小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

一般質問に登壇

2009年09月14日 | 一般質問
【一般質問】
今日は朝から本会議が開かれ、一般質問が行われました。
例によって長文ですが原稿の全文を掲載します。

【勉強会】
夜、以前から参加している勉強会に参加。
民主党新政権の閣僚人事が話題になりました。
勉強会の他の参加者からは文部科学大臣の人選に不安の声がありました。
端的に言って「君が代、日の丸」や「皇室」に後ろ向きな人が選ばれないかとの危惧です。
安倍内閣当時、教育基本法の改正で民主党は与党案より優れた改正案を提出した記憶があります。
民主党はそんな変な人選はしないと私は確信しています。

●平成21年第7回 定例会(9月議会)一般質問原稿

総選挙で政権交代が成りました。
今回の選挙は、これまで議会制民主主義国家の中で唯一選挙による「政権交代」を経験してこなかった日本人が、初めて自らの手で政治権力を作り出した、言わば静かなる革命劇であったと思います。
308議席という、これまで自民党も一度も経験したことがない圧倒的な数は、明治以来120年以上にわたって、国家権力を事実上握り続けてきた日本の官僚機構に対し、有無を言わさない国民の断固たる意思を証明するものであると思います。
民主党には、国家百年の計に立ち、日本国の大掃除を期待しているところです。

今回の政権交代で、各自治体では政府与党と新たな関係を構築する必要があります。特に、電源立地の自治体は主要な財源を電源交付金に求めており、高浜町も例外ではなく、今では多くが経常経費に支出されています。しかも今後の町づくりにとって欠くことのできない、特別交付金、核燃料サイクル交付金など各種交付金の交付決定の仕組みを考えると、ある意味、生殺与奪の権を国に握られているといっても過言では構造になっているだけに、新たな関係構築は非常に重要であります。この点、私も何かのお役に立てると思いますので、一致協力して町政発展のために頑張ってまいりたいと考えています。よろしくお願いいたします。

『1.夏季シーズン中の海水浴場に漂着する葦の対策について』

それでは質問に入ります。
始めに、夏季シーズン中の海水浴場に漂着する葦の対策について質問いたします。
人間は考える葦である。
ご承知の通りこれはパスカルの言葉で、断片集「パンセ」の一節「人間は ひとくさの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。 だが、それは考える葦である。」という考えを示す言葉です。
葦、ちなみに関西地方では「ヨシ」と言います。「アシ」も「ヨシ」も同じ植物ですが、「アシ」が悪に通じるので、「ヨシ」つまり良いに通じる「ヨシ」と呼ぶそうです。
このパスカルの言葉は、河川の下流域に繁茂する葦という植物が風に弱く、少し強い風が吹けば倒れてしまう弱い植物であるため、これを人間の弱さに比喩したもので、「だが、それは考える葦である」ということですけれども、今日は、この風が吹けば倒れてしまって河川から海へと流れ出してしまう葦についてじっくりと考えてみたいと思います。

今年は、非常に天候不順な夏になり、夏季観光は惨憺たる状況でした。
それに追い討ちをかけるように、8月4日、強い北風が吹いた日、高浜町の海水浴場は大量の「ヨシ」で埋め尽くされました。
8月の第一週といえば、例年、平日でも最大の稼ぎ時になります。
特に7月にまともな商売が出来なかった観光業者にとって、この8月の第一週には大きな期待を寄せていましたが、彼らが目にしたものは、浜を埋め尽くす漂着したヨシでした。

このヨシが埋め尽くした浜を再生するには、ただひたすら、人力で拾い集め続けるしかありません。私も8月5日と6日の2日間、早朝の作業に従事しましたが、体力もいります。
高齢化しつつある観光協会員による作業はたいへんなものでした。
黙々と作業を続ける観光協会員のみなさんは、いったいどんな気持ちでこの「ヨシ」を拾い集めているのだろうかと、そんな事を考えながら、私も出来る限り作業を手伝わせていただきました。
そこで、その時、観光協会員がどんな気持ちだったろうかということをこの場で代弁させていただきます。

