日経新聞 安心・安全『「不都合な真実」から目をそらそうとするのは人間の性』=言葉が躍る「原発ゼロ」選挙公約=

2017年10月13日 02時04分11秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年10月11日(水) P.1
連載コラム『春秋』

 60年前のことである。
「ウラルの核惨事」と呼ばれる事故が旧ソ連で起きた。

主に軍事用のプルトニウムを作る工場で放射性廃棄物の貯蔵タンクが爆発し、広い範囲に放射能をまき散らしたのである。

のちに国際原子力事業評価尺度(INES)でレベル6とされた。

▼東京電力福島第1原子力発電所の事故と旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に次いで史上3番目に深刻な事態だったわけである。

ところが当時の共産党政権が(軍事機密の情報漏れを恐れ=)情報を隠したため、全容がみえてきたのは事故から実に19年後だった。

国を追われた科学者ジョレス・メドベージェフ氏の報告を、英科学誌が掲載したときである。

▼旧ソ連政府が事故を認めたのはさらに後で、その間も被害は広がり続けた。
もう一つ振り返って驚くのは、かっての西側の反応だろう。

メドベージェフ氏の報告について、原子力業界から「ありえない」との声があがったのである。

「不都合な真実」から目を背けようとするのは、体制を問わない人間の性(さが)かもしれない。

▼今回の衆院選では「原発ゼロ」が争点の一つである。

とはいえ、希望の党の小池百合子代表も指摘するように、廃炉を進めるため優れた原子力技術が長く必要なのは間違いない。

いやでも応でも原子力との付き合いは続く。

情報の公開など、安全性を確保するための具体的な手立てこそ、与野党から聞きたいところである。


●関連日経記事:2016年4月14日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 アーカイブ「炉心溶融し爆発、広域汚染」=旧ソ連・チェルノブイリ原子力発電所事故=』(2016年4月9日付)

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日経新聞 安心・安全『北朝鮮が「電磁パルス攻撃」言及』=通信や電力などインフラまひ=

2017年09月25日 07時01分46秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年9月22日(金) P.31 ニュースな科学面
連載『ニュースな科学』=北朝鮮が「電磁パルス攻撃」言及=

『高空核爆発 インフラまひ』=通信や電力、対策進まず=

高空での核爆発でつくり出す強力な電磁波で通信や電力などインフラを破壊する「電磁パルス攻撃」。

北朝鮮が声明で言及したのを機に注目を集める。
情報通信技術(ICT)に依存する今の社会は電磁波による攻撃に脆弱(ぜいじゃく)だ。

実際に使われると広い範囲で長期間影響が及ぶ危険があり、対策が求められる。


 高度40キロメートルを超える高空で核爆発が起きると、放射線の影響で電磁パルスと呼ばれる強力な電磁波が生じる。

この電磁パルスが地上に到達すると、コンピューターなど電子機器を誤作動させ電子回路を壊し使えなくする。

日常生活でも病院や航空機の中では、計器に影響が出ないよう電波を発する携帯電話などの使用を控える。

核爆発では、携帯電話とは比べ物にならないほど強力な電波が上空から降り注ぐ。

 また爆発で生じた電気エネルギーの作用で、電線や通信ケーブルなどに通常の限度を上回る大きな電流が発生する。

過大な電流で変圧器や中継装置などが壊され停電が起きたり通信が途絶したりする。
原子力発電所も東京電力福島第1原発の事故の時のように外部電源を失う。

 核爆弾は十分高い場所で爆発させれば、放射線や爆風による直接的な生命の危険はないとされる。

しかし電力と通信が失われ鉄道や航空、道路交通、医療、水道、放送など社会基盤がまひし、2次的に深刻な社会・経済的被害がもたらされる恐れが大きい。

「核実験で電話障害」
 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の時代になればなおさらだ。

工場や物流もネットによる監視や制御に依存する。
停電ではエレベーターも街灯も使えない。

通信と電力なしでは生活が立ちゆかない。

 電磁パルスではなくサイバー攻撃を想定した試算だが、英ロイズ保険組合とケンブリッジ大学はニューヨークを含む米東部の15州(人口約9300万人)で停電が起きた場合の影響を見積もっている。

2週間の停電で約2430億ドル(約27兆円)の経済的損失が生ずるという。

 電磁パルスの効果は、1960年代に米国や旧ソ連が大気圏内で核実験を実施した際に確認された。

米国が太平洋上空で行った核実験で約1400キロメートル離れたハワイの電話局などに障害が発生した。

 米議会調査局(CRS)の報告書によると、高度約480キロメートルで爆発が起きた場合、半径2300キロメートルの範囲に影響が及ぶ。

米国の真ん中にあるカンザス州上空で爆発するとアラスカなどを除き北米大陸のほぼ全域に被害が広がる。

日本ならば、全国が被害を受けることになる。

 冷戦時代は米ソの相互核抑止力が働き、核兵器が使用されることはなかった。

しかし21世紀に入ってテロリストが使用するリスクが指摘されるようになり、米国でも電磁パルス攻撃への対策を急ぐべきだとする声が議会などから上がっていた。

米軍はある程度の備えがあるとみられるが、電力など民間のインフラが損なわれると軍も大きな制約を受けるからだ。

「防護策、効果は不明」
 北朝鮮の声明を受け、官房長官の菅義偉さんは「万が一の事態の備えとして国民生活への影響を最小限にするための努力が必要だ」と話し、関係省庁による対策会議を設ける方針だ。

