フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2016年05月②

2016年05月01日 | しゃちょ日記

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2016年5月30日(月)その2563◆発明の行方

ここ数年で見た夢の、おそらくは最高傑作。
       
緊張しやすい性質からリラックスすることが苦手な博士(私)は、
誰もが簡単にリラックス出来る方法を、ある日偶然発見する。
うん、こりゃきっと世の中のお役に立てるぞっ!

忘れない内に、その方法論・処方箋をまとめ上げようとする博士なのだが、
何せ本人その発明によってリラックスし過ぎてしまっているので、
そんなことはもうどうでもよくなって、そのまま寝入ってしまう。

だが、目覚めた時には、その発明の詳細をさっぱり忘れている(涙)。
リラックスもいいが、ある程度の緊張は逆に必要だという、
それらしく寓話的な凡夢の結論にわしゃビックリ!

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2016年5月29日(日)その2562◆新時代レクチャー

いやいや、絶妙のレクチャーだったな。
スペインの現在進行形フラメンコが学べる、
今日の徳永兄弟のソニケテ講座。やっはりこの人たちは持ってるものがちがう。
かゆいところに手の届くチョー豪華実演付の明快レクチャーと、
至近距離で聴く3曲のギターライヴ。
この内容で3,000円税込は安すぎるぞっ(高笑い)。
次回レクチャー「タブラオの現場(アレグリアス編)」も10/23(日)に決定!

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写真はソニケテの意味を知らない入門者から有名プロまで、
参加者有志による終了後の記念撮影。
8月からパセオ講座をスタートするあの三枝雄輔や、
来年のパセオ虎の穴ライヴ・ソロ出演が決まった容昌(パーカッション)も参加!

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2016年5月27日(金)その2561◆嬉しすぎレクチャー

胸がいっぱい。

ありきたりの言葉だが、うれしくてそれが素直にポンと出てくる昨晩の大沼由紀ソロライヴ。
あの感触をキープしたまま、忘備録(パセオ8月号)は明日書く段取り。
毎回のように立ち見の出る怒涛のパセオ虎の穴ライヴ、
来週はエンリケ坂井(ギター&カンテ)、再来週は鈴木敬子(バイレ)と続くので、
ヒマさえあれば仕事をしてる今日この頃。

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そして、あさって日曜はいよいよ徳永兄弟のオリジナル講座初回。
本場スペインで教鞭をとった、実直にしてクレバーな彼らの初レクチャーを大いに期待しよう!
締めはチョー間近で聴けるミニライヴ、参加お申込みはこちらから。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2016/05/529.php#005922  

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2016年5月26日(木)その2560◆虎の穴

「世界に唯一のフラメンコ専門月刊誌・パセオの小山社長が
ご自身のセレクトによる日本フラメンコのスターを集めたショーケース的なライブを、
これまた日本フラメンコ界の虎の穴こと、高円寺エスペランサで続けておられますが・・・」

ぷっ。笑ろた。
シンガー&カンタオール大渕博光さんの数日前のFB。
ご自身も7/20平松加奈ソロライヴに出演される。
今宵はその〝虎の穴〟で大沼由紀さんのパセオライヴ。
な、なんか由紀さんが虎の穴とカブるんだよね、、あわわ(汗)
ちなみに、立見席もソールドアウトの模様。

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2016年5月25日(水)その2559◆何をおいても

ピアノならポリーニ、落語なら小三治というように、
誰しも好き嫌いを超越して何をおいても観続けてゆきたいアーティストがいるものだが、
大沼由紀というフラメンコ舞踊家は私的にはその代表選手だ。
最近ではアルテイソレア『無限』公演(佐藤浩希演出)における、
鍵田真由美との女王対決が強烈な印象を残したが、まったくありゃあ凄かった。

どんな状況にあっても、大沼由紀は必ず何かを引き起こす。
その衝撃の内容はまるで予測がつかないし、
おそらく本人も予定調和というものに無関心なのだろうが、
その〝何か〟は観る者すべてのその後に忘れ難いヒントを残す。
明日のライヴも心を空っぽにして、ただひたすら彼女の存在そのものに没入しよう。

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パセオフラメンコライヴVol.024
大沼由紀ソロライヴ
2016年5月26日(木)20時開演
於:高円寺エスペランサ
(立見席のみ数席残 ☎03-3383-0246)

