Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

闖入する手習いの町医者

2012-11-18 | 生活
今シーズン七日目は充実していた。六日目がパートナーが無気力で不完全燃焼どころか不満が溜まっていたが、時間を区切った二時間の中でトレーニング効果は抜群であった、丁度一週間前に圧力をかけていたので、本人の言う通り「緑の領域」で完璧に近い登りを見せてくれた。

六十の手習いではないが五十歳代後半から始めたスポーツクライマーとしては大きな量子力学的な飛躍を遂げた。やはり圧力をかけてみるものだ、ひそかに期するものがあったのだろう。黄色領域を狙わずに緑にすれば完璧に伸びれることを実感すれば、逆にどうしても完璧にこなせない黄色領域への関心が高まってくるのである。

それをこなそうと思えば筋力だけでも今の技術だけでも不可能なことが分って貰えれば本望であり、コーチ冥利に尽きる。今の領域で漸くスポーツクライミングの基礎が出来上がったUIAA難易度五級程度であり、大きな壁へも挑戦できる技術レベルとなる。やはりリードする練習をしてきたことでザイル捌きも飲み込めてきていて、こちらも大分助かるようになってきた。ザイルシャフトとして結構お手本を見せれるようになってきた。

特にザイルをカラビナにかけるポジション取りをしつこく出来た出来ないを反省並びに指摘することで、室内の人工壁でのリードの練習が完璧に近いものとなってきている。これは自分自身においても重要な練習項目であって、いつも移動中間支点の設置を頭に描きながら行うようにしている。とりわけオーヴァーハング帯をリードで登る節は、実際には外では中々出来ない練習が出来る訳でこれだけでもクライミングホールに通う意味があるのだ。

今シーズン初めて七級を試したが、昨年よりは手掛かりが掴めて使えるだけマシであるが、シーズン終了時にマスターできるかどうかは疑問である。いつもの顔馴染みペーターにそこの支部への二次会員になった挨拶をした。すると彼のパートナーの眼鏡の男が「最近会ったね」と言った。熊男とキノコ狩りをした日に「最も美しい凹角」を登ったときに出会ったのであった。

外でも熱心に登っていて、こうして人工壁でも負けずに登っていることを知ってもらうのは良いことである。意外に両方を絡めて練習としているアルパインクライマーは少ないことをそれは物語っている。勿論人工壁を熱心にやっていても大きな壁に挑む者も少ない。分業化が進んでいる反面、嘗ては考えられなかったほどにとても合理的に練習する機会が増えていて、お陰でそうしたハイレヴェルに達することが可能となってきているのである。
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ミドルティーンのホットパンツ姿のギムナジウムの女の子たちが初心者講習のようなものをいつもの支部のおばさんから受けていた。おばさんも恐らく見るからに先生のような雰囲気の人なのでそのような教育を受けているに違いない。そこに同じように目が行った相棒の医者が、ティーンに「キスミプリース」などをいつものように闖入して駆け寄って行った。おばさんの「あんた邪魔だから向こうへ行ってよ」との追い払う顔が見事であった。確かにとても危ない闖入者である。



参照:
合理性にこそ華が咲く 2012-10-29 | アウトドーア・環境
安全機構を一望する間隔 2009-07-06 | アウトドーア・環境
掴み所のない侵食の奇岩 2009-07-05 | アウトドーア・環境
限りある本当に熱い日々 2009-07-03 | 生活

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