日経新聞 人物紹介「起業家、19歳で政府有識者に」=GNEX代表 三上洋一郎氏=

2017年09月12日 06時49分45秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年9月9日(土) P.6 総合5面
連載『このヒト』

『GNEX代表 三上洋一郎氏』=起業家、19歳で政府有識者に=

 安倍晋三首相が掲げる「人づくり革命」の有識者会議の議員に若干19歳の若さで選ばれた。

経営者と大学生の二足のわらじを履(は)く。

学校を卒業してすぐに就職することが一般的だが、「海外経験を積んで就職するなど多様なキャリアを積むことができる社会を目指したい」と語る。

 中学生だった13歳の時、空室が増えているという親戚の話をヒントに民泊サービスを思いつきビジネスコンテストで特別賞を受賞した。

起業支援会社のサムライインキュベート(東京・品川)から500万円の出資を受け、15歳でデジタルマーケティングを手掛けるGNEX(同)を起業した。

 「同級生が好むゲームの話よりも、何億円のお金が動く世界の方が楽しかった」と振り返る。

高校は1年で退学。
2年間事業に集中してから慶應義塾大学に入った。

学業と両立しながら、GNEXを約5千のウェブサイトを顧客に抱える企業に成長させた。

 将来は投資家への転身も視野に入れる。

年功序列や終身雇用といった「日本株式会社」の常識が崩れる中、自分の力でキャリアを切り開く新しい働き方を実践する。

(阿曽村雄太記者)


●関連日経記事:2017年9月12日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 開発「変わる米国 変わらぬ米国」=新しいことにチャレンジする「フロンティア精神を持つ起業家」とそれを容認する社会常識=』(9月9日付)

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日経新聞 人物紹介「中田英寿さんの地方創生」=「日本酒セラー」開発で日本酒を世界に発信=

2017年09月10日 19時04分08秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年9月7日(木) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『中田さんの地方創生』

 最近、ある会合で元サッカー日本代表選手の中田英寿さんのお話を聞く機会があった。

 2006年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会後に現役を引退した中田さんは世界や日本を放浪し、行き着いたのが日本酒だった。

今やかってサッカーに注いだのと同じくらいの情熱を、日本酒の世界への普及に注いでいるという。

 欧米では和食ブームで、日本食レストランでは日本酒も提供されているが、酒を単なる和食の添え物以上の文化として世界に理解してもらおうというのが中田さんの取り組みだ。

 その一つが「日本酒セラー」の開発だ。

ワインは品質が劣化しないように温度を管理するワインセラーがあるのに、日本酒にはない。

海外のレストランでも温度管理が十分でなく品質が悪くなった日本酒を出している例も多いという。

 日本の蔵元には、温度など品質管理ができないため海外に販売するのをためらうところもある。

フランスのワインが世界に普及したのも、温度管理のできるワインセラーが使われ始めてからだという。

 問題に気づいた中田さんは国内企業と組んで日本酒セラーを開発した。
和食以外のレストランでも日本酒を提供しやすくするため専用グラスも考案中だ。

 酒文化輸出にかける中田さんのアイデアは尽きない。

 日本政府も最近は日本の農産物や食文化の輸出振興の旗を振っている。

7月に欧州連合(EU)と大枠合意した経済連携協定では、日本に入ってくる欧州産ワインの関税撤廃が注目されているが、日本から欧州に輸出する日本酒の関税もなくなる。

日本酒輸出にとっては追い風だ。

 農産物や酒の輸出というと、生産者の利益にばかり目が行きがちだが、日本酒のセラーやグラスのように周辺製品まで広げれば経済波及効果はもっと大きい。

 中田さんは国内300以上の酒の蔵元を訪問してその潜在力に気がついた。
日本酒に限らず日本の地方には世界に出せるモノがまだたくさん眠っている。

 生産者だけではなかなか気が付かないその魅力を発掘、そのインフラも整理して世界に紹介する。

中田さんのような「仲介者」が増えてくれば、政府のお金に頼らずとも、地方はもっと元気になるのではないだろうか。

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日経新聞 人物紹介『釧路の魅力 ネットで発信 市民団体「クスろ」代表 夏堀めぐみさん』=Uターンで地元を再発見=訪ねたい面白い人を紹介=実際に会うツアーも実施=ウェブサイト『クスろ港』で発信中=

