日経新聞 法務・犯罪「金の密輸 狙われる日本」=消費増税で「うまみ」増す=

2017年09月13日 00時15分02秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年9月3日(日) P.6 総合4面
連載『NIKKEI ASIAN REVIEW』=Exclusive=

『金の密輸 狙われる日本』=消費増税で「うまみ」増す=

格安航空会社(LCC)のバニラ・エアの乗務員は7月9日、台北から関西国際空港に向かう機内で、異変に気づいた。

後方のトイレで、壁のパネルがずれていたのだ。
パネルの裏側を除くと黒い袋が隠されていた。

 機内から合計6つの袋が見つかり、関空で税関職員らが調べると、数十キロの金塊が入っていた。

大阪税関は金塊を差し押さえ、密輸目的とみて持ち主を調べている。

 金の密輸業者にとって、日本は急速に「主力市場」となっている。

財務省によると、処分件数は2015年7月~16年6月、300件近くと過去最高だった。

当局は氷山の一角とみる。
密輸の輸入元はアジアの国・地域が多い。

最多の香港と韓国で全体の4分3程度を占め、シンガポール、台湾が続くという。

 日本では金の輸入時に消費税が課税され、課税額は国内で売買される際に買い手が消費税として支払う。

輸入時の課税を回避できれば、密輸業者は消費税分の利益を得られる。
14年4月に消費税率が5%から8%に上がったため、密輸は急増した。

一般の市民にとって増税は負担が増しただけだが、金の密輸業者には「恩恵」となる。

 バニラ・エアの事件で当局が驚いたのは、LCCのビジネスモデルをうまく利用していたことだ。

LCCは保有する機体が少なく、同じ機体を国際線と国内線で共用し、利用効率を最大化する。


 今回の機体は台北から関空に到着した後、鹿児島県の奄美空港に出発する予定だった。
関空に金を持ち込むと、税関に見つかる可能性が高い。

金を機内に隠し奄美空港まで運べば、国内線なので税関を通る必要はない。
バニラ・エアは他の機体でもトイレのパネルが外された形跡が判明し、修正したという。

 当局は密輸事件の背後に大組織が絡み、実行役を雇っているのではと疑う。
特に疑われているのは暴力団の関与だ。

昨年6月には暴力団稲川会の関係者が、マカオからプライベートジェットで約112キロの金を密輸したとして起訴された。

 一部メディアは中国の富裕層にも疑いを向ける。

富裕層が中国の人民元への信頼を失い(=共産党独裁の政治体制の将来に不信感を持ち)、ほかの資産への投資も難しいため、財産を国外に持ち出すのに金を密輸しているとの見方だ。

 立証はされてないが、それほど間違っていないらしいことを裏付けるデータや事件はある。

金の調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシルによると世界の宝飾品や投資向けの金需要は4~6月、前年同期比で約13.3%減ったが、中国については約7.8%増えた。

 中国の瀋陽日報などによると、遼寧省瀋陽市の税関当局が金の密輸グループ21人を摘発した。

金45キロを密輸しようとした疑いで、6人は逮捕されたとしている。

瀋陽の空港でグループ員を拘束して金30キロ余りを押収、市内に潜伏していた首謀者らも捕まえた。

グループの1人は1月、日本に金8キロを密輸しようとして強制送還されたという。

 日本の消費税率は19年10月に10%へ上がる予定で、当局は金密輸がより増えることを警戒する。

政府として、金の密輸に関する罰金を現在の1千万円以下から引き上げる方針のほか、背後の組織解明まで進めるという。

(谷翔太朗記者、北京=多部田俊輔記者)


●関連日経記事
:2017年9月4日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「金、節目の1300ドル超え」=北朝鮮問題、トランプリスクを背景に=』(9月2日付)

●関連日経記事:2017年2月3日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「NY金、1200ドル台に上昇」=ドル安進行が背景=』(2月2日付)

●関連日経記事:2017年5月14日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「狙われる金塊取引」=現金払いの商慣行/決済前後の強奪 多発=』(5月10日付)

◆父さんコメント:
 2月1日に1グラム4382円していた金価格が9月1日には5002円まで上昇している。

もし、暴力団が8キロの金塊を海外で2月に購入し、9月に日本国内で密輸・売却したとしたらいくら儲かるか?

