Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

二十一年、青い靴履いて

2007-08-26 | 生活
昨年のクライミングシューズに続いて、今年は山靴を購入した。アイゼンを付けれるような本格的な山靴のことである。良く考えてみると、旅行の途上立ち寄ったツェルマットでマッターホルンにはじめて登ったときに、町の中の運動店で買って以来である。かれこれ二十一年前の事である。

そのとき購入したライケル社の革靴は今でも愛用しているが、昨年辺りからその靴の決して軽くない自重(1330G)と共に、その製造コンセプトが現在のアルプスでは時代遅れになっている事に気がついた。

同じマッターホルンを登るにしても、現在ではより軽量の装備で、アイゼンでの歩行にさえ慣れていたならば、あまり山登りに慣れていなくても容易に快適に行なえるようになっている。今回購入の靴は、まさにこうした用途に、運動靴で頂上まで上がるような軽快さを与えてくれるものなのである。

更に、素材のゴアテックスは通気性も良いので、ある程度の快適さは保障されるだろう。一日中靴を履いていての足の疲れが軽減される筈なのである。勿論、岩場での韋駄天歩きは、軽い靴の方が楽なのは言うまでもない。

しかし、ある程度の荷物を背負って長い距離を歩くとなるとどうしても、くるぶしまで包みこんでくれて捻挫などをしない靴が必要となる。嘗ては、日本からアルプスへ来た登山者は運動靴で何処でも登る(シェルパは供給された靴を履かずに裸足?)と笑われたものであるが、そうした軽快さが加わったことになる。

特に、クレッターシュタイグと呼ばれるようなワイヤー等で整備された登路を登るとなると、梯子段などでは荷物を担ぐと底の柔らかい運動靴でも重厚な登山靴でも駄目なのである。軽快に運動出来且つ運動に耐えるだけの堅牢性が必要なのである。

現在のアルプスでの登山レクレーション活動を考えると、嘗てのようにビックウァールを狙う少数派を除けば、殆どの登山者がハイキング道を目的地を目指して歩く行程と氷壁や岩壁もしくは険しい尾根筋を頂上へと辿る行程に別けていて、各々の行程で特別に拵えたそれようの靴を使って楽しむのが一般的となって来ている。

そのような理由から、今回購入した靴は、約片足700グラムの自重で簡単にリュックサックに収容出来る利点を備えている。そして通常の一般ルートや氷河遡行ならば、これで荷物を背負って行動するに充分であるのが購入動機であった。

そして、何よりも重い荷物を背負いながらストックでバランスを取りながら重い足を持ち上げる必要がなくなった事が大きい。その昔、重い荷物には重い靴でバランスを取って歩くとエネルギー消費が押さえられると言われたものだが、それは主に整備された山道があってのものだったに違いない。

そう言えば、大きいことは良いことだと思い、特売で買った特大のサンダルを使っている。誰が見ても大きくて驚くようだ。笑わせるつもりで買ったのではないが、なぜか笑いを提供する。山靴はスキー靴と同じで、余裕を持たせた内容積よりも嵩が大きくなるのが普通であると言えば、この逆転現象の面白さが判って頂けるだろうか?

小さな山靴と大きな草履。



参照:
Backcountry.com
Trailspace.com
Zappos.com
About.com
Outdoorsmagic.com
Bergshop.com

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