写真はフランスのキャベツ。
日本でキャベツといえば、一般的にはつるんとしたものを想像すると思うのだが、
フランスのそれはゴツゴツした葉脈がついた ちりめんキャベツ なのだ。
私はこの個性的なフォルムと、いかにも「自分はキャベツだぞ~!」
と主張している独特の香りが好き。
さて今日は久々に「今の私になるまで」の連載にもどり、第5話を。
イギリスの南部、ラムズゲイトという港街の語学学校で、私は自分の人生を大きく変えることとなるある人物と出会った。
さて、その成り行きを・・・
イギリスの南、ドーバー海峡に面した港街ラムズゲイト。
ここは私が生まれて初めて暮らした外国。
この街にあるちいさな語学学校へ通い、英語をブラシュアップしたらロンドンのコルドンブルーへ通う計画だった。
しかし、ここでまた一つ私の運命を大きく動かす出会いに恵まれた!
初日、レベル分け試験の結果で語学学校のクラスは決められていたのだが席は自由だった。
適当に陣取り、先生の来るのを待っていた私の隣に、背は180cmをゆうに超えるイケメン西洋人が座ってニコリとする。
え、この人どこの国の人だろう。。。?と、心の中でつぶやく私だったが、黙っていた。
するとその男性は「フランス人のパトリス。で、君は?」と
彫りのふか~い顔をこちらに向け、話しかけてきた。
「あ、日本人です。ユミコといいます。」
と答えながら、うっそー!私の行きたかった国の人じゃない!と内心わくわくしてきた。
初日に仲良くなった私たちは、その後ドイツ人フランク(この人もすらっとした知的な好青年だった)とも友達になり、よく3人で学校後にも遊ぶようになった。
一気にせいたかのっぽの二人の兄に恵まれ、わたしのラムズゲイト生活は楽しくスタートした。
ある日3人でロンドンへ行ったことがあり、そのときトラファルガースクウェアで撮った写真をながめてみる。
アジアの小さな少女が、ヨーロッパの男優二人に囲まれているみたいだ。
みんな若かったな。
懐かしい。
パトリスは、実はたった2週間の短期留学。
当時SNCF(フランス国鉄)勤務だった彼は、このときエール・フランス航空への転職で最終のオーラル試験にパスすべく来ていたのだ。
パトリスに「ユミコの考えは間違っている!フランス料理をロンドンで学ぶなんて絶対ありえないよ。何をいったい考えてるの?!ユミコはパリへ行くべき。僕が帰国したらコルドンブルーへ電話して交渉してあげるから、学校を休んでフランスへ来てごらん」
出会って2週間後、パトリスは予定通りパリ郊外の家に帰っていった。
フランクもその数週間後「必ずドイツに遊びにおいでよ。ガールフレンドにも紹介するから!」と言い残しドイツへ戻り、わたしのラムズゲイトの日々は初夏の明るい陽射しとは裏腹に、急にかげってしまった。
パトリスが私に残した言葉を、何度も噛み締め、私は決断した。
「パリへ行ってみよう!ダメでもともと、パリのル・コルドン・ブルーへ直接訪ね、事情を説明しよう。何がなんでもやっぱりパリで料理を学びたい!」
そう思った瞬間、熱くて強いエネルギーが体中を巡った気がした。
次回は、第6話。
「ル・コルドン・ブルー パリ本校の扉が開いた!」です。
日本でキャベツといえば、一般的にはつるんとしたものを想像すると思うのだが、
フランスのそれはゴツゴツした葉脈がついた ちりめんキャベツ なのだ。
私はこの個性的なフォルムと、いかにも「自分はキャベツだぞ~!」
と主張している独特の香りが好き。
さて今日は久々に「今の私になるまで」の連載にもどり、第5話を。
イギリスの南部、ラムズゲイトという港街の語学学校で、私は自分の人生を大きく変えることとなるある人物と出会った。
さて、その成り行きを・・・
イギリスの南、ドーバー海峡に面した港街ラムズゲイト。
ここは私が生まれて初めて暮らした外国。
この街にあるちいさな語学学校へ通い、英語をブラシュアップしたらロンドンのコルドンブルーへ通う計画だった。
しかし、ここでまた一つ私の運命を大きく動かす出会いに恵まれた!
初日、レベル分け試験の結果で語学学校のクラスは決められていたのだが席は自由だった。
適当に陣取り、先生の来るのを待っていた私の隣に、背は180cmをゆうに超えるイケメン西洋人が座ってニコリとする。
え、この人どこの国の人だろう。。。?と、心の中でつぶやく私だったが、黙っていた。
するとその男性は「フランス人のパトリス。で、君は?」と
彫りのふか~い顔をこちらに向け、話しかけてきた。
「あ、日本人です。ユミコといいます。」
と答えながら、うっそー!私の行きたかった国の人じゃない!と内心わくわくしてきた。
初日に仲良くなった私たちは、その後ドイツ人フランク(この人もすらっとした知的な好青年だった)とも友達になり、よく3人で学校後にも遊ぶようになった。
一気にせいたかのっぽの二人の兄に恵まれ、わたしのラムズゲイト生活は楽しくスタートした。
ある日3人でロンドンへ行ったことがあり、そのときトラファルガースクウェアで撮った写真をながめてみる。
アジアの小さな少女が、ヨーロッパの男優二人に囲まれているみたいだ。
みんな若かったな。
懐かしい。
パトリスは、実はたった2週間の短期留学。
当時SNCF(フランス国鉄)勤務だった彼は、このときエール・フランス航空への転職で最終のオーラル試験にパスすべく来ていたのだ。
パトリスに「ユミコの考えは間違っている!フランス料理をロンドンで学ぶなんて絶対ありえないよ。何をいったい考えてるの?!ユミコはパリへ行くべき。僕が帰国したらコルドンブルーへ電話して交渉してあげるから、学校を休んでフランスへ来てごらん」
出会って2週間後、パトリスは予定通りパリ郊外の家に帰っていった。
フランクもその数週間後「必ずドイツに遊びにおいでよ。ガールフレンドにも紹介するから!」と言い残しドイツへ戻り、わたしのラムズゲイトの日々は初夏の明るい陽射しとは裏腹に、急にかげってしまった。
パトリスが私に残した言葉を、何度も噛み締め、私は決断した。
「パリへ行ってみよう!ダメでもともと、パリのル・コルドン・ブルーへ直接訪ね、事情を説明しよう。何がなんでもやっぱりパリで料理を学びたい!」
そう思った瞬間、熱くて強いエネルギーが体中を巡った気がした。
次回は、第6話。
「ル・コルドン・ブルー パリ本校の扉が開いた!」です。