ステファン・グールド ら6名の世界を代表するワーグナー歌手の饗宴 にピタリと付けた 芸術祭監督=飯守泰次郎の棒の超絶名演!
「ワルキューレ」は人気演目で、来月来日する「ウィーン国立歌劇場来日引越公演」でも上演される。キャストを見比べて驚いた。私高本の視点では、「新国立劇場ワーグナー「ワルキューレ」キャストの方が充実しているのである!
チケット代金は、ウィーン国立歌劇場来日公演の半額未満なので、佐伯周子 に誘われて、初日を聴きに行った。
6名のソリストが自在に歌い上げ、継ぎ目を「継ぎ目と全く感じさせない 飯守泰次郎の棒」が圧巻の説得力
「ワルキューレ」は第1幕が、「ジークムント+ジークリンデ+フンディング」の3名のみの歌唱、第2幕が開幕から半分以上が「ブリュンヒルデ+ヴォータン+フリッカ」の3名のみの歌唱で、2時間半程度が経過するので、誰かが「穴」になると、緊張感がほどけてしまう。さらに「6名のソリストのテンポ感」が必ずしも一致するわけではない、と言うよりも一致するはずが無い。この解決方法はいろいろあるが、
飯守泰次郎は「6名のソリストは各自のテンポを尊重する。繋ぎは、飯守 が自在に操る!」
結果は大成功で、第3幕開始前に 飯守 は、「ブラヴォーの嵐」が吹き寄せる公演となった。勿論、終演後は、6名のソリスト+飯守泰次郎 に全員盛大なブラヴォーの嵐が飛んだ。(演出家 ゲッツ・フリードリヒ は死んでいるので呼ばれなかった>< )
最後に演出について少々。没後16年にもなる フリードリヒ演出 は既に評価が出ている。私高本は、「ワーグナーの意図に極めて近い」と感じる。ワーグナー自身に拠る台本は好みには合わないのだが、第3幕の「火の囲み」とか、第2幕の「ヴォータンのジークムントの成敗のあっさりさ」は、音楽進行とピタリと合っていて、説得力が高い。飯守泰次郎芸術監督が選択したのが納得できた。
「ジークフリート」「神々の黄昏」についても フリードリヒ演出 で既に新国立劇場公演が発表になっている。ワーグナーファンは大いに期待している。
私もワーグナー『ワルキューレ』を鑑賞してきましたので、興味深く深く拝読させていただきました。
主要キャストの歌手陣は世界でも最高水準といいえるほど素晴らしく、日本ではワーグナー指揮の第一人者と言える飯守泰次郎さん指揮・東京フィルの演奏も含めて感動的な舞台だったと感じました。
私も『ワルキューレ』の舞台を解消した感想と魅力、ワーグナーや芸術監督・飯守さんの意図等について考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。