日本では電磁パルス攻撃についてこれまでほとんど知られず、対策も進んでいない。
電気事業連合会会長の勝野哲さんは「関係省庁と連携して対策を検討していく」と話す。

 電磁パルスから通信や電力網を守るには、施設を金属製のシールドで多い過大な電圧や電流を制限する装置を要所に設置するのが効果があるとされる。

ただ、誰も経験したことがない攻撃に防護がどこまで有効かは未知数だ。

 全国くまなく備えを厚くするには大きなコストと時間がかかる。
費用をかけるだけのリスクが本当に存在するのかとの議論もあるだろう。

「優先順位を決め、重要な場所から対策を講じるべきだ」と元陸上自衛隊化学学校長の鬼塚隆志さんは話す。

 国民が電磁パルス攻撃のリスクを知り、インフラ企業などが施設が壊れた場合に速やかに復旧する体制を整えることも社会的混乱を最小限に抑えることになる。

 最良の手段は電磁パルスを生み出す兵器を使わせないことだ。

核兵器の拡散を抑え核実験を禁止する国際的な仕組みを強め、国際社会が秩序に反する国や組織に対し厳しく対応することが必要だ。

▲電磁パルス攻撃な3つの衝撃からなる

【第1波】1~数ナノ(ナノは10億分の1)秒の非常に短い電磁波による衝撃が瞬時に地上に届き、コンピューターや携帯電話など電子機器の機能を奪う

【第2波】第1波につづく強い電磁波で、避雷装置があれば装置の破壊は防げるが、第1波で避雷装置が壊されていた場合、被害をもたらす

【第3波】第1、2波に比べゆっくり到達し、電線や通信ケーブルに大電流を生み出す

▲キーワード:『電磁波対策』
 パソコン、携帯電話などの電子機器は電磁波を出す一方、他から強い電磁波を受けると誤作動を起こしたり通信が途切れたりする。

こうしたことを防ぐため、電磁波を出す回路を金属製の遮蔽物で覆うなどの対策が施されている。

 他の機器を妨害する電磁波を出したり、電磁波で故障したりしないための対策は「電磁両立性(EMC)」と呼ばれる。

国際的な規格・基準も決まっていて通常の電磁波で障害が起きることは少ない。
しかし電磁パルス攻撃の電磁波は強力で、通常のEMC対策では防げない。

(編集委員 滝順一)


●関連日経記事
:2017年9月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 安心・安全「北朝鮮による電磁パルス攻撃、何が怖い」=大停電・交通混乱も=』(9月12日付)

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日経新聞 安心・安全「過激派掃討 大詰め」=フィリピン、「イスラム国」浸透阻止=

2017年09月15日 08時47分37秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年9月13日(水) P.8 国際1面
『過激派掃討 大詰め』=フィリピン=

『「イスラム国」浸透阻止』

 フィリピン南部ミンダナオ島でのイスラム過激派に対するフィリピン軍の掃討作戦が大詰めを迎えている。

5月の作戦開始から死者数は800人を突破。
軍部隊は残る過激派の制圧と人質の奪還を目指す。

ドゥテルテ政権はテロ拡散防止に向け、インドネシアやマレーシアと連携を強める意向で、過激派組織「イスラム国(IS)」の影響力を排除できるか正念場となっている。

(本文略)

(マニラ=遠藤淳記者)


『東南ア、テロ流入警戒』=容疑者の逮捕相次ぐ=
 フィリピンの周辺国はイスラム過激派の国内への流入や台頭に警戒を強めている。

マレーシア当局は国際スポーツ大会でのテロを企てたなどとして外国人らを相次ぎ逮捕した。

ただ、テロ防止に決定打はなく、引き続き難しい対応を迫られている。

 マレーシア警察は7月から8月にかけて、マレーシア全土で19人を逮捕した。

地元紙によると、そのうち11人は外国人で「イスラム国(IS)」の幹部やフィリピンの過激派組織アブサヤフのメンバーが含まれていた。

マレーシアで同時期に開かれていた東南アジア競技大会や独立記念日の式典を狙ったテロ計画もあったといい、警察は国内外の過激派の動向に神経をとがらせている。

 シンガポール内務省も7日、シンガポール国籍の男女2人を逮捕したと発表した。

34歳の男はISやミンダナオ島の過激派組織への参加を企てたほか、知人をIS支持に感化させようとしていた。

23歳の女はインターネットを通じてISの複数の外国人戦闘員と接触していた。
 
 シンガポールでは過去に、過激派組織による中心部のオフィスビルやリゾート施設を狙った攻撃計画があったことが判明している。

大都市でテロが実行されれば被害が大きくなりかねないだけに、シンガポールなど東南アジア各国は情報収集で連携し、テロの未然防止に努めている。

 ただ、ここにきて新たな懸念も出ている。
ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの難民が増え続けている問題だ。

