映画食い倒れ。

〜映画は人生のデザートです〜

覚え書なので、ネタばれありです。

『バグダッド・カフェ 〜Bagdad Cafe〜』

2012-01-02 22:49:20 | 映画〜は〜
1987年 西ドイツ映画


「西ドイツ」映画、かぁ。この時はまだ、東西ドイツが存在していたわけですよね。この映画、多分中学生くらいの時にテレビで見た覚えがあるのですよ。17〜18年前のこと。その時にこの映画を楽しめたかと言われると、楽しめたわけがない(!)。難解だったんです。何がなんなのか、中学生の私にはサッパリだったわけですよ。でもその時は、もう少し大人になったらこの良さもわかるのかも、と思っていたわけです。

そしてそれなりにいい大人になった今、もう一回見てみようと観てみたわけです。

が・・・・、


どうやらあたくし、18年経ってもあんまり成長していなかったようで、てんでわかりませんでした!

バグダッド・カフェってこんな話でしたっけ?いや、話っちゅうか、こんなにわけわからん流れでしたっけ?

この映画、インディー系の映画好きの方の中には「大好き(はあと)」という方が大勢いらっしゃるのは存じているのですが、あたくし、全然だめでしたわ。

細かな説明がないのがいいのかもしれないんですけど、私には全然ついていけなかったのですよ。セリフも少ないので、画面を見て何がどうなっているのかを想像しなくてはならない…なんだか一本の映画を創作ダンスで表現しているような。そう、中学生の時、きっとわたくしと同じ年代の女性なら体育の授業でやったはず。あの創作ダンス!


カフェの娘がドイツ人のおばちゃんと仲良くなり始め、彼女のワードローブに着替えるシーン…なんだか胸騒ぎがしたのはあたくしだけでしょうか?それなりの年頃の娘(中学生くらい?)が見知らぬドイツ人女性の前で着替えるんですけど、このドイツ人、せっかちなのかやたら手を出して脱がせにかかるんですよ!

話の内容がよくわからないから、余計にこういう一場面のみ鮮明に、そしてきっと誤解して覚えているんでしょうけど、あたくし。


ちゅうわけで、よくわからなかったので感想も何もございません。そういえばドイツ映画というと、以前飛行機の中で『Cherry Blossom(邦題は「HANAMI」、独原題「Kirschblüten – Hanami」らしいっす)』というドイツ映画を見たのですが、こちらも素晴らしく風変わりな作品でございました。あ、でも映画として楽しめましたけど。ドイツ映画って、結構こういう風変わりな作風があるんですかね。



おすすめ度:★
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『おくりびと』

2011-11-26 02:11:26 | 映画〜あ〜
2008年 日本映画


実はいま、イギリスではテレビで放送中なのです。
去年の帰国時に日本でDVDをレンタルして、うちの祖母と一緒に見たこの映画。そういえば感想書いてなかったなぁと(いつもどおり)ふと思いましてね。このブログもほったらかしだったし。久々の更新ですが、なんだかいつも以上に反感を買いそうな内容になるような…あくまで個人の感想ですので、あしからず。


おくりびと(納棺師)という職業、この映画を見るまで知りませんでした。でも、どんな職業に対しても偏見とか差別とか、もちろん無くはないんだろうけど、妻(広末さん)の「汚らわしい!」というセリフは強烈だったなぁ、といまだに思い出します。でも、例えば葬儀屋さんとかに対して「汚らわしい」なんて思ったりする?亡くなることって、人生の一大イベントで、その後のお葬式などの一連の儀式ってなくなった本人よりもむしろ、残された家族の為の儀式。それをつつがなく執り行われるようサポートしてくれるのが葬儀屋さんや納棺師さんなわけで、むしろある種の尊敬すら覚えると思うのだけど…それを自分の家族が職業として選ぶこととは違うのかしら。それとも地方によって偏見や見方は異なる??

「お前ら、死んだ人間で食ってんだろ?」というセリフも。
もうね、わかんないんですよ。まだ30代のあてくしには、納棺師や葬儀屋さんって幸い身近なわけではなくて、かなり未知の世界。全く知らないわけです。だからそういう職業に対する「イメージ」というものすらない。だから映画の中で出てくる「納棺師に対するイメージ(偏見)をはっきりと持っている人たちの態度」というものに、賛成も反対もできない。

ある意味ね、この映画は私にとって「衝撃体験」だったのかもしれません。もちろんこれが本当のこの職業の姿ではないのかもしれないし、あくまで映画なのだけど。それでも納棺という儀式、この映画で見るかぎりでは、正直美しいと感じました。亡くなった人への尊敬、そして残された人たちへの尊敬を形にするような仕事なんだな、と。もちろん、そういう「美しい」仕事ばかりではなくて、仕事御始めたばかりのモッくんが遭遇した「キッツい現場」もあるんでしょうけど。

先ほどの暴言(セリフ)を吐いた俳優さん。名前は存じませんが、素晴らしい演技でございました。


でもね、カタギの仕事をしている旦那に「汚らわしい」と吐き捨てて出ていくような嫁、そんなひとでなしな女とは別れろ!モッくん、別れてしまえ!!!と心のなかで叫んだわよ。

実はモッくん(シブガキ隊も知っている世代なので、本木さんは私の中ではいつまでもモッくんのまま。ららら〜)の「オモシロ演技」ってもともと苦手で、だからどんなにいいと言われても映画自体を見る気になれなかったというのが本音。モッくん若かりし頃の『ファンシーダンス』とか『シコふんじゃった』とか。『おくりびと』のなかでも、「ああ、モッくん!」とちょっと個人的に辛い「オモシロ演技」もあったのだけど、それでも映画自体は素晴らしかったと思います。だからやっぱりテレビで放送してると見てしまうんですよね。でも・・・


