フィリピンーマコのお話箱

フィリピンでの日常と、その中でふと私が思ったことを
お伝えします。ときどき開いてみてください。

エクスポージャー その1

2017-08-04 10:17:29 | 日記


(なんでも体験したい高校生たち、スモーキー・マウンテンから下山中)


 毎年8月になると、夏休みを利用して、日本のいろいろな学校の生徒たちがフィリピンへエクスポージャー(体験学習)のために来ます。私は先週の金曜日は広島からの、そして今週の月曜日は宮崎からの高校生それぞれ15名づつのマニラ案内を頼まれました。

 快適に暮らせる日本をわざわざ飛び出して違う世界を見たい、そして自分を成長させたいと真面目に考える彼らに私が案内したのは、経済的に貧しいトンド地区です。幸い、マザー・テレサの修道院「死を待つ人々の家」のシスターもゴミ山で知られるスモーキー・マウンテンの教会の方もよく知っているので、連絡したところ、快く受け入れてもらえました。

 「死を待つ人々の家」に着くと、高校生たちはまず挨拶をして、ダンスや歌や楽器演奏をしましたが、一生懸命な彼らの心は患者さんたちに伝わったようです。








 ここには80数名の患者さんたちがいますが、そのほとんどは路上生活中に病気になって死にそうだったところをソーシャル・ワーカーに運ばれて来た人たちです。月に5人から10人の患者たちがここで亡くなるそうですが、高校生たちに印象を聞いてみると、患者さんたちがみんな明るいという答えが返ってきました。

 いつも私たちを歓迎してくださる日本人のシスター・ドロテアがおっしゃいました。
「日本の医療と比べるとわずかなことしかできませんが、体を洗って食事をさしあげると皆さん満足してくださいます。貧しい人たちは感謝の心に満ちていて、そんな彼らに私たちはいつも教えられます」と。

 また、こんなことも・・・
「私は日本の病院で看護士として働いていたことがありました。その時に見た患者さんたちの死は、絶望的で暗い印象でした。
 ところが、ここの患者さんたちは、とても安らかで静かに亡くなりになります。日本と比べて死が明るいのです。
 なぜだと思いますか?
 それは、死んだらどこへ行くかを知っているからです。体は亡くなっても霊魂は天国へ行くと、神様のもとに帰ると信じているからなのです。
 
 ある時ここへ運ばれてきた30才の患者さんは結核で亡くなる寸前でした。彼は路上で生まれ、30年間残飯で飢えを満たして生きてきた人です。
 体を洗ってあげてベットに寝かせて何が食べたいですかと聞くと、彼は残飯が食べたいと言いました。まさか残飯というわけにいかないので、私はミルクとパンをあげました。
 それから、天国へ行く準備はできましたか?神父様を呼びましょうか?と聞くと、彼は笑顔でハイと答え、神父様とお話をした後、安らかに息を引き取ったのです。」

 

 高校生の一人がシスターに「何が一番足りませんか?」と聞きました。
 するとシスターは少し考えて、こう答えました。

「足りないものはないです。必要なものはすべて神様が下さるから・・・。
 たとえばお米がなくなるとどこからともなくお米の寄付が届くのです。私たちは神様からの恵みにすべてを委ねて生きていたいので、会社などからの定期的な支援はお断りしているのです。」

 普段の生活の中で神様のことを考えたこともない日本の高校生たちには、シスター・ドロテアの生き方はどう映ったでしょうか?
 でもこの後、洗濯・食事の配膳・食器洗いなどの奉仕をする彼らの目は、キラキラと輝いていました。

    

 
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« エース | トップ | エクスポージャー その2 »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
有難うございました (生徒)
2017-08-15 00:31:10
こんにちは、
先日お世話になりました第一高校の生徒です。
初めてフィリピンへ訪れ、初めて日本ではなかなか見られない貧困の現実を目の当たりにし、驚きとともに自分の無力さを感じました。
今回"死を待つ人の家"、"フィリピンの学校"、さらには"スモーキーマウンテン"までもを案内して頂き、マコさんの案内無しには行けない所、感じられないものばかりでした。

一番悔しかったのは、子供の家で、現実から目を背けてしまい、小さな手を握ってあげることができなかったことです。
私は将来の夢は、発展途上国や貧困地のために、少しでも手助けができるような人になることです。次回行くときは、今回出来なかったこと、悔しかったことを、出来るようになりたいです。

今回は本当に有難うございました。
生徒のみなさま (mako)
2017-08-15 09:53:21
コメントでのメッセージ、ありがとうございました。
誰かのための手助けは、いつでも、どこでも、できますよ。今日も、みんなの周りの誰かがそれを待ってるかもしれません・・・。

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。