
大きなホテルの物寂れた駐車スペースで車を離れる。20メートル程先の浜へと真っ直ぐに視界が開けると、潮風が西風に乗って吹き付けてくる。それは飛沫が舞い上がったかと思うほどに塩が強く凝縮している。引き潮の干潟は遥かに続いて、海水は遠く見えない。塩水の浮き出る扇形に広がる砂地は、折からの雲の隙間に指す光線をぎざぎざに跳ね返す。熊手で掻いたような波の凋衰の爪痕が、無限のパターンを作っている。生息に好都合な貝や蟹やふなむし類は鳥の攻撃に備えて身を隠す。チュチュウチュと音がするので其の存在が確認できるという。再び道路へと戻り、錆が所々浮かぶ閉鎖中のホテルを回り込むと、若いペアーが靴を履き替えている。ブレーメンから来たらしい。ゴム長靴は持っているが、引き潮の時間は過ぎたので今日は沖には出ないという。沖の島に着いてから満ち潮になったなら帰りに馬車を使うしかないらしい。シーズンオフの閑静な浜を楽しむということだ。
参照:
市長ズミット博士の港から [ 歴史・時事 ] / 2004-12-07
麻痺に遠のく外界 [ その他アルコール ] / 2004-12-09
参照:
市長ズミット博士の港から [ 歴史・時事 ] / 2004-12-07
麻痺に遠のく外界 [ その他アルコール ] / 2004-12-09










それでも、ずっと見ていたいのは、何故でしょうね。
人が惹かれて立ち去りがたいのは、月に引かれているからでしょう。
私はこんな夢を見たことがあるんです。引き潮の海辺に何故か忽然と電話が置いてある…そんな夢です。
電話がずっと鳴っているので私は何思わず取りました。すると亡き叔母の声がするんです。
そんなちょっと悲しい話です…。
私のチャラチャラしたblogとちがい風景を切り取るような文面ですね。写真を見てたら音が聞こえてくるような気がしました。
またblog読まさせていただきます。
>錆が所々浮かぶ閉鎖中のホテル
と書かれていますが、あたしの記事で取り上げたホテル(宿泊したところです)の横は廃ホテルだったので、一瞬”もしかして同じところ〜?”と思いました。
が、ブレーメンってことはバリバリの外国ですよね。
毎日論理的かつ写実的に情緒豊かに文筆を進められ、敬服するとともに頭の中をのぞかせていただきたい気持ちで一杯です。
わたしの駄文にTBされるのは、お茶目な一面なのかと察しています。
こちら日本海はあまり潮の満ち引きの差が無いところです。釣りをするので潮見表を見たりもしますが、漁師に聞いても、「この辺はあまり関係ない。」と言われるほどです・・・。
太平洋側に潮干狩りに行ったときは、遠かった波打ち際がどんどん押し寄せ、自分の足元にまであっという間に達したのがとてもショッキングでした。
万物流転と言いますか、繰り返しのような毎日でも全ての物が時間とともに移ろいゆくのですね・・・。
時の過ぎ行くままもいいけど、もっと時間を大事にしなくちゃ、と心穏やかに思うのでした。
今まで知らなかったことを知るチャンスを
与えていただきありがとうございます。
自然は果てしないものだけど、同じように
私達も果てしない。
探し物がやっと見つかった感動のようです。
TBありがとうございます。
綺麗な写真とそれをひろげさせる文面に圧倒されてしまいました。
私も文章力を養いたいです・・・。
また遊びにこさせてもらいます。
雪羽さん、「果てしない」という日本語を久しぶりに聞きました。素晴らしい響きです。地平線とか水平線の空間的な事に常套的に使いますね。しかし此処では時間的な意味と私にはそれ以上のものが見つかりました。
yokoさん、いかにもお恥ずかしいので、光量の不足と日々の余暇の仕事とだけ言い訳させて下さい。
機会があればまたコメント宜しくお願いします。
何ともいえない、冬の海の景色ですね。
これからもよろしくお願いいたします。