フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

私は如何にしてフランス語にのめり込んでいったのか? - 2001年春

2005-02-16 18:13:21 | フランス語学習

COMMENT JE ME SUIS PLONGÉ DANS LA LANGUE FRANÇAISE - PRINTEMPS 2001

(avril 2002)
 [version française]

このような状態になるとは、その1ヶ月前でさえ全く予想もできないことであった。花粉症のために、2月から5月はじめまで辛い季節となって、もう7‐8年になる。ひどい時には寝込むこともある。そのような時に普段思いもつかないような考え(妄想?)、あるいは頭のどこかにあるのだが普段は自分でも気付かないような想いが噴出するのである。

今回の始まりとなる出来事は、2001年の花粉症の3月のことであった。その日も調子が悪く、家のソファで横になっていた。今でもなぜかはわからない、何かの拍子に、その昔ニューヨークにいた時に雑誌New Yorkerの縦長の広告にあったフランス語習得のための本とテープ(Audio Forumから出ていたFrench Basic Course [Revised] Part A)を買ったことを思い出したのだ。しかし、当時は英語に対応するのに忙しく、とてもフランス語どころではなかったので触れることなくどこかに行ってしまっていた。それ以来、ほぼ20年間忘れていたのである。アメリカの影響が強かったせいか、フランス語には全く興味を示すことはなかった。もちろん、フランス文化に惹かれることもなく、世界地図を見てもフランスはほとんど横目で見るという状態であった。とにかく、そのテープを捜してみると出てきたのである。体を休めている時にそのテープを聞き始めた。そして通勤時に意味も全くわからず、ただその中に面白い響きのあるのを楽しみながら聞くことを始めた。このテープはドリルをふんだんに取り入れているために非常に退屈なのだ。楽器を習うと必ずやることになる、あの指使いの練習にも似て。しかも1960年に出た当時から変わっていないという内容と、話すトーンの単調さのためか、すぐに眠くなった。しかし耐えながら聞いているうちに、数ヵ月後には一冊分聞き終えた。最初に聞こえた美しい響きを持った言葉はla semaine prochaineであった。意味がわかったのは相当時間が経ってからであったが、懐かしく思い出す。

French Basic Course (Revised) Part A

このシリーズにはその上があることになっていたので探してみると、タイトルはMastering French Level 2 と変わっていた。これも今聞き始めているところであるが、眠くなることに変わりはない。そこで、Amazon.comでもう少し魅力的なCDはないかのと探すと、ただCDを聞いていれば話せるようになるというPimsleurシステムを見つける。早速その I を始める。このシステムには本はなく、CDを聞き、質問に答えるということを繰り返しながら、反射的に答えるという訓練がされる。80%答えられれば次に進むように指示されている。それは、CDが進んでもうまい具合に前の内容が復習されるようになっているからだろう。CDを聞きながらの通勤を重ねて、秋が終わる頃にはPimsleur III も聞き終えていた。

Mastering French Level 2
Pimsleur I
Pimsleur II
Pimsleur III

辞書は、例文が豊富なので読むのに都合がよいと考え、白水社ラルース仏和辞典にした。1年後にこの辞典を見直してみたところ、目を通していないページがほとんどないくらい、意味もわからずに目を通していたのに驚いた。しかし、この間いろいろ読むうちに、この辞書に載っていない単語が意外に多いのに気付き、Amazon.fr で見つけた Le Grand Robert de la Langue Française 6巻を仕入れた。大辞典を買おうなどと考えるのは英語でもなかったことなので、これにも驚いている。もちろんすんなりと入ってくるわけではないのだが、読むこと自体には苦痛を感じないのである。目の前に何かが控えているというようなことがないので、楽しみながらできることが大きいのかもしれない。

ラルース仏和辞典
Le Grand Robert de la Langue Francaise

今まで接触がなかったせいか、フランス語の持つ響きや構造が非常に新鮮でなかなか飽きが来ない。それどころか、やや中毒症状を呈しており、少し困ってもいる。独学でCDを聞いているだけでは自分の話す言葉が果たして通じるのか不安であったので、2001年9月から近くの学校に週末1時間通うことにした。最初にレベルチェックを受けた時に、それまでに仕入れた言葉を必死に操り返答している時、異常に興奮していたことを思い出す。「どうしてフランス語を習いたいのですか」と聞かれて、どういうわけか「Marcel Proust の"À la recherche du temps perdu" をいずれ読みたいので」と答えて呆れられた。そのせいか、motivation だけは評価されたようだ (Vous êtes très motivé.というわけである)。

A la recherche du temps perdu

新しい言葉に触れるとその文化に興味が湧くというのは本当である。あるいは、文化がわからなければ言葉は使えないと言い換えてもよいかもしれない。フランス語を始めて以来、フランスの新聞、雑誌、ラジオ、小説、音楽、映画などあらゆるものに反応するようになっている。自分でも信じられないような変化である。人間、いつどのようなきっかけで変わるのかわからないということに改めて驚いている。また、そのような変化を体験することこそが joie de vivre の一つなのかもしれない。

滞米時、とにかく何も考えずに(=訳すことなく)テレビを見、新聞を読み、講演会を聞くなどして言葉を浴びるようにしていた。そして、全く予想もしなかったことが4年目のある日突然に起こったのである。英語が右から左に抜けるようにわかるようになったのである。この経験から、フランス語でも同じようにやってみようと考えた。フランス語の場合はゼロからの出発なのでそのような時が訪れるとも思えないが、4年間は黙って言葉(そして文化)を浴びることをしてみようと。4年間という猶予期間全体を好きなように使ってみようと考えたのだ。4年後にどのようになっているのか楽しみである。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-04-20 10:27:35
人は、「何か欠けたかけら」を探しながら人に出会い、ものに触れ、自然に抱かれて生き続けるのかもしれませんね。そして、「過剰な何かを」削ぎ落としながら・・・

時の積み重ねの中で、Paulさんの体内でプラスマイナスの作用が

無数に繰り返されてきたと思いますが、猶「何か」に出会えることを楽しみにされていらっしゃるようですね。

思いがけないことに遭遇したときに、どんな自分が現れるのか・・・それもまた楽しみであったりしますよね。(笑)

ステキな春宵でありますように。
訪問ありがとうございます (paul-ailleurs)
2006-04-20 12:48:07
埋もれているものをできるだけ発掘してから旅立ちたいという思いが強いようです。そういう場を求め、飛び込む機会を窺っているかのようでもあります。



「春の宵

  仏蘭西の香に

    時忘る」

 (paul-ailleurs)

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