京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のケチ時間」

2017-05-14 09:26:21 | 時計修理

5月14日日曜日「母の日」
気温22度。時計を修理するには最適な気温になりました。
ところが今日は「母の日」明日「葵祭」上賀茂神社では「やすらい祭り」
京都は時間が止まってほしい日なので時計がいらない。
大丸さんの時計売り場では奥さんの買い物に連れてこられたお父さんがぽつりぽつりと来る程度。
若いお父さんなら子供と一緒に「母の日」のプレゼントを探しに行く日。ところがオヤジになると嫁さんと娘だけで行動します。
若いお父さんからオヤジの年代に入るきっかけが母の日。今日はそんな人たちが時計売り場にやって来る。

ちなみに京都では京都大丸を「大丸さん」という。(大阪の大丸はただ大丸でよい。)
敬称をつけるなら「大丸さん」さんになる。
ライバルの高島屋は普通とおり高島屋なのです。その高島屋カードが発行開始記念日だそうです。何年目か忘れたそうだが今日は嫁さんと娘二人でカードを使いに行くという。
ついでに王将の餃子か551の肉まんを頼む。

工房に修理依頼に来てくれるお客さんの中に100万円超の高額時計を持ち込む人がいる。その場合この二つの百貨店に行くように勧めます。
修理費用数千円の利益に対し100万円以上のリスクは危ないのでお断りするしかないのです。
高額時計の修理ならせいぜい電池交換程度。
写真のブルガリでも1000円で受け付けています。

 工房が受け付けるのは腕時計が専門。掛時計はユニット交換ができる程度です。
近年掛時計メーカーの生産地が中国に移り日本国内では作られなくなりました。その関係で部品の調達が高額になり修理需要がなくなった結果掛時計を修理できる専門家が絶滅危惧種になているのが現状です。
海外旅行で機械式掛時計を購入したものをいきなり工房に持ち込む人もいます。残念ながらお断りするしかない。
修理をお断りすると気分を害して怒って帰るのでこちらもつらい。
せっかく重い時計を持ってきたのに!という怒りはよくわかるだけにつらい。
修理仲間に聞くと一度預かって数年後に「修理は不可能」と伝えるという。これも残酷だと思う。
今のところ文化財並の公共物アンティークだけ仲間から依頼を受け付けていますがプロ野球選手がソフトボールの試合を頼まれるようなぎくしゃくした割り切れない思いで受け付けています。本物の掛時計の修理屋さんに申し訳ないのだ。

ヨーロッパでは主に腕時計はフランス語圏、掛時計はドイツ語圏で生産されています。たまにフランス人が作った掛時計、ドイツ人が作る腕時計が来ると逃げ出したくなります。
ちなみに工房の名前が「ヌーベル・パスティーシュ」とフランス語なので腕時計専門ですよ~!と言っているのです。

今日は母の日。ヨーロッパの時計師は皆さんほとんどマザコンに見える。お昼休みにはママと一緒に食事をとる。休日の夕食はママと一緒だったことを報告してくるほどいつもべったり自慢。これにはうんざりする。
「ドイツ人と握手したら指がちゃんと5本そろっているか気をつけな!」とママが言うのよ。
「ドイツ人は家も車も時計も自分たちでちゃんと作れるけどいまだかつて立派な男の子を作ったことがないでしょう!男の子を育てるにはお金をかけないとね~!あそこの国はケチだから首相だって女性なのだからね!」
フランス人母はドイツが嫌いなのだ。

京都と大阪のようです。
京都の母親は大阪が嫌い!大阪の母親は大丸さんに来ない。梅田阪急で買う。
京都のお店で大阪弁を聞くとさりげなく逃げろ!なのだ。
大阪人が京都の料亭で食事のあとには「京都で器を食わされた。高っ!」と逃げ帰る。どうしてもぼったくり感があるようだ。
今日は母の日!時計屋は暇なので夕方にはチェロの練習を始めましょうかね~。

「ヨロズドイツ人には気を付けろ!」ケチ‼の塊なのじゃ~。
大阪人が「世界中で京都人が一番ケチだ!」という。
京都人は千年前の平安時代から衣装を使いまわしているほどのケチなのだ!という。
明日は葵祭です。ちょっと遅刻するかも?









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