@5002-@4382=620円/グラム
620×8キロ×1000グラム=496万円の値上がり益

それに加え売却額に対する8%の消費税分が密輸のごほうびとなるので、
@5002×8キロ×1000グラム=4001.6万円×8%=320.128万円

合計すると、なんと8キロの密輸だけで816.128万円の利益が犯罪者に渡ることになる。

 国内での金取引は現金決済が基本。
金塊さえ持っていれば、合法か非合法かは売却に際し確認されることはない。

 犯罪者は金価格の動向と各地の税務状況や商取引慣行も、その上リスクを最小化するためLCCの運行システムまで調べ上げて密輸を実行している。

暴力団もエリート層になるには経済リテラシーを要求されるのが現代だ!!

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日経新聞 法務・犯罪「大阪府警など: 海賊版誘導サイト 捜索」=著作権法違反の疑い=

2017年09月11日 19時59分37秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年9月8日(金) P.43 社会面
『海賊版誘導サイト 捜索』=大阪府警など=

『著作権法違反の疑い』

 無断でコピーされた漫画や書籍の海賊版サイトにインターネット利用者を誘導する「リーチサイト」を巡り、大阪府警や福岡県警などの合同捜査本部が7月、運営者側の関係先を著作権法違反容疑で家宅捜索していたことが7日までに、捜査関係者などへの取材で分かった。

その後、国内最大級を含む複数のリーチサイトが閉鎖され、閲覧できない状態になった。

 リーチサイトは漫画などの海賊版サイトへのリンク(URL)が並ぶだけで、作品を直接掲載しているわけではなく、取締りが難しかった。

 捜査本部は運営者側が海賊版サイトに利用者を誘導するだけでなく、違法コピーの掲載にも関与していたとみて、強制捜査に踏み切ったとみられる。

 捜査関係者によると家宅捜査を受けたのは「紅籍会」と称するグループの関係先。

「はるか夢の址(あと)」など複数のサイト運営に関わり、人気漫画を無断で公開して著作権を侵害するなどした疑いが持たれている。

「はるか夢の址」はすでに閉鎖された。

 捜査本部は押収したパソコンやスマートフォンなどを分析する一方、グループの関係者から任意で事情聴取しており、組織運営の実態や海賊版サイトとの関係など実態解明を進める方針だ。

 出版関係者によると、国内には200近くのリーチサイトがあり、大半は広告収入のほか海賊版サイトの管理者から報酬を得て運営しているとみられる。

出版各社はリーチサイト側に対し、海賊版のリンク削除をメールなどで要請してきたが、活動実態が不明なうえ、削除されてもすぐにまた掲載されるなど対策に限界があったという。


●関連日経記事:2017年8月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「電子書籍 はびこる海賊版」=不正コピー対策難しく=』(8月27日付)

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日経新聞 法務・犯罪「発売前の漫画 ネットで公開」=容疑で5人逮捕=

2017年09月10日 20時14分22秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年9月7日(木) P.39 社会面
『発売前の漫画 ネットで公開』=容疑で5人逮捕=

 発売前の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」などの画像データをインターネットサイトで公開したとして、熊本県警などは6日までに、秋田市中通3、ウェブデザイナー、堀田井良史容疑者(31)と沖縄県北谷町、自営業、上原暢容疑者(30)ら計5人を著作権法違反の疑いで逮捕した。

捜査当局は、堀田井容疑者らがアフィリエイト(ネット広告)などで得た収入は少なくとも3億円以上とみている。

 熊本県警によると、他に逮捕されたのは堀田井容疑者と同居する無職の女(33)、上原容疑者が求人サイトで雇ったとされる鳥取市雲山のフリーライター、長屋静華容疑者(23)、東京都八王子市南大沢2の自称自由業、相坂日暁容疑者(26)。

女は容疑を否認、処分保留で釈放された。


●関連日経記事
:2017年8月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「電子書籍 はびこる海賊版」=不正コピー対策難しく=』(8月27日付)

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日経新聞 法務・犯罪「ウイルス情報 メルカリで販売疑い」=大阪の中2児相通告=

2017年09月07日 14時08分54秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年9月6日(水) P.33 社会面
『ウイルス情報 販売疑い』=メルカリで=

