Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ご進物の決定プロセスの紹介

2010-12-10 | 試飲百景
十一月から頼まれ物を含むと、四本のグランクリュ、六本のプリュミエクリュをご進物対応として購入した。

そのグランクリュに関しては、十一月の終わりに飲ましてもらって確信以上のお勧めが出来ると実証された。機会があれば格安で入荷できるので、まだまだ買いたいぐらいだ。ひとりでも多くの人に喜んで頂きたいと同時に現在のドイツの高級ワインの一端を実感してもらいたいのである。格安に入荷出来ているのは、2007年産ルッパーツブルクのガイスビュールで、とても万人受けすると同時に確りとくさむしのような独特の香味が漂い出して来て尚且つ角が立ちだした。只者ではないなと想定外の悦びであるのは、年末年始にあけようと思っていた候補であり、もっとも飲み頃を気にせずに楽しめるから購入しておいたものだったからである。しかし、想定外の展開に、もう少し寝かすとどうなるだろうと言う色気も出てくるのである。兎に角、自分自身で自宅で開けて吟味するべきだろう。

それに引き換え難しいのはプリュミエクリュであって、2007年産のゲリュンペルを既に二本ご進物にしたのだが、これは失敗であった。先日自らパイロットとして購入してあるそれを開けてみると、酸が引っ込んでいてバランスが崩れていた。一体次に開くのは何時のことか?一年半ほど先だろうか?逆にそれは既に多くの2007年産グランクリュが飲み頃であることを示しているだろう。年末年始が楽しみである。

さて、それでは開くの遅く早く閉じる傾向のある2009年産の難しさの中では、一体今自身を持ってお勧めできるものは何だろうかと、相談したビュルクリン・ヴォルフ醸造所のトムに言わせると、2008年産のベーリックだと言う。殆ど記憶に無いので、飲まして貰うと、やはり2007年ゲリュンペルほどではないが、2008年産特有の押しの強い酸が丸くなってエグイ角が奇麗に取れた分、若干苦味のような要素が気になる。やはり、2008年産はグランクリュ以外はあまり買えなかったことになる。

序に2007年産ゲリュンペルの苦情もしておいたが、店の新入りの売り子さんは確りと勉強しただろうか?しかし今度は友人に贈るものであって、継続性があるものなので、教育的であり且つ絶対的に気に入って貰わなければ話にならない。一度一緒に試飲して、そのお客さんの好みを十分に理解していないとなると、職業的?沽券に係わるのだ。十月に購入したレッヒベッヒェルをあけて貰う。若しかすると更に良くなっているかもしれないと思わせた。新鮮で酸が活き活きしているのは当然であるが、素晴らしい香りが沸き立って、それだけでもご馳走である。自分にも一本買う。

先の試飲では、嫁さんの方は新鮮なものの方が飲みやすそうだったので、これは間違いない。旦那の方は、ミネラルの奥行きとか複雑さと同時に旨みが徐々に気になってきているので、もう一度まだ熟れていない、こうした複合的なそれを体験してもらって、改めて美味しいリースリングとは何処にあるかを確認して貰いたい。ペトロール臭の裏にあるそれを吟味することなしに、こうした新鮮な非常に愛想の良いリースリングでも十分にそれが体験できることを知ることで、「ペトロールは明らかに否定的な要素ではあるが、必ずしもそれだけで可否を判断出来るものではない」ことを知るべきなのである。二日目は,その沸き立つ香りは弱まったが、逆に中に核のように潜む干し葡萄の味が感じられて、これはこれでとても楽しめるワインである。明らかにこの一月で磨きが掛かった。

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