2017年09月05日 09時43分20秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年9月4日(月) P.15 18歳プラス面
連載『新興人図鑑』=「釧路の魅力 ネットで発信」 市民団体代表 夏堀めぐみさん=

『「クスろ人」で街に人呼ぶ』=Uターンで地元を再発見=訪ねたい面白い人を紹介=実際に会うツアーも実施=

 「睡眠時間2時間」「フェイスブックのフォロワーは2万人」。

北海道東部の釧路市にこんな伝説を生む女性がいる。

 市民団体「クスろ」代表の夏堀めぐみさん(31)。
普段は実家のラーメン店で働く庶民的な女性だ。

自身の伝説について「本当ですか」と屈託ない笑みを浮かべる。

 「クスろ」は「会いに行きたい人がいる街、釧路」を全国発信するため2014年4月、高校時代の親友、名塚ちひろさん(31)と立ち上げた団体。

名前には「クスっと笑って過ごせる街」という思いを込めた。

 高校時代はハンドボール部主将、札幌の大学では、YOSAKOIチーム代表として、勝利にこだわる人から友人探しに来た人までモチベーションが違う部員約100人をまとめる日々。

他大学と合同の運営スタッフも務め「どうやったら楽しんでもらえるか。人のことばかり考えていた」。

 卒業後はニトリに就職、札幌で普通の社会人生活を送っていたが、転機は入社約3年後に訪れる。

実家の店で働き手が足りなくなった。
ちょうど社会人として自己実現できない自分にもやもやしていた。

 「実家で働けば皆が幸せになれる」。
迷わずUターンした。


 店では様々なお客さんと接する機会に恵まれた。

リピーターを増やすため、いかにお客さんに満足してもらうかに集中したが、最初は「空き時間にどこへ行ったら良いか」と聞かれても、街のことなど分からない。

逆にお客さんから聞いた場所に行ってみると面白かった。

群馬県から毎年フクロウの撮影に訪れるお客さんからは「世界中探してもこんな街はない」と言われた。 

「釧路ってそんな街だったんだ」。
関心は街へと広がった。

 伝えられる情報が少しずつ増えてきた時に、案内とか接客とか不十分なところも見えてきた。

「せっかく来たのに釧路は最大限喜んでもらえる街じゃないんじゃないか」

 そんな思いを抱き始めていた13年9月、東京に就職していた名塚さんが一時帰省し、馴染みの居酒屋で会った。

「釧路はいいところもあるけど、札幌とか東京の友達に「来て」って言えないんだよね」。
午前3時まで思いをぶつけた合った。

それから毎日、釧路・東京間で議論した。

「もう1回会ってみたいという体験をさせてくれる人を発信し、実際に会ってもらい、その人がいるからもう1回行く。 そんな街をデザインしたい」

 「クスろ」は14年9月、魅力的な人を発信するウェブサイト「クスろ港」を開設した。
お客さんの情報をもとに面白そうな人への取材を重ね「クスろ人」として紹介する。

その面々は九州の大学の先生が「話が興味深く、一日中いたい」と感激した古本店店主、世界から観光客が来る鶴居村の自然がイドら24人にのぼる。

 16年度は魅力的な人に実際に会う1泊2日の「ひとめぐりTOUR」を2回開催、場作りへと発展させた。

各回東京や札幌から十数人が参加し、ほとんどが「また来たい」との感想を寄せた。

 クスろは昨年釧路にUターンした名塚副代表ら社会人4人を中心に活動。
釧路在住の外国人が自国料理を提供する会など多用なイベントを開催した。


5月には弁護士や大学の先生らによる団体と連携し、釧路ソーシャル大学を設立、街づくりについて市民が気軽に話し合う場を作った。

 朝7時に店に行き、午後8時半の閉店までの間の休み時間や就業後の時間を取材やイベント準備にあてる生活。

活動をしながらやりたいことも見えてきた。

「誰もが自信を持って未来予測を楽しんで暮らしていけるのが豊かな状態じゃないかな。 そんな街になるよういろいろな機会を作りたい」

▼なつぼり・めぐみ
 高校まで北海道釧路市で学ぶ。

