Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

酔狂の二本のリースリング

2016-10-05 | ワイン
2015年産テュルムベルクを自宅で開けた。試飲してとても良かったので、さてどうだろう。先ずは鼻に来る焦げた匂いが女性には問題となるかもしれない。ミネラル所縁のものだろうが、あまり気がつかなかったものである。それでも味筋はとても果実風味に溢れていて、こなれた酸と万人向きの味筋である。結局このミネラルの豊かさをどのように評価するかによる。特に香りは特に女性などにとっては判断の大きな分かれ目になる。個人的には果実風味が更に開いてくるだろうから、匂いは他の喜ばしい香りが溢れて来ると予想している。二年後が楽しみだ。アルコール13%でこれほどの軽さとミネラル風味が楽しめれば文句はないのである。最近は「グーツリースリングが美味過ぎる」ようで、我々通気取りの酔狂者は、なかなか「分からないだろうなー」と、余計にこうしたものに目が向くのである。

平行して土曜日に開けた2013年産ホーヘブルクを試す。価格では上のものに及ばないが、ミネラル感では全く引けを取らない、そして糖が落ちた感じでこなれた食中酒として最高である。最初は酸も効いていたが、流石に四日も経つとぺトロール香が出てきた。ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のリースリングとしてはとても珍しいことであるが、これだけ冷蔵庫に寝かせしておけば仕方ないだろう。但し、全く全体が崩れないのは幾ら貧弱な2013年としても大したもので、その糖の落ち方から飲み干し時となっている。そもそもリュパーツベルクのホーヘブルクを購入したのは初めてだと思う。そして売れ残りがこれだけ辛口でミネラルが際立つのには驚愕した。何故ならばホーヘブルクは砂と泥の土壌で決して高品質なミネラルではないからだ。それでもナッツ系の雑食砂岩の美しいミネラルが味わえて、食事が進む。そしてロベルト・ヴァイル醸造所の前者とその土壌の傾向では、スレートと雑食砂岩の違いこそあれ質として似ているのだ。そもそもこの地所のリースリングは重みがあって繊細さが無いから好まないのだが、こうして熟成するとこんなに楽しめるのである。

ドイツェバンクの話題が世界を賑わしているようだ。新聞は、第二のドレスナーと第三が合弁したコメルツバンクの業績が良ければ協力がありえただろうが、片方も人員整理とネット化での合理化案が俎上に上がっていて、それどころではないとので、他の方法を模索すべきだとしていた。最も興味深いのは残金も限られていることであるから、投資部門を切り捨てて、昔ながらの堅実な金融機関として再建しろという事のようだ。そのための資金としての残金は充分である。但し博打ですってしまうと幾らあっても金が足りない。そもそも歴史あるドレスナーバンクが駄目になったのも子会社だったゴールドマンサックスの問題だった筈だ。そのようなことで業界筋は騒いでいるらしい。

本来の金貸し業から、株式市場で金融工学での儲けへと一旦進んでしまうと苦労の多い金貸し業などは誰もやりたがらないようだ。これが世界の趨勢のようで、たとえいくら紙幣を印刷して大量発行しても、実業への投資へと資金が回らない責任の一端はこうしたメガバンクのビジネスモデルの変化にあるのだろう。

そのようなことならば、ドイツ第一の金融機関が大きな変革をすれば、更に堅実な産業へと資金が回って来る可能性があるのだろう。先日のバイエル社のモンサント社吸収の時にドイツェバンクが役立たなかったことが例として挙げられている。



参照:
お目当てのヴィデオ 2016-10-01 | 文化一般
12本選択するとすれば 2016-09-26 | 試飲百景
フェアートレードなあじ 2015-05-28 | 雑感
通にしか分らない質と価格 2014-09-16 | 試飲百景
海外と日本のワインのお値段 (ドイツワイン探訪日記)

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