『大阪の中2児相通告』

 フリーマーケットアプリ「メルカリ」に、コンピューターウイルス入手方法の情報を出品していたとして、奈良県警は5日、大阪府の中学2年の男子生徒(13)を不正指令電磁的記録提供の疑いで児童相談所に通告した。

 男子生徒は出品を認め「小遣いが欲しかった」と話しているという。

 捜査関係者によると、生徒はツイッターで知り合った人物からウイルス情報を得たほか、出品に使ったメルカリのアカウントを譲り受けたと話している。

この人物のツイッターのアカウントは複数あり、生徒はいずれも面識がないという。
県警は同一人物の可能性もあるとみていたが、特定できなかった。

 また県警は5日までに、ウイルスをダウンロードするための情報を取得したとして長野、京都、兵庫の14~19歳の少年4人を不正指令電磁的記録取得の疑いで書類送検した。

4人はいずれも他人へのいたずら目的で取得したと話している。

これまでウイルスによる被害は確認されていない。

 県警によると、男子生徒は3月12、13日に自宅で、メルカリにコンピューターウイルス入手方法の情報を出品した疑いがある。

4人からアプリ内で使えるポイント計約5千円分を受け取ったという。

 ウイルスは感染するとスマートフォン(スマホ)の画面に人の顔の「アイコン」が大量に現れてスマホが使いにくくなるといい、県警の捜査員が3月中旬に出品されているのを見つけた。


●関連日経記事:2013年7月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「グーグルサイトの”消去してくれない”リスク」』(2012年9月28日付)

●関連日経記事:2016年5月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット『ネットで「忘れられる権利」』=個人情報削除 EUで確立=』(2016年5月9日付)

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日経新聞 法務・犯罪「訪日客装い偽造カード使用」=中国系組織、ブランド品詐取=

2017年09月07日 06時10分19秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年9月5日(火) P.35 社会面
『訪日客装い、偽造カード』=中国系組織、ブランド品詐取=

『IC式導入の遅れ突く』

 マレーシアから偽造クレジットカードを持ち込み、ブランド品をだまし取る事件の摘発が相次いでいる。

中国系の組織がカード犯罪対策の遅れた日本に目を付け、短期滞在査証(ビザ)の不要な国から集めた実行役を入国させる手口。

インバウンド(訪日外国人)の受け入れが進む中、偽造が難しいとされるICチップ付きカードの普及を求める声が強まる。


 関西国際空港で2月、大阪府警が複数の偽造カードを国内にも持ち込もうとしたマレーシア人の男を不正電磁的記録カード輸入の疑いで逮捕。

カードには男の氏名が刻まれる一方、カード番号や有効期限などは第三者の個人情報が記録されていた。

男は入国目的について「カードで高級ブランド品を購入しようとしていた」と供述したという。

 府警が8月末までに、偽造カードを持ち込んだり、商品を詐取(さしゅ)したりしたなどとして摘発したマレーシア人らは20人以上。

押収したスマートフォンには「まだ日本はICチップ付きクレジットカードへの移行が進んでいない。 急いで儲けないと」とのメッセージが残っていた。

 経済産業省などによると、カードには情報を磁気テープに保存する種類のほか、ICチップに記録するタイプもある。

IC式のカードは情報を暗号化しているため、磁気式よりもカード情報を盗み取りにくいとされる。

 IC式でのカード決済率(2016年12月~17年2月)は、欧州で99%、米国が47%である一方、日本は17%にとどまり、現在も磁気式が主流となっている。

府警が摘発した事件で押収したカードは、いずれも磁気式。
被害は東京でも確認されており、同様の磁気式のカードが使われていた。

 「店側は費用の面からIC式に対応した読み取り端末の採用を敬遠しがち。 不正利用された場合の補償もカード会社が行うため、積極的にならない」(府警幹部)

 こうしたなか、昨年末カードの取扱業者にIC式カードへの対応を義務付ける改正割賦販売法が成立。

カード発行会社などでつくる「日本クレジット協会」は、20年までの全店舗導入を目標に掲げているが、店側が対応せずとも罰則規定はなく、どこまで普及が進むかは見通しが立たない。

