集まれ スピーカー好き!

スピーカーやオーディオに興味がある方に、いろいろな情報を発信していきたいと思っています。

いっせんひゃくまんえん!

2008年05月30日 23時03分35秒 | その他

こんばんは。

今日はちょっと雑談です。WEBで
こんなものを見かけました。私のブログでも少しお話しましたが、ここのところの各種原材料の急激な高騰は本当に目を疑うものがありますが、それにしてもこの変更はすごいですね。冗談抜きで、画面を思わず2度見しちゃいました。

いっせんひゃくまんえん! って、誰がスピーカーにそんな大金出すんだろう? なんて超小市民の私には全く想像もできません。これに比べたらPARC Audioって本当にお買い得だなぁなんてちょっぴり優越感を感じたりして・・・。


今回の想像するのが困難な製造コストのUPにより・・・」 この文章、本当に他人事じゃない感じで、インポーターさんの苦しみが手に取るように分かります。特に輸入製品の場合は為替変動分も上乗せになるので、さらに厳しいのでしょうね。

でもそれにしても2倍以上とは、ここまでやるとさすがにもう商品を買ってもらわなくても結構と取られないかと感じちゃいます。余計なお節介ですが・・・。

PARC Audioもそんなことにならないように、今日もせっせと中国にメールを出して、「日本の市場は厳し~い!」 っていうことを切々と訴えてます。なんせ彼らは直ぐにけっろと忘れちゃうので・・・・。継続は力なり。


ではまた。

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新しい仲間

2008年05月28日 23時11分18秒 | その他



今日はうれしいお知らせです。
PARC Audioにまた新しい仲間(ファミリー)が増えました。
有限会社ミクセル様がこのたびPARC Audioの10cmフルレンジウッドコーン(DCU-F121W)をお使いいただき商品化されたスピーカーキットCB200WDです。

写真でもお分かりのようにユニークで非常に可愛い感じのスピーカーです。残念ながら私はここのところゆっくり試聴できる時間が無いためまだ実機を聴いてはいないのですが、代表のM様のお話では

「ウッドコーン10cmを頂いてから、2週間ほど経ち、ますます良い音で鳴っています。調度、弊社のCB200スピーカーキットに良いフルレンジはないかと探しておりましたので、ぜひCB200用のフルレンジとして推奨させていただきます。近々CB200WDと型番をつけて弊社HPにアップいたします。自分で言うのはなんですが、今まで聴いた10cmフルレンジの中では一番音が良いと思います。」

とのコメントをいただいており、本当にうれしい限りです。私も少し落ち着いたら是非聴かせていただこうと思っています。こういうユニークなスピーカーを見ていると、ほんとスピーカーエンジニアやってて良かったなぁなんて思ったりします。でも現実は、やらなきゃいけないことが山積みで、ほんと逃げ出したいくらいですが・・・。

今日は、珍しく連日の更新でした。ではまた。

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中国出張レポート5

2008年05月27日 23時53分19秒 | その他

こんばんは。

今日はネットワークパーツの続きのお話です。そうです、コンデンサについてです。

最初に言っておきますが、今回のコンデンサの件は前回の珪素鋼板コイル以上に実現化のハードルは非常に高いので、ひょっとしたらこのブログだけの話で終わってしまう可能性も大いにあるので、ご理解よろしくお願いいたします。

前にも少し書いたように現状のクラフトスピーカー市場ではコンデンサはフィルムタイプが圧倒的に主流で、ほぼ全数と言ってもいいくらいではないかとも感じます。これに反してメーカー製のスピーカーはと言うと、状況は全く異なり、少なくともウーファー用では私の知る限り、ほとんどが電解コンデンサ(バイポーラ)を使用しているようです。

現在PARC Audioが中国ベンダーとのビジネスを行う際、一番メインでお世話になっているメーカーは実はネットワーク関連パーツでは業界で有名なところで、ここはソニーをはじめヨーロッパで超有名なB○○社、スピーカーで知らない人はいないJ○○社やB○○○社等、非常にメジャーなスピーカーメーカーと取引をしているところです。特にB○○社のネットワークは数百万円もするトップモデルを含めほぼ全数を製造しています。

そこで今回の出張時に彼らに、現在量産しているネットワークでウーファー用で使われているコンデンサについて聞いてみたところ、「ほとんど電解タイプですね」と予想どおりの回答でした。では何故クラフト用はこのような状況になっているのか? 販売店様にもどうしてユーザーの皆さんが電解を使わないのか聞いてみましたが、クラフト市場で電解を使わず、フィルムが主流になっている理由は下記のような感じでした。