・・・・・・・・


広末涼子さん。


自分が高校生の時は広末さん本当にアイドルで、ドラマにも歌番組にも引っ張りだこ。かわいいという印象はあったのですよ。でも、三上博史と出ていた『リップスティック』の不良少女役が全然不良少女に見えなくて、更に相手が三上博史だからなのか、演技力の差が素人目にも痛々しくて。そしてその後に見たのが、映画の『秘密』。この時のお相手が小林薫で、もちろん売れっ子の広末さんは「演技力が高い」と評判だったので、きっと彼女も女優として成長しているんだろうと思ってみてみたら、全然変わってなくて、もう見るに耐えなくて途中で止めたくらい。

この映画でも、全体のレベルと広末さんの存在(と演技)のギャップが強烈すぎて…正直、辛かったです。彼女が出てくると映画自体に集中できなくなるほど。この配役を恨んだくらい。どんな役でも「常に可愛らしさを忘れない(はあと)」っていうのが全面に出てるような。「行ってらっしゃい(はあと)」「わー、米沢牛!(はあと)」…。もちろん役柄が「健気で明るい妻」なんだろうけど、健気というよりは状況が全くわかっていないように見えるのよ。モッくんの妻ではなく、広末涼子なの。演技でなく、広末涼子として笑顔を振りまいているようにしか見えないの。すいません、言葉きついけど、これ正直な感想よ。

たぶんね、広末さんに合うドラマや映画もあると思うんですよ。『ケンジとヤスコ』に出てた時(帰国時に1回だけ見た)、「ああ、広末さん!この役抜群に会ってるじゃない!」と思ったもの。今更言っても遅いかもしれないけど。


でもね、やっぱりこれって個人の趣味の問題じゃないですか?それにファンの方だっているだろうし。友達とこの映画の話をした時も、自分からはあえて言わなかったのですよ。でもね、私が言い出さなくても友人たちが先人を切ってくれたの。「映画よかったよね…広末涼子以外は」。しかもね、3人も。別々の機会に、友人3人が3人とも私の心にそっと秘めていたこの思いを口にしてくれたのよ。ある意味有難かったけど。


私個人の感想なんだけど、日本の女優さん(いや、韓国の女優さんも)って、どんな映画や場面でも、常に「美しさ」「かわいさ」を失わない人多いですよね。それがありがたがられて「さすが女優、どんな場面も美しい!」という評価になるのかもしれないけど、個人的にはその方向は好きではないのですよ。演技だから「リアリティがない」というのはおかしな話かもしれないけど、話の内容より、ドラマや映画の質より、己の美が最優先!というところ。いや、もしかしたら女優さんたちの考えではなく、事務所だったり映画やドラマの制作の意向で「常に美しく」なのかもしれないけど、正直ね、白けるんですよ。

「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープのすっぴんの場面覚えてます?メリルだとわかっているのに、メリルに見えなくらい地味な顔が画面いっぱい。一個人の単なる映画好きに、「メリル、いいの?」と本気で彼女の今後のキャリアを心配してしまったほど。
「フラガール」の富士純子さんの演技、覚えていますか?炭鉱の町しか知らない女性。化粧っけなんかまるで無くて。いつもは凛とした着物姿しか見ていなかったから、あのギャップにもものすごく驚いたんですよ。それと同時に、「ああ、日本の女優ってすごい人がいるんだ」と嬉しさのあまり彼女に拍手を送りたくなったほど。


話が飛びましたが、『おくりびと』、面白かったです。そして山形県の風景が、本当に本当に美しい。でも広末さんが好きでない人には、ある意味辛いかもしれません。



おすすめ度:☆☆☆★ (しつこいのは承知ですが、広末さんの演技が良かったら、4つ星は確実でした。)
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コメント欄一時閉鎖について。

2011-02-27 20:06:41 | Weblog
このいつ更新されるともわからないブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。

ここ数ヶ月ほどコメント欄にスパムが目立つようになり、頻繁なコメント欄のチェック+削除に骨が折れるようになってきました。そこで、しばらくコメント欄を閉鎖させていただきます。

映画の感想、ブログの感想など皆様からのコメントは非常に面白く楽しみでもあったのですが、スパムが書きこまれたあと削除するまでの間に、皆さんの目に不愉快な言葉や文章(たいていは意味不明な広告などですが)をさらしてしまうことは、私自身あまり気持ち良いものではありません。

ということで、いつ再開するかはわかりませんがしばらくはコメント欄はおやすみさせていただきます。

ブログは…今まで通り、気が向いたときにちょくちょくアップして良く予定です。




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『ブラックスワン 〜Black Swan〜』

2011-02-03 20:03:05 | 映画〜は〜
2010年  アメリカ映画

皆様。単刀直入に申します。劇場で観てください。レンタルでなんてけちらずに、お金を払って大きなスクリーンで観てください。
もう、アタクシ個人の感想なんて恐れ多くて…と思いますが、それでもやっぱり勝手に書かせていただきます。感想というか、アタクシの衝撃体験といったほうが妥当かもしれません。

映画を見終わった後に衝撃のあまり席を立てない、という事を人生で初めて経験いたしました。そして悲しいわけでもないのに、涙が。あまりに映画が凄すぎて。衝撃に私の意識も体も吹き飛ばされたような感覚です。映画を観ている間に何度鳥肌がたったことか。

