Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

なぜ二大政党制が駄目なのか

2009-10-12 | マスメディア批評
ドイツ連邦州ザールラントでジャマイカ連立が成立するようだ。連邦レヴェルでは初めてとなる。つまり、キリスト教民主同盟の黒色、自由党の黄色、緑の党の緑色を合わせたカリブの国の国旗の色となる。

唯物主義者の左派への支持は減少の一方であり、中道が国民の多数となって来ている。その一方が躍進目覚しいFDP自由党であり、もう一方が緑の党である。前者が、自由と秩序を重んじ、その根をヴァイマール共和国以前の帝政解体に求めることも出来るとされ、その支持層は男性的、小都市的、どちらかというと大都市圏シュトュツガルトを代表とするようなプロテスタント的な中小企業従事者とされた。また後者は、自由と平等を是として、環境政党でありながら、その支持層はやや女性的、大都市的、教会に属さず、高学歴で公共従事者とされた。

この二つの中道政党は、保守党CDUキリスト教民主・CSU社会同盟と社会主義者SPD社会民主党の中間に第三の極を形勢している。つまり、民主・社会同盟が「社会秩序」を重んじ、社会主義者が「物質的な平等」を求めるという時代錯誤の左右二項対立を乗り越えた第三極が出来上がる。

政府がその基準点であった二十年前には存在した、各々の物質主義と脱物質主義の闘争線は、今や消費志向であり尚且つ持続可能なそうした若者の美学によって消え失せているとされる。

ゆえに嘗ての各々の支持者層は、両政党間を行き来することになり、中産階級の大半の有権者はこれに含まれることになる。

なぜ二大政党制が駄目なのか、今や役に立たないかのこれは一つの回答である。



参照:
Eine dritte Mitte, Majid Sattar, FAZ vom 7.10.2009
二大国民政党制の終焉? 2009-09-28 | 雑感
過激性を売りたいメディア 2009-09-15 | マスメディア批評
「革命」は似合わない言葉 2009-09-01 | マスメディア批評
政権交代の究極の目的は 2009-08-16 | マスメディア批評
世論形成への言論活動の有意 2009-03-08 | マスメディア批評
社会不安を煽りたい麻生 2009-02-12 | マスメディア批評
勲章撫で回す自慰行為 2008-07-26 | BLOG研究
脱思想・脱原発・脱体制 2008-01-29 | 歴史・時事
現代オカルトのビオ思想 2007-05-24 | 文学・思想
ここにいたか、売国奴よ! 2007-01-17 | 歴史・時事
多数連合と少数の不可侵権 2005-09-12 | 歴史・時事
終わり無き近代主義 2005-09-03 | マスメディア批評

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2 コメント

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砂上の楼閣? (old-dreamer)
2009-10-13 09:49:18
見事な変身ぶりに驚きました。一瞬、別のブログを開いたかと思ったほど! まさに Change, yes, you canですね。大変すっきりしたデザインに感心。乱世の時代、将来を見通せる人は少なく、政治も浮動層が増えるのでしょうか。「中道」といっても、実態は「流砂」のごとし。

想像もつかなかったような社会の変化 (pfaelzerwein)
2009-10-13 14:14:38
デザインはお仕着せのテンプレートから苦肉の策で選択しているようなもので、政党選択とあまり変わらないでしょう。

ご指摘の通り、連邦共和国でも浮動層が増えて今回は「棄権」の言葉が酒場の政治談義で聞こえるようになりました。ご存知のようにドイツ語圏の郊外でこうした状況が観察出来るのはとても珍しいことなんですね。

老齢化高学歴化や小金持ち化の中産階級の増加は喜ばしいことと思うのですが、それらを十分に反映させるだけの世論の形勢はまだ今後の課題かと思います。

ジャーナリズムのあり方とネットの利用など、二十年前には想像もつかなかったような社会の変化は確かに起こってきています。教育問題がやはり今後とも重要です。こうした状況で現在の大統領が顔となっているのは偶然ではないのですね。

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