北星学園大学(札幌市)では夏の一大イベント、YOSAKOIソーラン祭りに打ち込み、2年生途中でチーム代表に。

ニトリ勤務を経て、25歳の時にUターン、実家のラーメン店「夏堀」で働く。
2014年、高校の親友と市民団体「クスろ」を立ち上げる。

(野間清尚記者)


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就活の関連情報はこちらへ
 18歳プラス面では就職活動中の大学生の疑問や不安にこたえる記事を掲載しています。

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●関連日経記事:2016年11月18日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「ITと自然 境界溶かす」=デジタル操る「現代の魔法使い」 筑波大学助教授 落合陽一さん(29)=』(2016年11月7日付)

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日経新聞 人物紹介「猜疑心の強い独善家、トランプ大統領」=パリ協定離脱と米国 (上)=

2017年08月29日 05時30分30秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年7月24日(月) P.17 18歳プラス面
連載コラム『池上彰の大岡山通信 若者たちへ (141)』

『パリ協定離脱と米国 (上)』=透ける大統領再選の思惑=

 トランプ米大統領が6月初め、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」からの離脱を表明しました。

そこで今回と次回は、この決断から透けて見える大統領の思惑や米国が直面している課題について考えます・

    ◆   ◆

 この決断を巡っては政権内部の確執が取りざたされました。
この方針は側近の一人であるバノン首席戦略官・上級顧問が唱えていたのものでした。

これに対し娘婿のクシュナー上級顧問はパリ協定にとどまることを主張していたからです。

 トランプ大統領の就任以来、2人の対立がたびたび報じられました。

4月のシリア攻撃に際しては、「シリア問題は米国には関係ない」などの理由でバノン氏は反対。

クシュナー氏は妻のイバンカさんとともに「子どもたちを救いたい」と賛成したといわれています。

また、バノン氏が突如、国家安全保障会議(NSC)の常任委員を外れたのも、背景には政権内部の意見対立や勢力争いがあったとみられています。

 バノン氏は大統領選挙期間中、右派メディアのトップから選挙参謀として加わった異色の側近です。

米国の利益を最優先する「米国第一主義」が持論です。
そして、トランプ氏の大統領再選のキーマンといえるでしょう。

    ◆    ◆

 そもそも共和党は石油や石炭などエネルギー産業と深い関わりがあります。

温暖化ガスの削減目標を課す「パリ協定」は、エネルギー産業が被(こうむ)るダメージが大きくなります。

石炭産業を守る政策として、協定離脱は労働者に直接響くメッセージなのです。

 実際、トランプ氏らは2期目に向けて遊説を始めています。
たとえば有力な石炭産地には、オハイオ州のように大統領選の激戦州が含まれます。

選挙期間中のスローガン「MAKE AMERICA GREAT AGAIN(米国を再び偉大にする)」に続き「KEEP AMERICA GREAT(米国を偉大なままにする)」を次のスローガンに選び、すでに商標登録を申請したと報じられました。

 2018年には米連邦議会の上院・下院の中間選挙があります。
共和党は前回の選挙で民主党よりも多くの議席数を確保しました。

この勢力を維持し続けるには、有権者に受けのいい雇用を最優先する内向き政策を取らざるを得ないのです。

 というのも、トランプ氏周辺とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」の捜査次第では、政権への逆風が強まる可能性があるからです。

