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氷平線、桜木紫乃、読書

2016-11-01 20:26:04 | 本と雑誌

桜木柴乃さんのデビュー作と言ってよい単行本です。
直木賞を受賞したホテルローヤルを読んで、他も読みたいと思っていた。
氷平線は短編小説が6編入っているオムニバスです。

この中の雪虫でれが桜木柴乃さんの小説デビュー作そのものです。

雪虫(酪農家の家に嫁ぐフィリピン人と、閉ざされたような人間関係)
霧繭(和裁師は呉服屋さんの関係の知られざる世界をさらっと描いている)
夏の稜線(北海道の酪農家に嫁いだ東京生まれの女は、土地に縛られている家にうんざりした)
海に帰る(北海道の町の床屋さんの物語。流れてくる女と定職を持った男の物語)
水の棺(歯医者さんとそこに勤務している女医さんとの断ち切れぬもの)
氷平線(昆布の村に女衒さんがひとり、そこの村を出た秀才が心ひかれる)

北海道独特の空気感と、寒々しさがザラッときます。

酪農の厳しさや農村の閉鎖性が良く描かれている。

 

各短編小説は北海道を舞台にされていて、作者が生まれ育った釧路あたりの話です。

海霧が出てきたり、疲弊した酪農家族の話があったり、着任教師や医師のお話。北海道の辺鄙なところに自ら進んで着任するのは訳あり人生だったり、自分の体験談のように書かれている。

小説は架空の話とはいえ、自分の生まれ育った環境以外のことはあまり書かない。自分の周りのことから書き始めるのだろう。だからリアリティーがあるし、物語に惹きこまれていく。私の周りでも、それまでの人間関係を断ち切った人は、北海道のさらに地方の町に流れ着いていた、、、。

 

短編だけど味わいが深い小説でした。


 

物書き、小説家の言葉を紡いでいく能力や、奇想天外な話を作り上げていく能力に、ほとほと感心します。それがプロと言っては身もふたもないけど、楽器の奏者にしても、とんでもないくらいの技術を持っているもの。人の能力は上限がないと思えるほどでしょ。

友人でチャンバー、オートバイのマフラーを作っているビトッチ博士は、エンジン音を聞いて馬力が出ているなーとかトルクはこれくらいだとか、、、計測しないでわかる。

作家も同じようにプロなんで、私がよくそんな発想ができますねとか、そんな架空の話を作り上げられますねと言っても、、、きっとそれ以上のことが頭の中をぐるぐるいっぱいあるのだろう。

人が考えられたことは、、、必ず現実に出てきます。発明発見がそうです。空想の未来は100%実現可能なんです。これが世の作りなんだと思う。

最近気がついたが、年を取ると根気が無くなる。20代の若者だった時に比べて、持っている時間が有限だからかもしれない。社会を動かす政治家は、いいところ55歳ぐらいまでにしてほしいですね。根気が無くなり短絡的になる。中国の習近平を見ていると毛主席の晩年と似通ってきたと危惧されます。

 

 

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