日経新聞 ことば『「バーゼル3」ようやく』=危機の連鎖阻止へ安全網=

2017年12月12日 08時29分04秒 | ことば
日経新聞 2017年12月6日(水) P.9 金融経済面
『「バーゼル3」ようやく』=危機の連鎖阻止へ安全網=

 国際的に活動する銀行を対象にした新規制「バーゼル3」の大枠がようやく固まる。

金融取引が複雑化するなか、日米欧が手を組み、国境を越えた危機の連鎖を食い止める安全網を整える。

欧米など中央銀行の金融政策が引き締めへと向かい、リスクは次第に表れやすくなる。
新規制の実効は早速(さっそく)試される。

 今回の新規制は2008年のリーマン・ショック以降の金融危機を受けて枠組み作りが始まった。

バーゼル銀行監督委員会は、8%以上の自己資本比率を課す1988年の「バーゼル1」以降、段階的に規制を見直してきた。

 今回の新規制は3段階に当たる。

 バーゼル3は銀行財務の健全性を高めるのが最大の狙い。

自己資本比率規制は維持した上で、リスク資産の算定方法を厳格化し、自己資本比率をより保守的にはじくよう促す。

環境激変で巨額損失が出た時の資本の余裕を大きくする狙いだ。

 グローバル展開する巨大金融の破綻に際し従来の規制や監督は有効でなかった。

金融危機の際は巨額の公的資金で損失を埋める「Too Big to Fail(大きすぎてつぶせない)」の対応が幅をきかせた。

新規制はこうした行動パターンを見直す。

バーゼル委は当初、16年末の合意を描いたが米政権発足、ドイツやフランスの国政選挙などもあって交渉が足踏みしていた。

(鈴木大祐記者、奥田宏二記者)


●関連日経記事:2015年10月14日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「銀行の個性奪う金融規制強化」=市場不安定化の要因に=』(2015年10月11日付)

●関連日経記事
:2017年11月14日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経営「株持ち合い解消 最終章」=「米会計基準改正」が促す企業統治改革=』(11月8日付)

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日経新聞 ことば「データポータビリティー」=個人情報移し替え=

2017年12月12日 06時06分02秒 | ことば
日経新聞 2017年12月6日(水) P.3 総合2面
連載『きょうのことば』

『データポータビリティー』=個人情報移し替え=

 企業が取得した個人に関するデータを本人の意思でいつでも簡単に引き出し他の企業などに移せる仕組み。

欧州連合(EU)では2018年にもポータビリティの権利を定めた新たな法律を施行予定で、欧州で商売する企業はシステム投資などの対応を求められる。

▽EUでは第2次世界大戦時に個人情報が不正に収集され、ユダヤ人の迫害につながった苦い経験などを教訓にデータ保護が憲法上の権利として確立されている。

米グーグルなどにデータが一極集中して利用者を囲い込む現象が起きることを防ぐという競争政策的な色彩も強い。

▽日本でも今年5月から改正個人情報保護法が全面施行され、データについてはプライバシー保護策を強化したうえで企業による利活用と両立させる方向にかじを切った。

ポータビリティーを権利化するまでにはまだ時間がかかるとみられており、政府はまずは金融や医療など優先分野を絞って議論を進める考えだ。

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日経新聞 ことば「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」=射程5500キロメートル以上=

