a green hand

血液内科診察日


昨日は外来で血液内科に行く。
息子が休みだったので運転したくない私はお言葉に甘えた。

一月ぶりの病院、病棟では看護師さんやヘルパーさんたちがあの時と同じく患者さんたちとの時間を過ごしているだろう。
懐かしさとは違う感情がチラリと過ぎる。

主治医のO先生も何も変わりなく大きな体とゆったりとした雰囲気でパソコンと向き合っていた。
パソコンには夫の10月27日にペット撮影した画像が大きく左側に拡大されていた。

年頭だしきちんとお礼の挨拶をした方がいいかなと迷っていたがそんな間を一切与えず、ボソボソと「皮膚に悪いものはなかったということです」と話し出した。

この皮膚の検査のおかげで抗がん剤を辞められた。
抗がん剤はもうやりたくないという夫の気持ちを察して、経過観察を取ってくれたように思えた。
その時も私は聞いた。
「6回と8回ではどう違いますか」
「昔は8回の方が良いと言われていた けど大して変わらない」
「予後はどうですか」
「ハイリスクです。年齢からして」

必要なことは聞けばしっかりと答えてくれた。
O先生のその言葉で私も8回まで辛い抗がん剤をしなくてもいいのではないかと思った。


パソコンの画像を示し、これで寛解ということになりますと言った。
治療が終わった段階でペット検査がありますがというので、どうしても撮らないとダメですかと聞いてみた。

教科書通りだとそういうことになるんですがやりたくないですかと夫が問われた。

普段、生活の仕方の隅々までご忠告する強気な夫が、自分で判断できない子どもが母親の顔色をみて判断を仰ぐような素振りで私の方を見た。(普段通りに強気でいてくれた方が私の立場も救われるのに……ブツブツ 自意識過剰の未熟者)

私が、教科書通りでなくてもいいんですとO先生を信頼しての感じ方を述べたがそれは伝わったかどうかわからない。

「教科書通りでは」という先生の本音が聞けたことが信頼を増した。

放射線量が気になりますか?

そうでもなかったが答えなかった。
どんな問いにも私は答えなかったろうと思う。

一言では言えない複雑な思いを今後の夫の人生には感じていた。

気になっている鼠径ヘルニアの手術は「血液内科の治療が落ち着いたところで再検討」という消化管外科での約束事があった。

現段階で血小板の数が戻っていないし再検討材料として大手を振って消化管外科外来に行けるようにという0先生の助言に夫は従うことにした。

一つのパスポートのようなものとしてペットを受けることにした。
血液内科的にも消化管外科的にも円満解決、夫が決めたことである。
私的には微妙…。


最近、がんについての本を相当読んでいる。
日本のがん治療に対する疑問が本の内容である。

夫の治療中には怖くて読めなかったガンについての本だが今なら読める。

高齢の母や私が、もしガンになったらの答えがこれで見つかった気がした。
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