大学が共に知恵を絞り、学生が「就活のわな」にはまらない方策を真剣に考える時ではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
=ポイント=
『厳しい学習環境 変化に欠かせず』


 とにかく1度でも海外を体験させれば学生は変わるーー。
短期留学で学生の海外体験を後押しする大学が増えている。

 明治大学もそうした大学の一つで、大六野副学長は「短期のサマーセッションで学生は驚くほど成長する」と語る。

 ただ、そのためには短期留学が単なる物見遊山(ものみゆさん)に終わらないように、留学先での厳しい学習環境も欠かせない

(横)


●関連日経記事
:2017年10月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 健康「細部から距離置き考える」=こころの健康学=』(10月9日付)

●関連日経記事
:2017年1月18日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 英語『英語を「話す」と「書く」の溝』=立命館大学准教授 山中司=』(1月17日付)

●関連日経記事:2017年11月10日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 健康「車いすの96歳 動かす夢」=「こころの健康学」 認知行動療法研修開発センター 大野裕=』(11月6日付)

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日経新聞 教育『島根県も参加、「留学」誘う』=都内の高校入試相談会=

2017年10月17日 11時04分41秒 | 教育
日経新聞 2017年10月16日(月) P.16 教育面
連載『挑む』

『島根県も参加、「留学」誘う』=都内の高校入試相談会=

 東京都内の塾団体などが主催する高校入試の受験相談会に出かけた。

 毎年、生徒募集にしのぎを削る私立高校と都立高校が隣り合わせに相談の窓口を並べる珍しい会だが、受験生や保護者には便利な催しで、年々参加者が増えている。

今年は都内の3会場で1万人に迫る勢いだ。

 訪れた東部の会場では私立56校、都立42校の先生が文字通り呉越同舟で大勢の質問に答えていた。

学校別の掲示を道しるべに、塾生が志望する学校の相談待ちの列の長さを確かめていると、会場の片隅に「しまね留学」という文字を見つけた。

主催者の一人が「島根県からも来てるんですよ」と言っていたことを思い出し、相談者が途切れた時を見計らって説明を聞いた。

 島根県は全国の中学生を対象に、親元を離れ自然豊かな環境で高校生活を送る「しまね留学」を募集している。

県立高校の多くは小規模校なので、丁寧な少人数指導が自慢。
町が点在していて交通の便が悪いため公立高校の寮の数は全国トップだ。

都会とは真逆の環境を売りに、来春は県立高校の半数以上にあたる19校が県外生を募集する計画だという。

 県外募集が本格化した5年前から相談会に参加している。

学校単位ではなく、県主導で進めているのが特徴で、今春の県外からの入学生は184人にまで増えた。

出身地は兵庫県や大阪府など関西圏が多いが、東京からも13人が入学している。

 「町に高校がなくなると地域の活力もなくなります」。

統合された高校の新任校長は、少子化が進む中で、統合や再編成だけでは地域はよみがえらないと強調した。

 県外からの応募には一定の条件があるが、町には都会からUターンした学校のコーディネーターが多くいて相談に乗ってくれる。

入学後も、無料の学習塾を運営したり、インターネットでの交流授業を企画したりと学校を盛り立てている。

 都会の生徒を教えているだけでは見えないものを見つけた一日だった。

(平)


●関連日経記事:2013年8月19日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「島根・隠岐島前高校に『島留学』しませんか」=豊かな自然など人気=』(2013年8月18日付)

●関連日経記事:2015年1月29日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「過疎地の教育 遠隔支援」=徳島・上勝町、神山町にオンライン塾=』(2015年1月28日付)

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日経新聞 教育「私大の授業料 平均86.8万円」=最高は歯学部で約316万円、最低は神・仏教学部の約71万円=

2017年09月28日 03時12分07秒 | 教育
日経新聞 2017年9月27日(水) P.42 社会面
『私大の授業料 平均86.8万円』=15年度、4年連続増=

 2015年度に入学した私立大学生が支払った授業料の平均額は86万8447円で、前年度から0.5%増えたことが26日、文部科学省の調査で分かった。

授業料増は4年連続。

 調査は全国の578校を対象に実施した。

入学金は1.9%減の25万6069円、施設整備費は0.9%減の18万4446円で、実験実習料などを合わせて入学初年度に支払う合計額は143万8571円となり、0.2%増えた。

 学部別で、授業料が最も高かったのは歯学部で316万7038円。
次いで医学部が273万206円、薬学部が143万8215円だった。

逆に最も安かったのは、神・仏教学部の71万520円で、社会福祉学部の73万6889円、法・商・経済学部の73万9608円と続いた。


●関連日経記事:2017年9月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「奨学金利用で専門家が全国の高校にて助言」=仕組みや資金計画を講義=』(9月23日付)