2017年12月05日 06時03分53秒 | ことば
日経新聞 2017年11月30日(木) P.3 総合2面
連載『きょうのことば』

『大陸間弾道ミサイル(ICBM)』=射程5500キロメートル以上=

 射程が5500キロメートル以上ある長距離弾道ミサイルを指す。

東西冷戦下で生まれた概念で、米国北東部から北極海を超えて旧ソ連(現ロシア)に届くまでの距離が約5500キロメートルだったことにちなむ。

核弾頭を搭載すれば遠く離れた国への核攻撃も可能になる。
防衛省によると現在、米国やロシア、中国が保有している。

▽核大国をめざす北朝鮮はICBMの開発を進めてきた。

今年7月、ICBM「火星14」を発射角度を通常軌道より高くする「ロフテッド軌道」で発射。

日本海にある日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させた。

4月に平壌(ピョンヤン)で開いた軍事パレードには、新型ICBM用の可能性がある発射管付き車両が登場した。

▽日本政府は北朝鮮がICBMを完成させたかを慎重に分析している。
疑問視しているのがミサイルが宇宙空間を飛んだ後、大気圏に再突入する際の技術だ。

再突入時の高温に弾頭や本体が耐えられなければミサイルとしての機能を失う。

防衛省は北朝鮮が再突入技術を確立したかを「分析の焦点」(幹部)としており、29日のミサイルも「ICBM級」と呼ぶにとどめた。

▼米中ロが保有する核弾頭数と主な運搬手段

【核弾頭数】
 (米国)約4500:(ロシア)約4490::(中国)約260

【大陸間弾道ミサイル(ICBM)】
 450基: 324基:: 52基

【弾道ミサイル搭載の原子力潜水艦】
 14隻: 13隻:: 4隻

【爆撃機】
 78機: 76機:: 60機

(注)2017年版・防衛白書。 ICBMは発射装置数 


『米、高まる脅威に危機感』
『新型ICBM「深刻」』=対北朝鮮、事態打開進むか=

トランプ米政権は、北朝鮮に核・ミサイルを放棄させるため「最大限の圧力」をかける方針を崩していない。

北朝鮮が29日に発射した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、実戦配備に時間はかかりそうだが、米全土を射程に入れる飛行距離性能を示した。