とにかくすごかったので、この興奮を早く文章にしたかったのですが、時間がないので感想はまたあとで更新させていただきます。



おすすめ度:☆☆☆☆☆+α



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2011年2月27日
追記:感想でございます。



1月下旬に『ブラックスワン』鑑賞後に、初めて席から立ち上がれなくなったという経験をしたアタクシ。その後2月中旬にも再び劇場に足を運び、2回目の『ブラックスワン』鑑賞。同じ映画を観に劇場に複数回足を運ぶのは、今回が初めてでございます。

もう、何から話したらいいのか…。映画のもつパワーがとにかくすご過ぎるのです。話がショッキングだとか映像がすごいとかそういう表面的なものではなく(いや、話の内容は十分ショッキングなのだけど)、この映画が持つ作品としての力に圧倒されてしまったのです。そして、観終わってエンドロールが流れる中、立ち上がれなくなった客席で、どういうわけか涙が溢れて止まらなくなったほど。こんな経験、初めてでございます。


もう、何を置いてもナタリー・ポートマンでございます。ナタリーの作品って、やっぱり私の中では『Leon』がものすごく印象づよくて、デビュー作とは到底思えない演技力に存在感、そしてまだ12〜13歳(撮影当時はもっと若い?)だというのに「これが私よ」という独自の空気を見にまとっていて本当に衝撃だった。でも、その後の作品って実はあまり観ていなくて、『Vフォーヴェンデッタ』とSFが好きでもないのに、どういうわけか劇場で見ることになった『スターウォーズ・エピソード1』、他には『ズーランダー』のカメオとか、個人的には全然楽しめなかった『クローサー』とか、その程度。それでも気になる存在であったのは変りなく、去年11月下旬に初めて『ブラックスワン』の名前を知り、ポスターを見た時の衝撃といったら!話の内容なんか全くもって知りませんでしたが、「このポスターデザインから感じた直感が正しければ、この映画が面白くないはずがない」とある種の確信すら感じたほど。予告編を見ないうちに、こんなに映画の公開を待ち焦がれたことってこれまでに、少なくともここ数年は無かったんじゃないかと思います。

そしてやっとのこと1月下旬に劇場に足を運び、映画開始3分でもう完全にアタクシ、ノックアウトされました。劇場で素晴らしい映画に出会えた興奮。映画好き(映画館で見るのが好きな人)なら分かっていただけるでしょう。

この映画、ナタリーのプロ根性と才能が爆発しています。「バレリーナ役」なんて言葉では失礼に当たるのではと思うほど、彼女の体はまさにアスリート。開始数分で映される彼女の背中、体格、姿勢。もう、女優が演じているという枠を完全に超えております。そしてそれも納得。Bafta(イギリスのアカデミー賞)で主演女優賞を受賞したのですが、その代わりに壇上に現れた映画関係者曰く、撮影前の1年間毎日8時間のトレーニングに励んでいたとのこと。もう、脱帽という言葉以外見つかりません。現に映画の中のバレイシーンの8割はナタリーが自分で演じたとのこと。映画の中のナタリーは、もうナタリーではなく完全に「ニナ」なのです。


とにかく、ナタリーが素晴らしいのです。「うまい」とか「素晴らしい」という言葉では賞賛し切れないほど。バレリーナとしてはもちろん、ニナの気持ちの揺れ、彼女が押し殺してきた恐怖心、トラウマ、葛藤がナタリーの演技から見事なまでに伝わってくるのです。それも見事な塩梅に。

映画を見終わったあと、一緒に観に行った友人と、「主演女優賞のみならず、もうドキュメンタリー賞とか長編アニメとか一切合財を彼女に与えたいくらい!あ、でも主演男優賞はコリンにとってもらいたいし、作品賞は『英国王のスピーチ』に取ってもらいたい気持ちは変わらないんだけど。なんなら今後10年間、この映画の演技で主演女優賞を受賞を約束したいくらいにすごかった!」と興奮冷めやらず映画館の外で30分ほど話し合ったほど(アタクシ達、何様?)。そしてDVDで鑑賞するときは、尊敬と賞賛と敬意を表すためにも、レンタルとか海賊版じゃなくて(当たり前だけど…汗)、正規の値段を支払って購入したい、と二人で固く誓いました。どうでもいいでしょうけど。

映像もうまくCGが使われていて、暗くて恐ろしくて美しいのよ。本当のおとぎ話の世界のような。アタクシのお気に入りはタイトルにもなっている『ブラックスワン』の踊りのシーン。Baftaの授賞式の時の作品紹介でそのシーンが流れたので、テレビの画面で見たのだけど、もう、皆様。絶対に劇場の大きな画面で見てください!もう、ぜっんぜん違いますから!!!

バレイを題材にした映画というと、実はこれまであまり見たことがなくて『センターステージ』くらいかも。この映画の見所はバレイシーンはもちろん、スリラーとしても楽しめるし、そしてナタリーの演技はずば抜けています。

唯一、たったひとつだけ個人的ながっかりはというと、ベス(映画内でのダンサーのひとり、ウィノナ・ライダー!)の髪型。なんでそのカットなんだよ?と。でも、ウィノナが久々に大作に戻ってきたというのも嬉しいです。

日本での公開は2011年5月からだそうです。もう、絶対に映画館で見てください。アタクシ、このままだと映画館で3回目の鑑賞に足を運びそうです。


おすすめ度:☆☆☆☆☆+α(気持ち的には星10個!)
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『英国王のスピーチ 〜The King's Speech〜』

2011-01-20 21:49:39 | 映画〜あ〜
2011年 イギリス映画 


予告編を一度も見ることなく、話の内容も殆ど知らない状態で見に行くことになった『英国王のスピーチ』。イギリスでは、映画がゴールデン・グローブ賞の最優秀作品賞、主演俳優コリン・ファースが最優秀主演男優賞にノミネートされており(コリンは受賞!おめでとう!!!)話題を集めている作品です。


