失敗しない服作りの方法 (5)

パタピッ スタイル magazine
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五つ目の課題

(5) 洋裁を学ぶ書籍や教室、学校の選択は正しい? 

・・・ についてお話しします。


洋服を作る、、、と言っても、普段着からフォーマルまで、更に 紳士服も?等、その範囲は広く、どこに目標を置くかで学習する手段も様々です。

「格好はともかく、形になれば良い」というのであれば、学びの場の選択は特に慎重になる必要はないでしょう。

でも、多くの人が、「教室に通って習っているのにうまくならない」 「本の説明通りに作っているのに満足できない」と悩みを抱えています。

たとえ普段着であっても、格好が良い服を望み、着心地が良くておしゃれに作りたいですね。 ・・・となるとハードルは高い。

何着作っても気に入らない、、、そんなことを繰り返す内に意欲は失せ、自信を無くしてしまいますね。 

諦めるのはまだまだ早いです。 格好良くおしゃれで着心地よく作る方法さえ分かれば、あなたの可能性は広がっていきます。 作ることがきっと楽しくなるでしょう。

さて、世間には期待に応える学びの場(又はテキスト、書籍)があまりにも少ない。
初心者は、何が良いのか悪いのか分かりませんので、何らかの手段を見つけてスタートしますが、、、。 
きっかけとしては、最初は身近な教室、講座などに参加すると良いでしょう。
書店に並ぶ本の中から、分かり易そうなものを選んで、簡単なものから作り始めるのも良いでしょう。

しかし、時間が経つにつれ、「どうも希望通りに仕上がらない」 「方法が違うのではないか?」と残念ながら疑問を持つことも多々あります。 さあ、そんな場合は、、、 
迷わず軌道修正をしましょう。

「格好が悪い」 「着心地が悪い」・・・のであれば、型紙を疑い改めましょう。
「既製服の様にすっきりと仕上がらない」・・・ これは、生地の選択か? 製作工程に原因があるのか? 完成後のプレス(アイロンがけ)が下手なのか? など、特定はできませんが、何らかの原因があるはずです。

型紙については、先の項目「(3)型紙は正しいですか?」で詳しく解説しましたが、正しい型紙の作成が最も困難で、着心地や恰好に関する多くの原因はこの型紙にあります。
書籍の解説を頼りに製図を引いても充分な型紙は得られません。 その場合、その型紙の補正を正しく指導してくださる先生に就いていらっしゃるか、が問題です。

パタピッ 開発の現場でもソーイング講座を開いています。
型紙は正確なものを使って作りたいという思いから、製作途中で補正が無い様、パタピッ 製図を使って進めますので、希望通りの服ができ上がっていますが、受講生の中には、転勤等で移動する人も多くいらっしゃいます。
移動先で同様の講座を探しますがなかなか見つからず、困っている様子が伺えます。 東京や大阪などの都会でも同等の講座は見つからない様です。 結局、電車を乗り継ぐなどで遠方から当講座に通ってくださる(舞い戻る)人が多く、「おしゃれな服を作る為の型紙獲得がいかに難しいか」がうかがえます。 
(その様な理由から、遠方からの受講希望者が多い為、当講座では「一日集中講座」というレッスン日を月に2日設けて対応しています。)

正しい製図が手に入れば、なんとか自分で縫える、、、という人は、是非パタピッ 製図を一度お試しください。 ソフトを自分で操作して製図を引く方法と、型紙を直接当方に注文する方法があります。 自分で操作する場合は、まず操作が簡単なパタピッ 入門ソフト」(¥5,800)からスタートしてくだされば、形の良いトップスの型紙がすぐに得られるでしょう。 正しい型紙が得られるだけで、洋裁は一気にレベルを上げます。 形のきれいな型紙があるだけでも、可能性はブレイクして広がっていくでしょう。

型紙の注文については料金がかかりますが、基本型(たとえばブラウスの基本型、ワンピースの基本型、ジャケットの基本型など)であれば価格は安く、それらを一つずつ持てば、そこからデザインの応用で何パターンも楽しめます。(基本型と言っても決まった形がある訳ではありません。 自分がよく着るものでノーマルなデザインを基本型として一つ持つと良いでしょう。) 
安価なフィットパターンで失敗を繰り返して何着も無駄にするより確実な基本型を持つことが、いかに大事かを実感していただけると思います。


入門ソフトの詳細は  してご覧ください。
型紙の注文は   してご覧ください。


書店に並ぶ書籍については、「縫い方」に絞るのであれば、講座に通わずに服を作ることができる一つの手段になるでしょう。 ただ、様々な本を見比べると、「これは正しくないのではないか」と思われるものも多く、その見極めは素人には難しいものです。

インターネットでも作り方を発信しているページが沢山ありますが、こちらも書籍同様、見極めは当人任せとなります。 ただ、先回の解説(「④縫い方は正しいですか?」)でも言いましたが、縫う方法は1つではありませんので、経験の中で良いもの悪いものを選別し自分なりの選択をしてください。

「製図」「縫製」を学習する場が昨今では少ない理由には、社会的な背景があります。
洋裁人口の減少が顕著です。
身の回りに、日常的に服を作る人がどれほどいるでしょうか?
ミシンのある家庭がどれほどあるでしょうか?