事態の打開は進むか。


 トランプ大統領は28日、ICBM発射について「事態を非常に深刻にとらえている」と語り、危機感を隠さなかった。

ティラーソン国務長官も制裁強化への同調を改めて各国に呼びかけた。

 今夏のICBM発射や核実験など北朝鮮による一連の挑発行為を受け、トランプ政権は経済制裁を格段に強めてきた。

9月には石油供給の制限などを盛った国連制裁を決議したが、核保有国へまい進する北朝鮮を方針転換させられないでいる。

 目先の焦点は、北朝鮮の息の根を止める原油の禁輸を中国に迫れるかだ。

包囲網のカギを握る中国は29日、外務省の耿爽報道局長が今回のミサイル発射に「重大な懸念と反対」を表明した。

従来より強い表現で反発したが、北朝鮮を追い込みすぎるとして石油禁輸に慎重な姿勢を崩さない。

ティラーソン氏は北朝鮮に物資を運搬する海上交通手段の禁止措置が必要だと訴えたが、石油禁輸のような決定打にはならない。

北朝鮮による挑発行為のたびに米国などの国際社会が制裁を強化するーー。

短期的にはこんな膠着状態が続いて、その間に北朝鮮は核・ミサイル技術を進めることになる。

「一転、対話も」
 「最大限の圧力」は時間との戦いだ。

北朝鮮が核弾頭の技術を確立し、米本土を攻撃できるICBMを実戦配備すれば危機のレベルは高まる。

米専門家の間では、北朝鮮を核保有国として容認せざるを得ないとの意見も出てきた。
北朝鮮が技術を完成させる前にトランプ政権が対話に応じる可能性もある。

米国は米本土に届かない核ミサイルを持つとされるパキスタンを事実上、黙認する。

 米国が北朝鮮を核保有国と認める見返りに、北朝鮮がICBMの開発を凍結する取引のシナリオは、日韓にとって最も避けたい展開だ。

中距離ミサイルは日本に照準を置いたままで、拉致問題の解決もさらに遠のきかねない。
日本や韓国の核武装論が再燃する可能性もある。

「軍事行動は最後」
 「いまのところ外交的な手段はまだ生きている」。

外交解決を訴えたティラーソン氏の声明には、こんなくだりがある。
裏返せば外交解決の手段が尽きるまで、軍事攻撃には踏み切らないことを意味する。


 米政権内では、韓国や日本に近い北朝鮮での軍事行動は数百万人規模の犠牲者が出るとの試算もあり、現実的ではないとの見方が支配的だ。

ただ、米本土に迫る脅威に米議会では強硬論もでてきた。

 与党・共和党のグラム上院議員は28日「核・ミサイル開発を止めるために戦争をしなければならないなら、我々はやる」と述べ、軍事行動もやむなしとした。

 トランプ政権は手の内を明かすことになるついて、どんな行為や挑発が「レッドライン(越えてはならない線)」にあたるのか明示していない。

米国が猛反発しているグアム沖へのミサイル発射や太平洋上での水爆実験は、事実上の宣戦布告になりかねない。

北朝鮮は米国の琴線に触れるような挑発を周到に避けているようでもある。

「ICBM管制か」
 長距離を飛ぶICBMは、小型の核弾頭の開発や大気圏への再突入時にかかる高温・高圧に弾頭部が耐えられる技術が不可欠だ。

29日に発射された新型のICBM「火星15」は高度4475キロメートルに達し、1万3千キロメートルの射程で米全土を狙える性能を持ったとされる。

ただ、ICBMの実戦配備に必要な技術は核保有国でも秘中の秘とされ、北朝鮮が現時点で確立した可能性は低い。

 ただ「このままいけば再突入の技術も確立されて1年半ほどで実戦配備の初期段階に入る」(軍事アナリストの小川和久氏)とみる向きは多い。

米国の情報機関も北朝鮮が来年中にICBMを完成させると予測する。
そうなれば、トランプ政権が対話ではなく軍事行動に出る可能性も捨てきれない。

米政権が検討している案には、米軍が金正恩(キム・ジョンウン)委員長を殺害する作戦も含まれているもようだ。

(ワシントン=永沢毅記者)


◆父さんコメント:
 米テレビニュース各社は「トランプ大統領、ティラーソン国務著官を解任か」と盛んに報じている。

 トランプ氏は政権の施策の失敗を部下の責任に転嫁する性癖がある。

もし、ティラーソン国務長官の解任が事実なら、それは対北朝鮮への外交交渉が行き詰まったことを表す。

 ティラーソン国務長官はかねてより「武力行使は最後の手段。 あくまで外交交渉によって北朝鮮から核・ミサイルを放棄させるのが第一義」と主張してきた。

そのティラーソン氏を解任するとなると、トランプ政権は「外交交渉は十分に努力したが、北朝鮮は拒否した」との言い訳を得ることになる。

 ロシアゲートの深刻な問題を抱えるトランプ氏。

国民の支持を得たいために「北朝鮮への武力行使」に踏み切る可能性も十分にある政治環境に変化しつつあることに注意したい。

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日経新聞 ことば「シリコンサイクル」=市況の循環、3~4年ごと=

2017年12月01日 04時49分44秒 | ことば
日経新聞 2017年11月29日(水) P.1
『半導体 IoTで急成長期』=2年で3割増予測=

『投資拡大、供給過剰懸念も』

 世界の半導体産業が異例の成長を続けている。

3~4年で好不況を繰り返すシリコンサイクルを覆す勢いで中期的な成長局面が続き、2018年の世界市場は16年に比べ3割増える見通し。

ビッグデータを人口知能(AI)が高速処理したり、IoTで大量に集めた情報を保管したりする新しい需要が市場を引っ張る。

世界株高をけん引した半導体需要は底堅いが、供給過剰の懸念も生じている。


 半導体はコンピューターやオフィス機器に広く使い始めた1970年代後半から「産業のコメ」と呼ばれ、その後も携帯電話やデジタルカメラが需要を広げた。

近年は記憶や演算の技術が伸びてスマートフォン(スマホ)を生む原動力となり、動画視聴やデータ保存といった新たな用途を生み出す好循環を導いている。

 世界半導体市場統計(WSTS)が28日に発表した17年の世界市場見通しは4086億ドル(約45兆3000億円)と16年比20.6%増える。

6月の予測値から300億ドル上方修正し初めて4千億ドルを突破する見通しだ。

(後段略)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『きょうのことば』
『シリコンサイクル』=市況の循環、3~4年ごと=