実話が元になっているこの映画。吃音症(きつおんしょう、どもりなどで人前でうまく話せない症状…アタクシが読めないのでよみがな付き☆)を持っているアルバート王子は、スピーチが苦手。しかし皇室の王子という身分のため、大勢の民衆を前にスピーチをしなければならないことがしばしば。そのたびに苦い思いをしてきた。この吃音症を克服するためのトレーニング、オーストラリア人トレーナーのライオネルとの友情を描いたドラマです。


まず、なんといってもこの映画の見所はキャストの豪華さ。アルバート王子・後のジョージ6世をコリン・ファース。その妻でエリザベス妃をヘレナ・ボナム・カーター。そしてオーストラリア人のトレーナー役は、オーストラリア人のジェフリー・ラッシュ。この3人がひとつの映画に出ていると聞いたら、観ないわけにはいきませんわ。


映画が始まって5分で、もう心がどっぷりと映画に引き込まれてしまったほど、最初から「この映画が良くないわけがない」とある種の自信と、そして映画に対しての信頼を感じることができます。そのくらいいい。コリンの演技、もう「素晴らしい」という言葉では安っぽく聞こえてしまうんじゃないかと心配になるほど、素晴らしい(やっぱり他の言葉が見つからない…アタクシの表現力・苦)。コリン・ファースは個人的に好きな俳優なんだけど、「こんなに凄かったのか、この人」と正直驚いたほど。


コリンだけでも十分に素晴らしかったし、他の俳優がずば抜けた演技力がなかったとしても映画としては十分に楽しめたんじゃないかと思いますが、そこで終わらないのがこの映画。アルバート王子(コリン)の吃音症を治すためのトレーナー役がジェフリー・ラッシュ。コリンの演技に唸ったところに、ジェフリー。そう、そうでしょ?この映画が良くないわけがないのよ。ジェフリーというと最近だと『パイレーツ・オブ・カリビアン』のイメージが強いかもしれませんが(っちゅーか、顔が特殊メイクでわかんないけど)、私の中でジェフリーというと、オーストラリア映画で彼自身がアカデミー主演男優賞を受賞した作品でもある『シャイン』がものすごく印象に残っております。なんか、もう演技とかではなくて、何かが乗り移っているといったほうがしっくりくるような。今回もまさにそのとおりで、彼以外の俳優があの役を演じている想像をする余地を与えないほど、見事なまでに演じきっております。


さらに、アルバート王子の妻のエリザベス役にヘレナ・ボナム・カーター。もう畳み掛けてきます。もう完全に隙なし。何この配役!完璧だわよ。最近のヘレナって、旦那(ティム・バートン)の映画の中の役のように、エキセントリックなイメージが強いのだけど、皇室のこの役に微塵の違和感も感じないのよ。この人の持つ美しさと力強さと演技力の高さの別の側面を見せられた気がします。


主演の3人がただ演技がうまいだけではなくて、演じる役のの中に少しの「遊び」を入れてくるものだから、それぞれがものすごくキャラ立ちしているのよ。だからといって自分の役を全面に押し出したり、アクが強すぎたりするのではなく、その少しの「遊び」のおかげで役に息吹が吹き込まれて、役の人物像の輪郭がもっとはっきりとしてくるというか。ヘレナが終わりかけのシーンで見せた、あの一瞬の表情の崩し方。あのほんの一瞬に、アタクシ涙いたしました(本当に)。「これでもか!」という演技合戦ではなく、それぞれが演じることを楽しんでいるように感じられるほど(実際はどうか知らないけど)、力のある俳優や優秀なスタッフで創り上げられた映画なんだという雰囲気がひしひしと伝わってきました。ああ、言葉じゃ言い表せないので、見てください!


ところどころに笑いも入れてくるし、その配分が抜群です。どうしてゴールデン・グローブの作品賞がソーシャル・ネットワークになったのか。アタクシ個人的には、『英国王のスピーチ』の圧勝でございます。


日本では2月26日からの公開のようです。おすすめ!



おすすめ度:☆☆☆☆☆
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『ソーシャル・ネットワーク 〜The Social Network〜』

2011-01-17 20:44:48 | 映画〜さ〜
2010年 アメリカ映画


お久しぶりでございます。放ったらかしでしたが、ちょうどいいタイミングで映画を見たので久々にアップさせていただきます。

『ソーシャル・ネットワーク』、ゴールデン・グローブ賞の最優秀作品賞取りましたね。ゴールデン・グローブの発表がその日の夜(アメリカ時間)だったとは知らず、有力候補だった2作品(もうひとつは『The King’s Speech』)をたまたま同日の発表前に見たのですが、さてアタクシ個人の感想はといいますと…。


イギリスで『ソーシャル・ネットワーク』が公開になった時、アメリカでの評判がすこぶる良かったので映画館に観に行こうと同僚たちを誘ったのですが、ことごとく拒否され結局見逃すことに。そして昼間に『The King’s Speech』(日本での題名が見つからず。『英国王のスピーチ』という名前になるかもですね。1月14日の時点では調べきれませんでした)を映画館に観に行き、その夜に同僚が持っていた『ソーシャル・ネットワーク』のDVDを鑑賞することに。(『The King’s Speech』の感想はまた別に掲載する予定です。)