 情報セキュリティーの分野に詳しい岡村久道弁護士は「カード犯罪の手口は巧妙化が進み、安全対策の強化は急務。 大手のカード会社が歩調を合わせ、磁気式からIC式への切り替えを一斉に進めるなど、思い切った対策が必要だ」としている。

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『マレーシアから入国多く』
『短期ビザ免除を悪用』=実行役 ネットで求人=


 一連の事件で大阪府警が摘発したマレーシア人らは多くが中国系の若者で、いずれもインターネット上に書き込まれた求人情報に応じる形で入国していた。

府警はマレーシアに拠点を置く中国系の犯罪組織が背後にいたとみて捜査している。

 捜査関係者によると、逮捕されたマレーシア人らの多くは、日本に入国し高級ブランド品を購入する前、いずれもネットで「無料で観光ができる」「高収入が得られる」といった書き込みを見ていた。

 その後、書き込みをしたとみられる人物から対話アプリで、大きなキャリーバッグを買い、入国後は磁気式カードを使える百貨店や免税店を訪れた上で、高級ブランドのカバンや時計を”爆買い”するよう指示を受けていたという。

 外務省によると、中国人が日本に入国する場合、滞在期間や目的をとわずビザが必要だが、マレーシア人は2013年7月以降、短期滞在で活動が無報酬などであればビザは必要なくなった。

府警は「犯罪組織が中国系のマレーシア人に観光客を装わせて犯行を続けてきた」(府警幹部)とみている。

これまでの調べでは、購入の実行役に示されていた報酬額は購入価格の1割前後。
数百万円分のブランド品を買い、出国しようとしていたケースもあった。


●関連日経記事:2017年4月20日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「カード情報 1人1万円」=特集連載「ダークウェブ」  (上)=』(4月19日付)

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日経新聞 法務・犯罪「ファクタリング ヤミ金が装う」=違法貸し付け 大阪などで摘発=

2017年09月02日 05時15分12秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年8月31日(木) P.43 社会面
『ファクタリング(債権買い取って回収) ヤミ金が装う』

『違法貸し付け 大阪などで摘発』=法規制求める声=

 債権を買い取って回収を代行するサービス「ファクタリング」を装ったヤミ金融が横行し、警察当局が取り締まりを強めている。

大阪府警は今年、回収業務と称して高金利での貸し付けを繰り返したとされるグループのメンバーを逮捕。

摘発の動きは各地に広がりつつある。

手形割引に代わる資金繰りの手段として利用する企業が増えるなか、サービスへの法規制を求める声も上がる。


 昨年9月ごろ、関西の加工会社会長は自社の事業運営に頭を抱えていた。
売掛金の回収が進まず、運転資金は枯渇。

資金繰りに窮した状況で勧誘を受けたのが、東京都内のファクタリング業者だった。

 会長は約320万円の売掛債権を業者に譲渡する一方で、同じ業者から20万円を借り入れた。

利息を含めて31万円を返済したが、債券は結局、業者の求めで会長側に戻ることになったという。

 業者は債権の購入代金を支払っておらず、府警生活経済課は一連の取引について、債権を担保にした無登録での違法な貸し付け行為だったと判断。

同じグループのメンバーが複数の中小企業を相手に、同様の手口による貸し付けを繰り返したとして、今年1月以降、14人を貸金業法違反などの疑いで逮捕した。

 府警によると、ファクタリングを偽装したヤミ金融の摘発は初めてといい、これまでに大阪地裁は判決期日を迎えた中心メンバーらを有罪とした。

 7月には栃木県警が別グループの男2人を逮捕するなど、各警察も捜査を進めている。

 新手のヤミ金業者が暗躍する現状について、日本ファクタリング業協会(東京・中央)は「ファクタリングは企業の資金繰りに不可欠な存在になっている。 一部の悪質な業者によって、円滑な経済活動が阻害されかねない」と懸念する。

