Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

壁があるから登るんだ

2012-07-16 | アウトドーア・環境
ネットでは那智の滝の登攀を試みた登山家が逮捕された件が賑やかである。物好きのその意図は不明であるが、初めて知るその人物のインタヴューで年間百日以上は山に入っていると読んで、自らのことを考えてみた。

なるほど山には入っていないが、現在週三日訓練に費やしていることを考えると、これだけで年間150日を越えてしまう。なんらご利益も無い上に材料費や交通費そして食費など大変な出費である。

そしてこれを続けていても、目標に達するかどうかは確約されておらず、少々はクライミング能力が上がり体力もつくだけなのである。そのためにはそれだけでは全く足りずに更に走り込みなどをしているのである。そして行き着く先が、スポーツクライミングの領域で「まあまあ登れる」と、それもその努力の前後を知っている者に褒められるぐらいのことである。

その一方、細かなかすり傷は絶えず、昨年痛めた左右の腕手の後遺症も僅かながら残っている。健康的に良いどころか、右腕と肘は現在も日常生活にも支障をきたしているのである。好き好んで何をと思うのだが、ここで引き下がるともう二度と挑戦できないと思うと止められないのである。

しかし、過負荷になっても効果は上がらないので、今週のように天候が悪く気温が下がれば一度休暇期を挟もうと思うのだが、なかなか土砂降りに降らないと難しいのである。

なるほど運動をすることで精神的な快楽は得られ習慣化してしまうのである。如何にそうした状況でブレーキを掛けて合理的に物事を進められるかが大切である。恐らくミュンヘンやインツブルック、ベルンなどに住んでいたとすると毎週のように高峰へと駆け上がっていたかと思うと、ワインでお茶を濁しているぐらいが健康に良いのだろう。

那智の滝は、ローティーンの頃に登攀対象として目に留まったことがあるのは事実なのであまり人のことは悪くは言えないが、いい大人が寄って誰も自制するようなことが無かったのはまるで付和雷同のネット殺人のようで怪しい。

地元にも沢山の登山禁止の壁はあるが、その多くは野鳥などの保護に向けられていて、期間限定なことが多い。勿論アウトドーア活動の者がそうした環境意識を持ち得ていないとすれば活きていけないのがドイツ語圏の特徴であり、大なり小なり科学的根拠に基づく理念として世界の共通認識になっていることは今更繰り返すことも無いであろう。


追記:いまし方日本のTVニュース映像を見て愕然とした。ルートは殆ど予想通りであったが、鐙のようなものが見える。まさか人工登攀では!この時代あの程度のオーヴァーハングならば手と足だけのフリークライミングで颯爽と登るのが当然で、三ピッチほどの岩場で鐙持参で初登攀を目指す訓練を積んだクライマーなど何処にもいない。なんて節操の無い人達なのだろう。落ちるか、登り切るかはっきりせい。



参照:
クライマーと山岳メディア関係者に問う。「やってはいけないこと」は、やってはいけないのではないですか? (月山で2時間もたない男とはつきあうな!)
雑食砂岩で新しい靴を試す 2012-05-14 | アウトドーア・環境
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
世界遺産・那智の滝でクライミング 男3人逮捕(12/07/15) (YOUTUBE)

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