では、率直に感想を申し上げましょう…。


面白くない。面白くなかったのよ。もうてんで、面白くないの。この映画、すごく良いレビューやおすすめ記事がたくさんあってすごく期待していたのだけど、もうビックリするくらい面白くない(注:あくまで個人の感想です)。内容が難しすぎるとか、私の英語力が追いつかないとかではなく、映画として面白い要素が全然見つけられなかったのよ。一緒にこの映画を見た2人も同意見。ちなみにイギリス人とフィリピン人でひとりはコンピューターエンジニアなので、英語や技術的な内容に問題がない人達。Facebookのことを知っていたらもっと楽しめるのか、と言われるとアタクシも一応人並みにはFacebookを使っているし、映画の登場人物として出てくるナップスターのショーン・ファニングについても知っていたし、知識不足というわけでもないと思うのよ。ただ、純粋にアタクシ好みではまったくもって無かったということ。

映画はご存知のとおり、FACEBOOKが出来るまでと仲間内での金銭の揉め事を描いていて、決してコンピューターの技術的な話をしているわけではないのね。基本的にそのサイトを取り巻く人間模様を描いたドラマなんだけど、ものすごくテンポが悪いのよ。始まってから1時間半は話の流れが凄く遅いの。出来事を忠実に映画に反映させようとしたのだろうけど、それで話のテンポが生まれず間延びな感じになってしまっていて、それって映画としてどうなんだろう…という疑問が。アメリカでの評判がすこぶる良かったから、アメリカ人には受ける感じの映画なのかしら。それともあのよいレビューはプロモーションの一環なのかしら…と大絶賛のレビューが存在すること自体が私たちには謎だったというのに、その映画が作品賞受賞。もう本当にアタクシ(たち)には訳がわからず。出演している俳優たちの演技も、主演のジェシー・アイゼンバーグ(『アドベンチャーランド』の彼ね)以外は特筆する必要もなさそうな感じ。ジェシーはうまかったわよ。ジャスティン・ティンバーレイクがショーン役で出ていたけど、別にジャスティンでなければならなかったという気もしないし。俳優陣らの演技が胸踊るほどに素晴らしかった『The King's Speech』と同じ日に観てしまったので、余計に比べてしまったかもしれませんが。

良い点を上げるとすると、ポスターにあった言葉は映画の内容を端的に表していていいなぁ、と感心いたしました。


“You don’t get to 500 million friends without making a few enemies”


イギリスでの上映は終わっているのだけど実はあまり話題にもならなかったくらい、注目度は高くなかったということも付け加えておきましょう。


ちゅーことで、話題作なので話のネタにはなるかもしれませんが、映画が面白いかと言われると…個人的には全然おすすめしません。



おすすめ度:★

*画像はいつもは映画のシーンを使用するのですが、この映画はポスターがすごく良いと思うので、そちらを使用しました。

*イギリスでは、ゴールデン・グローブ賞受賞後、再びいくつかの劇場で上映が再開されています。(2011年1月22日 追記)
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「ザ・コーヴ 〜The Cove〜」

2010-10-08 12:19:28 | 映画〜さ〜
2009年 アメリカ映画


ほぼ、というか完全に放置状態のブログになっていますが、忘れているわけじゃないんですのよ。映画も月に2〜3本は見ているのだけど、どうにもこうにも感想を書く時間が…まぁ、言い訳はさておき、久々の記事です。


今年のアカデミー賞後、日本では『ザ・コーブ』というイルカ漁に関するドキュメンタリー映画の内容と上映の是否をめぐる議論が注目されていた。イギリスでは、3ヶ月ほど前にテレビで放映されて(スポンサーがホンダというのがちょっと皮肉で笑ってしまったけど)、見てみることに。

感想を端的に言うと、「予想通り」の映画。良くない意味で。確かに内容はショッキングで、これまで知らなかったことにも触れられていたけど、ドキュメンタリー映画として優れているかというと、私個人としてはそうは思わなかった。非難するべき矛先を完全に間違えているような。イルカ漁には日本のみならず諸外国の事情が絡んでいてもっと複雑な問題であるはずなのに、白か黒かの単純な善悪の概念でこの映画は作られていて、正直「この映画を作った人たち、関わった運動家たちは『日本での』捕鯨・イルカ漁をやめさせたいだけなのでは?(それでは何の解決にもならないのに)」と思えてしまうほど。「イルカを取ることは良くない。だから悪。」という幼稚園児のような思考しか見えてこなかった。どうして漁師たちがイルカ漁をすることで生計を立てられるのか。映画の中では表面的にその事実の一端を触れてはいるが、そこを掘り下げようという気は全く無いようだった。世界中のイルカショーを行っている娯楽施設が、日本からイルカを購入しているのだ。この映画からは、イルカ漁の残忍さ(これがこの映画で一番アピールしたい点だと思う)と娯楽施設でイルカショーをしているイルカたちの存在が全く結びついていない。この映画を見た人が、イルカショーを観に行くことを考え直すか・・・いや、殆どの人はそういう思考にはならないだろう。そもそもの問題はそこにあると思うのだけど。

念のために書いておくが、私はイルカ漁に賛同しているわけではない。むしろ反対だ。

日本にとっては、特にここ数年、シー・シェパードなどの過激派環境保護団体との衝突があり神経質にならざるを得ない内容で、社会問題に対して真面目に取り組 もうとする日本人気質もあり、日本国内では余計に注目が集まったのではと思う。では、イギリスではこの作品に関してどんな報道がなされたかというと・・・ ほぼスルー。取り上げるメディアはもちろんいたが、内容に対して大きく反応した記事ではなく、「こんな映画があるよ」という紹介程度だった。実際に見てみ ると、あくまで作品(映画)として見てみると、映画館での上映のために抗議するほどの作品ではないと思った。関心があるのなら、DVD鑑賞でも十分だと思 える映画。私はアカデミー賞の選定基準がわからないけど、どうしてこれが賞を取れるのかと首をかしげたくなるほど。イギリスのテレビで日頃放送されている ドキュメンタリー番組の方が、よっぽど質が高いと思う。それともノミネートされた他の作品がこれ以上にひどかったから、選ばれざるを得なかったとか・・・ と余計な事まで考えてしまう。アカデミー賞受賞作というと、ずば抜けて素晴らしい作品なんだと思い込む人もいるようだけど、すべての作品がそうであるわけ ではない。