難民問題が長期化すれば、過激派が域内で台頭する一因になるとの指摘もあり、周辺国はミャンマーに早期解決を求めている。

(シンガポール=中野貴司記者)

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日経新聞 安心・安全「北朝鮮による電磁パルス攻撃、何が怖い」=大停電・交通混乱も=

2017年09月13日 08時04分29秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年9月12日(火) P.4 政治面
連載『Q&A』=電磁パルス攻撃、何が怖い=

『大停電・交通混乱も』=北朝鮮、能力保有か=

 上空で爆発させて電磁波を起こし、地表近くの電子機器などを壊す電磁パルス(EMP)攻撃。

北朝鮮の朝鮮中央通信が能力保有の可能性に言及したのを受け、日本政府も本格的な対策に乗り出した。

脅威の度合いや課題など論点を整理した。

 Q:EMPが注目される理由は。

 A:朝鮮中央通信が3日、北朝鮮がEMP攻撃を加えられる核弾頭を開発したと報じたからだ。

EMP攻撃は強力な電磁波を起こして大量の電流を電子回路に一気に流し込むことで、インフラや通信機器を機能不全にする。


人体に直接的な影響はないとされるが、電力供給や交通網が混乱する恐れがある。

 Q:どのような方法で攻撃するのか。

 A:主に2つの方法がある。

1つは(目的地域の上空の=)高度約30キロメートル以上の高さで核爆発を起こし、広範囲に電磁波を拡散させる。

北朝鮮が言及したのはこの方法だ。

米軍が1962年、北太平洋の上空400キロメートルで核実験をした際は約1400キロメートル離れたハワイ島などで大停電が起きた。

 もう1つがEMP攻撃のための爆弾による方法で、低い高度から航空機が投下するなどして使う。

防衛省によると高高度の核爆発ほど攻撃範囲は広くないが、標的を定めやすいという。
米軍などが保有し、2003年のイラク戦争で使用した可能性が指摘されている。


 Q:北朝鮮はすでに実用化したのか。

 A:小野寺五典防衛相が「唐突感がある」と指摘するなど日本政府は懐疑的だ。

ただ旧ソ連時代に開発していたとされるロシアや、軍備増強を急ぐ中国が保有している可能性は否定できない。

菅義偉官房長官はEMP対策を「検討したい」と述べている。

 Q:日本政府の備えは十分なのか。

 A:政府関係者によると、自衛隊の防衛装備品や通信システムではEMP対策を講じている。

非常事態でも機能するよう、機材や電子回路を金属シェルターなどで覆っているという。

防衛省は18年度予算で14億円を要求し、EMP兵器を試作して防護対策などの検討を始める。

 一方、民間インフラの対策は不十分とされる。
特に原発や航空機などの交通インフラが狙われれば甚大な被害が出かねない。

政府は8日、内閣官房や防衛省、経済産業省、国土交通省など関係省庁の担当者を集め、対策作りに乗り出した。

 Q:大規模な被害が出たらどう対応するのか。

 A:EMP攻撃はサイバー攻撃と異なり、重要インフラやシステムが二度と使えなくなるほど破壊される可能性がある。

事実上の武力攻撃といえる事態が生じれば「被害の規模次第では自衛隊の武力による反撃も排除しない」(内閣官房幹部)との見方も出ている。


●関連日経記事:2016年9月11日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際『「核武装の悪夢」直視を』=北朝鮮「核弾頭実験に成功」=』(2016年9月10日付)

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日経新聞 安心・安全「洪水被害は人災 教訓新た」=英エコノミスト誌=

2017年09月09日 02時12分27秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年9月6日(水) オピニオン面
連載『The Economist』=9月2日号=