また、移民の入国に関する大統領令や、医療保険制度改革など前政権の政策を否定する判断を巡って州政府や国民との摩擦がさらに深刻になるかもしれません。

政権の足元を固めておきたいという思惑があるのです。

 トランンプ氏は、自分の周囲にいる人々を大きく3つに分類して見定めているように思えます。

それは「家族」「使用人」「敵」だといわれています。


この視点に立てば、米連邦捜査局(FRB)のコミー前長官は「使用人」から「敵」になってしまったということなのでしょうか。

 随分とシンプルで分かりやすい人間関係の軸といえます。
本来大統領は有能な複数のブレーンを使いこなさなくてはならないはずなのですが。

 次回は、米国内で懸念されている科学軽視とも受け取れる動きについて考えます。


●関連日経記事:2017年1月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照 
 日経新聞 人物紹介「トランプ氏は不動産業者でありビジネスマンではない」=アーミテージ元米国務副長官=』(1月26日付)

◆父さんコメント:
 トランプ氏は家業である不動産業を営んでいる。

事業規模は大きくても、中身は個人商店であり、組織で動く会社ではない。
つまりトランプ氏は組織を動かした経験はない。

不動産取引は、「ディールが得意」というトランプ氏の言葉通り、取引は長期に継続的なものではなく、短期で1回1回で完了する特徴がある。

つまり、ディールをする当事者は「ゼロサムゲーム」方式で、相手に勝つことだけに注力する。

双方の当事者は、長期に取引関係を維持する考えは念頭にない。
該当する物件だけの取引で終わる性格をもつ。

これらのビジネス成功体験がトランプ氏の行動の基本になっている。
池上氏の指摘もむべなるかな、である。

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日経新聞 人物紹介「ロシア駐米大使アントノフ氏」=前任は「大物スパイ」と呼ばれたキスリャク氏=

2017年08月24日 02時59分34秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年8月22日(火) P.9 国際2面
連載『ダイジェスト』

『ロシア駐米大使アントノフ氏』

 ロシアのプーチン大統領は21日付の大統領令で、アナトリー・アントノフ外務次官(62)を駐米大使に任命した。

 前任の大使だったセルゲイ・キスリャク氏は米大統領選干渉疑惑の中心人物ともいわれる。

トランプ大統領の娘婿クシュナー氏らとトランプ政権への移行期に面会したことが発覚。
メイメディアから「大物スパイ」と呼ばれた。

(モスクワ=共同)

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日経新聞 経済「投機か預金 育たぬ投資家」=動かぬ個人資産1800兆円 ①=

2017年08月16日 01時52分49秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年8月14日(月) P.2 総合・政治面
特集連載『迫真』