大沼由紀(バイレ)
山内裕之(カンテ)
西容子(カンテ)
伊集院史朗(パルマ) 

考えていることが二つあります。
一つ目は、羽村のエルムンドのライヴで、ここ三年ばかり、
私がインスピレーションを受けた古いフラメンコを、
愛好家の視点から少しだけ復刻してみるという試みを続けています。
何を踊ろうかなと考える時に、インスピレーションを与えてくれるものは、
古いフラメンコであることは多いですね。
もちろん結果は現在の私たちの感覚のもので、
原形とは似ても似つかないものかもしれませんが、
細かく音を拾っていくことが感覚を磨き、新しい扉を開けてくれます。
温故知新、てことでしょうか。ラファエル・ロメロのガロティン、
カルメン・アマジャのコロンビアーナ、マヌエラ・バルガスのペテネラ等々。
ヘレスのフラメンコは私の礎ですが、
こういったフラメンコのセンティードも大好きなものです。
そんな中から何かやれればと思います。

二つ目。
ギターもカンテも一人で演奏する分野がありますが、バイレだけは、
独りでってのが無くて、歌とギターとの三位一体の中でこそ輝きます。
しかし、ここを突ついたらどうなるんだろう?
フラメンコ舞踊の良さは消えちゃうかな。
いや、そんなことはなく、己の動きの中にフラメンコが少しは生きてくれるのか?
いやいや、......などと。
でも当日はまた違うインスピレーションがやって来てしまうかもしれません(笑)。
今回日本人同士でのライヴになりますが、
全員が持つ深いアフィシオンが鍵になると信じます。
(大沼由紀/パセオフラメンコ2016年5月号より)

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2016年5月24日(火)その2558◆目白押し

暑いねえ。
パセオ7月号校了と8月号入稿が重なる、
この二週間のスケジュールも若干熱めだが、バテてる場合でもないわ。

5月26日(木)パセオライヴ24大沼由紀
5月29日(日)徳永兄弟のソニケテ講座&ミニコンサート
6月01日(水)高円寺エスペランサ木曜会
6月02日(木)パセオライヴ25エンリケ坂井
6月09日(木)パセオライヴ26鈴木敬子

まだ予約はパラパラだけど、こんどの日曜のスペイン直輸入、
バイレ練習生をバックアップする徳永スーパー講座は盛りだくさんの内容。
2ndアルバムもリリーズしたばかりの、そのピチピチ生演奏を至近距離でじっくり楽しんでね。

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2016/05/529.php#005922
       
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2016年5月23日(月)その2557◆全員お持ち帰り

うねるようなスペイン人の体内リズム。
その秘密を鮮やかに解明するレクチャーだった。

きのうのギタリスト原田和彦によるリズム上達講座その2。
初回は高度に引っ張りすぎたが、今回は難しいポイントには
その場で突っ込み皆で理解するやり方が功を奏し、
スペイン人のリズムの秘密を、参加者全員がお持ち帰りしてくれたにちがいない。

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向こう数十年を見通す重大な歴史的瞬間に立ち会ったような気分で、
にたにたレクチャーを反芻しながら、昨晩は旨い酒を呑んだわ。
さらにブラッシュアップして、次回は7/31(日)開催!

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2016年5月22日(日)その2556◆突っ込み専門

「今日は公開取材講座です!」
パセオ小倉編集長は云った。

13時より階下のスタジオにて、カルロス原田博士のリズム講座。
フラメンコの世界史を変える可能性の高いコンパス・トレーニング。
その目的・方法論・効用を明快にするための、
今日はその突っ込み役に徹するが、
ふだんからボケ専門のおれよ、がんばれっ!

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2016年5月21日(土)その2555◆パセオ最新号のベスト3記事

今月はライヴやレクチャーのプロデュースが多くて、
何だかイベント屋に戻ったような生活をしてるが、
実は32年のルーティンもさくさく続ける元三流ギタリストの自称出版社社長。

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てなわけで全国書店にて昨日発売のパセオフラメンコ2016年6月号、
私が選ぶそのベスト3記事。

【第一位】
深く上達したい読者ニーズをガッツリ捕えた「ヌメロの常識」(カラー8頁)は
フラメンコの黒大王〝シギリージャ〟。
知ってると知らないとじゃ天地の開きが出るなるほどザ基礎知識!