実は、このヨシは、何も今年初めて漂着したものではありません。量の多寡はありますが、年中行事のように毎年漂着します。それを毎年かき集めては清掃することを繰り返しているのです。
「いったいいつまでこんな作業を繰り返さなければならないのか。」
「発生源、河川名はあえて申しませんが、その河川管理の仕事として、ヨシをきっちりと管理処分してくれよ。」
こういう気持ちなんだろうと思います。

塩水をたっぷりと含んだヨシを清掃するのは大変です。
このヨシの処分は、海に流してしまって漂着したものを拾い集めるよりも、河川で繁茂している段階で処分した方が遥かに作業量が少なく、観光業への悪影響も防止できることは言うまでもありません。
河川で繁茂している段階で処分すべきなんです。

そこで質問ですが、政府は今年7月、「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理に関する法律」という少し長い名前の法律ですが、これを公布・施行しました。

この法律は、海岸における良好な景観及び環境の保全を図る上で海岸漂着物等がこれらに深刻な影響を及ぼしている現状にかんがみ、海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するため、海岸漂着物対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、政府による基本方針の策定その他の海岸漂着物対策を推進するために必要な事項を定めております。

この法律を読んで見ますと、国、地方公共団体の責務や、地域計画に関すること、海岸漂着物対策推進協議会に関することなど様々なことが規定されていますが、時間の関係上、関係するポイントに絞って議論させていただきます。

まず、海岸漂着物の処理の責任の所在として、第17条で、海岸管理者等は、その管理する海岸の土地において、その清潔が保たれるよう海岸漂着物等の処理のため必要な措置を講じなければならないと規定されています。
高浜町の海岸の海岸管理者は県ですから、つまりこの条文は、「県は、高浜町の海岸が清潔に保たれるよう海岸漂着ゴミ、今回の場合はヨシですが、これの処理のため必要な措置を講じなければならない」とこう書いてある訳です。

次に、第18条には、こう書かれています。市町村は、海岸管理者等が管理する海岸の土地に海岸漂着物等が存することに起因して住民の生活又は経済活動に支障が生じていると認めるときは、当該海岸管理者等に対し、当該海岸漂着物等の処理のため必要な措置を講ずるよう要請することができる。
つまり、高浜町はヨシの漂着が原因で住民生活や経済活動に支障が生じている時は県に対しこれの処理を要請できると、こう書かれています。

そして、第19条で、都道府県知事は、海岸漂着物の多くが他の都道府県の区域から流出したものであることが明らかであると認めるときは、当該他の都道府県の知事に対し、海岸漂着物の処理その他必要な事項に関して協力を求めることができると規定されています。
つまり、高浜の海岸に漂着したヨシが仮に京都府の河川から流出したことが明らかな場合は、京都府知事に協力を求めることができるということです。

要するにこの法律は、他所の川から毎年流されてくるヨシを、その海岸に暮らす住民だけがせっせと掃除しなければならないということはなくて、福井県と京都府が協力して、対処しなければなりませんよという、ある意味当たり前のことが書かれている訳です。

まずは、この法律の第18条に基づく、県に対する要請を、正式に実施すると共に、第19条に基づく、県から京都府に対する協力要請を実施するよう働きかけるべきと考えますが見解をお伺いいたします。

『2.和田釈迦浜の外国由来の漂着ゴミ問題について』

次に2点目の、和田釈迦浜の外国由来の漂着ゴミ問題について質問いたします。
和田の釈迦浜とは、大島半島の北西の海岸線、若狭湾に面した岩場の海岸です。この浜は、対馬暖流が直接打ち寄せる海岸で、周辺の海は良好な漁場になっていますが、反面、対馬暖流に乗って海岸には世界中から大量のゴミが漂着し集積しています。
以前は、安土山側から比較的容易にこの浜へ行くことが出来ましたので、私の子どもの頃は、この海岸が好きで毎日のように遊びに行ったものです。