『動かぬ個人資産1800兆円 ①』=投機か預金 育たぬ投資家=

 スマートフォンの画面に表示されていた金額は9ケタだった。

 都内のIT企業に勤める34歳の男性会社員は3年半前、保有していた株と不動産を売却し800万円を仮想通貨につぎ込んだ。

「ビットコイン」と「イーサリアム」の時価は昨年後半から急上昇し今年5月には保有額が3億円を超えた。

40倍もの値上がりだ。

ビットコインの分裂騒動で6月以降に相場が下がったが、再び買いに転じる機会をうかがう。

「仮想通貨は値動きの激しさが魅力だ」と男性は話す。

    ◆    ◆

 7月18日、東証マザーズに上場したばかりのソウルドアウト株を売却した都内の30代男性は、2営業日で130万円の売却益を手にした。

ソウルドアウトはインターネットを活用した営業支援を手がけるが、事業内容や将来性に着目して買ったわけではない。

頼るのは上場後の値動きだけだ。
この男性は自らを「投資家ではありません。 投機家(=バクチウチ)です」と称する。

運用成績が年間でマイナスになったことはなく資産は億単位に膨らんだ。

 4月17日、東京・大手町の経団連会館で開かれた信託大会。

あいさつに立った金融相の麻生太郎(76)は「低金利の中で預金が増えているのは信託業界がだらしないからだ」と苦言を呈した。

 日本の個人金融資産は1800兆円と30年前から倍増した。

マイナス金利政策による超低金利下でも、個人の資産は市場に向かわず(超低金利の=)銀行の金庫で眠る。

株の短期売買や仮想通貨など先鋭化する一部の個人に対し、大半は投資と距離を置く。

 「株はもう二度とやりたくない」。
7月8日、金沢市で開かれた投信フォーラムを訪れた主婦の市原京子(68)は話す。

40年前、大手証券の営業マンに勧められて買った日立ツール(現三菱日立ツール)の株で大きな損失を出し株式投資を封印した。

資産のほとんどは農協に預けている。

 金沢市の女性会社員(43)は「投資はよく分からないし怖い」。

この日のお目当ては世界的に著名なパティシエ、辻口博啓(50)による「スイーツによる経済学」という特別公演だった。

 日経平均株価はバブル絶頂だった1989年12月に3万8915円の最高値を付けた。

その後は長期にわたり低迷しリーマン・ショック後の2008年10月には7162円とピークの2割以下まで下げた。

短期売買を推奨する証券会社の営業姿勢も追い打ちをかけ「投資は損をする」との先入観が個人の心理に植え付けられた。

    ◆    ◆

 だが預金だけでは豊かな老後は築けない。

フィデリティ退職・投資教育研究所によれば退職後に金銭面の不安がある人の比率は5割を超える。

6割は退職前に十分な資産形成をしておけばよかったと後悔している。


 「このままだと客が相当、減ってしまう」。

東海東京フィナンシャル・ホールディングス社長の石田建昭(71)は証券業界の悩みを語る。

対面型の証券会社では顧客の平均年齢が上がり相続などに伴い証券市場から退出いていく時期が迫っている。

若い世代に投資を浸透させなければ客が本当にいなくなってしまう。

 「これで米国の背中がさらに遠のいた」。
6月6日、市場のあちこちで失望の声があがった。

 600万人以上が加入する企業型の確定拠出年金(DC)。
厚生労働省は初期設定となる商品選定を進めてきた。

元本を保証しないリスク商品である投信が初めて選ばれるとの市場の期待はこの日、空振りに終わった。

 初期商品に選ばれれば加入者が自分で変更しない限り、年金は投信で運用される。
投資に関心を持たなかった人が運用の意義に気付く契機になるはずだった。

「投資は危ないと考えた経済団体が最後に巻き返したのではないか」(証券大手幹部)との恨み節が漏れる。

 「もうかるもうからないではない。 100年の計を決めるつもりで取り組むべきだ」。

7月24日、日本証券業界の会長に就いた鈴木茂晴(70)は都内で開いた就任パーティーで若者への積立投資の普及を訴えた。

「貯蓄から投資」という言葉だけが躍り「50年以上、何も変わっていない」という現状に危機感を募らせる。

 日本株の個人の保有比率は3月末時点で17.1%と過去最低を更新してしまった。
投機と預貯金という2極に分かれ未来に向けて資産を増やす普通の投資家が育たない。

日本の投資文化は変わるだろうか。

    ◆

 1800兆円もの金融資産はなぜ動かないのか。
個人の資産運用の現場に密着し理由を探る。


●関連日経記事:2017年7月16日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介『「普通の人を楽にリッチに ①②」 発端は金融資産の日米格差』=ウェルスナビ社長 柴山和久さん=』(7月10日付)

●関連日経記事
:2017年8月12日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済『「止まらぬ相続・金融商品からの現金化」=「相続1000兆円時代へ」 (下)=』(8月11日付)

◆父さんコメント:
 「30代で「億万長者」の資産家に!!」

話題になりやすいキャッチフレーズだが、40代でも資産家でいてるかどうかは大いに怪しい。

2012年の安倍政権の金融緩和政策以降に株式投資を始めた人は大半が成功組だ。
しかし、それ以前の株式投資家の多くは損失を抱えた苦い経験を持っている。

ゼロサムゲームの株式投資。
右肩上がりの株価があり得ないのは歴史が示す通り。

また、「投機家」が財を成したことがないのも歴史の示す通り。

甘い話に安易に乗って、人生を棒に振るのはバカバカしい。
まじめに働いて、自社の株式を購入し、会社の発展とともに資産を増やすのが本道だ。

楽してカネを儲けようなどと考えること自体が負け人生に足を踏み入れた証拠!!
不断の努力と向上心こそが人生を豊かにする基本だ。

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日経新聞 人物紹介「日銀で政策運営に道しるべ」=「経済理論 生きた政策に ③」 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=

