『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(82)**<2016.5. Vol.93>

2016年06月04日 | 横断車道

横断車道―82―

「パナマ文書」で世間は騒がしいが、その意味を理解しているか疑問。金持ち連中が、「制度脱税(節税ではない)」をしている程度の理解か▼海運事故があるたびに、リベリア船籍・パナマ船籍であることを記憶している方は多いかも。商船会社の多くの船は、パナマに架空子会社をデッチ上げ、そこに所有させ、税金だけでなく安全運航規制なども回避する。「制度脱税」など、過去の問題に過ぎない▼パナマのモサック・フォンセカと言う法律事務所の膨大なデータが、南ドイツ新聞の記者にリークされた。元CIAのエドワード・スノーデンや、WikiLeaksのジュリアン・アサンジンのように、巨悪支配者の秘密をバラシタので、命がけの筈であろう▼しかし、先進諸国政府は軽くサボタージュしているし、報道各社は国際調査報道ジャーナリスト連合 (ICIJ)から、資料入手しているのに、報道に消極的。プーチンとか習金平の批判記事だけが飛び交う。何か胡散臭い気分▼タックス・ヘイブン(税金天国)は、パナマに限らない。零細弱小国など、その国家の何百万倍もの資産の企業にとって、懐柔は簡単。今やアメリカ国家よりも、そこの巨大銀行資産は、遙かに大きい▼それらのマネー・ゲームは、信じられないペースの巨額の利益を、さらに膨らませつつある。外国為替(FX)は貿易で受けた他国通貨と、自国通貨の交換業務だが。世界の貿易総額の何百万倍ものFXが行われ、日単位で何億円程度の差益を生む輩がいる。株式も創業者の資金調達方法だが。東証一部で、日に何十兆円もの取引があり、やはり億単位で必ず儲ける連中がいる。何故、必ず儲けているのかは、またの機会に▼巨大銀行はマネー・ゲームをヘッジ・ファンド(投資組合)にやらせる。ファンドの管轄役所はなく、実態は不明。マネー・ゲーム(架空経済)が儲ける裏で、必ず損をする側が。「風が吹けば桶屋が儲かる」式で、勤労者所得が減少する。商品コストの圧倒的部分は人件費である▼勤労者は所得税・消費税・他の物品税・高速道路料金・健康保険税・介護保険税etc.を、容赦なく盗り立てられる。支配企業は法人税等の減免だけでなく、連結決算では数%の税金。その実態の一部が、「パナマ文書」で明らかになるかもしれない▼要するに、分業による報酬の分ち合い制度、金融制度を悪用する。投資組織は大企業から収奪する。大企業は役員報酬引上げで、自社株買いで防衛する。また、低賃金を加速し、ブラック企業化する。TPP(環太平洋戦略的経済協定)に見られるように、投資家は国家まで支配する▼奴らは、実態経済から生き血を吸う寄生虫だ。寄生虫が巨大化すると、宿主を殺す。それが現実的な時代に突入。奴らの先祖は、中世から金融をやっていた。その頃は、金塊を溜め込んだ。現代ではコンピュータの信号のみ。さて、バブルが弾けて、如何するのか?

(コラムX)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『みちしるべ』**揺れる頭... | トップ | E-mail news≪映画「あん」の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