ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

鬼門?

2012年11月07日 | スペイン/ポルトガル

 今、大阪中ノ島の国立国際美術館で「エル・グレコ展」が開かれている。
 NHKが主催者のひとりになっているのか、番組の間にCMが矢鱈流れる。

 それらによれば、“ 高さ3mを超す大作にして最高傑作の一つ ” 「無原罪のお宿り」(トレド・サンタクルス美術館寄託)など、洗練された手法(maniera)に由来する<マニエリスム>の大家エル・グレコ(1541-1614/スペイン)の名品が架かっていると言う。

 Photo余談だが、マドリードの南70kmにある古都トレドのサンタクルス美術館(写真上)、美術館というより博物館が相応しい。の、展示室に修復を終えたばかりなのだろうか、幾分か抽象的な彼の絵が色鮮やかに並び、ルネサンス後期の画家たちとは異なる作風を堪能したことを覚えている。

 話はそれたが、今回の来日作品の中に、マドリードのティッセン= ボルネミッサ美術館が所蔵する「受胎告知」も来日しているとか。

 この美術館には少し苦い出来事があって、今回の美術展の紹介記事を読んで当時のことを思い出した。

 その日、プラド美術館を全館隈なく歩いた後、ティッセン= ボルネミッサ美術館(写真下)に向かった。
 18世紀後半に建てられたリャエルモサ宮殿を改装した美術館に、ティッセン=ボルネミッサ男爵の蒐集品、個人として世界第二位の収蔵数を誇るらしい。を公開、ピカソ、ダリなどの現代アートから、ルネッサンス、バロック、オランダ黄金期から印象派まで幅広く展示する。

 Photo_2なかでもやはりこの絵、ルネッサンス期の画家<ドメニコ・ギルランダイオ>(1449-1494/イタリア)の「ジオバンナ・トルナブオニ」、バロック期の無頼の画家<カラヴァッジョ>(1573-1610/イタリア)の「アレクサンドリアの聖カタリナ」に感銘を受けたが、詳しくはまた別の機会に。

 ところでその出来事とは、カタリナ が鑑賞の途中に激しい胃痛になってしまった。
 常備薬と水を入れた鞄は、館内への持込禁止でクロークに預けている。
 ぎりぎりまで辛抱したらしいが無理、鞄を取り戻して薬を飲むため残念ながら展示場を後にした。

 後から思えば、プラドとボルネミッサを一日で回るのは少し無謀、別の日にすべきだったが、翌日にトレドへの遠足を予定、相当ハードな美術館巡りとなってしまったという訳。

 そう言えば初めての海外旅行でも油っぽい食事が続き、ホテルのベッドで半日唸っていたことがあったが、彼女にとってマドリードは鬼門?なのかも知れない。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.536

コメント
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