2017年08月10日 16時35分51秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年8月9日(水) P.31 くらし面
連載『人間発見』=「経済理論 生きた政策に ③」 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=

『日銀で政策運営に道しるべ』=「物価安定の目途1%」成果=

 2005年に東大教授から日銀の審議委員に起用され、08年に副総裁に就いた。

 審議委員時代は、01年以降の量的緩和政策の解除に注目が集まっていた時期です。
解除には3つの条件がありました。

そのうちの1つは消費者物価指数の上昇率が基調的にゼロ%以上になること。
私が審議委員になった05年、10~12月の物価上昇率はゼロ%以上でした。

他の条件も踏まえた結果として、06年3月に量的緩和を解除しました。

 その後、消費者物価指数の対象品目を見直す基準改定で物価上昇率がマイナスになり、解除は時期尚早だったとの議論が出ました。

けれども、これは的外れです。
金融政策の見直しにあたり、データはリアルタイムで見なければなりません。

そうでなければ、政策が恣意的(しいてき)だと誤解を生じかねません。

 さらにいえば、当時は量的緩和の解除以上に、金融政策の透明性を高めることが重要な課題でした。

そこで日銀の政策委員(総裁、副総裁、審議委員で構成)が「物価が安定している」と考える物価上昇率を公表。

政策委員9人の予想の中央値は約1%でした。

 これは「道しるべ」です。

インフレ目標ではありませんが、恣意的で裁量的な政策をしているのではなく、「道しるべ」を持って金融政策を運営していることを示すべきだという思いがありました。

そうすれば市場や企業、ひいては家計の運営でも政策を読み間違えることから生じるノイズ(=政策意図に反する企業行動や市場行動)を小さくできる。

国民生活の向上につながります。

 私はこの経験をテコに、政策の予見性をより高めるインフレ目標について国民的議論を進めるべきだとの考えでした。

一部学者の誤解、08年のリー、マン・ショックや11年の東日本大震災への対処で議論が進まなかったのは全くもって残念でした。

 ただ12年にインフレ目標に近い「物価安定の目途1%」を導入しました。
物価上昇率1%を目途に追加的手段を講じるという政策の方向性を示すものでした。

理論と現実を踏まえ正しいと思う政策でも、(政策立案側と市場との=)コミュニケーションがうまくできなければ実効性はありません。

その意味で1つの成果だと考えています。


 東日本大震災後の11年4月、副総裁の立場で金融緩和策を1人で提案し、否決された。
「西村の乱」と言われた。


 震災前から感じていた、金融緩和が必要との思いを一段と強くし、政策担当者として意思を明確にすべきだと考えました。

結果はある程度予想できましたが、追随者がゼロだったことには少しがっかりしました。
もっとも、政策の現状維持の決定後は、副総裁として執行部を支えると決めました。


●関連日経記事:2017年8月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介『賃貸経営と奨学金で東大へ』=「経済理論 生きた政策に ②」 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=』(8月8日付)

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日経新聞 人物紹介『賃貸経営と奨学金で東大へ』=「経済理論 生きた政策に ②」 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=

2017年08月10日 09時30分45秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年8月8日(火) P.32 くらし面
連載『人間発見』=「経済理論 生きた政策に ②」 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=