『洪水被害は人災 教訓新た』

 米国を8月下旬に直撃した大型ハリケーン「ハービー」。

被害の全容は洪水の水が引き、動かなくなった車や汚泥が流れ込んだ家々、多くの溺死体を目にするまで把握できないだろう。

ただ本誌エコノミストが印刷に回された時点ですでにテキサス州南部の降雨が6日目に入り、米国史上、最悪の大洪水をもたらしたことは明らかだった。

 同州ヒューストンでは、ハリス郡がわずか100時間で4.5兆リットル超の水につかった。

8歳児をすっぽりのみ込むほどの雨量だ。

 世界の耳目はこの米国第4の都市の惨状に集まってるが、自然災害の被災地はヒューストンだけではない。

インドやバングラデシュ、ネパールでは今年、モンスーンによる洪水で少なくとも1200人が死亡し、数百万人が家を失った。

8月には西アフリカのシエラレオネで起きたゲリラ豪雨による土砂崩れで、正確な数は不明だが1000人以上が命を落とした。

 世界の国々は洪水の脅威に立ち向かおうとしている。
これは突き詰めれば、気候変動にどう対処するかという問題になる。

同時に、洪水被害を悪化させる近視眼的な政策や誤った政策誘導の手段を見直すことも重要だ。


 警報システムの改善や堤防、排水路、防災シェルターなどの設置により、嵐や洪水による死亡者がこの数十年で激減したのは喜ばしいことだ。

1970年にバングラデシュを襲ったサイクロンでは30万~50万人が亡くなったのに対し、2007年の直近の大型サイクロンでは3234人にとどまった。

 反対に頭が痛いのは嵐と洪水が依然、気象関連災害のほぼ4分の3を占め、頻発していることだ。

独ミュンヘン再保険のまとめでは、世界の嵐と洪水の発生件数は1980年には約200件だったが、昨年は600件を超えた。

ヒューストンがハービーのような500年に1度とされる規模の暴風雨に見舞われたのは79年以降、これで3度目だ。

 被害も甚大になっている。

ハリケーン被害を受けるとみられる地域の住民の数は70年から2010年の40年間で3倍に増えたという推計もある。

沿岸部の都市への人口流入は続いており今後、この数はさらに増えるはずだ。

 国連では、15年までの20年間に嵐と洪水の被害額が1.7兆ドル(約186兆円)に上ったと見積もっている。

世界保健機関(WHO)はハリケーンによる世界全体の被害総額が、実質ベースで年間6%ずつ増えていると推定する。

欧州の洪水被害額も50年には5倍に膨らむ見通しだ。

 被害拡大の一因は地球温暖化だ。
ハリケーンの発生頻度や勢力は当然、一様ではない。

この10年間は米国への上陸数が非常に少なかった。
とはいえ世界的な基調は気候変動から予測できる。

海水温が上昇すると海水の蒸発速度が上がる。
大気は温度上昇で大量の水蒸気を含むようになる。

水蒸気は上空で凝結され、多量の凝結熱を放出する。
こうして嵐や洪水の勢力が増していく。

 特にメキシコ湾で顕著になるとみられる海面上昇も高潮の潮位を上げ、洪水被害を拡大する。

ハービーの被害が大きくなったのは8月25日の米国への上陸直前、急速に勢力を増したからだ。

上陸後はテキサス州南部に停滞してヒューストンに大量の雨を降らせ、その後メキシコ湾へ戻った。

この迷走ぶりも地球温暖化に伴う気候の変化によるものと考えられる。

 だが、温暖化以上に問題なのが稚拙な都市計画だ。
土地の利用制限がないに等しいヒューストンは、そのいい例だ。

同市は00年以降、住民が180万人増えた。
緩い規制のおかげで不動産デベロッパーは容易に住宅を建てることができた。

一方、雨水を吸収していた沿岸部の広大な草地はコンクリートで固められてしまった。

 地元紙テキサス・トリビューンや非営利の調査報道機関「プロパブリカ」は、ハリス郡では10年以降、100年に1度の確率で洪水が発生するとされた平野に8600棟以上のビルが建設されたと報じている。

