わが家の庭は、私の家と実家との間に作られているので、土地も木々も共有です。
なので、「どの草木が誰のもの」いうことは、特には決まってはいないのですけれど。
それでもそれを植えることを望んだ者、もしくは植えた者が主となって世話をするのが、暗黙の了解のようになっています(笑)
この孔雀サボテンは、亡き家族のもの。
今は遺された者が育てています。
私が物心つく前からずっと傍らにあるもので、いつから、どうしてこれが家にあるのか、誰も知りません。
多肉植物なので、特に世話が必要なこともなく。
たまに水を遣ったり、冬には室内に取り込んだりする程度。
親株が古くなると、肉厚だけれど平たい葉をちょいと切って土に挿しておけば、あっという間に根が出てクローンのできあがり*
そうやって3年前までの数十年間を、亡きひとが育ててきました。
だからこの花を見ると、在りし日のそのひとの姿が浮かびます。
今年は10を越える蕾がつき、一日花ながらも次々と、途切れることなく新しい花が開いていて。
そんななか、先日、亡きひとの3年祭を迎えました。
いなくなってもう3年も経ったというのに、まったくそんな気がしなくて。
今夜いつも時間に「だたいま」と玄関のドアが開いても、きっと家族の誰ひとりとして驚くことなく、「あ、おかえり。 なんだか久しぶりだね?」って笑うと思います。
…なのに。
ふとしたときに吹きあがるように涙が出るのは、どうしてなのでしょう。
その人からの贈りものである庭を今日も巡りながら、笑ったり泣いたり忙しい私たちです。
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