ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ボス 「パトモスの福音書記聖ヨハネ」

2017年07月08日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (23) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (75)

 初期ネーデルランド絵画史において特異な存在感を示したヒエロニムス・ボス(1450-1516)。
 生涯に数多くの作品を描いたとされているが、現存するのは僅か三十数点とされているらしい。

 ちなみに、彼の作品の熱心な収集家であったスペイン国王<フェリペ2世>の影響もあって、そのうちの十点を<プラド美術館>が収蔵している。

 その怪作?「<快楽の園>」(プラド美術館蔵)や 「<聖アントニウスの誘惑>」(リスボン国立古美術館蔵)など、空には魚が泳ぎ地では奇怪な人間や動物が蠢く様に唖然としたことを憶えている。

 ボッシュとも呼ばれるこの画家、聖書世界をモチーフにした作品が多いが、この時代にシュルレアリスム・超現実主義を思わせる幻想的で怪奇な作品もあって、制作意図は首を傾げるような謎に満ちている。

 また、初期ネーデルランド絵画の巨匠<ブリューゲル>(1525-1569)などに大きな影響を与えたとされている。

 その彼が、イエスの十二使徒のひとりで福音書記官の<使徒ヨハネ>を主題に描いた 「パトモスの福音書記聖ヨハネ」(1504-05年)。

 イエスの磔刑後、聖母マリアを連れてエフェソスに移り住んだヨハネ、後に、エーゲ海に浮かぶギリシャの小島パトモスに幽閉され、「黙示録」の構想を練ったとされている。

 余談だが、その「ヨハネの黙示録」、新約聖書の中で唯一予言、預言ではない。書的性格を持つとされ、難解で挑んでは挫折の憂き目に・・・。

 それはとも角、その幽閉中の場面を描いた本作、中空に浮かぶ聖マリアから黙示録のビジョンを受けるヨハネ、その傍らには福音伝道者としてのヨハネを象徴する鷲(旧約・エゼキエル書)が描かれている。

 画面は、山上の奇怪な羽の天使、鉤のついた棒で地面に置かれた筆記用具を盗もうと狙う鼻眼鏡の昆虫男、それを妨げようと見張る鷲、川では燃える船など、まさにボスワールド。

 想像もつかぬアレゴリーが込められているらしき本作を前に、「黙示録」同様、首を傾げ溜息をついて引き下がるのである。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1340

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