【第二位】
フェスティバル・デ・ヘレス20周年にちなんで、カラー20頁大特集。
ヘレスフェス常連さんにも、こらから行く人にも盛りだくさん内容のA級保存版!

【第三位】
専門誌には珍しく、ここだけは読まなくてもよいという解放感に充ちあふれる、
憩いと安らぎのオアシス『しゃちょ日記』。
他の執筆者に自信を与え続けるカンフル的連載でもある。

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2016年5月20日(金)その2554◆外国人だからこそ

「外国人だからこそ解明できるコンパスの秘密」

その狭き門に勇躍踏み込んだ原田博士による、
目からうろこのドッキリ上達講座その二回目
編集部三名も突っ込み担当で参加。
おそらくは前回の三倍くらい明快・納得のレクチャーになるはず!

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2016年5月20日(金)その2553◆パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト

ずっと躊躇していたのだが、今日の午後、いよいよその試写会に出掛ける。
なんで躊躇??? その理由を分析さえしなかった。   

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そのレコードとの出逢いは45年前。冴えない高校生が、
その12年後にパセオフラメンコを創刊する必然の理由となった。
そうは意識しないようにしてる昨今だが、
昔も今もパコ・デ・ルシアは、私にとっての神なのだろう。
だから宗教や思想の必要がなかったのではないか。
彼が生きていても死んでいても、
私の中で常に生きていることに変わりはない。

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2016年5月19日(木)その2552◆エレガンス・エレガンス

今日もいい天気。

今宵は新人公演奨励賞姉妹、鈴木舞&鈴木千琴のパセオライヴ23。
座席指定は早々にソールドアウト、立ち見のみ数席残という状況が続く。
そうした期待に応えてくれる出演者たちが、シリーズのリピーターを増やし、
プラスのスパイラルを形成し続ける循環、不思議とも想えるミクロコスモス。

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さて、その舞と千琴のパセオライヴ。
即座にFBにアップされたパセオ公演忘備録を担当する
ライター若林さくさく堂の感想に大いに共感。

ウルトラ技を連発しても〝エレガンス〟が途絶えることのない様子は、
逆境にあってもユーモアを絶やさないグアパのように美しい。
カムバック早々で姉妹の認知度はイマイチだから、
シリーズの常連サポーターはいつもより少なかったが、
ラストの絶妙なパレハ(シギリージャ)を見逃したのは痛かったと思うな。

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2016年5月18日(水)その2551◆徳永兄弟のソニケテ講座

スペインで教鞭をとっていたあの徳永兄弟による、
本場仕込みの即効スペシャル・レクチャー。

いよいよ5/29(日)13時より、
パセオ1階のスタジオ・アルソルにて。
もちろん編集部もトムクルーズも全員受講。
屋根付きなので、雨天決行である!               

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2016/05/529.php#005922

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2016年5月17日(火)その2550◆原田博士の講座リハ

昨晩は「原田和彦のリズム講座」のリハーサル。
初回はハードルが高すぎたので、
次回(5/22)をにらんでより明快なレクチャー内容を探る。

コンパス力なんて、そう簡単にアップするもんじゃない。
なのに「聞くだけフラメンコCD」とは、これいかに?
ポイントはそこだとアタリをつけた。
なぜ聞くだけでコンパス力がアップするのか?

そこに照準を合わせ実技入門者レベルの編集部が全員で、
原田博士(フラメンコメトロノームで特許取得)に突っ込む。
あらゆる疑問点に、納得がゆくまで徹底的に突っ込む。
2時間ブッ続けに突っ込んだら「聞くだけフラメンコ」を愛用したくなった。
とりあえずそのラディカルな効能を理解できたから。
次回講座はこれで決まりだと、おとなり焼き鳥大吉に皆して乗り込む。
             
大吉大将はそれと知られた手相観の達人。
前回はギターの徳永兄弟を唖然とさせたが、今回も原田博士、
助手の佐藤ちゃん、パセオ小倉編集長らの過去をズバリ的中させながら、
未来に関わる爆弾予言を連発。
これで見料無料とはさすがに大将立派なもので、
占いだけに非売品(うらない)とゆーことか。

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2016年5月16日(月)その2549◆誰にも歌えるフラメンコ