 半導体市況が改善と悪化を周期的に繰り返すことを指す。
特に汎用品であるメモリー製品で販売価格の変動幅が大きい。

供給不足になると、半導体メーカーが設備投資を進めるが、新ラインが稼働する時期には需要が一巡することも多く、逆に供給が過剰となり価格が急落する。

こうした景気の波のような市況の循環を3~4年ごとに繰り返してきた。

▽1990年代は代表的なメモリー製品であるDRAMで過当競争が繰り広げられ、日本メーカーが相次ぎ市場から撤退した。

韓国サムスン電子は市況悪化時に果敢な投資を進めてメモリー市場の主役の座を奪った経緯がある。

▽半導体の主な需要を生み出す製品はパソコンから携帯電話、スマートフォンへと移り変わってきた。

現在はデータセンターの相次ぐ新設、自動車の電装化が市場の成長をけん引する。

半導体の用途自体が広がると安定的に市場が拡大し、恒常的に需給がひっ迫するとの分析もある。

従来の市況サイクルを飛び越えたこうした循環を「スーパーサイクル」に入ったと呼ぶ専門家もいる。

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日経新聞 ことば「法人税」=競争力向上へ実効税率下げ=

2017年11月27日 23時31分05秒 | ことば
日経新聞 2017年11月26日(日) P.3 総合2面
『きょうのことば』

『法人税』=競争力向上へ実行税率下げ=

 企業や法人に課す国税。

税額は製品の販売などで得た収入から人件費などの費用を差し引いて課税対象になる所得を確定し、税率をかけて算出する。

法人への課税には国税のほかにも、地方税の法人事業税や法人住民税がある。

▽国税と地方税を合わせた実際の税負担を示すのが法人実効税率で2017年度は29.97%。

6年前の法人実効税率は40.69%と主要国と比べて高く、産業界が引き下げを強く求めてきた経緯がある。

安倍晋三首相の就任以後、国際競争力を高める狙いで実行税率は下がってきている。

▽設備投資や研究開発、特定の業界に関わる減税は「政策減税」と呼ぶ。

政府は企業の賃上げを促すため、12年度と比べて一定割合以上の賃金を引き上げた企業には税を優遇する政策減税を行っている。

18年度の税制改正では賃上げ促進税の見直しを進める。

そのほか、賃上げや設備投資をしない企業に対してはペナルティーとして対象外とすることも視野に調整している。

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日経新聞 ことば「サービス業の生産性」=「質」を無視した現行の測り方では正確性に疑問=

2017年11月26日 07時52分17秒 | ことば
日経新聞 2017年11月23日(木) P.19 マーケット総合面
連載コラム『大機小機』

『サービス業の生産性』

 日本のサービス業は米国のそれと比べ生産性が低いといわれる。

さらに、日本のサービスの価格が安すぎることが、低生産性の原因として指摘されることが多い。

だが本来生産性は、サービスの実質的価値を比較すべきものであり、価格の高低は無関係なはずだ。

価格の高低が生産性の水準に影響を与えるのであれば、その「生産性」の測り方が間違っているといえる。

 「生産性」は、生産物を投入量で割って計測する。
例えば自動車の生産台数を投入人員(マンパワー)で割った数字が労働生産性だ。

一定量の生産物(実績額)をより少ない資源投入で生産するほど高い生産性になる。
自動車価格や賃金率などの価格は生産性に無関係である。

 問題はサービスの生産量(特にその質)を測ることが困難な点である。

宅配便の生産性を配達数量だけで測ると、配達回数を減らして、玄関先に放置するような米国の宅配便は日本より生産性が高くなる。

 しかし宅配サービスの生産性は配達個数だけでなく、その確実性やダメージの少なさなどを考慮する必要がある。

そうした質と量を勘案した生産数量指数を、投入人員や設備の物量で割ってその生産性を計算すべきだ。

しかし生産性の国際比較では、質的側面を無視することが多く、高品質の日本のサービスの生産性が見かけ上、低くなる。

 質の異なる財やサービスの生産量を計算するためには、品質を調整して生産数量を計算する必要がある。

品質を考慮して生産数量を測る場合は、単純な数量に品質の指数をかけて、品質考慮済みの生産数量を推計する。

パソコンや携帯電話などでは、市場で観察される品目間の価格差と個々の性能の差(電池の使用可能時間、メモリーの大きさや画面の精密度等)の関係を分析して、品質指数を推計する。

賃貸アパートの品質差(駅からの距離、広さ、内装の質等)なども同様に計算する。

 こうした品質調整が困難なサービス分野では、計算を省略して産業の付加価値額(単純な金額)を物価指数などで単純に割って、「付加価値生産性」を簡便に計算し、生産性の国際比較と称している。

この付加価値生産性は、本来の生産性の概念とはかけ離れており、国際比較に用いるのは不適当だ。

(山河)

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日経新聞 ことば「ミレニアル世代」=1980年以降生まれの20~30歳代半ば=

2017年11月16日 03時48分25秒 | ことば
日経新聞 2017年11月9日(木) P.10 未来学面
特集連載『ポスト平成の未来学』=第1部 若者たちの新地平=

『広がり無限、シェア経済』=持たない豊かさ満喫=


(前段略)

『私有の概念問い直す』
 シェアリングエコノミーは使っていないモノや場所、技能、時間を有償で互いに貸し借り・売買する。

これまでレンタルや中古品販売などはあったが、1987年にスイスで自動車を共同で所有し、互いに使用し合うサービスを提供する協同組合ができた。

これがカーシェアリングの始まりとされる。
2009年にライドシェア(相乗り)の米ウーバー・テクノロジーズも誕生した。

 最近は空間・場所では民泊のほか空き駐車場もシェア可能。
自家用車や衣服、バッグ、玩具などのシェアもある。

お墓のシェアも現れた。
家事や育児、観光案内など無形のスキル・時間のシェアも広がる。

情報通信総合研究所(東京・中央)の試算では昨年国内シェアサービス提供者が得た収入は約1兆1800億円。

2兆6300億円に拡大するとみる。

 日本にも「おすそわけ」や醤油の貸し借り、入会地(いりあいち)、頼母子講(たのもしこう)などの慣習があったが、企業が積極的に参入することでシェアリングは文化からビジネスに変化した。