1)一般的にフィルムの方が高性能と言われている。これが最大の理由という感じ。
2)電解タイプは、定数の公差(バラツキ)が多いため、クロス周波数がずれることがある。
3)電解タイプは、時間が経つと容量が抜けてくるリスクがある。
4)電解は価格が安いので、販売店であまり商材としてメリットが無い。
 (これは私の推測です)


ここで、1)については確かにフィルムは、損失が少なく周波数特性も良好で、少なくともスペック面では反論の余地はありません。

また2)についても事実であり、確かにフィルムの方が一般的に公差は少ないようです。

3)については確かにフィルムより不利なことは事実ですが、実用上問題になるレベルかと言われれば、長年メーカーで勤務した経験でこれが問題になったことは記憶にありません。

ここまで書くと、やっぱりフィルムが一番だねということになりそうですが、そう簡単にいかないところが音の世界のやっかいなところです。では何故かというと、音質(音色)というちょっとデーターでは表せない部分があるからです。代表的な例を一つ言うと、MPコンデンサというものがあります。MPのPは紙(Paper)のPで、これもフィルムに比べて耐圧が低く、その価格は非常に高いのですが、その独特の厚みのある音を求めてヤマハやソニーがかなりの高級モデルに使用していました。

では電解の良さは何かといえば、やはりその音色にあると私は思っています。一言で言って電解は良い意味で音が甘く(悪く言えばボケることも)、厚い音になる傾向があり、逆にフィルムはSNは良いものの音がどちらかと言うと細め(良く言えば繊細)になってしまう傾向があります。そのため私はWF用でフィルムを使うことは好きではありません。ソニー時代も、ウーファー用でフィルムを使ったモデルは私の知る限りSS-A5等のAシリーズくらいだったのではと記憶しています。(最近のモデルは知りません) ちなみにこのAシリーズでも使ったフィルムは、ERO(エロ)というPPタイプの非常に特殊なもので、フィルムとは思えない甘い音色が特徴でした。このEROは高価ながら今でも秋葉の一部の販売店で販売されているのを見かけることがありますね。もちろんメーカーが電解を使う理由には、そのコストの安さということもあるかとは思いますが、電解でもオーディオ用の高価なタイプもあり、必ずしもコストだけということではなさそうです。

そこでPARC Audioとしてこの流れを少し変えたいと思い、今回上記2)の公差だけでもフィルムなみかそれ以上に改善したものを新規に商品化しようと現在検討中です。まだコストが確定していないので何とも言えないのですが、気持ちとしてはフィルムよりは安価で、なおかつ精度的にはそれ以上のものを製品化できればかなり面白いのではと考えています。

ただこの件を販売店様にちょっと話しした感じでは、「それはかな~りハードル高いですよ、冨宅さん。 日本のユーザーのフィルム信仰はかなりすごいですから・・・」と言われてしまい、正直ちょっと戦意消失気味ではあります。そんなわけでこれについては先にも書いたようにアイデアだけで断念という可能性もかなり高く、最初少量だけテスト販売なんていうことになるかも知れませんが、機会があれば是非お試しください。

では今日はこの辺で。


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中国出張レポート4

2008年05月25日 00時43分32秒 | その他


          含浸固定前の珪素鋼板タイプコイル


こんばんは。

お待ちかねの出張レポート続編です。2日目は、朝からユニット関連のラップアップ(まとめ)を手短に行い、予定通りパーツベンダーの訪問に出発。今回もユニット関連のパーツをたっぷりと持ち帰る予定です。

同じ地区と言ってもやはりそこは中国。ちょっと移動と言ってもすぐに1時間くらいはかかるので1日で数社も回ると本当にハードスケジュールになります。今回は今までの中でも本当に一番ハードなスケジュールだったかも知れません。車での長時間の移動って、腰痛持ちには結構つらいです。

さて前置きはそれくらいにして、今回の訪問はいつものユニット関連パーツに加えて、ちょっと違うテーマもありました。ユニット関連のパーツについては社外秘の内容がほとんどなので、今日はそれ以外を中心にお話したいと思います。最初に言っときますが、2日目は初日のような笑い話は無しです。