既製服を安く買うことができる今の社会では、「服を作ろう」という発想は薄れていきます。
たまに服を作る、、、程度の経験では上手になりません。 きれいに作るにはたくさんの経験が必要です。
又、既製服を着慣れてしまうと、その中でも気に入った既製服と自分が作る服が同等であることを望みます。 作る側の難易度は上がります。 「製図」「縫製」も時代を背景にハードルが高くなりました。

洋裁人口が減れば、「製図を引ける人」はますます急降下して減少していきます。 アパレル業界や学校現場でも、同じ現象が起きています。 製図、縫製を正しく指導する指導者が減少しています。 技術が受け継がれていきません。 悪循環のスパイラルが始まっています。

また、社会現象としてもう一つ気になることがあります。
「縫い代付きの型紙」を使って縫うことを勧めている教室、書物が増えていることです。
市販のフィットパターンにも縫い代付きが目立ちます。
これは正しい方法ではありません。

当ソーイングレッスンでは、型紙はでき上がり線でカットし、布の上に型紙を置いて、充分な縫い代(補正を予想した分量)を付けて裁断する方法を勧めています。 
理由は、型紙の段階では仕上がりを予想できない個所があるからです。 例えば「着丈」や「袖丈」を「もうちょっと長くしたい」等と変更するかも知れません。 身頃や袖などの「ゆとり」も修正するかも知れません。 体型的に特徴がある場合は補正が生じる場合もあるでしょう。 修正を想定する箇所には常に多めの縫い代を付けて、慎重に裁断する必要がありますが、縫い代付きの型紙ではそれができません。 


正しい型紙を使用して正しい方法で裁断しましょう。 それらを解説しているページがありますので紹介します。 とても大切なことです。 この解説は、当ソフトユーザーに配布するマニュアルの中の一部抜き出しです。 ユーザーはマニュアルでもご確認ください。

身体に比較的ぴったりとしたデザインの服を作ろうとした時などは特に危険です。 限られた縫い代(例えば1㎝)で裁断したらどうでしょう?
「窮屈過ぎた!」ということになり兼ねません。

市販のフィットパターン(型紙)では、大きめにパターン(型紙)ができていることが多いので、「窮屈過ぎた!」という失敗は少ないのですが、自分の身体にきれいにフィットしたデザインの場合は、縫い代を多目に付けて慎重に製作する気配りが必要です。

正しい型紙の扱いについては、  してご覧ください。
説明が広範囲になりますので、必要な部分のみお読みください。 


様々な例を挙げて説明しましたが、洋裁人口は減少ていますが、「ファッション」はいつの時代も多くの人の興味の中心にあります。
時代は変わっても「ファッション」に興味を持つ人口の割合は常に多い。
そこで「作る」ことに興味を向ける人も実は沢山います。 でも、いざ作ってみるとうまくいかない、、、と挫折し諦めてしまいます。

決して諦める必要はありません。 今の時代に正しく学ぶ環境が整っていないからです。 製図は「これを利用しよう」、縫製は「ここで学ぼう」と分けて学習しても良いでしょう。 不備な点をうまく補充し、少し軌道修正することで、大きな未来が広がっていくかも知れないのです。 大好きな洋服を自分の手で創造したい! という夢を、正しい選択の元に是非実現してください。

「継続は力なり」です。 経験を重ねれば重ねるほど上手になり、人との技術の差は開きます。 いつしか、人が簡単には追いつけない高みに自分がいることでしょう。 

「この時代に洋服を作るなんて、、、」と変わり者の様に見られることも時にはあるでしょう。 洋裁人口が減る中でまさしく「希少価値」なのです。 誇るべく「希少価値」です。 年輪を重ね、技術を高め、ゆるぎない自信を獲得してください。

おばあちゃんになってもおじいちゃんになっても、ファッションへの興味は消えません。 そして、「衣」の必要性は、「食」「住」と並んで決して消えません。
「衣」を仮に仕事としなくとも、趣味として長年楽しめたら、どの年齢層でも充足した日が過ごせることでしょう。

 


次の項目は「ミシン選びについて」です。

洋服を作る過程では、ミシンはあなたの「第二の腕」です。
この「腕」が、きれいに縫えるかどうかを左右します。

洋服が縫えないミシンがあることを知っていますか?

洋裁人口が減少する昨今では、ミシンも、「洋服を縫うに適したミシン」が陳列順の最後尾に追いやられています。 小物を作るミシンばかりが目立ちます。

ミシン選びについて、次の(6)で詳しく解説します。
高いミシンが良いミシンではありません。 正しい選択をしましょう。

ミシンを正しく選択することで、仕上がりは一気に上がりますよ。
道具が大事です。

 

次の項目(6)で解説します。

 

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