スウェーデンの教育って?!

スウェーデンの特別支援学校で教員をしています。日々、目にして、耳にしているスウェーデンの教育の実態。

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スウェーデンの9年生の最終成績とPISAの結果の矛盾

2013年12月28日 10時37分14秒 | 中学校

 2013年も残りわずかになったなあと思います。このところPISAの学力到達度テストについて2回ほど書きました。前の記事はこちらからどうぞ。「スウェーデンのピサの学力テストの結果と今後の選挙の行方」と「フィンランドの次はポーランドだ!

 今日のもまたこれに関連した内容です。昨日の新聞にスウェーデンの9年生(中学1年生)の学力に関して矛盾点があるという記事が載っていました。私が即座に思ったのは、「やっぱりなあ、きたか。。。」というもの。現場にいると、昨今のスウェーデンの先生方や保護者、生徒における成績に対する考え方の変容を感じています。それが形となって見せつけられた感じ。

 内容は、スウェーデンの9年生の最終成績は良くなってきていたのに、スウェーデンのPISAの学力到達度テストの結果はひどかった」というもの。

 この9年生の成績が良くなってきているという話は、何回か報道されており、私も知っている事実で、多少なりとも学校改革の成果が出てきたのかとも騒がれました。しかし、今回のPISAの学力到達度テストでの結果があまりにもひどかったし、一つの分野もよくならなかったので、スウェーデンの学校で出されている成績は真実味がかけるのではという報道がされたのです。

 確かに、9年生はPISAの学力到達度テストをうけている年齢なので、もしも、本当に最終成績がよくなってきているのであれば、PISAの学力到達度テストでももう少しよい結果が出てもいいのではないかというのは、私でも推測できる範囲内の話です。これに対して、記事では、成績のインフレーションの要因をいくつか挙げています。

  • 学校の自由選択制がここでも影響しており、学校という「売り物」を多くの人に買ってもらうには、「良い成績の子どもがたくさんいる学校」のほうが、価値があがるために、成績を実際よりも多少よくつけているのではないか。
  • 成績はどうしても、先生や学校によって差が出る。
  • 全国統一テストのある教科は多少なりともインフレーションが押さえられている。
  • PISAの学力到達度テストは、どうしてもある一定の決まった能力を測ることになり、9年生の最終成績は、そこに含まれない部分も含んだ成績であるため、差が出ても仕方がない。といっても、「読解力」のようなものは、どの教科にも必要なもので基礎中の基礎。これが低ければ、全部に影響をあたる。
  • PISAの学力到達度テストに平行して行われる聞き取り調査では、スウェーデンの学校には、学習できる落ち着いた環境が書けているという傾向が見られ、これもまた、影響を大きく与える。

 

と、こんな感じで書かれています。学校の自由選択制を最近いただいた日本の大学の先生の言葉をお借りして見方を変えると「学校の市場化」ということになるようです。学校が市場化してきているスウェーデンでは、成績も単純に教師がつけれるものではなく、私立の学校を中心に上から圧力がかかる、親から圧力がかかるという話を見聞きします。成績というのは、やはり大きく左右しますので、私も含め言葉一つかなり慎重になります。ここにきて、スウェーデンでも成績の付け方に関するかなりの資料が出回るようになります。もともと、日本よりも国が小さくあまりそういった所に一般企業がはいっていなかったのですが、ここ数年少しずつ見かけるようになり、使い始めたという先生の声も聞きます。こういった今の流れが今後どう影響するのだろうかと思ったり。もうすぐ、無免許の先生は成績が付けられなくなるので、それがどの程度影響を与えるだろうと思ったり。

 PISAの学力到達度テストでははかれない能力が最終成績に含まれるというのも納得です。なので、多少最終成績との誤差が出ても不思議はないとも言えます。でも、記事でも指摘されている通りで、このPISAの学力到達度テストの結果を真摯に受け止め、スウェーデンの学校教育の制度の不足した部分を見直していく必要があると私も思います。現場で見ていても、明らかに先生方は成績に関してストレスを感じており、問題も多く出ています。

 教育大臣も学校改革に関する調査を依頼して行っており、その結果が年明けに発表されれば、また、大きなニュースになると思います。こういった学校改革の流れをみてきて思うのは、いかなる結果をもたらすのが未知数であり、必ず良い方に転ぶという保障はないということです。良い方に転じるように様々な研究結果などをもとに行っている改革ではありますが、それでも、社会の変化や国の差など多くのことが関わっており、簡単ではないなあと思います。

読んだ新聞記事:Betygen i skolan allt mindre sanna DN 20131227

ジャンル:
海外
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