この映画をみて、子供の頃何度か訪れた娯楽施設を思い出した。敢えて名前をかかせてもらいたい。愛知県にある南知多ビーチランドだ。ここの目玉はなんといってもイルカショー。私も子供の頃、イルカショーが大好きだった。イルカのおねえさん(調教師)になりたいと思っていたほどだ。それがある光景を目にしてその夢から覚めた。一番最後に南知多ビーチランドに行った日だ。私は小学校高学年、確か5年生だったと思う。イルカショーが行われる大きなプール以外に、園内にはイルカの体がちょうどすっぽりと収まる大きさのプール、いやプールというよりイルカ用の風呂といったほうが妥当だと思われるような水槽?があった。深さはちょうどイルカが入って背中までやっと水がかぶるくらい。すっぽりと収まる大きさのその水槽に一投のイルカが入れられていた。その水槽の名前は「タッチングプール」。来場者がそこで直にイルカに触れる様になっていた。

こんなに悲惨な光景を目にして、実際にその悲惨さに気がつく来場者がどのくらいいたのか。

イルカがすっぽりと収まるその水槽。イルカは身動きが全く取れないわけだ。泳ぐことはもちろん、人間の手に触れられることから逃げることもできない。おそらく、年をとってショーができなくなったイルカなのだろう。この光景に、なんとも言えぬ気持ちになった。当時11歳の私には的確にその気持ちを表現することはできなかったけど。その胸糞悪くなるような光景を見たのを最後に、南知多ビーチランドに行くことはなくなった。他の水族館はどうか知らないけど、こういう扱いはイルカのみならずどんアン動物に対してもして欲しく無い。南知多ビーチランドにこの「タッチングプール」が今はなくなっていることを祈るばかりだ。


話が脱線しましたが・・・

興味がある人は自分の目で確認すべき作品だと思います。ただ、観客の感情を煽るような作りなので、しっかりと自分の意見を持っていないと洗脳されるかも。


おすすめ度:★


画像は後ほど。
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『インセプション 〜Inception〜』

2010-08-02 01:06:05 | 映画〜あ〜
2010年 アメリカ映画

もう3ヶ月近くも更新していなかったんですね、あたくし。映画はDVDも含めて週に1本は見ているのですが、感想の更新って意外に時間がかかってしまいなんだか放ったらかしのままです。

そんなことは置いておいて、最新作『インセプション』です。日本でも7月下旬から公開されているようですね。先に見にいっていた友人たちから「話が複雑で途中でわからなくなるけど、面白い」とある種絶賛に近い感想を聞いていたので楽しみにしておりました。

まず、本当に複雑!さらに英語難しい…もう2重苦です。始めの5分ですでに迷子になりました。何とか必死についていったつもりですが、完全に話を理解したという自信がありません。

それでも面白いです。まず映像が面白い。前回感想を書いた『アバター』でも映像がすばらしいと書きましたが、『アバター』の場合は想像世界、アニメの延長みたいな感じだったのに比べ、『インセプション』の映像はもっと現実に近いです。いや、夢の中なんですけど…(すでにこんがらがってきた)。映像に遊び心と大胆さがあって、実際には起こりえないことばかりなのですが、「えー、これ思いっきりCGだし興ざめ!」ということが無いのです。

話の内容に関しては、アタクシ自身が100%理解しきっていないので割愛させてください。こんなんで「映画の感想」と言ってはいけないというのは重々承知でございますが…だって、アタクシのブログだし(えへっ)。自分なりの感想ということで書かせていただきます(いい逃げ道だわ)。

この映画のすばらしさは映像のみではなく、キャストがすばらしい!主演のディカプリオはもちろんよいです。実は彼の主演というと、『シャッター・アイランド』も見にいったのですが、こちらも面白かったです。ただどちらも同じに見えます、ディカプリオ。役者にはいろんな種類があって、役柄によって全く別人になってしまう人、それからどんな役を演じてもその人らしさを失わない人。ディカプリオは後者だと思います。良くも悪くも、どんな役を演じてもディカプリオ。トム・クルーズってそうですよね。その映画に出ても、トムのまま。主演級の俳優にはこういうタイプ、意外に多いような気がします。でも、うまいんです。ディカプリオには、いつかオスカー獲ってほしい。

そして、謙。謙はいい仕事します。安心のブランドです。前にも何かの感想のときに書いたような気がしますが、テレビドラマシリーズ『鍵師』の時からあの眼光の鋭さがテレビの許容範囲を超えているのではないか、と勝手にドキドキしていたアタクシとしては、大画面の中の謙のほうが安心してみていられます。そして当然ですが、ほかの役者に負けないあの存在感といったら!画面からでもあの存在感を放つのですから、実際間近で見たらアタクシ倒れるんじゃないかと思います。嫁(南果歩)とか、日常生活に支障は無いのかと思うほどです。

日本ではディカプリオをメインとしてPRが行われていると思いますが(いやたぶん何処でもそうですが)、この映画は主要人物が複数いてその誰にも個性があり、お互いぶつかり合うことなく引き出しあっています。やたらキャストだけ豪華でも、個性のぶつかり合いでお互いのよさを消耗してしまうだけの作品って実は多く、興行的にも失敗するケースが多いように見受けられますが、『インセプション』は話の内容、映像のみならず、俳優たちが負けていないのが印象的です。

