スウェーデンの教育って?!

スウェーデンの特別支援学校で教員をしています。日々、目にして、耳にしているスウェーデンの教育の実態。

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社会性と感情のコントロールを訓練する・・・SET

2011年11月02日 19時21分33秒 | 教育一般

 今日は、仕事を13時半に終え、秋休みに入りました。木曜日と金曜日はお休みなので、ゆっくりしようかなあと思っています。

 

 月曜日にあった講演会の内容が大変興味深かったので、紹介したいと思います。

 

 近年、欧米社会では、若者たちの精神的な健康状態がよくないことが問題になっています。ここ、スウェーデンでも、10代の若者たちの精神的な不健康がよく取り上げられています。これに対応するためには、小学校の低学年から、早ければ早いほどいいといわれています。その中のひとつの方法としてここ数年用いられているのが、こちら。

 

SET Social och Emotionell Träning

 社会性と感情のコントロールの訓練

 

 話の始めは、危険因子と保護因子について。危険因子とは、たとえば、親がアルコール中毒だとか、うつ状態だとか、そういった子どもが危険に陥る可能性のある内容のことを指し、その数が多ければ多いほど、子どもの精神状態が悪くなる可能性が高いというもの。これに反し、保護因子とは、そういった危険から子どもを守ることができる内容を指し、たとえば、よい先生に会うとか、掃除のおばちゃんと親しくなってとか、近所にいい兄ちゃんがいるとかなどです。学校や先生は、この保護因子になれる可能性が高く、また、成績がいいとか、勉強で落ちこぼれないといったことでも保護因子になるため、先生の持つ役割は大変大きいという話でした。

 

 このあたりの話がとてもスウェーデンぽいと思いました。理由は、スウェーデンが科学的に証明されることにかなり重きをおいており、日本では当たり前のような話でもえんえんと数字を用いて話がされます。こういう風だから、教育分野の研究が遅れるんだろうなあと想像しつつ、でも、科学的に証明されることは大変いいことでもあるので、じっと聞いていました。

 

 予断ですが、同僚の何人かは、このあたりが退屈で脱落した方も。。。仕方がないですよね。夜遅かったし。

 

 若者の精神状態が健康でないという事実の中に、アルコールの摂取に関する問題があります。スウェーデンでは、10人に1人が11歳からお酒を飲んでいるということで、その摂取量はかなりなものです。これは、どちらかというと、裕福な地域の問題であるようで、若者のアルコール問題が深刻なのは、ストックホルムでも北のほうが多いとか。。。ちなみに南で多いのはうちの市。中流家庭がおおいからだそうですが。。。

 

 こういったアルコール、喫煙などに関する情報を与えていくのも学校の役目であり、そういう内容かなとおもっていたら、このSETというのは、社会性をみにつけるために、自分の感情のコントロール方法を、学校で学んでいくというものでした。

 子どもたちには、最低週1回の授業がトレーニングとして行われ、内容はたとえば、グループワークであったり、ロールプレイであったりするようです。このトレーニングをするために、教員がトレーニングを受け、コーチがついて行われるというもので、大変面白い内容でした。分野がいろいろあり、たとえば、問題解決能力とか、感情のコントロール方法とかあり、ひとつひとつの分野を何回かに分けてトレーニングし、子どもたちがちいさいうちに身につけさせるというものです。多くの障害が社会性がないことや感情のコントロールが未熟なことが含まれ問題になるので、こういったトレーニングが有効であるように思います。

 また、理解して覚えることもあれば、経験してやってみて覚えることもあるので、そういう面でもこういった感情や社会性をトレーニングするのは大変有効であるように思います。

 

 この内容ではどんなのかわかってもらうのは難しいかなとも思いつつ、日本にもあるのかしら、こういうの。ないのなら、紹介してもいいなあと思えるような内容でした。

 

 

