丘の上にある 「 大野教会堂 」
所在地 / 長崎県長崎市神浦下大野町
竣 工 / 1893年 ( 明治26年 )
設計者 / マルコ・ド・ロ神父
大野教会堂は外海地方の中心地出津から約4km北上した
五島灘を望む大野郷の山あいの中腹にある。
当教会堂は従来出津教会に所属していた信者が老弱等のため
出津まで出向くのに困難を来すごとから、
当時の神浦、大野の信者26戸のために明治26年 ( 1893 ) に
ド・ロ神父によって建設されたもので、同年10月クザン司教によって祝別された。
設計及び施工指導はド・ロ神父自身であり、建設費用は約千円と言われ、
ド・ロ神父の自費と信者の奉仕によって完成したものである。
創建時の大野教会堂は平面が長方形で、単廊式の会堂部のみで出来ており、
北側(入口側)正面に存するド・ロ石積の独立した壁体から
現祭壇のある位置までは概ね現況のままで、
更に東西壁面が南に延伸されて、上部半円アーチ形縦長窓各2個を追加し、
( 合計東西面の窓は各5個 ) 、南端はド・ロ石壁を築いておさめる、
現状よりやや小振りの石造建物であった。
また、天井は現在と同様棹縁天井であるが床板張りは無く、土間仕上げとなっていたようで、
屋根はトラス架構の寄棟屋根であった。
その後、この教会堂は現祭壇のある位置より南側を一部取り壊したうえ
司祭部屋部分を増築して現在の姿となっている。
この増改築は出津教会第四代の神父として
佐賀県の馬渡島から赴任してきたヨゼフ・ブルトン神父によって、
大正15年 ( 1926 ) に行われた。