じゃあそれ以外って何かと言うと、具体的にはユニットとは非常に関係の深いスピーカーターミナルとネットワーク関連パーツです。先ずスピーカーターミナルですが、これはPARC Audioでも既に1機種発売中ですが、今回さらに改良を行いバナナプラグケーブル線に加えてYラグ端子も接続できる万能タイプを検討中です。シャフト長も長くし、BOXでも楽に使えますので是非ご期待ください。ただ肝心の価格はまだ見積りが出ていないので、場合によっては企画ボツなんていうこともあるかも知れませんがその時はご勘弁を。

次が今回の本命のテーマのネットワークパーツです。ちょっと出張レポートからは話がそれますが、私はクラフトスピーカーの業界をPARC Audioを立ち上げてから知ったのですが、正直いろいろな点で驚くことが結構ありました。その中でも一番違和感を感じていたのが、ネットワークパーツについてです。具体的には、コイルは殆どが空芯タイプが中心で、コンデンサーについてはどこを見てもフィルムタイプばかり。もちろんこれらのタイプも良い点はあり、決してダメと言うつもりは無いのですが、何でもかんでも妄信的に空芯コイルとフィルムコンデンサーというにはさすがに抵抗がありました。

先ずコイルについてですが、現在主流の空芯コイルはコア(芯)が無いためSNは一番優れており、この点ではベストと言えます。ただウーファー用として使用する場合、非常に大きな欠点も持っています。それはコア材が無いため非常にDCR(直流抵抗)が大きくなってしまう事です。DCRが大きいと何故問題かと言うと、皆さんもご存知のようにスピーカーユニットというのは非常にDCRが低く、PARC Audioのユニットの例で言えば殆どのユニットがインピーダンス(6オーム)でDCRはたった5オームしかありません。で空芯コイルのDCRはと言えば、代表的なΦ1.0mm/1.0mHで見てみると0.49オームもあります。これってユニットのDCRのほぼ10%にもなってしまうのです。これに比べてコア入りタイプは、今回採用予定の珪素鋼板タイプだと同じΦ1.0mm/1.0mHで半分以下の0.21オームとなります。その差はたかが0.28オーム、されどこの差は大きいのです。ここで私の独断と偏見を言わせていただくと、ウーファー用に限定すれば珪素鋼板タイプの方が圧倒的に馬力感があり、ユニットの良さを素直に出しやすいという印象を持っています。空芯コイルも決して質が悪いということでは無いのですが、良く言えばお上品で、やはり音に鮮度が少ないという印象を受けてしまいます。特に線径の細いタイプはその傾向が強く、それを避けるために線径の大きなものにすると価格も高額になり、ユニットの価格とのバランスが非常に悪くなってしまいます。コイル1個で2,000円前後、-18dB/oct.で2個使えば3,000円を超えてしまいます。さらにDCRの低い太い線材だとコストはもっと上がります。それを使うユニット代が8,000円~10,000円くらいだとすると、ユニット屋の私としてはやっぱりこれって結構変では?と思います。

「ネットワーク素子にそんなコストをかけるなら、もっとユニットにコストをかけてくれ~!」

これはソニー時代に私がよくシステム屋と議論(喧嘩?)したことです。何事もバランスって重要です。それに何回も言いますが、

「スピーカーにとってスピーカーユニットは最重要パーツです!」

販売店様とも話をしてみましたが、ユーザーの皆様の定説(常識 or 思い込み?)みたいなものが結構強いので、なかなか今からそれを変えていくのはしんどいのではとの事でしたが、私はあえてこれにトライしたいと思ってます。私、こう見えても結構頑固で偏屈者です。ハイ。

ちなみに容量の大きいものではさすがに珪素鋼板タイプでも販売されているようですが、私がやりたいのは普通の小型スピーカーで使うクロス1kHz~5kHzくらいに使う定数つまり2.2mH以下くらいの小さい定数です。この辺が一番使用頻度が高いと思うのです。

それとついでに言うと、同じコアタイプでフェライトコアのタイプもあり、こちらはかなり安価なものが市販でありますが、私はこのタイプはあまり好きではありません。今までの経験で言うと、珪素鋼板に比べてどうしても音が甘くなり、グレードとしては価格なりという感じがしています。