 営業登録や金利などで法律の網がかかる貸金業と異なり、ファクタリングに対する規制のない現状を問題視する意見もある。

 ヤミ金融被害に詳しい前田勝範司法書士は「ファクタリング業に登録制を導入して実態を把握しやすくするなど、ヤミ金業者を排除できる仕組み作りが必要だ」と強調している。

▼『ファクタリング』=資金繰り手段で浸透=
 ファクタリングは、企業が持つ売掛債権を買い取る回収代行サービス。

電子決済の普及に伴い、企業が商取引に手形よりも売掛債権を選ぶケースが増え、資金繰りの手段として広く浸透している。

 取引先に対し50万円の債権がある企業の場合、45万円でファクタリング業者に販売すれば、受取期日より先に現金を得えられ、業者は回収した50万円のうち差額5万円を手数料収入にする。

企業が債権回収に当たり、業者が買い取りのみを行う形態もある。

 営業を始めるにあたって認可や登録などの必要はなく、取扱業者は増加傾向にある。

日本ファクタリング業協会によると、大手銀行やリース会社なども含め、少なくとも約1千社が業務を手がけているという。


『表向きは通販・フリマ……』=ヤミ金、手口が一層巧妙に=
 ヤミ金融を巡っては近年、警察当局が摘発を強化するファクタリング偽装以外にも、クレジットカードの「現金化」と呼ばれる方法など、商取引を装った違法な貸し付けが目立っている。

 「現金化」の手口の一つが「キャシュバック型」。

ヤミ金業者は通販サイトなどに出した何らかの物品を借り手に高額で買わせる一方、代金から金利分を差し引いた金額を貸し付ける。

借り手にとっては、カードの決済日がヤミ金業者への返済期日となる。

 借り手に高額な商品を買わせた直後、業者が金利分を除いた金額で買い取ったうえで現金に換える「買い取り型」も代表的な手法とされる。

 個人間の物品売買を仲介するアプリに、現金や電子マネーが出品されるケースも問題化。

借り手は、業者が出品した金額を上回る額の値を付けた上で現金を受け取り、その後にカード決済する。

 金融庁は、出品との差額を金利として事実上の金銭貸借に当たり、貸金業法に違反しかねないとして、警察当局などと連携して監視強化に乗り出している。


●関連日経記事:2017年8月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 社会「融資膨らむ兆し、陰にノンバンク」=銀行カードローンを信用保証=』(7月28日付)

●関連日経記事:2017年8月15日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 社会『衣料通販サイト 「ツケ払い」』=未成年 使いすぎご用心=』(8月12日付)

●関連日経記事:2017年5月21日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「見知らぬ相手に画像送り拡散」=「自画撮り」被害防げ=』(5月19日付)

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日経新聞 法務・犯罪「電子書籍 はびこる海賊版」=不正コピー対策難しく=

2017年08月28日 10時42分18秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年8月27日(日)P.2 総合1面
『電子書籍 はびこる海賊版』=マンガ・雑誌「ただ読み」=