IT(情報技術)の進化で仲介業者がサイトやアプリで個人も双方向で直接つなげられるようになったこともシェアリングサービスの拡大に火をつけた。

 資本主義の基本原理のひとつは「所有」。

明治以降に所有権が明確になり公有や私有が進んだ。
大量生産・大量消費社会で所有欲が消費を喚起し、経済発展をけん引した。

ところがシェア経済は既成の新品を占有せず共有する。

 千葉商科大の伊藤宏一教授は「資本主義は環境悪化や貧富の差など限界がある。 私有が前提でない循環・分散で持続可能な新たな資本主義への転換期の象徴がシェア経済だ」と話す。

「財政難で行政サービスを削られるなか、シェアで支え合えわないともたない面もある」と話す。

 市場が健全に成長するカギは安全性と品質を確保し信頼を得ること。
多くの仲介業者は提供者と利用者の身元を確認し、相互評価する仕組みを持つ。

悪質な人物を排除する努力に加えルールも不可欠。
民泊は住宅宿泊事業法が18年に施行。

自家用車で送迎するライドシェアは日本では違法だが過疎地で試行中だ。

 利用者の中心であるミレニアル世代は1980年以降に生まれ、2000年代に社会に出た20~30代半ば。

「物質的に困った経験がなくモノで満たされないので所有に執着しない」とシェアリングエコノミー協会(東京・千代田)の石山アンジュ氏(28)はみる。

バブル崩壊後の低成長期に育ち将来不安から合理的で家は賃貸志向、車離れも進む。
一方で「希薄になった人とのつながりを求めシェアサービスを使う人も多い」。

シェアエコノミーの進展と所有にこだわらないミレニアル世代の出現で、新車や高価なブランド物も売れなくなり従来型の経済の縮小は不可避だろう。

しかし、新たなサービスや個人の活躍の場は広がる可能性を大いに秘めている。

▼シェアエコノミーの裾野は広がっている
(シェアする分野)【スペース】:(市場規模)6783億円
 (サービス例)民泊などホームシェアや駐車場、会議室、農地のシェア

【モノ】: 2197億円
 不用品を売買するフリーマーケットやレンタルのサービス

【移動】: 1181億円
 カーシェア、ライドシェア(相乗り)

【スキル】: 751億円
 ネットで仕事を受発注するクラウドソーシング、家事代行、介護、育児のシェア

【お金】: 900億円
 ネット上で小口資金を募るクラウドファンディング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
計 1兆1812億円

(注)情報通信総合研究所調べ。 市場は2016年の提供者の収入ベース

(大林広樹記者、清水孝輔記者)

・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ご意見や情報を miraigaku@nex.nikkei.co.jpにお寄せください。


●関連日経記事:2017年11月8日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「ラクサス・テクノロジーズ: ブランドバッグ貸し出し」=会員同士でシェアも=』(11月6日付)

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日経新聞 ことば「株価の割高・割安を判断」=PER(株価収益率)=

2017年11月12日 08時40分46秒 | ことば
日経新聞 2017年11月8日(水) P.3 総合2面
連載『きょうのことば』

『PER』=株価の割高・割安を判断=

 投資にあたって株価の割高・割安を判断する代表的な指標のひとつ。

英語の「Price Earnings Ratio」の略。
株価収益率とも呼ばれる。

1株あたりの税引き利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標で、単位は「倍」。

1株利益が100円、株価が1000円ならばPERは10倍になる。
株価は企業収益の先行きを見通しながら動くため、一般的には予想利益を使って計算する。

▽PERの値が大きいほど株価が将来の収益拡大を先取りして上昇していることを意味する。

割高・割安の分かれ目となる明確な基準はなく、過去の推移や同じ業種の他の銘柄などと比べて相対的に判断する。

▽日経平均株価の採用銘柄のPERは15.3倍と昨年末の水準(16倍台)を下回り、米国(約20倍)やドイツ(約15倍)と比べても過熱感は乏しい。

日経平均は昨年末に比べて2割上昇したが、今年度の日本企業の利益の伸びがこれを上回っているためだ。


●関連日経記事
:2017年11月12日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「バブル崩壊後最高 2万2937円」=日経平均 周回遅れの高値=』(11月8日付)