さらにもう一つ重要なことがあります。コイルは巻き線をしっかり固定していないと音質がかなり悪化するということです。特に空芯タイプでは顕著で、珪素鋼板タイプでも巻き線の固定は非常に効きます。そのためPARC Audioではコイル全体をケースに入れて熱硬化タイプ樹脂でしっかりと含浸固定をする予定です。経験で言えば、コイル全体をしっかり含浸固定するかどうかでグレード差は2ランクくらい向上します。まだ最終サンプルや価格が決まってないのであまり大きな事は言えないのですが、出来るだけ皆様に喜んでいただけるような価格で発売にこぎつけたいと考えていますので、是非発売しましたらお試しください。

ただこれについては、販売店様が取り扱いをしていただけるかどうかという関門もあり、まだまだ紆余曲折があるかも知れませんが、是非皆様の力強いバックアップをお願いしたいところです。つまり、販売店様へ「珪素鋼板タイプのコイルが欲しい~!」というリクエストを出してもらえると、すごっくうれしいです。価格等が見えてきましたらまたご報告しますので、是非バックアップよろしくお願いいたします。

さて今日はコイルの話が長くなったので、続きは続編でということで。

 

 

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中国出張レポート3

2008年05月22日 23時28分20秒 | その他



こんばんは。

今日は出張レポートの初日の続きです。午前中は予想外の価格交渉の会議となり、かなり時間がかかってしまい、遅めの昼食になりました。言い忘れましたが、会議で議論がヒートアップしてくると、中国語、英語、日本語が飛び交いそれはすさまじいものとなります。通常は日本語が話せる営業の方を通して日本語での会話なのですが、やはりややこしい話になってくると本当に自分の考えが正しく伝わっているのか不安になってきて、ついつい下手な英語でまくし立てることになってしまいます。相手も何とか私に直接話をした方が良いのではと私よりさらに下手な英語で話してくることにあり、もうしっちゃかめっちゃか。最後はいつもの様にホワイトボードで筆談が・・・。

昼食はいつものように近所の餃子屋さんへ。例の餃子事件が脳裏をかすめる中、「いやぁこれはおいしいですね。」と出されたものはほぼ完食。午後から大丈夫かなぁ・・・。

さて気を持ち直して午後からは新機種関連を中心にいろいろと協議をしたのですが、ここでも想定外のことがありました。実は今回の出張は実質2日間の強行日程だったため、事前にこれから開発するモデルの競合モデルを、比較試聴するために中国に送っておきました。日本でもよく売れている皆さんもよくご存知のユニットです。

ちょっと話はそれますが、私はユニットの試聴をする時、競合する他社ユニットとの比較試聴をよく行います。設計者によってはあまり比較試聴は行わず、自分のモデルだけをずっと聴いていき完成度を上げていくタイプのエンジニアもおり、私の印象ではアンプやスピーカーシステムの設計者にはこのタイプの方が多いかと思います。

私が比較試聴をやる理由は、このやり方の方が試聴環境の変化に強いということがあります。中国の試聴環境は決して良いとは言えず、試聴室のSNも悪く、日ごろ自分が聴いている環境とは大きく違うため、絶対評価をしていると、中国で聴いた時はすごく良く感じたのだが日本で聴いたら全くダメだったなんていうことも結構あったりします。

それともう一つの理由は、私は商品である以上やはり他社の売れている商品との比較で絶対に自分のモデルが優れているとの確信を持った上で発売していきたいからです。

ところが、午後からのミーティングで出されたものを見た私は・・・・・。
何と事前に送っておいた他社ユニットがみごとにバラバラに分解されていたのです!

「冨宅さん、ちゃんと分解して調べておきましたよ。」と自信ありげに話す中国側のスタッフを見ながら私は、

「誰が分解なんかするように頼んだ? 俺はコピーモデルなんか作るつもりなんか無いっつ~の!」

と心の中で叫びながら、「いやぁ、そうじゃないんですよ~。」と優しく、でもちょっと引きつった表情でその分解されたユニットをそっとダンボールの中に戻したのでした。あ~あ、これでユニット購入代とDHL代金が全てパァか、やれやれ。

ということで結局中国での試聴は止めて、日本に帰ってから評価をすることになりましたが、皆様からのご希望が多い小口径モデルでも魅力的なモデルが出せるかも知れません。まぁこれはもう少し先のお楽しみです。