『不正コピー対策難しく』 

 漫画や書籍を無断でインターネットに公開し、著作権を侵害する「海賊版サイト」が横行している。

電子書籍の普及で不正コピーが容易になったためだ。

出版業界は不正コピー防止機能の導入など対策を進めるが、海賊版サイトは機能解除ソフトを使ってすり抜ける。

成長が期待される電子書籍での被害拡大に、出版業界は「有効な対策はない」と頭を抱えている

『数十億円被害か』
 「これもあれも電子書籍だ」。

海賊版サイト「Free Books(フリーブックス)」にあった漫画や雑誌の画像を見た出版社幹部がため息をついた。

フリーブックスは最大5万点の漫画や雑誌、小説などを「ただ読み」できるとし、アクセス数は月710万件に上った。

昨年末には存在が確認され、5月にサイバー攻撃を受けるなどし閉鎖されたが、被害総額は数十億円とみられる。

 出版業界に衝撃を与えたのは電子書籍が大量に不正にコピーされた点だ。

従来、作品の不正コピーは紙の本を裁断してスキャナーで読み込むため手間がかかったが、電子書籍サービスの本格化に伴い、短時間に大量コピーできるようになった。

 ネット上には電子書籍のページを自動でめくり、パソコンのスクリーンショット機能で撮影し、画像ファイルに変換する専用のソフトが無料公開されている。

こうしたソフトを使えば1冊あたり数分でコピーが可能。
フリーブックスのケースでも同様の手口が悪用された可能性がある。

海賊版サイトの運営者の多くは広告収入目的とみられる。

過去にサイトを運営したことがある男性(64)は「人気作品を掲載するほどアクセス数が伸び、広告収入を増やせる」と話す。

 出版業界も対策を怠っているわけではない。

電子書籍に不正コピー防止機能を導入したほか、購入者の情報を目に見えない「電子透かし」の形でページに入れて流出経路を特定できるようにした。

だが、海賊版サイトはその上を行く。
防止機能の解除ソフトや電子透かしの除去方法を解説したサイトが次々と出現。

防止機能をバージョンアップしても、それに対応した解除ソフトがすぐに出回ってしまう。

 海賊版サイトを閉鎖させるのも簡単ではない。

捜査当局の追跡を逃れるため、サイトのサーバーの多くが海外にあり、運営者の身元を突き止めるのは極めて難しい。

出版関係者によると、フリーブックスのサーバーは東欧など複数の国に置かれていたという。

『誘導サイト規制』
 効果的な対策が見つからないなか、別の角度から不正コピーの拡大を食い止めようとする動きもある。

海賊版サイトに利用者を誘導する「リーチサイト」への規制だ。

リーチサイトとは不正コピーとみられる作品のリンクを並べているサイトのことで、利用者の多くはそこを経由して海賊版サイトにアクセスする。

200近くあるリーチサイトの大半は広告収入目当てとみられ、出版業界は「著作権侵害を助長している」と主張する。

政府も動き出し、知的財産戦略本部がリーチサイトの規制の検討を始めたほか、文化審議会の法制・基本問題小委員会でも規制のあり方の議論が始まっている。

 ただ、リーチサイトはリンクを張るだけで、不正コピーとみられる作品を直接掲載しておらず、著作権法に触れるかどうかは曖昧(あいまい)という。

ネット関連事業者からは「リンクを張る行為はネットの基本技術だ。 リーチサイトのどれが健全でどれが悪質かを判定するのは難しい」と慎重な対応を求める声も上がる。

 電子書籍・雑誌市場は2021年度に、16年度の約1.6倍の3560億円に拡大すると見込まれている(インプレス総合研究所調べ)。

普及しつつある電子書籍を海賊版サイトからどう守るのか、出版業界の模索は続く。

(吉田三輪記者)

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日経新聞 法務・犯罪「不正資金あぶり出しへ奔走」=仏金融、テロ続発が影=

2017年08月12日 05時52分18秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年8月10日(木) P.7 金融経済面
連載『世界の現場から』

『不正資金あぶり出しへ奔走』=仏金融、テロ続発が影=

 「口座開設などの銀行手続きが厳しくなった」。

パリで最近聞く話だ。

相次ぐテロに見舞われたフランスで、政府や銀行、保険会社がテロや資金洗浄などの不正な資金のあぶり出しに動いている。

 仏経済省系の対策機関「Tracfin」が7月中旬に発表したリポートによると、2016年に「不審な資金の動きがある」などの通報が前年から43%も多い6万4815件、同機関に寄せられた。

 16年の通報のうち大半にあたる約4万7000件は銀行経由によるもので、前年比50%増と著しく増えた。

通報はソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルなど大手7行が中心だという。
保険会社、公証人などの通報も増えている。

以前からの引継ぎ案件もあるものの、通報を受けて前年比28%増にあたる1万3592件の調査に結びついた。

一定の効果を上げていると言えそうだ。

 フランスでは、金融機関などは「不正な資金の疑いがある」などの場合に、当局に通報する義務がある。

だがこれまでは危機感の薄さなどが原因で十分に通報されていない例があった。

実際BNPパリバは今年、15年までの時点で十分に不正資金のあぶり出しに協力していなかったとして、1千万ユーロの罰金支払いを命じられている。

 ただ15年11月に起きたパリ同時テロでは、犯行グループが組織的に自動小銃などの装備を集めていた。

その後も大小のテロ事件がやまず、銃器の調達にも使われかねないテロ資金源をつぶすのは必須との意識が共有されてきている。

「1カ月に1万ユーロ(約130万円)以上の引き出しがある」などの場合に当局に連絡しなければならないとの規制も始まり、通報件数の増加に結びついたようだ。

 16年春には富裕層の節税実態を暴露した「パナマ文書」も発表された。
金融機関は不審な資金の流れを見つけるべきだとの社会的な要請も強まっている。

 不正資金の隠蔽(いんぺい)は仮想通貨を使ったり、多国間の口座を経由したりするなどと年々巧妙化している。

限りある捜査当局の人数だけでは、把握しにくくなっている。
今後の継続的な民間企業の通報が欠かせなくなっている。


●関連日経記事:2015年3月7日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 安心・安全「国際金融から排除」=テロ資金対策の課題 ③④=』(2015年3月4日付)