入門者からプロまで。
アウェイ感もなく、肩も凝らずに楽しく集中できるタカミツ講座。
この映像はその第一回目の模様。トムクルーズ(私)もチョイ役で出演している。
大好評のレクチャーその第二回目は7/24(日)11時で、
チャレンジするのはロルカの名曲『ヴェルデ』。定員30名なので、予約はお早目に
ぜったいオモロイでぇーーー!!!
               
https://www.facebook.com/takante/?pnref=story

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しゃちょ日記バックナンバー/2016年05月①

2016年05月01日 | しゃちょ日記

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2016年5月15日(日)その2548◆腰の入った希望

清純を絵に描いたような天才美少女。
天使のようにバッハを奏でる彼女は、あの頃まだデビューほやほやの中学生だった。
 
きょう日曜は日本屈指の女性ギタリスト斎藤明子さんのライヴで、
およそ35年ぶりにその美しい生音を聴く。         
第一部はアルハムブラなど得意のスペインものを、
第二部は最新CD収録のギターソロ大曲『夏目星(Mars)』。
十弦ギターを堂々奏でる麗姿には、すでに女王の気品と風格がある。

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天使から女王への道が決してなだらかでは無かったことは、
彼女の演奏そのものが物語っていた。
優れたセンスとスケールの大きさはあの頃と変わらないが、
「夢見るような憧れ感」は「腰の入った希望」に変貌していた。
天性の歌心を成熟した音楽的骨格が支える自立協働のギターソロは、
しっとりと深く端正な余韻を残した。
次回はぜひ、バッハも弾いてね!

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2016年5月14日(土)その2547◆平和ボケ

いい天気だ。
家の裏手を走る遊歩道をブラブラ散策しつつパセオへ。
今日は広告整理と経理で夕方まで遊ぶ。

社長室(屋上・屋根なし)で一服つけるたびに、
同行するジェーは気持ち良さげに日向ぼっこ。
休日なので仕事(来訪者に吠える)が出来なくて、
残念そうに平和ボケしている。

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2016年5月13日(金)その2546◆復活する奨励賞姉妹

仕事してる場合かっ!てな感じで、今月はパセオライヴが三週続く。
来週は鈴木舞(写真左)・鈴木千琴(写真右)の新人公演奨励賞姉妹、
そして再来週はあの大沼由紀の登場である!
               
2016年5月19日(木)
パセオフラメンコライヴ Vol.23
鈴木舞&鈴木千琴デュオライヴ
鈴木舞(バイレ)
鈴木千琴(バイレ)
川島桂子(カンテ)
阿部真(カンテ)
山まさし(ギター)

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「学生生活の終わりとともにフラメンコと本格的に向き合い、道は違えど、思いは違えど、刺激し合い切磋琢磨してきた私たち姉妹。共に二度の出産を終え、ふたたびフラメンコに本腰を入れようとしたまさにその時、このライヴのお話を頂き、歓びとともに不安も感じました。一時間強を二人だけで頑張れるのか......いやいや、他の方々は一人でやってるのだから、弱音を吐いてる場合ではない。でもまだ寒いし、もう少し暖かくなってから、なんて思ってた矢先、ライヴの予約開始。「早速予約しましたー!」の声。ありがたい、本当にありがたい、、が、それはまたプレッシャーになって返ってくる。ただただ、観にいらしてくれる人たちに楽しんでもらいたい、沢山の感謝と喜びを表現したい、姉妹だからこそ出来るライヴを、いや、姉妹にしか出来ないライヴをお見せしたい!」(鈴木舞/鈴木千琴)
                  
 姉の舞は2004年に、妹の千琴は翌2005年に、日本フラメンコ協会新人公演でともに奨励賞を受賞した実力抜群のバイラオーラ姉妹である。父上はパコ・デ・ルシアの大ファン、母上はあの曽我辺靖子(第一回河上鈴子スペイン舞踊新人賞受賞)である。もうずいぶん長いこと、彼女たちの踊りを観ていないが、出産・育児のひと区切りをチャンスと見て出演依頼した珍しいケース。彼女たちが新人公演の大舞台で魅せたあの美しいバイレ残像が、久々のライヴの成功を予感させるのである。(小山雄二/月刊パセオフラメンコ5月号より転載)

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2016年5月13日(金)その2544◆滲み出る凄艶

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凛とする逞しさから滲み出る凄艶。
唯一無二の存在感と技術力の美しい協働。
ここまでやってくれるのかっ?!!!