ここから先は、あんなものやこんなもの、まだここで書けないものばかりですが、これらの中から一部は皆さんにご紹介できるモデルも出てくるかと思いますので、是非楽しみにしていてください。ユニットの開発をしていて、実はこの時期が一番楽しくまた重要です。前にも書きましたが、開発初期のユニット(特に中国からの提案ユニット)の中にはとんでもないようなレベルのものもあり、いろんなネタの中からどれがものになるかを見抜いて、それをうまく育てていくというのは設計者にとって最高の腕の見せ所なのです。でもこれから量産が近づくにつれ、コストや品質等いろいろと頭の痛い問題が出てくるので、徐々に苦しみの方が増えてきます。



上の写真は、夕食で出たお酢で出来た中国の飲み物です。価格は安く、かなり庶民的なもののようでした。私は下戸で全く酒が飲めないため、このような飲み物はうれしいです。これの味はお酢がベースなのですが、炭酸が入っていて非常に飲みやすく結構クセになりそうでした。お土産に買って帰ろうと思ったのですが、炭酸が入っているので空港では売ってないと言ってました。ほんまかいな。

では今日はこの辺で。続編に続く。

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中国出張レポート2

2008年05月20日 23時12分50秒 | その他



こんばんは。

出張前の残務がテンコ盛りで、ブログの更新が進まず気ばかりあせってます。さて今日はいよいよ中国出張の初日レポートです。

朝一番の会議で中国側から出てきたのは、昨年からの原材料の異常な価格高騰についての報告。これはもう報告というより悲鳴に近いものがあり、今年に入ってからでも既に2回の価格アップがあり、来月から更にアップするとの通告を材料メーカーから受けているとのことでした。いやぁ朝一番からいきなりカウンターパンチを食らった感じでまいりました。ただこの現象は中国全体で起きているようで、ベンダー1社が何とか交渉して抑えることが出来るようなレベルでは到底ないようです。情報では、夏の北京オリンピックの期間中北京郊外にある中国大手の鉄鋼所が大気汚染防止のため操業停止を行うことや、今回の大地震の影響で鋼材関連の需要急増もあり、少なくとも今年いっぱいはこの上げ基調は続きそうです。本当にこれから製造業はどうなるんだろう、と心配になりました。ただ、一応ベンダー側でも現在量産している現行モデルについては当面は価格は維持してもらうように何とか交渉をしましたが、問題はこれから発売する新機種です。これらは今の材料費ベースで計算されるので、驚くような見積りが提示されました。さすがに一部のモデルでは現行モデルとの関係であまりに矛盾が多いものもあったので、もう一度再考してもらうよう保留としましたが、どうなることやら。ほんと初日から予想外の展開となっちゃいました。

正直なところ、このような場合はPARC Audioのような小ロットで生産をしているメーカーは影響を受けやすく、また新機種が多いほどその影響も深刻です。何とか皆さんに喜んでいただける価格になるよう最大限の努力をしていこうとあらためて気を引き締めた次第です。

さていやな話はこれぐらいにして、お楽しみの新機種関係です。今回はこの点でも予想外の展開がありました。まだ社外秘のレベルが多いのですが、今回の協議で新素材や面白いネタもいろいろとあり、この中の一部は近い将来皆様にご紹介できるものもあるかと思います。昔は日本の部品メーカーを訪問してこのようなサプライズを見つけたものですが、今や中国でこんな話をするとは、ほんと時代も変わったもんです。でもどんな素晴らしい材料でもそれをどう料理するかで勝負は決まるんですよね。是非これらのネタもPARC Audioらしい音造りをして皆さんにご紹介できればと考えています。いやぁ、やることいっぱいだぁ!

その中で今回発表できるのは、前回ペンディングとなっていた17cmアルミコーンウーファー(DCU-171A)と、同じく17cmケブラーコーンウーファー(DCU-171K2)の2モデル。これらは来月発売させていただきます。アルミコーンは前回ちょっとトラブルがあって発売延期した因縁のモデルですが、今回の出張で最後の確認を行い無事発売ということになりました。このアルミの件については別途詳しく書きたいと思いますので、楽しみにしていてください。ちょっとだけ書いておくと、最終的にはオリジナルより今回の量産モデルの方が更に完成度が上がっており、非常に魅力的なモデルに仕上がりました。是非御期待ください。従来のアルミコーンよりはかなり魅力的な出来となっていると思いますよ。

ケブラーについては、先日のハイエンドショーでも好評だった13cmケブラーコーンの(DCU-131K2)よりもさらにウーファーらしく非常に高SNの正統派ウーファーという感じに仕上がりました。おそらくPARC Audioのユニットの中では最もウーファーらしいモデルではと思います。これでPARC Audioのウーファーラインは一応そろえることができたので、これらのウーファーモデルが今後どれくらい人気が出るのか今から非常に楽しみです。

