日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

ロマン建築の旅:熱海の日向別邸で

2014-09-27 13:49:27 | 建築・風景

フジテレビの番組「ロマン建築の旅:日向別邸」が、明9月25日(日)の午後5時40分に放映されると電話を貰った。5分という短い番組で、その時間内に広告も入るので、多分アッという間に終わってしまう。

出演依頼の電話が急にあって、一週間後に収録したいのだがと相談を受け、その日はやりくりできるので熱海に出かけた。建築誌「建築とまちづくり」に連載している「建築保存物語」の「ブルーノ・タウトの世界と日本」と題した一文を脱稿したばかりだったので、そこで触れた、数奇なタウトの人生の一端を伝えたいという思いもあった。

この番組のあることを知らず、事前に見ることが出来なかったので番組構成もわからないまま出かけ、目の前に腰掛けて問いかける質問者への受け答えにちょっと戸惑った。
収録後、大丈夫ですよ!と言う制作本部のプロデューサーの笑顔に、ホッとしたものだ。

愛らしい風土`と言う一言に

2014-09-20 23:02:45 | 自然

「津浪と山津波、これは勝ち目の無い相手で、追って来ない範囲で生活を組み立てるしかないところですが、高知は海と山ばかりの国で厳しい世界です。
しかし山の幸、海の幸、住み慣れると愛らしい風土です」。

この一文は、高知県南国市の建築家山本長水さんから戴いた葉書の書き出しである。昨今の天候不順、土佐湾沿いの集落が暴風雨に見舞われ、被害を受けたとの報道が気になって、大丈夫かと問い合わせた葉書の返信。ホッとすると同時に長水さんの、生まれ育った土地への想いに心打たれた。
長水さんとは、建築誌に連載している写真とエッセイによる「建築家模様」の取材で親しくなったが、昨年の秋、札幌の市立大学での講義のために出かけた折、羽深教授が主催する民家研究者の集まりで、思いがけず再会し旧交を温めたのだった。

「愛らしい風土」。
僕の愛らしい風土はさて!

<写真 風土、何故か富士山!>

中秋の名月とスーパームーン

2014-09-14 12:06:20 | 自然

9月8日が「中秋の名月」、翌9日が「スーパームーン」。
月の色や大きさが違って見える`不思議`を楽しみたいとふと思いつき、9日の夕刻表に出た。
赤っぽい大きな月が輝いている。カメラを持って出るのをうっかりした。ジャパン対ベネズエラ戦が始まるので部屋に戻り、ゴールキーパー川島のミスがあったりして引き分け。まったく!と思いながらレンズを長玉に付け替えて表に出た。雲が出てきてた。あわててシャッターを押した。赤い色が撮れていない。
さてっと!スーパームーンと言うネーミングはどうも気にいらない。風情なし。
中秋の赤月(せきげつ)というのはどうだろう!
ちなみに大きく見えるのは月と地球の距離が近くなってとのこと、次は来年の9月28日だ。
記録を記憶しておくために、こんな駄文を書いてみた。


新潟での荒木経惟 往生写集―愛の旅

2014-09-07 21:53:13 | 写真

旧曾津八一記念館の見学会(会館内の一日だけの公開)が行われた。見ておいて欲しいと「新潟まち遺産の会」の大倉宏さんからの要請があり、新潟へは行ったばかりなのでためらったものの、日帰りで新潟に出かけた。
折角の機会なので、前回の訪問で見ることの出来なかった展覧会巡りをする事にした。
新潟駅から歩いたルートは下記の如し!

敦井美術館「楠部彌弌展」→にいがた文化の記憶館「曾津八一記念館・曾津八一の奈良」
万代橋を渡って金比羅さんへ、金比羅通りを覗いてシャッター街になった様子に戸惑う。
そして絵屋「半間道子展」へ→新潟市美術館「荒木経惟 往生写集―愛の旅」「牛腸茂雄<わたし>という他者」を観る。
砂丘館の角を曲がってあいづ通りを海のほうに向かう→旧曾津八一記念館見学→砂丘館に戻り「村の肖像・角田勝之助写真展」。

この夏から秋にかけて『新潟写真の季節』だというパンフレットを絵屋で貰った。
先日の新潟では、「JAZZストリート」という催しが行われていて、あちこちの店で気楽に楽しめるライブが行われていて、新潟文化の一側面を実感したが、この写真展のチラシが、東京のギャラリーなどにも配布されていて、新潟のまちがより身近になる。
2014年9月5日、多分僕にとっていつまでも心に留まる一日となった。

砂丘館で展示されている、1928年に福島県の只見川上流の村に生まれた、角田勝之助という村民が撮り続けている豪雪地帯での、村の人々の姿の素朴な写真群にも魅せられた。
同時に、何度も見てきたアラーキ(荒木経惟)の今回の写真展を見て、荒木がなぜあのような写真を撮り続けているのか、ストンと腑に落ちるものがあった。

妻陽子との新婚旅行「センチメンタルな旅」1971年からのスタート。
死を捉えた「冬の旅」など何度も見てきた写真と、大竹一重という魅力的な女性との赤裸々な様子を捉えた『冬恋い』。ヌードなどポラロイド写真を二つに切って組み合わせた1357枚、そして新潟古町界隈、新宿の素朴なまちの姿を捉えた写真などなど併せ見る。

この荒木の写真達は、ちょっと悲しく、そうでなくては人は生きていけないことを・・・ふと僕の生きることを考えた。
それにしても「往生写真」だと言われると・・・・