驚いたのは紅一点のエレン・ページ。『ジュノ』で注目されて(その前の『Xメン』は未見。興味が無いから)、今年の春に公開された『ローラーガールズ・ダイアリー』(こちらも未見。見なければ!)とかコメディーのイメージがものすごく強かったのですが、『インセプション』での彼女の「賢い学生さん」という役柄が意外にもぴったりで、学生の初々しさを残し、この年代の女性の細かな心の動きなど、映画の本筋には関係ないけれど所々で面白みを持たせる演技は拍手物です。

一番印象に残ったのは、ジョセフ・ゴードン=レヴィッド。この俳優、全然知りませんでした。いや、彼の映画は見たことがあったようなのですが、俳優として印象に残っていなかったというか。彼の主演作である『500日のサマー』も見ているのに、私の意識はすべて、共演のズーイー・デシャネルに持っていかれていたようで。この彼がすばらしくよかったのです。見た目から「アジア系?」と思ったのですが、ウィキを調べてみるとそうではなさそうですね。
ほかのよい意味でアクの強い俳優たちに囲まれながらも、彼の存在感は際立っていました。今回の作品が彼の出世作になりそうですね。

エンディングも含みを持たせる終わらせ方で、観客に考えさせる、余韻を持たせる演出でよかったです。

そうそう、今ウィキで主演俳優をチェックしていたのですが、トム・べレンジャー画出ていたのですね!ええ、すぐに「ああ、あの人が!」と一致しましたが、実はその人を映画の中で見たとき、「どこかで観たことあるけど誰だっけ?マーチン・シーン?んンン、でも何かが違うような…」と消化しきれていなかったのです。そう、トム!トムだったのね!!!


おすすめ度:☆☆☆☆★
(あたくしが日本語字幕で見ていたら5つ星だったような気がします。そう、原因はあたくしです。)
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「アバター 〜Avatar〜」

2010-05-15 02:53:23 | 映画〜あ〜
今更なんですけど…『アバター』です。
日本でも大ヒットだったようですね。映画の配給会社が、広告にものすごく力を入れたという記事を読みました。ほかの国では出来るだけ公開前の露出を控え、内容を秘密にすることで話題づくりをしていたとのことですが、日本では逆に公開前の露出を大きくしたそうです。とにかく登場人物たちの肌の青さに目を慣れさせるために、テレビでも長めのCMを頻繁に流し、「免疫」を作ると言う方法をとったそう。「青い」と言う見た目のために、映画の内容以前に拒否反応を起こす人が多いと言う考えからだそうです。それが見事に的中した、ということでしょう。

実際私も、全く興味を持っていなかった一人で…だって青いんですもの、登場人物たちが。ただでさえSFがあまり好きではないので、青い登場人物たちの存在がさらに足を遠のかせてくれました。ええ、あたくし心のそこから日本人です。

それが、映画を見て大絶賛の旦那と義父。「きっとおゆりも好きだと思うから」と半ば強引に旦那に連れて行かれて観てまいりました。これが2月だったと思います(うろ覚え)。しかも旦那は鑑賞2回目。


さて、やっとこさ映画についてですが…いや、実はね。映画を見ている間はそれなりに楽しめたんです。でも感想をといわれると、1行で終わってしまう。なので、その感想は最後にとっておいて、とりあえずよかった点を挙げてみましょうか(強引なのはわかっていますが、こうでもしないとSFに対しての「やっぱり苦手」感が文章全体に出てしまうので)。

まず、映像と言うか作られた世界のなかの「自然界」(わかります?)がものすごく美しかった。この映画の世界って、ものすごく現代の地球に似ているけど同じものではもちろん無いわけで、ある種仮想世界なんですけど、その仮想世界の中で描かれている「手付かずの自然」がやたら美しいんです。想像でここまで現実味を帯びた美しさが作り出せるのか、とため息が出るほど。

それから、ミシェル・ロドリゲスが主要キャストの一人として出ているのですが、彼女がこれまで演じてきた役の中で、これが一番はまっているように思いました。これまでも肉体勝負(ガテン系の部)で活躍してきましたが、ハワイの女子サーファーの役やSWATよりも、今回の反体制+良心を持ったヘリコプターの操縦士役が一番しっくりでした。長い台詞のときよりも、一言つぶやくような時に彼女のもともとの雰囲気と役柄が合致しているように思いました。


さて、そろそろ映画自体の感想といかせていただきましょう。一言で言いますと、

「ガンダム版もののけ姫」


ガンダム好きな人から「ガンダムはこんなものじゃない」と言われそうですが、例えです、例え。軍人たちが乗っていたあのロボットも、私には「モビルスーツ」にしか見えなくて。引っ張った割りにそのまますぎて申し訳ないんですが、この一言に尽きます。実は旦那(イギリス人)も、「もののけ姫みたいな物語だから、おゆりも楽しめると思うよ」と言っていたんです。ほんと、その通り。ほかの友人(フィリピン人)にはなしたところ、「実は僕ももののけ姫みたいだと思っていた!」とこちらも賛同。

なので、もののけ姫を見たことのある観客にとっては、物語自体は全く新しさの無いものだったんじゃないでしょうか。まぁ、そんなこと言ったら映画の大半はそうですけど。むしろ、もののけ姫をベースに設定を変えて作ったんじゃないかと思うほど。実はそうです、といわれても驚きません。

