一昨日の晩は上を向いたり横を向いたりしながら帰ってきた。
星空もまあまあ綺麗だったので眺めながら歩いていると、横の林からフクロウの声が聞こえてくる。
姿は見えないのだけど「おーい」呼ばれているような気がして林の方も眺めてしまう。
50m程の帰路なのに15分もかかってしまった。
昨夜は脇目もふらず真っ直ぐ前を見て帰ってきた。
別に何かを決意した訳ではない。
雨が降っていたので急ぎ足。
今晩は曇り。星は見えない。「ほんなら、俺自身がスターになったろかい。」と思いムーンウォークで帰る事にした。
でもよく考えると僕はムーンウォークなど出来ない。
「あら、どないしよ。」と思っているうちに家に着いてしまった。
普段は星空を眺めていると流れてくるWaltzing Matildaですが、前回少し書いたからか仕事中もずっと頭から離れなくなってしまった。
しかも同じフレーズばかり。
グルグル何回も。
「Waltzing Matilda」と聞くと「ワルツを踊るマチルダ」という女性を想像しませんか?
オーストラリアで生活しているとよく耳にするこの曲の事を僕もしばらくそのような曲だと思い込んでいた。
勢いで行ってはみたものの英語なんてほとんど喋れなかった僕にはメロディーしか聞こえませんでした。
詞は全く頭に入ってこず、優雅に踊るマチルダ姉さんを勝手に想像しながら「きれいな曲やなぁ。」と思っていたのです。
おそらく7,8ヶ月以上。
少し英語が理解できるようになった時、初めて違和感を感じました。
「billabong(沼、水たまり)」と言葉が耳に入ってきたからです。
当時サーフィンに挑戦していた僕の持っていたウェットスーツのメーカーの名が「Billabong」だったので言葉の意味を知っていた。
ワルツと沼はどうも接点がない気がする。
よく聞いてみると、しっかりと理解はできないけれどどうやらマチルダ姉さんは踊っていないようだった。
少し興味が湧いたので調べた。
スラング(方言)が多いので分からない所はその辺にいるオージーに意味を尋ねた。
Waltzing Matildaの歌詞の意味を調べている事に気づくとオージー達の目には火が灯る。
必死に理解させようと説明してくれる。彼らがとても大切にしている曲だという事はヒシヒシと伝わってくる。
その説明してくれている英語が分からなかったりするのだけど、何人かの説明を受けてこの曲の意味を知った。
「こんな意味の歌やったんや・・・」と驚いたのを覚えている。
まず、そもそもこの曲はワルツ(3拍子)でない。4拍子なのです。
それもオージーに教えてもらうまで気付かなかった。
「Waltzing Matilda」とは放浪者という意味でした。
愉快な放浪者。
沼のそばでキャンプをしてた 。
ユーカリの木陰でお湯が沸くのを待ちながら歌ってた。
「誰か一緒に旅に出る奴はいないかな?」
羊が沼に水を飲みにやってきた。
彼は飛び上がって喜び、羊を捕まえて
歌いながら羊を食糧袋に詰めた。
「お前と一緒に旅に出よう」
その牧場の者がサラブレッドに乗ってやってきた。
警官も3人やって来た。
「お前の食糧袋に入っている羊はどこで手に入れた?」
「お前と一緒に旅に出よう」
放浪者は起き上がり、沼へ飛び込んだ
「生きてる俺を捕まえてみやがれ。」そう言いながら。
あの沼のそばを通ると彼の幽霊の声が聞こえるかも
「誰か一緒に旅に出る奴はいないかな?」
このような意味でした。
どこまでも続く赤い土の荒野。厳しい生活環境。
この国のなりたち。そこから生まれる権力への反骨心。
色んな事が歌詞に詰まっているのだと思います。
そしてこの歌をオーストラリアの人達はニコニコ楽しそうに歌います。
みんなそれぞれ、色々考えた末に笑いながら歌っているのでしょう。
名もなき一人の男の歌を国の歌にしようとする事がとても新鮮で素敵な事に感じたの覚えています。
今でもそう思います。
大抵の場合は逆ですから。
これからも夜空を眺めているとこの曲のかわいらしいメロディーがどこからか流れてくるはずです。
Once a jolly swagman camped by a billabong
Under the shade of a coolabah tree,
And he sang as he watched and waited 'til his billy boiled
"Who'll come a-Waltzing Matilda, with me?"
Waltzing Matilda, Waltzing Matilda
"Who'll come a-Waltzing Matilda, with me"
And he sang as he watched and waited 'til his billy boiled,
"Who'll come a-Waltzing Matilda, with me?"
Down came a jumbuck to drink at that billabong,
Up jumped the swagman and grabbed him with glee,
And he sang as he stowed that jumbuck in his tucker bag,
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me".
Waltzing Matilda, Waltzing Matilda
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me"
And he sang as he stowed that jumbuck in his tucker bag,
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me".
Down came the squatter, mounted on his thoroughbred,
Down came the troopers, one, two, three,
"Where's that jolly jumbuck you've got in your tucker bag?"
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me".
Waltzing Matilda, Waltzing Matilda
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me"
"Where's that jolly jumbuck you've got in your tucker bag?",
"You'll come a-Waltzing Matilda, with me".
Up got the swaggie and jumped into the billabong
"You'll never catch me alive," said he,
And his ghost may be heard as you pass by that billabong,
"Who'll come a-Waltzing Matilda, with me?"
Waltzing Matilda, Waltzing Matilda
Who'll come a-Waltzing Matilda, with me
And his ghost may be heard as you pass by that billabong,
"Who'll come a-Waltzing Matilda, with me?"