Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ホッホハイムで初試飲会

2016-05-01 | 試飲百景
初めての試飲会だった。ラインガウ入り口のキュンストラー醸造所は一度試飲したことがあるがそこでの試飲会は初めてだった。お隣のヴェルナー醸造所の関係で土地には馴染みがあるんだが、昨年デーノッフ醸造所の試飲会でゲストで来ていたキュンストラー醸造所の親仁に出会ってから案内を貰っていて、今年はその試飲会の方へはいけないので、こちらを訪問した。デーンノッフ醸造所の方はお母さんが来ていて、若旦那とは会えなかった。こちらは仕切り直しとした。それでも2015年産は期待していたほどではなく、酸が弱い分若干ス暈け気味で若干ミネラル由縁の苦味が出ていた。やはりここの持ち味は甘口とグローセスゲヴェックスにあると改めて確認した。辛口はシェーンレーバー醸造所の方が明らかに上だ。

さて、キュンストラー醸造所の方は、グーツリースリングから試した。悪くはないが、9ユーロ90であるから、当然といえば当然で過激な競争の中で頭角を現すものではなかった。次のヘレンベルクは心理的に良いぐらいだろうか?しかし流石にキルヘンシュチュックになると明らかにテロワー感があり、お隣のヴェルナーで慣れ親しんだものである。若干重めのねっとり感と果実の皮の風味は本格的なホッホハイマーである。それに比べてヘーレの方は、華やかで、かんきつ類やオレンジの風味であり、如何にもこの醸造所が売りにしてきた傾向である。

それに比較するとルューデスハイムのローゼネックはお馴染みの梨系の風味で明らかな土壌に違いを感じさせる。ホッホハイムの土壌は基本は石灰であるのだが、なぜかここのものは嫌味が少ない。理由は分からないのだが、マイン河がラインに流れ込むところの斜面で深く抉られた下の斜面つまりマインの右岸であることが特徴的な土壌としているのだろう。そのような理由で英国でもホックと呼ばれてビクトリア女王が崖下に地所を持っていたように、リースリングも決して悪くはないのである。

そこで、ラーゲンヴァインのシュティールヴェークのアルテレーベンを試す。これは収穫量が少ないのか酸と糖を均衡させているような濃い造りで、些か個々の醸造所の売りからは遠い。お待ちかねのドムデカナイは流石に透明感のあるミネラル感が嬉しい。しかし昨年買えなかった2014年物と比べると渋味もあり感動しない。そこで幸運にもあった2014年物を試すと明らかに繊細で美しい。アルコールで1%も異なり、13.5%は上げ過ぎだが、それが2015年の特徴だということだ。要するに皆が期待するほどに2015年は素晴らしいとはならない。

2012年産や2013年産が売れ残っていて、試すと明らかにビッショッフベルク、ドラッヘンシュタインなどリュ―デスハイム物はミネラル成分が山椒や胡椒などあまり上品ではない。この周辺の土壌はミッテルラインなどに通じるところが少なくない。初心者には面白いかもしれないが、リースリング通を唸らせることはない。

ここでグローセスゲヴェックスへと向かうと、2012年から2014年までが様々残っていた。そして何よりも興味深いと親仁に言ったのは、コルク栓とスクリュ―の二種類を出していることである。顧客の中にはスクリューに感動している者もいたがどうも辛口の瓶熟成を知らないようだった。恐らくドイツでもそれが分かっている者は少数エリートのようだ。勿論コルクでないと、木樽熟成でないと五年の熟成は期待できない。この醸造所は木樽を使っているが、コルクを使っていなかったり、まだまだ収穫量を落とした葡萄の扱いになれていなかったりとVDPの中でも上位の基準をクリアーできていない。そこに天然酵母、更に天然酵母の扱いなどとピラミッドの頂点へと基準が増えて空気が薄くなっていくのである。案の定、2012年のロートラントなどは苦味が出ていて、如何にこの地域では健康な葡萄でグローセスゲヴェックスを醸造するのが難しいかを語っている。

親仁が面白いことを突然言い始めた。加藤がどうの塚原がどうのと言い始めたのだ。一体何処の加藤かと思ったが、直ぐに体操の加藤だと分かった。どうも親仁は体操をやっていたようだ。知ってるかと聞かれれば、ムーンライトこと塚原サルトーは先日やったばかりだとまでは言えなかった。次ぎ会うときは監物の話か?



参照:
美味すぎるリースリング 2015-07-31 | ワイン
とんでもないことになる 2015-06-27 | 歴史・時事
刃物要らずの親方殺し 2015-06-11 | 試飲百景
馬鹿に捧げるリースリング 2009-06-24 | ワイン
不都合な交通システム 2008-10-05 | 生活
F・芸術家と名乗る醸造所 2008-10-04 | 試飲百景

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