『賃貸経営と奨学金で東大へ』=米に留学、価格硬直性に着目=

 1953年、東京で生まれた。

麻布中学・高校に進み高1の時に父が逝去(せいきょ)。
71年に東京大学に入学した。


 大学に入学するころ、経済学者として生きていく決意を固めました。

当時は母と兄と私の3人暮らしで、主な収入は私が高校時代から経営をみていたアパートの賃料収入でした。

大学時代は国から奨学金をもらいましたが、金銭の問題は常について回り、大学院入試で試験官に「大学院進学の費用は大丈夫か」と心配されたほどです。

海外留学も同級生から2年遅れました。
ただ経済学の中心は米国。

生前の父に知的世界で一流になれと言われていたこともあり、留学は、はずしがたい選択肢でした。

最終的には村田機械(京都市)の奨学会から奨学金をいただき、78年、米エール大学に留学しました。

 エール大には数理経済学でノーベル経済学賞を受賞したチャリング・クープマンス教授がいました。

私は算数が得意ではありませんでしたが数学の美しさに憧れていました。

麻布は数学教育のレベルが高く、あることを導くための前提は少ないほど望ましく、そうした数学的な構造を理解することが重要と学んだからです。

 クープマンス教授には一度だけ研究内容を説明する機会を得ました。

私が黒板に1行書くたびに「What is this?」と聞かれ、かなりしんどかった記憶があります。

クープマンス教授に師事すると、博士号を取るのに10年かかるといわれていましたが、納得しました。

 博士論文の指導教授はジェームズ・トービン教授でした。
私の在学中の81年、投資理論などの業績でノーベル経済学書を受賞しました。

博士論文では需給の変動に価格が反応しないといった価格硬直性の問題を取り上げました。
「教科書」的な問題ではなく、現実に根ざした問題にチャレンジしようと思ったからです。

トービン教授は、私の話を一生懸命聞いてくれようと片耳をどんどん近づけ、最後は教授の大きな耳しか見えなかったことを覚えています。


 帰国後、東大経済学部助教授に就いた。
博士論文のテーマだった価格硬直性について、新たな研究を始めた。


 人々は利用できるすべての情報を効率よく使い、将来を予測し行動するという「合理的期待形成理論」に関心が移りました。

経済学の基本原理から派生した理論です。

これによって、不確実な世界では、競争が激しくなればなるほど企業は価格を動かせないという決論を得ました。

 この研究は「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」と呼ばれるもので、当時は見向きもされませんでしたが、後に経済学の世界で定着しました。


●関連日経記事:2017年8月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「小林秀雄と会い学者の道へ」=「経済理論 生きた政策に」① 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=』(8月7日付)

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日経新聞 人物紹介「小林秀雄と会い学者の道へ」=「経済理論 生きた政策に」① 政策研究大学院大学教授 西村清彦さん=

2017年08月10日 06時58分07秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年8月7日(月) P.25 くらし面
連載『人間発見』=「経済理論 生きた政策に ①」 政策研究大学院大学教授 西村 清彦(にしむら・きよひこ)さん=

