股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ヒトラーの忘れもの

2017年08月03日 11時36分34秒 | 映画評論ハ行
製作年:2015年
製作国:デンマーク/ドイツ
日本公開:2016年12月17日
監督:マルティン・サンフィリート
出演:ローランド・ムーラー,ミケル・ボー・フォルスゴー,ルイス・ホフマン
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ナチスドイツが降伏した後の1945年5月、デンマークの海岸にドイツ軍が埋めた地雷を撤去するため、ドイツ兵の捕虜が投入される。まだ幼さの残る10代の少年兵たちを監督するデンマーク軍軍曹ラスムスンは、徹底して彼らをこき使おうとする。だが、少年兵たちは誤爆や撤去作業の失敗で次々と命を落とし…。
第2次世界大戦終了後、ドイツ兵捕虜がデンマークで地雷処理に動員されたという史実を基に描くドラマ。恐ろしい体験を共有するうちに、戦時中は敵同士だったドイツ兵捕虜とデンマーク人軍曹が次第に人間として距離を縮めていく過程を丁寧に描写する。デンマークのマルティン・サンフィリートが監督と脚本を担当。人間の善と悪の二面性を浮き彫りにする物語に引き込まれる。

ドイツ軍捕虜の少年たちが、デンマークで地雷処理に動員された史実を基に描かれた戦争映画。このような出来事が実際にあったことを知りませんでした。戦争後の地雷処理がどれだけの恐怖だったか…考えただけで恐ろしいです。ドイツ軍だとしても少年たちに罪はない。デンマーク軍軍曹もまた同じく罪はない。親心を持ちながらも少年たちに命令をし続ける。いつ爆発するのか分からない恐怖はホラー映画以上でした。処理中に地雷が爆発して両腕が吹っ飛んだ少年が「家に帰りたい」と叫ぶ姿が可哀想で仕方なかった。それとは逆に軍曹が少年逹との交流で仲を深めて信頼し合っていく展開は心休まる場面でした。ナチスドイツが残した忘れものは多くの少年たちの命を奪ったのです。戦争が終わっても戦争は続く…。ドイツが悪いことをしたのは事実だが、こういう事をしたデンマークにも罪はあると思う。大人たちが起こした戦争の後処理を子供たちがすることに苛立ちを感じます。戦争の悲惨さ理不尽さを改めて考える作品でした。若い命が失われない世界になりますように。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)

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