デベロッパーは河川から流れ出た雨水を受ける貯水池を、開発していない土地に設置することにはなっているが、そうした規制はあってなきがごとしだ。

 洪水が発生しやすい場所を示す地図にも最新情報が反映されていないため、浸水の恐れがないはずの土地に立っている建物が何度も洪水に見舞われている。

 政策の失敗も被害の拡大に拍車をかける。
発展途上国では自然災害に対し、保険の手当てが十分ではない。

スイス再保険によると、14年の洪水やサイクロンなどの災害によるアジア地域の損失額、約500億ドルのうち、保険でカバーされたのはわずか8%だった。

国際決済銀行(BIS)は、最悪の自然災害に襲われた国では通常、国内総生産(GDP)が恒久的に2%近く押し下げられると試算する。

 米国は反対の問題を抱えている。
連邦政府が被災しやすい住宅の保険料に補助金を出しているのだ。

全米洪水保険制度(NFIP)は契約者から十分な保険料を徴収していない。
このため今後増えそうな保険金請求に備え、資金を借り入れざるを得なくなった。

保険料が安いので新しい住宅が次々と建設される一方、既存住宅の防災のための改修や安全な場所への移転は進まない。

 米連邦緊急事態管理局(FEMA)では、何度も浸水した住宅はNFIPの対象物件の1%に過ぎないが、保険金請求額では25~30%を占めるとみる。

テキサス州など5州にはそうした住宅が1万戸以上あり、全米では毎年約5000戸ずつ増えているという。

 保険は本来、リスクの存在に気付かせてくれるものだが、米国の場合は逆にリスクを見えにくくしている。


 では、どうすればいいのか。

洪水被害を受けて勢いづいているのは、多雨地域の雨量の増加や嵐の勢力拡大を防ぐため、気候変動を最小限に抑え込むべきだという主張だ。

科学に懐疑的な人たちも、洪水対策は気候変動の影響が立証されたときに一種の保険になると捉えておいた方がいい。

 しかし、たとえ米国も含めすべての国が温暖化対策の国際協定に調印したとしても、気候変動はすぐには抑制されない。

差し当り、政治家はヒューストンの被害を教訓にすべきだ。

 都市を管轄する自治体はダムや水門などの水防施設や、雨水の集水地域を保護する必要がある。

例えばインドのコルカタ周辺の湿地や、ネパール中部のポカラ市とその周辺にある湖だ。

 洪水地図も更新しなければならない。

当局の土木技師は必要資金が不足し、役所仕事で身動きが取れないでいることが多いが、堤防や貯水池の設置、増強を急ぐ必要がある。

NFIPは必要な保険料を徴収するようにし、発展途上国は地震や台風など自然災害の発生時に保険金の支払いに充てる「大災害債券」を発行することが求められる。

 これらはすべて政府の先見性と、住宅所有者やデベロッパーのロビー活動に屈しない力を問う試金石だ。

合格点に達しない政治家や役人は、自身が早晩、ハービーのような大惨事に見舞われることになると自覚しなければならない。

・・・・・・・・・・・・・
 英エコノミスト誌の記事を翻訳し、水曜付で掲載します。
電子版▼ビジネスリーダー→グローバル→The Economist


●関連日経記事:2017年9月7日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「米ハリケーン 日本企業に打撃」=プラント再稼働見通せず=』(9月6日付)



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日経新聞 安心・安全『「アップルペイ」は指紋認証』=「カードの安全決済」 クレジットカードの不正使用を防ぐには=

2017年08月27日 03時40分27秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年8月26日(土) P.19 マネー&インベストメント面
連載『クローズアップ』=カードの安全決済=

『「アップルペイ」は指紋認証』=買い物のたび別番号承認=

 
 クレジットカードの不正使用の被害が相変わらず減らないと聞きます。
店舗やネット通販で少しでも安全に支払うには、どのような方法があるでしょうか。


 クレジットカードの不正使用が後を絶たない。

日本クレジット協会によると、2016年の不正使用被害額は140億円(前年比17%増)。

このうち番号盗用によるものが87億円(同23%増)と62%を占めた。

 店舗でクレジットカードを使う場合、比較的安全な手段としては、昨年登場したiPhone(アイフォーン)の「アップルペイ」が挙げられるだろう。

 アップルペイでは電子マネー、Suica(スイカ)のほか、クレジットカードにひも付いたiDとQUICPay(クイックペイ)が使える。

クイックペイで支払う例を見てみよう。

 まず、アップルペイにクレジットカードを登録すると、決済に使える別番号がシステム上で発行される。

買い物をする際、店頭の読み取り端末にスマホをかざすと、この別番号の情報がシステムから店舗側に送られ、決済ができる。

 仮に別番号の情報が盗まれたとしても、その番号だけでは価値を持たない。

決済時にアイフォーンの指紋認証も必要なので、クレジットカードで直接支払うのに比べ、安全性は高い。

クレジットカードを持ち歩く必要もない。

 ただ、アップルペイについては最近、不正使用の被害が報告された。

犯人は盗んだカード情報をアップルペイに登録し、カードの名義人になりすまして使用したとされている。

手口の詳細は不明だが、カード情報そのものを盗まれてしまっては、元も子もないということは確かだろう。

 ネット通販の決済の安全性を高めるには、デビットカードを使うという選択肢がある。

通販サイトにクレジットカード番号を入力するのに抵抗があるという人や、即座に銀行口座から代金が引き落とされるので、使い過ぎを防ぎたいという人に向いている。

 ジャパンネット銀行(JNB)の「カードレスVisaデビット」はデビットカード本体の番号とは別に、JNBのサイトで最大4つの番号を発行してもらえ、通販サイトではその番号で決済する。

別番号を再利用したくないなら、JNBのサイトで取り消しておけばいい。
いわば「ワンタイムカード番号」のように使えるというわけだ。

 クレジットカードの不正利用被害は原則、救済されるが、日ごろから安全性に対する意識を高めておくことも必要だ。

カードを使用したら、こまめにレシートとカード利用履歴を突き合わせてチェックしたい。
銀行口座などの入出金情報を一覧できる家計簿アプリを使うのも一案だろう。


●関連日経記事
:2014年4月6日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「デビットカード」=その場で銀行口座から引き落とし=』(2014年4月5日付)

●関連日経記事
:2017年7月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「カード不正使用被害額65%増」=日本クレジット協会=』(7月15日付)

●関連日経記事:2014年5月13日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「煩雑な業務、低価格で支援」=予約管理や請求書作成・・・=』(2014年5月12日付)

●関連日経記事
:2015年11月10日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発「マメな記帳で貯蓄に差」=会計士が語る マネー達人への道=』(2015年1月7日付)

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日経新聞 安心・安全「対テロ 機密情報共有を」=「緊迫する世界 識者に聞く」 オーストラリア元首相・J・ハワード氏=