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日経新聞 法務・犯罪「デート商法、解約可能に」=消費者庁: 来年以降に法改正案=

2017年08月08日 04時14分11秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年8月5日(土) P.38 社会面
『デート商法、解約可能に』

『来年以降に法改正案』=消費者庁=

 内閣府消費者委員会の専門調査会は4日、恋愛感情につけ込んで高額商品の購入を迫る「デート商法」など、「合理的な判断ができない状況」で結んだ契約を取り消せる規定を消費者契約法に設ける必要があるとの報告書を取りまとめた。

 就職活動をする学生の不安を過度にあおって高額な講座を受講させるなど、こうした商法を巡るトラブルの相談が後を絶たないことを重視した。

報告書は消費者委の本会議に近く提出。
答申を受け、消費者庁は来年以降に同法改正案を国会へ提出する見通し。

 国民生活センターによると、デート商法を巡る相談は3月までの過去5年で2281件。

専門調査会が取り上げた事例では「婚活サイトで知り合った男性から、投資用マンションの購入を勧められた。 断ろうとすると、将来の話をされて断れなかった。 契約後、男性と連絡が取れない」という相談があった。

消費者契約法は、押し売りのような営業をする「不退去」や、契約をするまで店から帰さない「退去妨害」のように、しつこく迫られた状態で結んだ契約は取り消せるが、人間関係につけ込んだり、不安をあおったりするような場合は対象外だった。


●関連日経記事:2015年7月24日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「マルチの相談 20代突出」=SNS慣れで被害拡大=』(2015年7月22日付)

●関連日経記事:2017年6月14日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 社会『銀行カードローン、多重債務の温床に』=「3年内に貸金利用」6割=』(6月13日付)

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日経新聞 法務・犯罪「特殊詐欺8833件阻止」=ATMで声かけ=

2017年08月07日 04時57分21秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年8月4日(金) P.38 社会面
『特殊詐欺8833件阻止』=ATMで声かけ=

『上期被害を上回る』

 金融機関の職員らが高齢者にATMで声をかけて振り込め詐欺などの「特殊詐欺」を防いだケースが今年上半期は8833件だったことが3日、警察庁のまとめで分かった。

実際に金銭などをだまし取られた被害(8338件)を2年連続で上回った。
同庁は金融機関との連携が効果を上げているとみており、引き続き協力を求める。

 全国の警察が上半期に確認した特殊詐欺の認知件数は8863件(未遂を含む)で、前年同期から37.6%増加。

被害額は6.5%減ったが、186億8千万円となお高水準だった。
被害者は65歳以上が71.9%。

前年同期より6.9ポイント減ったものの依然として多く、特におれおれ詐欺と還付金詐欺は9割以上を占めた。

 金融機関やコンビニはATMで多額の現金を振り込もうとする高齢者らに声をかける取り組みを進めている。

2016年に水際で阻止したのは1万3139件と12年の3.5倍になったが、今年はそれを上回るペースで推移している。

今年上半期に阻止したのは8833件で、前年同期(6214件)の4割増だった。

 警察庁は昨年から金融機関に対し、ATMによる振り込みを長期間していない高齢者は振り込み限度額を「0円」とし、窓口に誘導するよう呼びかけている。

今年6月時点で37都道府県の217金融機関がこうした取り組みをしているが、地銀や信用金庫などが中心。

警察庁は金融庁などと連携し、都銀などに働きかける。

 また、警察庁は5月から、犯行に使われた電話番号に、20日間にわたって警告メッセージの電話をかけ続けて事実上使えなくする「警告電話」を行っている。


●関連日経記事:2015年1月26日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪 「振り込め詐欺 3割が中国発」(2011年7月4日付)』

●関連日経記事:2017年7月18日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「中国、邦人35人拘束」=振り込め詐欺容疑=』(7月12日付)

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