一目を失い千眼を得る PERDRE UN OEIL, OBTENIR DES MILLE YEUX


時差ぼけのためか、ソファでうとうとしていた。目が覚めたところでテレビに目をやると、五木寛之がアメリカを訪ねて仏教を見直すという番組が流れている。丁度その時、コロンビア大学教授が話をしている。彼は若き日に事故で片目を失い絶望の淵に叩き落される。その時、世界を放浪しなければならないという思いで旅に出る。チベットで僧に出会い、仏教を知るようになり平穏、幸福を感じる。驚いたことに10ヶ月後にはチベット語が話せるようになり、それから仏教の勉強を始めた。現在は仏教を通して真理とは何かを追求している。この間の経緯を先生に話したところ、「あなたは目をひとつ失ったかわりに、千個の新しい眼をもらいましたね」 という言葉が返ってきたという。彼はこう続けていた。「もし片目を失っていなければ、ぼんやりとした人生を送る平凡なアメリカ人だっただろう」 と。

このエピソードに強く反応していた。まるでこの話を聞くために眼を覚ましたかのようである。何かを契機にその後の人生が大きく変わるということが確かに起こりうる。ほとんどの人はこれほど大きな事件に出くわさないのだろうが、眼を凝らしているとそれが見えることがあるのかもしれない。

コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
前の記事へ 次の記事へ
 
コメント
 
 
 
Moi aussi (Nao)
2007-01-12 09:04:56
初めて、投稿させていただきます。ある知人から、謎髭さんのプログ紹介していただき、それからは毎日、開くのがたのしみで、たのしみで、感謝で一杯です。この千個の眼は私もすごく心にのこりました。きちんと、記事にしていただけて、とてもうれしいです。フランス語、70、何歳になればよむのがせい一杯。それもポツポツです。でもフランス語を少しでもよむことが、生きる励みになつています。一人暮らしの老女を又、楽しませてください。ありがとうございました。
 
 
 
訪問ありがとうございます (paul-ailleurs)
2007-01-12 22:29:18
いつもお越しいただいているとのこと、嬉しく思います。いつも虚空に向かって話しかけているようなところがありますので、このような独り言でも聞いていてくださる方々がいるという実感を得て、これから書いていく上で大きな励みになります。私はゼロからフランス語を始めましたので、いろいろおかしなところがあると思いますが、これからもお楽しみいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 
 
 
Unknown (さなえ)
2007-01-13 00:09:24
年をとってきたからなのか、人生の不思議を最近よく考えます。何が幸いなのか、不幸なのか、本当に塞翁が馬ですね。棺の蓋を覆うまで分からないということわざの通りですね。ちなみに私はフランス語はすぐに撤退してしまい、分からないのになぜ眺めて!いるのかそれこそ不思議ですが、とにかく眺めさせていただいています。
 
 
 
Merci beaucoup (Nao)
2007-01-13 08:54:43
Paul-ailleurs さま
ポールさまと謎髭さまとは、やはり同一人物だつたんですね。写真をみくらべて、どうなんかなあ・・とかんがえておりました。私は58歳くらいから、まじめに仏語の勉強しはじめて、もう10年以上になりますが、夫の介護を5年。すつかり、だめになり、またこの年でまじめにやりはじめようと、かんがえております。フランス在住31年の竹下節子先生のサイトにもご訪問くださいませ。随分勉強させていただうております。「竹下節子」でサイトがでてきます。仏語の質問箱はとてもありがたいです。私もときどき、おしゃべりルームに訪問いたします。ありがとうございました。
 
 
 
今年もよろしくお願いいたします (paul-ailleurs)
2007-01-13 10:40:10
さなえ様
私も最近は事のつながりを考えることが多くなっています。それは考えるための材料が増えてきたということで、とりもなおさず時間の経過を意味しています。つながりを見つけてその意味を探るということは、年輪を重ねることの楽しみのひとつのような気がしてきています。私のフランス語での経験から、4−5年という単位で見たほうが気が楽になるように思っています。
 
 
 
Merci pour vos commentaires, mais.. (paul-ailleurs)
2007-01-13 10:47:41
Nao様
コメントありがとうございます。paul-ailleurs は謎髭様のような歌の才はなく、いつもうらやましく思っている者で、残念ながら全くの別人物ですがよろしくお願いいたします。物事を始めるのに遅いということはない、ということは聞いていましたが、最近それは確信にも変わりつつあります。これからはそれしかないように思います。それから、竹下節子様のサイトを紹介していただきありがとうございます。これから訪問してみようと思います。
 
 
 
竹下節子さま (Nao)
2007-01-13 15:30:49
PAULさま ご丁寧なお返事痛み入ります。竹下先生は今日、フランスにつかれるはずです。比較文化史家。バロツク音楽、ギタリスト。多彩で迫力満点。3人の成人したお子様のおかあさま。猫大好き。東京に年2,3回かえられます。私は関西ですが、毎年お会いしています。とても魅力的で、話しやすい方です。お訪問後の対話を楽しみにしております。謎髭さまとは、別のおかたですつて?どうも信じられません。まあ・・別の方にしておきましょう。昨日オペラ『サムソンとデリラ」の1998・9.28のメトロ歌劇場での収録をみました。めずらしくフランス歌曲でした。je t`aimeとうたうドミンゴのすばらしさ・・酔いました。

 
 
 
Mais, c'est vrai. (paul-ailleurs)
2007-01-14 08:18:25
竹下様のサイトを少しだけですが覗かせていただきました。幅広い分野で活動をされているようで活力を感じました。フランスの言葉の入った音楽ですが、ポップスはよく聞きますが、まだ歌曲を意識的に聞くというところまでいっていません。これからの楽しみに取っておきたいと思います。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
規約に同意の上 コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 


ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません
 
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。