ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

カラヴァッジョ 「トマスの不信」

2017年09月13日 |  ∟ドイツの美術館

 ドイツ ‐ ベルリン/ポツダム サンスーシ宮(番外編 ) 中欧美術館絵画名作選 (91)

 氷雨のなかポツダム中央駅から路線バスに乗った。
 ものの、運転手さんに遊ばれて? 行ったり来たり、そんな苦労をして漸く着いた<サンスーシ宮殿>、ここの絵画館に目指す傑作が、ある筈だった。

 が、女性係員から 「絵画館は冬休みなの」と言われがっくり、ママすごすごとベルリンに戻ったことがあった。

 その作品とは、バロックの奇才カラヴァッジョ(1573-1610)の傑作 「トマスの不信」(1601-02年/107×146cm)。

 イエスが二人の泥棒とともに磔刑され三日後に復活、弟子の前に現れたその場に十二使徒の一人トマスはいなかった。

 他の弟子達が主を見たと言っても “ あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない ” と。

 それから八日後、イエスがトマスを前に “ あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい ” と教える。

 そして “ わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである ” (ヨハネ書20章)と続けた。

 余談だが、こんな聖トマスが好き、と言う人結構多いようだ。

 第三の新人として活躍した作家の安岡章太郎さん(1920-2013)、晩年に仲間の遠藤周作さん(1923-1996)を<代父>に受洗、霊名をトマスにされたことは知られている。

 そう言えば誰かも、「見て触れてその上でもまだ信じないかも。もし男だったらトマスにした」と言っていたっけ。

 それはとも角として、ベルリン郊外、森と湖の静かな町ポツダムで、こんな半日を過ごしたのだが、ベルリンを発つ前に “ 中欧名画選 ” に加えたくてちょっと寄り道・・・、では、ハンブルグでの再会を楽しみに。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1377

 ※ 小編は、09-06と10-04に投稿した記事をリライト、再投稿したものです。


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