では今日はこの辺で。続編に続く・・・・。
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中国出張レポート

2008年05月16日 23時45分20秒 | その他


中国でもサムスンの広告は目立ちます。(広州空港)


ホンダも結構頑張ってますね。(広州空港)



こんばんは。

無事日本に帰国しました。ただ帰ってくるなり緊急案件の連絡が入り、完全休養の土日とはならないようです。

今回の出張では、多くの想定外のこと(良いことも悪いことも)があり、いろいろ書きたいこともあるのですが今日は取り合えず初日のことだけを書きたいと思います。残りは来週に書きますので、お楽しみに。

が取引しているベンダーは中国の東莞(トンガン)という地区にあり、日本からは香港経由で行くのが一般的ですが、香港ルートは観光客が多くチケットがなかなか取れないことと、一度フェリーに乗り換えの必要があるため、荷物の搬出入がそのまま車で直結できる広州空港からのルートを私はよく使っています。広州には、車の広州ホンダやフォスターの工場があります。高速道路でも広州ホンダの車を沢山見かけます。同時にトヨタはもちろんのこと、レクサスやBMW、アウディ等も見かけ中国も本当に豊かになってきたなぁとつくずく思います。

目的地の東莞エリアは中国の中でスピーカー関連のいろいろな製造メーカーが多く集結している地区で、たいがいのパーツはこの周辺で手に入ります。日系のパーツメーカーでこちらに工場を展開しているところもあります。

さていよいよ中国へ入国です。自宅を出た時の気温は5月というのに8度。それに比べて広州の気温は30度で、その差なんと22度!結構きついです。今回は空港の荷物検査でいきなり中身を見せるように言われ、冷や汗をかきました。最近中国は空港での検査が厳しくなっており、ほんと疲れます。この国はよく法律やルールが変わることで有名で、中でも最近一番困るのはスピーカーを持ち出せなくなったこと。これは機内持ち込みはもちろん、預けてもNGです。理由はマグネット等の磁気を発生するものは航空機に影響を与えるのでダメなんだそうです。今回の検査でもどうやらスピーカーユニットが気になったようですが、既に飛行機を降りてから言われてもねぇ。でも成田で聞いてみたところ「何ですか、それ? 日本ではマグネット(スピーカー)なんてチェックしてませんよ。」とのこと。

スピーカーユニットなんて今まで腐るほどサンプルを海外出張で持って行ったり、また持ち帰ったりしましたが他の国でこんなことを言われたことはありません。まったく変なところで細かいんだから中国は・・・・。何とかならないですかねぇ、中国の関係部署の方・・・・。機内で使っているヘッドホンだって小さいもののマグネットは使ってますよ、なんちゃって。

今回は少し到着が遅れ現地に到着したのは既に18時ちかくなっていたため、逸る気持ちを抑えて初日はそのままホテルに直行となりました。サラリーマン時代は今までいろいろなところに海外出張し出張報告を書きましたが、まさかブログのような不特定多数の方への出張レポート(?)を書くことになるとは全く予想してませんでした。世の中ほんとおもしろくなってきたもんです。多分今まで書いたレポートの中で、このレポートを読まれる方の数が一番多いんだろうなぁ・・・・・。

では今日は疲れたのでこの辺で。

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「ハイエンドショートウキョウ」 レポート 3

2008年05月11日 23時25分12秒 | オーディオ

こんばんは。

無事ハイエンドショーのデモを終えることができました。沢山のご来場本当にありがとうございました。 今日は朝一番と午後の2回公演でしたが、朝の回10:30は3日間の中で一番来場者が少なく、反対に午後の回は超満員で3日間で一番の大入り。同じ日とは思えない感じでした。

今日は午前中の回は大原社長が急用で来られなくなり、代わりに私が全部お話することとなったため、急遽SEASのキットの代わりに13cmウッドコーン(DCU-F131W)の15L BOXを使い、4モデルのデモを行いました。F131Wの15L BOXは会場で音出しするのは初めてなので少し緊張しましたが、予定通りの音を再生することができ一安心です。