立ち見まで完売した、昨晩の小島慶子ソロライヴ。
その命知らずの完全燃焼ぶりに、主催者として逆に胸が締めつけられる。
少しはセーブしろとは云えないし、云ったところで柳に風だろう。

客席の余韻が醒めるのに一時間近くかかった。
楽屋から降りてきたパロマから来春出演のOKを獲り、これからメールで詳細を詰める。

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2016年5月11日(水)その2543◆小島慶子ソロライヴ

「まるで天に居るかのような想いがした」

ツァラトゥストラで有名な作曲家リヒャルト・シュトラウスは、
この桁外れの名曲についてこう語った。
輝かしく荘厳、だがその至高の透明度ゆえ、
やがて哀しきモーツァルト最後の交響曲〝ジュピター〟。

十年ほど前、高円寺のタブラオでパロマ(小島慶子)踊るガロティンに出会ったとき、
冒頭の言葉が稲妻のように蘇った。
天上の歓びを謳歌する彼女のガロティンには、
意外にもまるでソレアのような黒い奥行きがあった。
以来ジュピターを聴くたびに小島慶子のフラメンコが脳裏を疾走し、
小島慶子のフラメンコを観るたびにジュピターがくっきり耳奥に鳴り出すという、
ちょっとおもろいパブロフ現象が発生している。

2015年4月のパセオフラメンコライヴ(高円寺エスペランサ)では、
小島慶子のソロ三曲(アレグリアス、ガロティン、ソレア)を天にも昇る気分で味わい尽くした。
ライヴを締めくくった独り舞いを含め、すべてが極上の絶品だった。

かの司馬遼太郎が指摘するように、
天才的な芸というのは分析不可能であることが多いものだ。
ところが、あの夢のようなライヴを巡るフェイスブック上でのやり取りの最中、
彼女の日々綴る人間味あふれるブログの中に、
小島慶子の神秘を解く手掛かりを発見した。
天然系と認識していた慶子さん(なんて失礼な!)の、
己の感性に誠実な文章には、彼女の謎に迫るヒントがたくさん埋まっていた。
誤った私の思い込みとは逆に、彼女は聡明の人だった。
迷わず私は誌上キャッチボールを申し込む。
   (パセオフラメンコ2016年1月号しゃちょ対談より)

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てなわけで、あす木曜は待望のパロマ2度目のパセオライヴ。
遠足の前日のようにわくわく浮足立つ気持ちが懐かしい。
座席指定は早々にソールドアウト。当日立ち見は数名オッケーの状況。
何とも艶っぽい添付写真は、この秋のパロマ初リサイタルのフライヤー。
右手の幸せ者は不肖このわたくしである。うそだけど。

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2016年5月10日(火)その2542◆うだつ

今日はジェーと出社。
私は片っ端から仕事を片付ける。
ジェーは片っ端から来訪者に吠えまくる。
うだつの上がらぬこの勝負は20時まで続く。

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2016年5月9日(月)その2541◆哀愁の社長室

パセオフラメンコ7月号、一気に5本入稿。
やれやれと、社長室(=4F)で一服つける。
外は雨。
社長室(=屋上)には屋根が無い。
ついでに傘も無い。
ショーシャンク再び!

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2016年5月4日(水)その2538◆さくさく感

気弱で我がままでスケベで凝り性。

小さい頃からそういうおかしな奴だったから、
突出した才能に憧れるのではなく、
むしろ浮かないですむ〝ふつうの人〟志向が強かった。

臆病さ過剰さの抜けた、シンプルで伸びやかな佇まい。
さくさくっとする感じ。

思い立って三十年ほどでそんな風情に向かいつつあるから(遅っ!)、
「願えば叶う」というサルトル実存主義は、私のケースでは有効だったようにも想える。
まだまだ〝ふつうの人〟には遠く及ばないが、
そのことが私の望む伸びしろを励ましてくれるところに好ましい旅路の安堵がある。

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2016年5月3日(火)その2537◆引きこもり

一年を通して、もっとも仕事に集中できる黄金週間。
残り火水木金土と目一杯がんばって、
日曜日からまた一年間遊んで暮らそうと思う。

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2016年5月2日(月)その2536◆我以外

そう、たとえばゴールデンウィーク。
年にいっぺんくらいは、
こんな心境もありだな。

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