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日経新聞 ことば「物価安定・雇用最大化めざす」=米中央銀行・FRB=

2017年11月06日 10時44分19秒 | ことば
日経新聞 2017年11月4日(土) P.3 総合2面
連載『きょうのことば』

『FRB』=物価安定・雇用最大化めざす=

米国で中央銀行の役割を果たす。

Federal Reserve Boardの略。
1913年に発足した。

ワシントンの本部と全米12の地区連銀で構成する。
政策金利や通貨供給量の変更を通じて、物価の安定と雇用の最大化を目的としている。

金融機関の監督機能も担う。

▽本部にいる7人の理事は大統領が指名し、上院が承認する。
正副議長は理事であることが就任の条件。

議長は世界の基軸通貨であるドルの番人とされる。

51年就任のマーチン氏や87年就任のグリーンスパン氏のように在任が18年に及んだケースもある。

現在のイエレン議長は初の女性議長だが、1期(4年)で交代する。

▽金融政策を決める最高意思決定機関はFOMC(連邦公開市場委員会、Federal Open Market Comittee)。

通常はおよそ6週間ごとに年8回開く。
失業率やインフレ率、賃金上昇率などの景気指標をもとに経済情勢を議論する。

現在は短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げペースが注目点だ。

▼イエレン議長の在任期間は過去3番目の短さになる

1、【エクルズ氏】
 (主な経歴)銀行家、(就任日)1936年2月1日、(在任期間)4383日

2、【マッケーブ氏】
 経営者、 48年4月15日、 1081日

3、【マーチン氏】
 銀行家、 51年4月2日、 6880日

4、【バーンズ氏】
 経済学者、 70年2月1日、 2922日

5、【ミラー氏】
 弁護士・経営者、 78年3月8日、 517日

6、【ボルカー氏】
 エコノミスト、 79年8月6日、 2928日

7、【グリーンスパン氏】
 エコノミスト、 87年8月11日、 6749日

8、【バーナンキ氏】
 経済学者、 2006年2月1日、 2922日

9、【イエレン氏】
 経済学者、 14年2月3日、 1462日


●関連日経記事
:2017年11月6日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「次期FRB議長にパウエル氏」=低金利派、穏健な出口探る=』(11月4日付)

●関連日経記事:2013年10月11日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「FRB議長」=基軸通貨ドルの「番人」=』(2013年10月10日付)

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日経新聞 ことば「純利益」=企業の最終的なもうけ=

2017年11月02日 06時00分03秒 | ことば
日経新聞 2017年11月1日(水) P.3 総合2面
連載『きょうのことば』

『純利益』=企業の最終的なもうけ=

 企業の売上高から様々な費用を差し引いた後の最終的なもうけを示す。

「最終利益」とも呼ぶ。

グループ全体の経営成績をまとめた連結決算で使い、1社だけの単独決算では「税引き利益」と表記することが多い。

純利益は配当や設備投資の元手になる。

企業の実力や株価水準を測る際のベースにもなるため、投資家にとって最も重要な利益指標といえる。

▽損益計算書で表記する利益の種類は多様だ。
売上高から商品の原材料費(売上原価)を引くと売上総利益が出る。

ここから人件費などの販売管理費を除けば、本業のもうけを示す営業利益となる。
さらに借入金の金利などを差し引くと経常利益が出る。

一時的に発生した特別損益を加味し、法人税を払った後に残るのが純利益だ。

▽株価の割安・割高を測る指標では、時価総額が純利益の何倍かを示すPER(株価収益率)が代表的だ。

純利益を自己資本で割った自己資本利益率(ROE)の注目度も高い。

政府は今年公表した成長戦略で、純利益を総資産で割った総資産利益率(ROA)の改善を新たな目標に掲げている。

▼企業の利益にはいくつかの種類がある
売上高ー原材料費=売上総利益

売上総利益ー販管費=営業利益
営業利益ー利払いなど=経常利益

経常利益ー法人税など=純利益


●関連日経記事:2017年10月6日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「割安株価是正へ第2の波」=ROE改善、投資家が主導=アサツーDK買収劇に見る=』(10月4日付)

●関連日経記事:2015年7月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経営「企業統治でどう変わる ①②」=新たな2つのコード、個人にも利益=』(2015年7月20日付)

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