2017年08月26日 07時38分40秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年8月24日(木) P.9 国際2面
特集連載『緊迫する世界 識者に聞く』=オーストラリア元首相 ジョン・ハワード氏=

『対テロ 機密情報共有を』=北朝鮮に圧力、中国も苦慮=

 --東南アジア諸国連合(ASEAN)は南シナ海での中国の軍事化のような問題に一体となって対処できるでしょうか。

 「難しいと思う。

人々は(ASEANのような)地域の枠組みの役割を強調しすぎたり、過大な期待を寄せたりしがちだというのが私の見方だ。

首相だった時、アジア外交にあたり細心の注意を払ったのは2国間の関係構築だった。
日本や中国、インドネシア、インドとの関係強化や改善に注力した」

 --インドネシアでは2002年のバリ島爆弾テロで多くのオーストラリア人が犠牲になりました。 テロの脅威の高まりにどう対応しますか。

 「テロ対策で最も重要な武器となるのがタイムリーな機密情報だ。

英米豪カナダ、ニュージランドの5カ国で秘密情報を共有する協定『ファイブアイズ』に加え、豪州は日本やインドネシア、シンガポールなどと機密情報で連携している。

機密情報の共有こそ我々が協力すべき分野だ。

会議に出席して議論するのもいいが、悪者のたくらみを察知することの重要性にはとても及ばない」

 「イスラム過激派の脅威は本物だ。

この地域での対テロ協力は効果を上げているが、過激派組織『イスラム国(IS)』は支配力が後退するにつれ、存在を誇示するために仲間にテロ攻撃を呼び掛けるだろう。

豪州を含め、どの国もこの脅威と無縁ではいられない」

 --北朝鮮が大陸間弾道イサイル(ICBM)を発射し、一段と脅威が高まっています。

 「豪州と日本は北朝鮮問題で同じ立場にあり、協力を高められる。
しかし、協力を強化しなければならないのは中国と米国だ。

両国こそが(北朝鮮に)影響力が行使できる」

 「(首相在任中に行われた)北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議は機能しなかった。
北朝鮮に関しては、米中が問題解決の決意を共有しない限り、解決に至ることはない。

米中が共同歩調を取らなければならない」

 --米中の思惑は一致するでしょうか。

 「現在は一致していないが、状況は変わりうる。
トランプ米政権の出方については、今後の動向を見なければわからない。

従来とやり方は違うが、国際舞台で実行してきたことを見れば、保守的な共和党政権の継続と私の目には映る。

(4月の)シリア攻撃は正しかった。
また、トランプ氏は日本との関係を明らかに重視している」

 「中国はこれまで、北朝鮮に喜んで圧力をかけてはいない。

米国を筆頭に、他国も中国に対して北朝鮮への影響力を行使するように圧力をかけ続ける必要がある。

北朝鮮情勢の悪化は中国の利益にならない。

ただ、どの国よりも北朝鮮に影響力を持つ中国ですら、困難さがあることを軽く見てはいけない」

▼ジョン・ハワード
 1996~2007年に首相を務めた。

03年に米ブッシュ(子)政権が主導したイラク攻撃に参加した。
首相在任中、小泉純一郎首相(当時)と関係が深かった。

78歳。

(聞き手は シドニー=高橋香織記者)
=随時掲載


●関連日経記事:2013年12月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「英語圏に『スパイ倶楽部』」=米の盗聴疑惑、欧州などの批判の矛先=』(2013年11月30日付)

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日経新聞 安心・安全「北朝鮮情勢を聞く」=米外交問題評議会シニア・フェロー S・スミス氏=

2017年08月13日 08時23分31秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年8月11日(金) P.8 国際1面
『止まるか挑発』=北朝鮮情勢を聞く=

『日米韓主導の交渉が有効』=米外交問題評議会 シニア・フェロー シーラ・スミス氏=

 --9日にトランプ氏が北朝鮮に「炎と怒りを受けることになる」と発言し、米朝関係が緊迫しています。

 「『炎と怒り』の発言はトランプ氏がツイッターなどでよく使うアドリブ的なものなのか、それとも米政府の北朝鮮戦略の一部で意図したものかはっきりしない。

ただ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長を悪役に仕立てるようなやり方では核・ミサイル問題の解決にはならない」

 「9日の北朝鮮のグアム周辺へのミサイル発射計画の表明は、トランプ氏の発言に反応したものではなく、8日に実施された米軍のB1戦略爆撃機を巡る日米と韓米の共同訓練に反応したものだと多くの韓国の専門家は分析している」