あ、そうそう、今思い出したけど、でかい鳥とか馬に乗るときに自分の髪の毛の先端から出てるなんかよくわからない体の部位(本当になんと説明していいのか…なにかいい説明のしかたありません?)と動物の尻尾とかとさかの先端にある同じような部位(…。)を結合させるんですけど、なんか、あれがすごく見るに耐えなかったわ。ほかの人の感想にも同じようなことが書いてあるのを見て「ああ、私だけじゃないんだ」と妙な仲間意識を覚えました。

あと、空中に浮いている土地?島??が『天空の城らぴゅた』を思い起こさせました(また!)。こんなこと言うの、私が日本人だからでしょうか。だからといって、別に『〜ラピュタ』のファンではないんですけど(あたくしのお気に入りはトトロ!)。


映画としては、楽しめました。断然映画館向きの作品ですよね。どらえもん映画以来の3D体験だったし。今後3D作品増えそうですけど、あたくしとしては基本的に映画は2Dで十分です。というか、この映画見た後頭痛が酷くて夫婦ともどもバファリンのお世話になりました。目も疲れるし、脳みそもいろいろ疲れるのかしら。


おすすめ度:☆☆★ (ただし映画館に限る)
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「ラブリー・ボーン 〜The Lovely Bones〜」

2010-04-12 03:21:24 | 映画〜ら〜
2009年 アメリカ映画

もう数ヶ月前になりますが、映画館で見てきました。前回の予告にも入っていない映画の感想のアップですが、気にしない気にしない。

14歳のスージー(シアーシャ・ローナン)は学校帰りのある日、近所に住むジョージ(スタンリー・トゥッチ)に殺害される。しかし警察の捜査にもかかわらず見つからない犯人。家族は苦悩にさいなまれ、それぞれがストレスを抱えながらの生活を余儀なくされる。スージーは天国への道すがら、自分が亡くなったということを少しずつ受け入れつつ、この世に残された家族や犯人たちの生き様を見つめ続ける。

ベストセラー小説の映画化だそうです。この映画の批評が新聞に載っていたのですが、イギリスでは大方「原作のファンにはがっかりな仕上がり」ということでかなり酷評されておりました。あたくしは原作読んでいませんし(毎度のことですが)、予告編を見たときから面白そうだったので見にいったのでした。

ものすごく独特なつくりの映画です。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』(未見です、あたくし。何度かチャレンジしたけど、あたくしにはファンタジー過ぎて)のピーター・ジャクソン。特にスージーが天国?(それとも天国への途中の世界?)にいるシーンは、ファンタジー全開!同じファンタジーと言っても、ティム・バートンよりも毒味がなくて、もう少しガーリーな雰囲気が漂っています。それは14歳のスージーの世界に合わせたつくりなのでしょうが、映画の中のスージーの持つ優しくて、透明感があってかわいらしさを持ち合わせているイメージにぴったりなのです。そのファンタジーの中ではとにかく楽しそうで、むごい殺され方だったのだからせめてあの世ではこのくらい楽しいことが待っていてくれないと、スージーのみならず見ているこっちも救われないわ…とその表現に妙な納得をしてしまったり。

かなりファンタジーの要素が入った映画であると言えると思うのですが、何せ基盤となっているのは14歳の少女の殺害、そして家族の苦しみ。のうのうと生きている犯人の姿。正直かなりキッツいのです。犯人役のスタンリー・トゥッチの憎たらしさ、気持ち悪さといったら!もちろん彼の演技力の高さ、キャラクターデザインやメイクによる功績ですが、本気で胸糞悪くなるくらいこの犯人のキャラクターが立っています。彼のおかげで、2時間の映画、見ているのがかなり辛かったです。苦痛を感じるほど。映画としてよかったと思うのですが、また見たいかといわれたら、無理です。どんなに色合いを明るく、天国の様子を楽しげに描いていても、心躍る物語ではないのです。

主人公スージーを演じるシアーシャ・ローナン、ものすごくよかったです。演技がうまいと言うのはもちろんなのですが、独特の存在感と同時に透明感があり、さらにかわいらしい。容姿もとってもかわいいのだけど、視覚的なかわいさのみならず、内側からにじみ出るかわいらしさがあるのです。彼女が主人公を演じたからこそ、私はこの映画を見るのを苦痛に感じたのかもしれません。もちろん、よい意味で。こんな素敵なスージーが殺されなければならないなんて、という憤りによるものです。調べてみたら、彼女まだ15歳ですが、すでにアカデミー賞助演女優賞にノミネート(『つぐない』にて。当時13歳だったそう!未見)された経験があるのですね。存在感や演技力の高さに納得です。

また、脇を固める俳優陣が個性豊かで、父親にマーク・ウォールバーグ。父親役ができるまでになったのね、マーキー・マークが!母親役がレイチェル・ワイズ。私は彼女がものすごく好きなのですが、実は映画を見ている間ずっと、ローズ・バーン(テレビドラマ『ダメージ』や映画『サンシャイン』に出てた女優)だと思い込んでいました。だって、暗そうな感じが似てたんだもの。祖母役がスーザン・サランドン。スーザンのビッチな派手好きなおばあちゃん役、意外に合っていてびっくり。全く違和感が無い。これまでスーザンのビッチな感じの役ってあまり記憶が無いのですが、さすがです。

ほかにも、スージーが天国で出会う女の子たちがやたら個性的で、あまりの個性の強さに「なぜこの子をキャスティングしたんだろう」と疑問にさえ思ったりもしたのですが、映画のなかである種のアクセントになっていて、見終わってみると「あれも有りだわ」と感じたりもしました。

面白いつくりの映画だったけど、二度と見たくないです。見ているのが辛すぎるんだもの。
でも見ていない方はぜひ。


おすすめ度:☆☆☆☆

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