しかし、現在ではこの浜にヨットハーバーが整備されたことから、今は基本的にこの浜へ行くルートはありません。
お配りした写真をご覧ください。
これは先日、私が釈迦浜に行って撮影したものです。海岸一面に大量のゴミが漂着している様子がご覧いただけると思います。
実際、現場に立って見ると末恐ろしいくらいのゴミの山に呆然とします。

これは、同海岸へのアクセスの悪さから、これまで漂着ゴミを清掃する術も無く、長年放置されてきた結果です。

実は、こうした現実は、何も釈迦浜に限ったことではなく、日本海側のいたるところの海岸で見られる光景です。
このため、環境省では、平成20年度第2次補正予算で「漂流・漂着ゴミ対策重点海岸クリーンアップ事業」を展開し、外国由来のゴミが大量に集積している海岸等を重点海岸として選定し、国が緊急的に海岸のクリーンアップを行う事業を始めました。
この事業の対象となって、国によるクリーンアップ事業が行われる重点海岸は、全部で13県、25海岸にのぼりますが、和田の釈迦浜はこの事業の重点海岸の指定は受けていません。

ところで最近、アウトドア指向で岩場の海岸での磯遊びが静かなブームになっています。快適な快水浴場百選にも選ばれた白い砂浜の和田海水浴と岩場海岸である釈迦浜での磯遊びの両方が楽しめるようになれば観光資源としての魅力は格段に向上します。 
釈迦浜の海岸を再生するため、まずはアクセス路を確保するとともに、環境省のクリーンアップ事業の重点海岸指定となるよう働きかけること、更には先程の質問で紹介した「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理に関する法律」に基づく県への働きかけ、また、一度、官民合同による釈迦浜清掃の一大キャンペーンを計画してみてはどうかと考えますが、町としての見解をお伺いいたします。


『3.公立若狭高等看護学院の授業料問題について』

最後に3点目の公立若狭高等看護学院の授業料問題について質問いたします。
公立小浜病院に併設する公立若狭高等看護学院は、平成2年に創立以来、若狭地域に根ざした看護師養成の教育機関として、この若狭の地域医療を担う数多くの優れた看護師を送り出してきました。
現在も、高浜町出身者を含め82名の生徒が優秀な看護師を目指して勉学に励んでおられると聞いております。

ところで、この若狭高等看護学院の授業料ですが、年間の授業料が12万円、施設の維持費として年額3万円となっています。他に入学時に支払う入学金5万円があります。従って、入学時の最初の年には年額20万円、2年目からは年額17万円ということになります。

今、申し上げた若狭高等看護学校に支払う授業料等について、小浜市、おおい町、若狭町、美浜町の、公立小浜病院組合に加入する4市町出身の生徒は半額免除されています。ところが、高浜町はこの公立小浜病院組合に加入していませんから、高浜町出身者には免除制度がないということになっております。
つまり、美浜町から高浜町までの若狭地域の5市町では、高浜町出身の生徒だけが免除制度がないということになっている訳です。

ちなみに、敦賀市には、敦賀市立看護専門学校がありますので、今回の若狭高等看護学院の授業の件は別に考えればよいと思います。
私は、高浜町として独自に、若狭高等看護学院の授業料の半額補助をすべきであると考えています。
そう考える理由を今から申し上げます。
今、高浜町が抱える大きな課題が地域医療問題であることは論をまたないと思います。
その医療問題の根本問題が医師不足と看護師不足です。
だからこそ、あれ程、野瀬町長は、地域医療の再生に力を入れて取り組んでいるところであります。

私は、この若狭高等看護学院の授業料が、若狭地域で高浜町出身者だけが半額免除されていないということについて、特に低所得者対策といった理由で意見提起をしているのではありません。
高浜町のプライドとしての意見提起であります。

私は、高浜町が現在実施している地域医療再生の取り組みは、県下では文句無くトップの自治体であると確信していますし、それが誇りでもあります。
従って、地域医療の再生に積極的に取り組む高浜町であり、この問題に最も理解のある高浜町であります。その高浜町が、看護師の養成に後ろ向きとの印象を受ける、この若狭高等看護学院の授業料の問題が、気になって仕方がないということであります。
高浜町としての見解をお伺いしたいと思います。