詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

「反対」(金子光晴)という・・ぼくの一番好きな詩は100年も前の詩

2009年07月17日 | Weblog
誰ひとり、この詩を素晴らしいと言った詩人は居なかった。
だから僕はこの詩にこだわり続けてるのかもしれない。
国会議事堂に車で激突したと、いつだったか記事で読んだ女性のように・・
まったく情けない奴隷と嘘つきばかりの日本の男どもよと思う

   反対    金子光晴

僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。

ぼくは第一、健康とか
正義とかがきらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無精にするものはない

むろん、やまと魂は反対だ
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けてゐる。

なにしに生まれてきたと問はるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
ぼくは、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ、

きもの左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。

僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。
(金子光晴詩集『赤土の家』1919年発行より)


いつかこの詩以上の詩、それを作れたらというのが・・ずっと昔からの僕の人生の目的なんだ。それ以外には人生なんかどうでもいいことだ。

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1 コメント

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ガクッ。 (「金子光春」でググって)
2015-08-16 16:11:53
それ以外には人生なんかどうでもいいことだ。

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