Tapestry あの日からのこと

あの地震と津波が起きてからの出来事。
閖上と、そこに暮らしていた人達の今のこと。

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芋煮会

2012年09月22日 | Weblog

現在は秋のお彼岸です。

今日は前日の雨と肌寒さから一転して秋晴れの過ごしやすい日となりました。

私もお墓参りをしてきましたが、どこのお寺も沢山の人がお墓参りに来ていました。そして行楽地へ向かう車と相まって道路もいたるところで渋滞もあって移動はいつもより大変な感じ。

 

本日は閖上の叔父宅跡で、親戚や閖上の知人達と亡くなった閖上の方々への供養として「追悼芋煮会」をしてきました。

 

2週間程前に、母と秋彼岸の墓参りの話をしていた時に「お墓は無くなってしまったけどみんなで閖上に集まって何かしたい」と母が言い出したのがきっかけ。

当初は親族だけで弁当でも食べながら閖上の思い出話でもしようか?、なんて話していたのですが、せっかくなので芋煮会形式にして親族だけでなく閖上の知人達や愛島東部団地仮設住宅でお世話になっている方々にもお声掛けさせていただきました。

因みに、先日亡くなったAさんについても「絶対に来てもらおう」と話していた矢先の訃報でした。

 

 

皆、久しぶりの芋煮会だったらしく楽しみにしてくれていたみたいですね。

到着早々、テントを準備。芋煮以外にも焼き鳥やサンマなども焼きました。

 

「芋煮会」の本場、山形の場合は牛肉を使った醤油ベースの汁ですが、宮城県の芋煮汁は豚肉を使った味噌味が主流。今回は参加者だけではなく、通りがかった閖上の方々や被災地観光に訪れた皆さんにも振る舞おうということで、大きな鍋で2つ分と豚肉アレルギー持ちの私用の鶏肉を使った芋煮汁を1つを準備。

 

出来上がると同時に皆喜んで食べ始めました。

 

あ、勿論この場所に住んでいた叔父親子にも用意しましたよ。

 

日和山が近く、道路沿いに面している場所なので道行く人に声をかけながら皆で楽しくおしゃべりをしながら食べました。

 

閖上以外の方(関東から来たらしい)にも食べていただきましたが、ちょっと味が濃かったかも。

(話に夢中になり、あまり写真を撮っていませんがここに写っていない人達にも沢山来て頂きました。ありがとうございました)

 

 

 

今回の行事を行う事に若干の迷いがあったのは事実です。

閖上は東日本大震災による死者行方不明者911人が出た被災地であり、震災直後は街中に遺体があった場所。

そして、辛い記憶と共に未だ行方不明のままの方々がいる場所でもあります。

 

そんな場所でこのようなお祭りごとをするなんて不謹慎で常識外れだと思う方がいるだろうとは思うのですが、港町特有の「お祭り好き」な閖上の仲間を偲んで昔話に話を咲かせられたらということで行わせて頂きました。

 

亡くなった叔父は生前は料理が大好きで、ことある毎に自分で焼いた手作りのケーキやピザなどをご近所の方に振る舞って食べてもらう事を何よりの楽しみにしていたのです。

震災後にお会いしたご近所の方や叔父の友人達にも「いつもいろいろと作ってくれて御馳走になっていた」と聞きました。

最後に会った日も自分の誕生日なのに自分でケーキ(しかも、なんと二段重ねの大きなもの)を焼いていて、「みんなにもお裾分けするんだぁ」と楽しそうに話していましたしね。

 

閖上で花を育てる事や仮設住宅でお手伝いする事など、「叔父親子が生きていたら間違いなくしていただろう」ということを念頭に置いて行動していたところもありまして、今回の事も叔母から「絶対にやったはず」という話を聞いて開催させて頂きました。

 

近頃、閖上で過ごした幼少期のことを思い出すのですが、その思い出はいつも人が集まって飲んだり食べたり笑いあったり時には取っ組み合いの喧嘩をしているという光景でして、考えてみるとあの当時の閖上の大人達は何かにつけて仲間達と本気で遊び、そういう街での生活を心から楽しんでいたように感じます。

それが街への愛着と活気を生んでいたように感じますし、そういう人ほど「閖上に戻って街を再建したい」という話を聞かせてくれます。

 

近年は漁業が衰退し仙台のベッドタウンと化していた閖上の街では、日本経済の衰退による内向きな世相と相まって、そんな港町特有の活気ある風景は見られなくなっていました。

 

昭和のあの時代と同じことは出来ないですが、今回の震災は悲しいけどもう一度街を再生させるチャンスが与えられていると捉えて、「新しいけど懐かしい」閖上の再建が出来たらと思っています。

 

 

 

最後に、数日前のニュースを。

河北新報:名取・閖上区画整理 集団移転併用も検討 市、見直し案提示

名取市HP:閖上復興まちづくり個別面談の集計結果について(平成24年9月7日版)

 

復興に関して度々出ては消えていた西側への集団移転の話に現実味が出てきました。

どんな結果になるにせよ、行政には街の再建へのスピード感と「情」をもっと持って再建に取り組むと同時に、閖上に戻ることと別の場所での生活との選択が出来るような対応とそれに伴う生活再建への支援の拡充を望みます。

 

 

 

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