お母さんを持ってくる ６２

それにしても、中国警察の動きには
目を見張りました。

汚職だとか、人権無視とか、なにかと評判の悪い
中国の警察です。

そんな悪い噂しか耳にしなかったワタシには
新鮮な驚きでした。

「へ～、中国の警察は親切だね」
「そうですね。小江も驚きましたよ」

日本の警察だったら、こんな小さな事件では動かないと
思います。
警察に知りあいでもいたのかしら。


「で、再手配した薬はどうするの。もうお金も払って
　手元にあるんだけど」

ここで嫁さんが目くじらを立てます。

「どうして注文したよ！？」

いくらなんでも、これはヒドイです。
人権無視です。
中国の警察よりもっと悪質です。

ワタシは、スックと立ち上がり、
お嫁さんに指を突きつけ、高らかに
宣言しました。

「アナタに命令されたからです」

お嫁さんは横を向き、得意の知らん
顔ポーズをとります。

「そもそもですが、アナタが間違えたから
　こうなったのです。
　よ～く、反省するように」
「プイ」






ＡＬＡ！中国