●関連日経記事:2015年2月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育「教育格差が未来を奪う」=やまぬ機会不平等の連鎖=』(2015年2月15日付)

●関連日経記事:2015年4月5日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育「私大生仕送り 14年連続減」=過去最低更新、月8万8500円=』(2015年4月4日付)

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日経新聞 教育「奨学金利用で専門家が全国の高校にて助言」=仕組みや資金計画を講義=

2017年09月28日 02時35分00秒 | 教育
日経新聞 2017年9月23日(土) P.21 マネー&インベストメント面
連載『クローズアップ』

『奨学金利用で専門家が助言』=認定FP2600人を高校に派遣=
「仕組みや資金計画を講義」


 子どもの大学進学に国の奨学金の利用を考えていますが、将来の返済が心配です。
制度や資金計画について専門家が助言してくれる仕組みが始まると聞きました。

どんな内容ですか。



 国は今秋から「スカラシップ・アドバイザー」と名付けた専門家を全国の高校などに派遣する。

研修を受けたファイナンシャルプランナー(FP)をアドバイザーに認定、学生や保護者に対して奨学金制度や進学・卒業後の資金計画などの講義をする。

制度を理解してもらい、奨学金の適切な利用につなげる狙いだ。

 応募できるのは日本FP協会が認定するCFPやAFPなど、運営主体の日本学生支援機構(JASSO)が当初1870人の定員で募集したところ、約3200人が申し込んだ。

研修は9月までの予定だったが、10月も追加で実施する。

 アドバイザー派遣の背景には国の奨学金が大きく変わったことがある。

2017年度から返済不要の「給付型」が新設されたことに加えて、これまでの「貸与型」も無利子タイプを中心に改正された。

卒業後の返済も所得に応じて金額が変わる「所得連動返還」が導入されるなど、制度全体で複雑さが増している。


 JASSOが運営する国の奨学金は大学・短大生の2.6人に1人が利用し、貸与金額は年間1兆円を超える。

一方で延滞金額は一時期より減ったが880億円に上り、3カ月以上延滞者も16.5万人いる(15年度)。

 制度の理解が不十分なことから、借り過ぎたり返済に対する認識が甘かったりする例もある。

学生や保護者への説明は主に学校が担っていたが、「家計のプロ」である専門家が出向くことにした。

 JASSOは「学生には入学後や社会人になってからの資金計画を意識し、その中で奨学金の必要性や金額を考えてほしい」という。

FPであるアドバイザーは奨学金制度の説明に加えて、資金計画やお金の知識についても助言する。

 研修(養成プログラム)では奨学金制度の説明のほかに、資金計画を交えた模擬授業に力点を置いた。

9月中旬に都内で実施した研修には230人のFPが参加。

模擬授業では高校などでの出張授業の経験が豊富なFP(パーソナルファイナンス教育インストラクター)が講師を務めた。

 授業のポイントは①進学にかかる費用 ②奨学金制度の手続き・活用法 ③入学後と社会人になってからのライフプランの明確化 ④お金の知識を身につけるーーの4つ。

研修の最後に確認テストを受けて、合格者がアドバイザーに認定される。

 秋以降、延べ2600人が学校や教育委員会、PTAが主催する進学説明会などに派遣される予定。

場合によっては個別相談も受ける。
新たな活躍の場を得たFPだが、学生の将来に影響するだけに役割は重い。


●関連日経記事:2015年2月17日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「教育格差が未来を奪う」=やまぬ機会不平等の連鎖=』(2015年2月15日付)

●関連日経記事:2016年12月21日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「奨学生を支援する財団」=児童施設にランドセルを寄贈する伊達直人など=』(2016年12月20日付)

●関連日経記事:2017年9月28日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育「私大の授業料 平均86.8万円」=最高は歯学部で約316万円、最低は神・仏教学部の約71万円=』(9月27日付)

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日経新聞 教育「時間配分や解く順番学ぶ」=「魔王席」で試験テク=