『信頼できる統計へ力を注ぐ』=小林秀雄と会い学者の道へ=

 日本の経済統計の信頼性に疑問の声が強まっている。

政策研究大学院大学教授の西村清彦さん(64)は、総務省統計委員会の委員長として統計の改革に力を注ぐ。

理論経済学と経済統計を専門とする経済学者。
日銀副総裁なども務め、現実を見据えながら知見を経済政策に生かしてきた。


 経済社会ぱこの10年だけでも大きく変わりました。
産業界では新しいサービスが次々登場していますが、実態を正確に把握できていません。

家計では夫婦共働きで子育て中の世帯が増えました。
調査協力は負担が重く、統計精度が低下する原因になっています。

国内総生産(GDP)などの統計の精度が低いと適切な政策が実行されません。

 5月、政府の統計改革推進会議が改善策の最終報告を公表したました。
私も様々に意見を述べました。

家計などの調査負担軽減のため、調査内容を分かりやすくすることが重要です。

新サービスの実態把握は役所にも問題がありますが、情報提供を拒否する事業者の存在も課題です。

協力的でない事業者への立ち入り検査の必要性を最終報告には明記しました。


 経済学者として約40年。
学問の道に進んだのは、文芸評論家の故・小林秀雄氏と面会したことが大きなきっかけだ。


 中学2年の時です。

同級生の親戚が経営する神奈川県湯河原町の旅館に小林秀雄さんが滞在しており、友人と数人で会いに行きました。

小林さんの著書『考えるヒント』などはすでに読んでおり、「知性とは何か」という質問をぶつけました。

小林さんはそれに答えず、「知性の現れ」へと話は進みました。

話をする中で私は「真実は一通りで説明してもらえば分かる」という教科書主義的な態度の否定が知性だと気づき、知的な世界で生きることに興味を持ちました。

 そんななか、高校1年の時に父が亡くなりました。
残ったのは専業主婦の母、3歳上の兄、私の3人です。

父の会社の社宅は出ないといけません。
父の退職金などを使い自宅用に小さなマンションを購入しますが、問題は生活費です。

いろいろ考え、アパートを建て賃貸経営を始めました。
高校生なのに、不動産ビジネスをせざるを得なくなりました。


 知的世界で生きて行こうと考えていた私は、ある意味で挫折感を抱いていましたが、その頃、伊藤光晴先生(現・京都大学名誉教授)の著書『ケインズ』に出会います。

ケインズ自身の投資経験に根ざした内容でした。
現実の人間世界を相手にする学問で、かつ、金銭を扱う学問が経済学です。

「この学問なら生きていける」と思いました。

(福士譲記者が担当します)


●関連日経記事:2017年5月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介『リスクとは「危険」ではなく、「不確実性」のこと ⑤』=投資教育家 岡本 和久さん=』(5月12日付)

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日経新聞 人物紹介『人口知能はどのようにして「名人」をこえたのか?』=愛知学院大特任准教授 山本一成著=

2017年07月19日 08時25分18秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年7月8日(土) P.29 読書面
連載『あとがきのあと』

『人工知能はどのようにして「名人」をこえたのか?』=山本一成氏=
「理解超える手を指すまで」


 今年4月、公の場で初めて将棋ソフトがタイトル保持者を破った。

そのソフト「ボナンザ」を開発した30代前半の男性プログラマーが、開発の苦労を振り返りつつ、人工知能とは何かをつづった。

「ひいこらしながら作っている感じを伝えたかった」という。

 将棋を覚えたのは小学校のころ。
東大進学後も将棋部で腕を磨き、アマチュア5段までなった。

将棋にばかり気を取られたのか、うっかり留年。
ひまをもてあましていた時、将棋プログラムの開発を始めた。

情熱を傾けて開発した最初のソフトは人間にボロ負け。
試行錯誤の日々が始まる。

 この10年を振り返り、最もうれしかったのは「理解を超える手を指し始めた時」。
ソフトはまず、プロの棋譜(きふ)から学んで人間と互角に戦えるようになった。


 変化が訪れたのは数年前に「強化学習」と呼ばれる手法を導入してから。

人間の手本を使わずに、ボナンザが指した手が勝利につながったかどうかを自己学習しながらアルゴリズム(演算手法)を微調整する。

「それまでは人間の物語に内包される『良い手』を指していたが、これで完全に解き放たれた」。

好きな棋士は「特にいない」。
ソフトの方が「柔軟で自由で発想力に富む」と思うからだ。

 もっとも強化学習には膨大な労力がかかる。

同時に4台のパソコンを動かし続け、、「熱で暑いのでクーラーもガンガンにかけて、電気代がすごいことになった」とか。

1日10時間以上画面に向かう日もあった。

 開発は一段落。
今後の夢を問うと「シンギュラリティしたい」との答えが返ってきた。

シンギュラリティとは人間を超える技術的特異点のことだがーー。

 「80年代に言われていた『インターネットしたい』と同じ感じで、『シンギュラりたい』と言っている。 将棋や囲碁では超えたけれど、ほかの分野ではまだまだ。 これからどういう社会になり、どういう科学が生まれるのか、すごく興味があるんですよ」

(ダイヤモンド社・1500円)

▼やまもと・いっせい

 1985年愛知県生まれ。

東京大学大学院修了。
愛知学院大特任准教授。

プロ棋士に初めて勝利した将棋プログラム「ボナンザ」を制作

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