大原さんと仕事をしているとこの手のハプニングはよくあるので、私も少し慣れてきましたが、いつも一緒に仕事をしているスタッフの方は結構大変だろうなぁなんて余計なことを考えたりしました。でもその分、PARC Audioとしては
今日は1モデル余計にデモすることができたので、私自身は超ハッピーでしたが・・・。

午前中はkeikさんもお見えになり、いろいろと裏話をさせていただきましたが、ケブラーを気に入っていただけたようでうれしい限りです。私としては、PARC AudioをウッドコーンのPARCではなく、魅力的なスピーカーユニットのPARCというように早く育てていきたいので、ウッド以外のモデルでのご評価をいただくのは本当にうれしい限りです。

今日は無理を言ってデモ終了後に早退させてもらったのですが、帰る直前に同じフロア内の某メーカーさんの方から声をかけられ、「いやぁあんなに小型なのにいい音で鳴っているので感心しました。」と過分なご評価をいただき、同業者からのお話だけになんかこの3日間の疲れが吹っ飛んだ感じです。

社長様は「初めてお話させていただきますが・・・」とおっしゃっていたのですが、実はサムスン時代にこちらの高級スピーカーセレクターを購入させていただいて随分役立たせていただいたことがあり、私自身は「実は前からお付き合いがあったんですよ」とお話し、恐縮されていらっしゃいましたね。こちらのセレクターは音質変化が少なく、本当に素晴らしいものでした。


今回そのメーカーさんでは超メジャーな海外製のフロアスピーカーをお使いでしたが、会場でのセッティングでかなり苦戦されたようで、「会社で出ている音がうまく出ないので、自社のアンプの良さがアピールしにくく、デモがやりにくいんですよ」との事でした。実はそのスピーカーはソニーでも同じ系統のモデルをアンプ屋さんが使っていましたが、やはりセッティングが難しく、この手の用途には向いてないのではと前々から感じていたのです。あくまで私見ですが、音響調整をやる時間や手法が限られるこの手のデモ会場では小型のフルレンジか2ウェイ程度に抑えていた方が無難ではと思います。今度はアンプメーカーさん用のデモ用小型スピーカーなんていう企画を考えてみようかなぁ、なんちゃって。


さて13日(火)からは中国出張が控えています。今回の出張ではやる事満載で、コスト交渉から始まって、品質改善についての更なる協議、現在進行中の新機種関連の確認、これからの新規テーマについての協議等、本当に2日で終わるかなぁという感じですが、まぁ気力で乗り切りたいと思います。おそらくブログやメール等の対応も帰国後までしばらく出来ないと思いますので、ご容赦ください。
一応PCは持っていくのですが、中国(ホテル)はネット状況がかなり悪く、メールの受信もままならない感じですので。それともう一つ心配なのが、出張先での昼食がいつも近所の餃子屋さんなんですよね・・・・。う~ん困った・・・・。

では帰国後また皆さんに良いご報告が出来ることを願って、今日はこの辺で。


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「ハイエンドショートウキョウ」 レポート 2

2008年05月11日 01時19分21秒 | オーディオ





こんばんは。

ハイエンドショー2日目も無事終了しました。今日は写真のように昨日より来場者が増えて、多くの立ち見のお客様がいらっしゃいました。主催者側の発表では、昨日の来場者も昨年より増えていたようです。

今日は一つ大変うれしいことがありました。来場されたお客様から「DCU-F131W7個購入しました。」との驚きのお話。最初はどうして7個も必要なのか理解できず、「7個ですか?」と思わず聞いてしまいました。F131Wでは5.1chで5個ご使用のユーザーの方は知っていますが、さすがに7個とは!

種明かしは、発売後直ぐに3個を購入され、3個使用の長岡式システム(うれしすぎて名前を忘れてしまいました)を組まれたそうですが、その音を聴かれた楽器をやられている息子様がその音に感激され、さらに3個を追加購入され同じシステムを組まれ、念のためにスペアとして1個購入で総計7個となったそうです。

それにしても同じユニットを7個も購入していただけるとは、ほんと後光がさしていました! 設計者としては本当に最高の瞬間です。本当にありがとうございました。


それから昨日に引き続いて、DCU-F121Wとピアノ仕上げBOXの組み合わせについては価格や発売日についてのご質問やご要望を多くいただきました。一応質問していただいた皆様には、「最低でも価格は8万円以上で、10万円近くになるかも知れません」とはお答えしたのですが、それでも是非発売してほしいとのご要望もあり、今日もまた背中を大きく押された感じです。
夏ぐらいまでにははっきりさせたいと思いますので、もう少しお待ちください。なんか最近こんな事ばっかり言ってるような・・・・。