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6 コメント

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Unknown (くみぃ)
2011-11-03 12:38:04
こういう青少年の問題はどこでも起きているんですねー。アメリカではやはり10歳くらいからマリファナの吸引が始まってるようです。中流家庭とかが多いとか聞くけれども、低所得の過程でも回りで吸引してる所に遭遇する事があるとか。。。きっとアルコールも同じだと考えられますが、こちらではIDの確認が厳しいので、家庭においてあるものを青少年が親に隠れて。。。ていうのはあるでしょうね。
でも、きっと精神状態の問題はこれだけではないと思います。携帯、コンピューターを操作出来るのが当たり前になっていてインターネットの使用頻度が多く感情を言葉で伝えるのでなく、メールで伝える、という事は一方的な伝え方。実際に面と向かって話すのとは異なりますからね。

あー、色々もっと話したいですねー!!私も興味のある分野です!!
コメントありがとう (pedagogiskamagasinet)
2011-11-04 02:23:36
くみいさん、コメントありがとう。

そうなんでうしょね。欧米社会にある問題ですよね。やっぱり、アメリカもどうようなんですね。複雑な世の中になり、多くの青少年が手出すを必要としており、これに対応するべき、大きな責任が教育界にはあるように思います。

ネットや携帯電話などによるコミュニケーション能力の変化もいろいろ思うところがありますよね。私もいろいろ話したいことがあります。いつかお話できるのを楽しみにしております。

Unknown (AyanO)
2011-11-04 02:23:45
初めまして!今日初めてこちらのブログ拝見しました!今まで色々なスウェーデン関連のブログを読んでいましたが、一番面白くて興味深いのでこれから頻繁にやってきます!!^^
更新楽しみにしています!
コメントありがとうございます。 (pedagogiskamagasinet)
2011-11-04 02:26:06
AyanOさん、こんばんは!

コメントありがとうございます。はじめまして!

うれしいお言葉をありがとうございます!すっごく励みになります。コメントなど、何でも残していってください。いろいろお話できるのを楽しみにしております。
Unknown (パンダ民)
2011-11-10 07:15:02
こんにちは。
海外生活ブログをヨーロッパ中心に読み漁って、こちらに辿りつきました。
こちらのお話と関連性があるかは分かりませんが、あるバラエティ番組で街角インタビューされたスウェーデン人の青年が「もう絶対国には戻りたくない!」と個人的理由というより、自国への不満爆発といった感じで答えていました。
北欧は福祉や教育など国民をケアする制度は万全だというイメージがあるので、問題は当然あるにしても、こういった大きな不満感は意外な感じがしたのですが、スウェーデンではまた事情が違うのでしょうか?
質問は来日&滞在理由などの軽いものでした。レポーターが絶句してしまった為、詳細は分かりませんが、気になって思わず書き込んでしまいました。

青少年の不安定さは、もう世界的問題なんですね。厄介な事に日本では、自分の抱える問題を隠す事に長けてしまった様に感じます。逆にいえば周囲の関心が低い結果かもしれませんが。
震災後、不安感から人との繋がりを求める方が増えたそうです。それが子供達も含むのか、一時的な事かは分かりませんが、もっと家族にも他人にも関心のある社会になって欲しいですね。
今の様な大人が子供に怯える(何するか分からない)社会って絶対おかしいですから。

日本だと社会問題といえば、多くは米国情報なので、とても興味深く読ませて頂きました。有難うございます。
勢いで色々書き込んでしまいましたが、お話がずれてしまっていたら、ゴメンなさいです。
コメントありがとう (pedagogiskamagasinet)
2011-11-12 04:51:15
パンダ民さん、こんばんは!

初めまして。そして、コメントありがとうございました。コメントの中の質問、スウェーデンの今をあらわしている的を得ているところだったので、改めて書きます。
青少年が不安定になるのって、選択肢が多いからなんでしょうか。世界的な問題、特に欧米に多い問題のように思います。日本のよいところは、お互いにある意味適度に関心があって支えあっていたところにあるように思います。個人主義になりすぎてもうーんと思います。

やはり、日本はアメリカよりですよね。どんなコメントでもうれしいので、ぜひ、また、書き込んでいってください!

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