『父親より暴力的』
 --米国が軍事作戦に踏み切る可能性は。

 「軍事的な衝突は、自らの立場が悪化していると誤って認識する人間がいるから起こるケースが多い。

金正恩氏が今どんな心理状態なのかわからない。

確かなのは、金正恩氏は父親(金正日〈キム・ジョンイル〉氏)よりも弾圧的で暴力的な独裁者であることだ。

したがって北朝鮮のミサイル攻撃などの挑発能力を甘く見てはいけない。
誰も望まないことではあるが、過去と比較した場合、軍事衝突が起こり得る状態は近づいている」


 --米国はどうすべきなのでしょうか。

 「ティラーソン米国務長官は交渉による解決を支持している。

米国は経済と軍事両面から、北朝鮮に強い圧力をかけつつも、対話と交渉による解決の間口を閉ざしはしないだろう」

 「当面、5日に国連安全保障理事会が採択した制裁強化を実行することが北朝鮮を交渉に戻すのに有効な手段だ。

さらに米国は北朝鮮に対して単独制裁も科すべきだ。

海外からの北朝鮮への送金、ミサイル部品や核燃料の販売にも最大限警戒しなければならない」

 --今後、朝鮮半島の非核化に向け、どのような枠組みで話し合えばよいのでしょうか。

 「6カ国協議を開催できたとしても、かってのように中国主導で機能するのかわからない。

当時のブッシュ(子)政権が喜んで中国のリードを認めていたからこそできた枠組みだった。

しかし、中国主導の6カ国協議となると、現在の米国、日本、韓国にとって居心地のよくないものだ」

 「それよりも、クリントン政権のペリー元国防長官が主導した日米韓の政策調整グループ『TCOG』のような仕組みを立ち上げ、3カ国で緊密に連携した方が、朝鮮半島の非核化と平和への交渉の場として機能するのではないか」

『日本は防衛強化』
 --米朝の緊張が高まるなか、日本の対応をどうみますか。

 「2019年度からの次期中期防衛力整備計画の策定が近づいており、間違いなく北朝鮮のミサイルに対する防衛力を強化する装備を盛り込む議論が進む。

自民党内で防衛力強化の議論を主導していた小野寺五典氏が防衛相に復帰したこともあり、日本は防衛力強化とそのための出費はためらわないと見る。

バイオや化学兵器も含めた対応にも焦点が当たるだろう」

▼Sheila A. Smith
 北東アジア情勢の専門家。

日本の外交に関する著書も複数ある。
米コロンビア大学で修士号・博士号を取得。

(聞き手はニューヨーク=アリアナ・キング記者)

=随時掲載


●関連日経記事
:2015年2月21日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「『アラブの春』と北朝鮮」=リビア崩壊を反面教師に=(2011年8月28日付)』

●関連日経記事:2016年8月30日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 池上彰の教養講座「金正恩体制崩壊の序曲か」=北朝鮮の外交官亡命=』(2016年8月29日付)

◆父さんコメント:
 金正恩独裁体制の維持・存続のためであれば、北朝鮮人民が100万人餓死しようとも、一向だにしないのが独裁者の特質だ。

これは彼の父親である金正日政権下で数十万人が餓死しながらも、膨大な費用を投入して核開発を進めたことでも裏付けられる。

ましてや、敵対国の日本や韓国の国民が核攻撃で数十万人が死亡すると予想されても、必要とあれば金正恩委員長は躊躇なく核ミサイル発射ボタンを押すであろうことを我々は認識しておく必要がある。

 核大国で独裁国家のロシア、中国に挟まれ、新たに核ミサイルを持った北朝鮮に囲まれている地政学的リスクを日本人は常に意識してリスクヘッジ対策をしておく必要がある。

 周りの国すべてが敵国で一人孤立している中東のイスラエルの国家運営が参考になる。
平和と安全を望むなら、国際政治の動きにもっと日本国民は敏感になるべきとも思う。
 
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日経新聞 安心・安全「日本人旅行者 恐怖の一夜を語る」=中国・四川地震=

2017年08月12日 10時14分36秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年8月11日(金) P.34 社会面
『悲鳴・余震 懸命の脱出』

