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ヒトリゴトBlog

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2007年11月16日 23時13分01秒 | 本・映画・アニメ・テレビ
どうも。
最近インドアに拍車がかかって
バイトも授業もサークルもないせいか
いっつも家にいます。
ので、たまに外に出ると思いのほか寒く
一旦戻って上着を変えるということをよくしてます。


家で別にボーっとしているわけではなく(ボーっともしますが)、
ちゃんとやるべきものもやらなきゃいけないワケです。
この時期4回生がするものといえば、
卒論しかないですよね。
果たして「論文」と呼べる代物になるのか心配しつつ
今日も文献をあさりにあさってます。
で、今日はその文献の一つで面白かったものがあったので紹介。


'Good Night, and Good Luck'



ワタシの卒論のテーマ上、これは観るべきだよなぁと思い
今回TUTAYAでレンタルして鑑賞してみました。
出会いは、1年以上前に何かの情報番組で紹介してたこと。
とりあえずGeorge Clooneyという俳優さんが好きなのでチェック済みで
今回卒論の参考にとやっと観ることに。


まず、Edward R. Murrow役の俳優さんが素晴らしい。
ワタシはEdward R. Murrowという人物を知らないけれども
そこにいたのは確かに伝説のニュースキャスター。
その風格と存在感、鋭い眼差し、揺るぎない信念、
そういったものがモノクロ映像を通してオーディエンスに訴えかける。


また、全編通してのモノクロ映像をはじめ
要所要所で使われる、実際の映像、
それらはすべてドキュメンタリー映画のような、
50年も前のニュース映像を見てるかのような
そんな錯覚にもなる。
あと、登場人物のほとんどが吸っているタバコ。
この煙がモノクロ映像の中で、なんだか不思議な空気を醸し出していた。
あのタバコの煙が、どこか自分も今同じ場所にいるような
なんとも言えない臨場感を演出していたようにも思えた。


肝心のストーリーは、実話に基づくストーリー。
第2次大戦後のアメリカにおいて、
いわゆる“赤狩り”が行われているような時代。
法的な手段も取らずにシンパ(共産主義同調者)を排除しようと
赤狩りを推し進める上院議員に、
Edward R. Murrowをはじめ、CBSの報道記者たちが勇気を持って
真実の報道を貫き通すという話。
ただ、今の時代でも同じことだとは思うけど
その「真実の報道」がどれだけ難しいことか(圧力、スポンサー関連など)、
またニュースという一つの、ある種特定された情報が
どのように社会に影響するのか、
それを製作者側(発信者側)から読み取れる映画だとおもう。


「(アメリカ人は)裕福で気楽な現状に満足し、
暗いニュースには拒絶反応を示す」

「テレビは人を欺き笑わせ現実を隠している。
このことに気づかなければ、スポンサーも視聴者も製作者も
後悔することになる。」

「テレビは人を教育し、啓発し、心さえ動かす。
しかしそれはあくまでもテレビを使う者の自覚次第。
それがなければただのメカが詰まった箱と同じ。」


色々な興味深い言葉があった。
でも、その言葉の多くは実話であるので1950年代後半に語られたもの。
それでも今なお共感でき、深く考えさせられるのは
今の時代も同じようなことが起こっているからかも。
だからこそGeorge Clooneyは2005年というタイミングで
この映画を制作し、発表したのかもしれない。


こういう重たい映画は、見終わった後も色々考えさせられて良い。
観終わったときに残る、不完全燃焼的なこの状況が
ワタシは結構好きだったりする。
それにそういう映画が面白いと個人的には思う。




キョウノウタ→久石譲「A Summer's Day」

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