Riron 写真塾 

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2021年04月12日 | 和装ビジネス展開・写真スタジオ運営に私がお役に立てること

感染症禍による和装事業の今後の在り方について提案させて頂きます。質疑等ありましたら遠慮なくお問合せください。


カメラマンにはどのような資質が問われるか その3 マネージメント1

2013年06月07日 | プロフェッショナルを目指す方々へ

プロは採算がとれてあたりまえ

 おそらく現存の数多くあるカメラや写真撮影の解説書に、このようなことが記載されていることは皆無だと思います。カメラマンがカメラマン稼業を続けていく上での一番厄介なことであり、プロがプロゆえの一番の悩み事、泣きどころであります。

 要は写真撮影で売上をたて、原価コストを下げて経常利益で黒が出ればそれに越したことはありません。堅実に積み重ね、事業が健全に継続すればまず安泰という実に単純明快なことのようですが、現実はそうもいかないです。

 何も写真撮影に限るものではありません。職務に携わるすべての個人が意識さえすれぱ、苦境に陥ることもなかったでしょうし、もうすでに立ち直っているはずです。上がれば歓喜し、下がればどん底に突き落とされる。金が金を生む金利や実体がともなわない相場は、ある意味賭博に等しいというわけです。

 今や商品もほぼオープン価格となっています。メーカーがあらかじめ決めるものではなく、流通での時価販売であります。では、撮影の代金とはどのように確定するべきなのでしょうか。
 確たる基準、「ものさし」は存在しません。「もの」ではなく「サービス」であり、医療のようなポイント制度も存在しません。実に曖昧極まりないのですが、一体何にお金がかかっているのか、細部にわたって徹底的に分析する必要があると思います。

 お金儲け、お金儲けと目ざわりな表記でありますでしょうか、プライスとは報酬である以前に、顧客の評価を実直に反映したものです。設定できないというのであれば、部分を担っているということに他なりません。

 カメラマンを目指す方には、常にマネージメントに関して意識して頂く必要があると思います。その習慣付けができなければ、活動の継続は難しいと思います。


カメラマンにはどのような資質が問われるか その2 統率力1

2013年06月06日 | プロフェッショナルを目指す方々へ

上手くなければ、誰も相手にしない

 会社組織もそうなのですが、俗にいう「クリエイティブなお仕事」というものも、縦のつながりが実に顕著で確固たるものです。

 まずはクライアント、代理店のプロデューサー、担当ディレクター、そしてデザイナーを介して写真撮影のお仕事が発生します。個人での写真事業経営ならまだしも、さらには所属するスタジオのオーナーの意向を無視して撮影に携わることは許されません。

 撮影にはモデルやスタイリスト、メイク、トラフィック、コーディネーターなど多くの人が関わり、ポートレートを主軸とする営業写真においても、美容師をはじめ多くのスタッフのチームワークで成り立ちます。

 おのおの方をしかと束ね、現場で統率して撮影を進めていくのはカメラマンただ独りだけなのです。

 不信を抱くようなことは、一切存在してはなりません。撮影の進行が滞ってしまう気配を周囲に一抹とも感じさせてはならないのです。それはそれぞれの仕上がりの見方について顕著に現れます。各部門の視点は全く異なっていて、必ず全員の納得了解を得なければなりません。みずかけ論とは責任のなすりあいであって、プロはこういった事態が絶対発生しないよう、どんな場合でも先見、危機感を抱いて撮影に臨まなければならないのです。

 こういったことを無事に終えて、ようやく請求ができるというわけです。無償というのは通用しないことです。

 長く培われた相互信頼関係、全体のルーティンの把握、スタッフの細部まで見据えた留意や気配り、その事業の将来性、そして最善の結果。
カメラマンの人望は事態を大きく左右します。周囲はすべて、常にカメラマンの態度や行動に注目しているのです。


カメラマンにはどのような資質が問われるか その1 見識力2

2013年05月05日 | プロフェッショナルを目指す方々へ

 なぜ、そう見えるのか

 コマーシャルフォトに従事し始めた頃のお話ですが、「すべて被写体は鏡ととらえよ。」と先輩カメラマンから示唆して頂きました。
 わかりやすく解説しますと、被写体それぞれの面(正面・天面・側面)は何らかの要因があるゆえ、まさに今その状態で見えているということです。被写体を見る目、つまりファインダーからの視線から見て、入射角の倍の反射位置にその要因は必ず存在しています。多面体の被写体であれば、その一つ一つをしらみつぶしに解決していくというプロセスを経て、ようやくシャッターを切るという運びになるわけです。

 この訓練によって、被写体それぞれの面の色と明暗について、全くの別物としてとらえなければならないことに気がつきました。
「なぜ、青が青に見えるのか? 」 感覚ではわかっていても、説明するのは難しいです。

「なぜその色に見えるのか? 」
 日頃からそのようなものの見方をしていないのですから、わからなくて当然です。が、私はこれが見識できるからこそ、どんな着物や染色の色再現も可能であるという自負があるのです。

 トラフィックのプロは身体のバランスをうまくコントロールし、先を見通した上で道具をフルに利用してスムーズにジョブを進めていきます。
 経験の浅い人の筋肉痛は、使える機能しか使っていないから生じるわけで、正確な導きがあれば簡単なことかもしれませんが、それこそせっぱ詰まった状況に追いやられて、ようやく気づく人は気づきます。精神論では持続しません。

「どのようにすれば、現物が再現できるか」
「 適正な撮影とは」
 人にはその人自身がまだ気づいていない、潜在の能力がたくさん埋もれていると思います。


カメラマンにはどのような資質が問われるか その1 見識力1

2013年05月03日 | プロフェッショナルを目指す方々へ

事象、物品、人物をどう見るか

 何といってもやはり「見識力」、つまり「ものをどう見るか」ということにつきます。人の顔がそれぞれ違うように、同じものに対して人の見方もそれぞれ全く異なっているのです。
 カメラマンは得意とする被写体に対して、瞬時に余すところなく観察に徹し判断します。撮影時よりも、撮影を始める前置き段階が重要になるのです。また、その後被写体がどう変わりゆくかの洞察、予測についても察しをつけています。
 プロであれば撮影しながらも念頭に、次に打つ手のシュミレーションを行っていなければなりません。「次はどうしようか」では遅いのです。
 また、そのものが有する機能についても注目することも必要です。それによって見せ方もまた変わってきます。被写体について、どこまで掘り下げて観察できるかということにつきるのです。

 スポーツ選手の動体視力が注目されるように、「見識力」は明らかに人によって違います。露出は撮影において重要なポイントになります。
 同じ被写体でも色に注目する(カラーバランス)、明るい部分、暗い部分(ハイキー、ローキー)、あるいは中間部分、ならばその度合い(グレーバランス) 、階調(ディティール)等、それぞれ部分等について、普段から深く観察する習性が根付いてこそ、表現を自在にコントロールできる資質となりうるのです。