『日本人旅行者 恐怖の一夜語る』=中国・四川地震=

中国四川(しせん)省アバ・チベット族チャン族自治州で8日夜に発生した地震。

震源地に近い世界遺産の景勝地、九寨溝を訪れ被災した浦野安邦さん(46)と長女の安里さん(20)親子が取材に応じた。

真っ暗な中で止まらない余震。
「誰か助けて」。

悲鳴におびえながら、安全な場所を求めてさまよった体験を明らかにした。

 「部屋がいきなり大きく揺れ、転がるように2つのベッドの間に逃げ込んだ」。

8日午後9時(日本時間同10時)過ぎ、ホテルの部屋で休んでいるときに地震が発生した。

「もう一度地震が起きたら、建物が倒れるかも」。
揺れが収まると、パスポートとスマートフォン(スマホ)を握りしめて一目散に外に出た。

 停電で真っ暗な中、ホテル近くの広場には約500人が集まったが、気温はセ氏10度。
布団を取りに戻り、夫に電話しようとしたがスマホは圏外の表示。

自家発電で営業を再開した商店で電話を借り無事を伝えた。

 「(支援物資がある=)避難所へ行こう」。
8日午後11時ごろ、そんな話が広まって避難所に向かった。

「布団をかぶった避難者が1万人も道路を埋め尽くして歩く風景は異様だった」と振り返った。

 ただ本当の恐怖はこれからだった。
列の前方でがけ崩れの音がして助けを求める悲鳴が上がった。

危険を感じて避難所に行くのを断念。

近くの駐車場で3時間ほど休み、ホテル近くにいた方が連絡が取りやすいと判断し、最初の広場に戻った。

9日午前5時半(=夜が明ける時間)に九寨溝から出て近隣の大都市、綿陽市平武県に向かうミニバス(=有料だと思う)に何とか乗り込むことができた。

 バスは落石をよけながら山道をゆっくりと進み、平武県のバスターミナルに着いたのは午後1時。

(有料の=)大型バスに乗り換えて、午後9時に成都のホテルに着いた。
ほっとしたが、「今でも地震が続いているようで落ち着かない」とも漏らす。

(成都=多部田俊輔記者)

『死者は20人に』
 中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県で8日起きた地震で、地元政府は10日、死者が20人、負傷者が431人に上ったと明らかにした。

重慶市の日本総領事館によると、日本人の被害情報は入っていない。

(成都=多部田俊輔記者)


◆父さんコメント:
 不案内な海外で災害に遭ったとき、緊急避難の心得を教えてくれる記事だ。

まず、身分証明書となる「①パスポート」は命の次に大事な書類。
そして「②金(現地通貨と米ドル)」。

通信手段としての「③スマホ」が緊急避難時の3種の神器(じんぎ)だ。
できれば「飲料用のミネラルウォーター」も身につけておきたい。

 地震などの場合、安全は倒壊建物の恐れがない広い場所・広場に避難するのが一番。
土地勘がない海外の場合、停電した真っ暗な環境での移動は危険だ。

とりあえずの安全が確保されたら、夜が明けるまでは動かずに支援を待つのが一番。
そして、明るくなってから避難所や近隣の都市部へ移動する。

避難所や大きな都市には病院や市役所など被災者を支援する組織があるからだ。
そして、できるだけ早く日本大使館や領事館に連絡を取ろう。

災害に関する情報を入手するとともに日本人旅行者への支援も要請できる。
無事を大使館や領事館を通じて日本の家族に連絡手配もしてもらえる。 

 海外旅行時には「緊急時の米ドル(5、10ドルの小額紙幣)」は常に持参し身に付けておく習慣を付けよう。

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日経新聞 安心・安全「朽ちる水道 民が切り札」=自治体、財政難で動けず=

2017年08月07日 07時35分09秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年8月5日(土) P.6 総合5面
『朽ちる水道 民が切り札』=自治体、財政難で動けず=

『管理・維持にメス』

 水道インフラの運営に民間経営のノウハウを生かす運営権売却(コンセッション)の第1号案件が、10月に動き始める。

水道事業は空港運営などに比べて収益見通しが立てづらいため遅れていたが、政府の後押しもあり民間側も関心を寄せ始めた。

老朽化した水道施設の更新費用は2020年には1兆円を超えるとされる。
民間活用で水道インフラを守れるか、正念場を迎えている。

 第1号案件は浜松市が下水道設備の運営権の一部を売却するコンセッションだ。

水処理世界最大手の仏ヴェオリアとJFEエンジニアリングなどの連合が優先交渉権を得た。

浜松市の取り組みは下水道だが、宮城県や奈良市が上水道でも事業の売却を検討している。

 群馬県太田市や館林市など3市5町は昨年、水道の共同運営にカジを切った。

22カ所の浄水場を3分の2に集約、人件費など10年間で42億円のコストを削減、黒字化を計画する。

 その切り札として自治体側が選んだのがクボタ、明電舎など4社の企業連合。
これら4社に総額300億円を支払い、25年までの委託契約を結んだ。

 国内では浄水場の運営を民間に任せるケースは多いが、8市町は浄水場だけでなく全域にわたって水道管を管理・更新まで担う。

今春から運営が始まった。

 民間裁量で水道管の新設を管理して「建設会社の繁忙期を避けて工期を25%短くし、工費を減らす」(クボタ)。

単年予算に基づき年度末に工事を発注する自治体の慣行を打破し、コストを引き下げる青写真を描く。

 地球2.2周分にもなる日本の水道管はその多くが高度成長期に新設され、続々と更新時期を迎えている。

手当の遅れと財政難というダブルパンチが各地の水道事業を襲っている。

 耐用年数を超えた水道管の比率は全国で現在13%。
50年に50%を超える。

老朽化は陥没事故の原因になる。

厚生労働省は水道関連で必要な更新費用が現在の年間8千億円程度から40年代後半に6割増の1兆4千億円に膨らむと推計する。

水道インフラ維持に民間をどこまで引き込めるか、自治体も試されている。

(福本裕貴記者、大平祐嗣記者)


●関連日経記事:2016年10月25日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「老いる水道インフラ」=政府、民間経営に期待=』(10月23日付)

●関連日経記事:2014年7月27日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「コンセッション方式」=インフラ運営権、民間に開放=』(2014年7月26日付)


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