ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント 「自画像」

2017年03月13日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ NY/フリック・コレクション編 (3) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選 (16)

 マンハッタンのアッパー・イースト・サイド、セントラル・パークの向かいにフリック・コレクションがある。

 ここに<自画像の画家>ともされるレンブラント・ファン・レイン(1606-1669/オランダ絵画黄金期)の1650年代における傑作のひとつ 「自画像」(1658年)が架る。

 本作が描かれたのは、彼が破産の申請をし、財産のすべてを競売によって処分した頃と重なる。

 それゆえか、借財の労苦、金銭の束縛から解き放たれ、精神的な自由を得たある種の余裕が感じられる。

 レンブラントは自身の自画像において、傑作 「<聖パウロに扮した自画像>」(1661年/アムステルダム国立美術館蔵)や 「<ゼウクシスとしての自画像>」(1665-69年頃/ヴァルラフ=リヒャルツ美術館蔵)など、歴史上の人物や聖人、哲学者などに扮している。

 本作においても、そのことが研究者によって考察されているとか。
 が、そのことは別にして、彼が身にまとう豪華な衣装は、今まさに彼の手許から離れていこうとしている物で、それは、過去との決別の意思の表れであった、ともされている。

 レンブラントの表情に感傷は見られない。
 真一文字に結んだ唇、力強く見つめる視線、波乱の生涯に聊かの悔いもないと決めた男の矜持、潔くも格たる自己凝視だけがそこにある。

 午後の静かな館内でこの絵に見入るカタリナ を想い浮かべ、<最愛の妻サスキア>を失った彼には、もう何も失うものがなかったのか ・・・、あらためてそんなことを思う。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1277

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