2017年09月24日 05時34分15秒 | 教育
日経新聞 2017年9月18日(月) P.18 教育面
連載『挑む』

『「魔王席」で試験テク』=時間配分や解く順番学ぶ=

 6年生の夏期講習からは全科目・全分野の総復習が始まり、理解度を確認するための確認テストや再テストを実施する回数も増えてくる。

 こうしたテストは単に理解度をチェックするだけでなく、時間配分や問題の取捨選択、問題用紙と解答用紙の使い方を指導する貴重な機会でもある。

 しかし25人前後の子供がいると、机間巡視ではなかなか細かな指導はできない。
そこで教卓の横にテーブルと椅子を3つ置くことにした。

人呼んで「魔王席」。

テストごとに2人ずつ指名して、魔王様(私)の両側に座らせ、「監視+指導」をするのだ。

 毎回15分ほどの時間だが、じっと見ていると鉛筆運びの癖など、いろいろなことが見えてくる。

例えば左利きの子は自分の手が計算式を隠す形になり、長い計算問題を解くときにミスをしやすい。

問題式の下に計算用紙を置いて計算するように指導した。

 「その問題は後回し」「問題の指示を読み飛ばしているぞ」「それは分数に直して計算する」などと、いきなり魔王様のお小言が飛んでくるので、指名された瞬間から緊張して半泣きになる子もいる。

むやみにビビらせても逆効果なので、優しい言葉をかけると、目に涙を浮かべて素敵な笑顔を返してくれる。

 「魔王様のヒントでパット解き方がわかることがあるからすごくいい席なんだよ!」と母親に自慢した子もいた。

母親は「『それって成績が悪いから指名されるんでしょ? 喜んでちゃダメじゃない』といったんですが、娘は魔王席に呼ばれるのがとってもうれしいみたいで」とあきれていたが、半泣きになった子も、指名を大喜びした子も、講習明けのテストでは好成績をとった。

 集団授業はどうしても一対多数の一方向的講義になってしまうことが多い。

せいぜい週に1回程度しか順番は回ってこないが、魔王様の横でテストを受けるわずかな時間が、緊張感や授業のメリハリを生み出しているのかもしれない。

(後)


●関連日経記事:2017年5月17日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「正解より大切なこと」=高校2年では、応用につながる思考力を=』(5月16日付)

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日経新聞 教育「若者の整備士離れ 防げ」=スバル:研修コースを新設=

2017年09月15日 10時34分32秒 | 教育
日経新聞 2017年9月13日(水) P.14 企業1面
『若者の整備士離れ 防げ』

『スバル: 研修コースを新設』=オートバックス: 短期間の集中講座=

 自動車の整備士不足が深刻化する中、販売店や車用品店が専門人材の育成に乗り出す。

2018年からSUBARU(スバル)は研修コースを新設するほか、オートバックスセブンも短期間の集中講座を開く。

最近の新車は電子制御が進み、技術力のある整備士確保が喫緊の課題となっており自動車業界全体で整備士の質と数の確保を急ぐ。

 16年の自動車整備士数は33万4655人で、5年で1万人超減った。
同年の自動車専門学校への入学者数も約6千人で10年で半減した。

人口減少に加え若者の車離れも影響し、新たな成り手が少なくなっている。

 スバルは18年に新たな研修コースを開設する。
販売店の東京スバルで働く整備資格を持たない整備士が対象。

受講者は週末は販売店で働き、平日は研修センターで学習する仕組みを想定する。

入社して1年程度で基本的な点検ができる自動車整備士の3級資格を取得できるようにする。

 東京スバルは3級がすぐに取得できる整備学校の卒業生や自動車科卒の高校生を採用してきた。

しかし足元では一般の高卒採用を増やさざるを得なくなっており、入社後の研修体制を改める。

 オートバックスセブンは全国の自動車整備振興会と組み、18年から短期間の集中講座などで資格取得をサポートする。

高校を卒業した社員を対象に、資格試験直前に1カ月間の短期集中プログラムを開催する。

 オートバックスの集中講座では対象者は講習の期間外は店舗で働きながら資格試験に備えられる。

働きながら2級整備士の資格を取得しやすくする。

福岡県を皮切りに5年で5つの整備振興会との連携を目標にしており、2級資格の取得者を年500人程度出せる体制を目指す。

 解体を伴うような本格的な整備には2級資格が必要になる。
2級は3級資格の取得に加え、4年の実務経験が求められるなどハードルが高い。

 即戦力となる専門学校の卒業生が減少する中で、奨学金によって学生を囲い込む動きも出てきた。

全国に約500店の車検チェーン店を展開するコバック(愛知県豊田市)は、専門学校と連携し学生向けの奨学金を始める。

日本自動車大学校(千葉県成田市)の入学者が在学中に必要な学資や諸経費、最大280万円を負担する仕組みを17年から始めた。

 就労後、コバックが日本自動車大学校に奨学金分を返済する。
同社のフランチャイズ店のうち20社が参加を決めている。

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