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IFRS(国際会計基準)と日本特有の会計基準のこれから 「非上場企業はIFRSに準拠する必要はないのか?」

2017年06月11日 | 慶應義塾大学
IFRS(国際会計基準)と日本特有の会計基準のこれから 「非上場企業はIFRSに準拠する必要はないのか?」

IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略語で国際会計基準または国際財務報告基準と呼ばれるものです。

監査法人やコンサルティング会社、システム会社などから構成されるIFRSコンソーシアムではIFRSを次のように定義しています。

「IFRS(International Financial Reporting Standards)とは、国際会計基準審議会(IASB)によって設定された会計基準の総称です。従来、会計制度は国ごとに異なるのが当然と考えられてきました。しかし資本市場のグローバル化に伴い、各国で採用している会計基準では企業活動の国際間比較が次第に困難となった結果、会計基準の国際的統一が模索されています。その中心にあるのが、IFRSです。」

企業会計において国際的な基準が必要であるという議論は1970年代まで遡ります。その目的は、財務諸表を高精度に比較するといったことやグローバルに資金調達を進めるといったことが挙げられます。1980代以降の国際資本市場の拡大とともに徐々にその議論は活発化し、2000年代前半の”エンロン事件”など多国籍企業による企業不祥事を契機に、欧州連合(EU)内の上場企業に対して採用を義務付け、その後世界中に波及し、現在に至っています。

IFRSはEU発祥の制度をベースとしているため、どこの国の会計系制度にもすぐに当てはまるという性格のものではありません。国や地域によって会計制度が異なることが理由です。

日本でも、国際会計基準審議会(IASB)と企業会計基準委員会(ASBJ)が2007年8月にIFRSと日本の会計基準との差異を修正(コンバージェンス)することを合意しました(東京合意)その後現在に至るまで、IFRSと日本の会計基準とを調整する作業が進められ、その結果、差異は解消しつつあります。2014年には日本版IFRSの名称も「修正国際基準」(Jpan’s Modified International Standards=JMIS)とASBJが発表しています。

■IFRSの適用状況

IFRSの導入などの経緯から、すべての上場企業の会計処理にIFRSの適用を求める「強制適用」について、2013年6月にIFRSの所管省庁の金融庁は「その判断をすべき状況にない」として、「まずはIFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要」と方針を提示しました。

また、2013年に自民党の企業会計小委員会は「2016年末までに300社程度の企業が任意適用」時期と目標数値を提言しました。

2014年時点でIFRS任意適用を正式に表明したのは50社程度という状況で、自民党が掲げた目標の達成は極めて難しい状況であると言えそうです。

■非上場企業の対応-採用の要否は?

上場企業の場合、市場で資本を調達し、株主等の利害関係者に対して財務状況を開示しなければなりませんから、グローバル化に拍車がかかった資本市場を前提にすれば「任意適用」とは言いながらIFRSなりJMISなりへの対応が必要となるでしょう。

非上場企業の場合はどうでしょうか?非上場ということは資本市場を前提とするということはありません。しかしながら、株主だけでなく取引先等もグローバル化は進んでいます。海外の企業との取引があるのであれば、財務諸表を国際的な会計基準で作成し開示するという必要性は想定しておくべきでしょう。

冒頭にも記載しましたが、IFRSの必要性が高まった背景には”企業の不祥事”などによって失われた会計基準への信頼の回復という側面があります。つまり、企業の利害関係者の保護の必要性から、海外との取引において”IFRS(JMIS)準拠”の財務諸表の開示が要求され得るということになります。

また、上場企業との取引があり、その企業がIFRS等に準拠した財務諸表を作成している企業であれば、国内の取引先であってもIFRS準拠を要望されるという可能性もありそうです。

■実際に”準拠”にあたり必要なこととは?

IFRS対応やJMIS対応について、監査法人やシステム会社などが自社の支援サービス宣伝をしていますが、実際にIFRSやJMISに対応する場合企業側では何をする必要があるのでしょうか?

大雑把にいえば、メインは新たな会計基準に対応するため「財務諸表の作成方法」が変わるということです。これまでも消費税の導入や会社法の改正などによって財務諸表の作成方法や書式は変更がありましたが、今回は”国際的”な対応が要求されるため少しハードルが高いように感じられるかもしれません。

・自社の取引等に関連する会計基準の確認と整理
IFRS等による基準のすべてに対応が必要ということではありませんが、自社の会計に関係のある会計基準などを整理する必要があります。

・IFRS等に対応した場合のインパクト(金額)の把握・分析
対応が必要な会計基準に変更した場合、財務諸表上にどのような変動が表れそれによる利益や税額等にどの程度のインパクトがあるのかを把握・分析することが必要です。

・会計情報等の収集に関する社内ルール・役割分担の再確認および制度設計
会計データは企業全体の活動状況の結果を表すものですから、会計だから経理財務部門だけの問題ということではありません。それまで不要だった情報が新たに必要となるというケースが想定されますので、どのように情報を入手しその責任部署はどこにするのか?など組織や体制の問題も関わってくることとなります。

・会計システムを中心とした情報システムの見直し
従来利用してきた会計システムでは、IFRS対応の書式を出力できないというケースもあり、その場合には、情報システムのかなり大規模なリプレースメントが必要となるでしょう。

・組織の規則やマニュアルの見直しと人材育成
会計基準や処理手続きの見直しはもちろんのこと、組織や体制面で影響がある事、新たな取り組みがスタートするということで、社内規定や規則、業務マニュアル類の見直しは必須であると言えます。また、IFRS対応に限った話ではありませんが人材を育成することも重要なポイントとなるでしょう。

このように、非上場企業にとっては、”IFRS準拠”の必要性はそれぞれの状況によって異なります。ただIFRS準拠を旗印に、”会計情報を経営管理に活用する”という観点から「経営管理のインフラ整備」を実行する良いチャンスと捉えることもできるのではないでしょうか。

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参考 IFRSコンソーシアム Webサイト https://www.ifrs.ne.jp/ ・・・ 2015年7月1日、NOC日本アウトソーシング株式会社 配信より

私のコメント : IFRSの導入などの経緯から、すべての上場企業の会計処理にIFRSの適用を求める「強制適用」について、2013年6月にIFRSの所管省庁の金融庁は「その判断をすべき状況にない」として、「まずはIFRSの任意適用の積み上げを図ることが重要」と方針を提示。2013年に自民党の企業会計小委員会は「2016年末までに300社程度の企業が任意適用」時期と目標数値を提言。その後は、・・・・


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