明日は、10:30スタートです。沢山の皆様とお会いできることを願っています。では明日会場でお会いしましょう。



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「ハイエンドショートウキョウ」 レポート

2008年05月09日 23時48分00秒 | オーディオ



こんばんは。

大分ブログの更新が遅れてしまいました。正直なところ、ハイエンドショー用のデモサンプルの用意や来週の中国出張の準備等でてんてこ舞いで、かなりテンパってます。

今日はそんな中、ハイエンドショーに参加してきました。今回PARC Audioのモデルを出品していただく六本木工学研究所様のデモは一番最初の13:30から、開場は13:00ということで、12:30くらいに会場に到着したのですが、何とまだ機材が揃っていない状態! 会場で待っていた六本木工学の方も「うちはいつもぎりぎりで、こんな感じなんですよ。」と言いながら、少し顔が引きつっていたようにも見えたのは私だけかしら・・・・。

ハラハラしながら機材の到着を待ち、無事音が出るようになったのは正に開場時間の1時直前。ちょうどそのころ大原社長も見えられたのですが、全くあわてる表情は無し。う~ん、気の小さい私にはとても真似できません。おそれいりました大原社長!。あなたはすごい!

ということで一回目のデモが休む暇なく始まったのですが、本日デモを行ったのは下記の4モデル。

1)SEASのチタンTWと、パルプコーンWFを使ったキットモデル
2)SEASのチタンTWと、PARC Audioの13cmケブラーコーン(DCU-131K2)を使ったキットモデル
3)PARC Audioのソフトドームトゥイーター(DCU-T111S)と、17cmウッドコーン(DCU-171W)を使ったキットモデル
4)PARC Audioの10cmウッドコーンフルレンジ(DCU-F121W)を、特性ピアノ仕上げBOX(4L)に入れたデモサンプル

これ以外に、PARC Audioの13cmウッドコーンフルレンジ(DCU-F131W)を、標準BOX(15L)に入れたデモサンプルも用意したのですが、さすがにこれは時間の関係で今日はパスしました。

この中で自社ユニットを使っていただいている2)は秋葉原の店頭で少し聴いたものの、3)については本日のデモで私も始めて聴かせていただきました。ソニー時代、大小合わせて数百回はスピーカーのデモを行ってきたと思いますが、自分がデモするスピーカーをデモの本番で始めて聴くというのはさすがに初体験で、1曲目がかかった瞬間にあわてて客席のところに行き私も一緒に聴かせていただいた次第です。

で肝心の音はどうだったかというと、非常に上品にまとめられていて、ウッドコーンの良さを十分表現できていたと思います。このシステムをたった数日で仕上げた大原社長はかなりの達人ではと思いました。お話では、低域に補正回路を入れているようですが、数曲聴いた限りでは不自然な感じは全く無く、正直ちょっと驚いた次第です。大原社長、あなたはすごい!(本日2回目)

平日のデモでそれも開場後直ぐということで、どうせ数人くらいではと予想していたのですが、写真を見ていただいてもお分かりのように初回からかなりの来場で、最後は後に立ち見の方もかなりいらっしゃいました。まだまだオーディオもすてたもんじゃないなぁと、本当にうれしい限りでした。

デモが終わると次のブースには行かずに早速質問をされる方がかなりいらっしゃって、結局次のデモまでの間もほとんど質疑応答をしていた感じでした。お客様とのお話の中で多かったのが、「最後にデモした10cmウッドコーンのシステム完成品は販売しないのですか?」との質問。今日のデモの中では一番小さいサイズにもかかわらず、分解能が高くその生意気な鳴りっぷりにかなり驚かれた印象でした。これについては何らかの形(テスト販売、限定販売、受注生産・・・)を検討中ですが、今日の感じではやはり絶対に商品化すべきだなぁとの感触を強く持ちました。

ただ問題は価格が・・・・。音質や高級感を考慮するとピアノ仕上げにしたいのですが、そうするとかなり価格が上がるので商品として成り立つのかどうか??? 今日お話を伺ったお客様は、「あの音とあの外観の質感であればペアで10万円でも買います。まぁ個人的には79,800円くらいがベストなのですが・・・」とのことで、何とかこれに近づけられるよう頑張ります。

それともう1点うれしい話ですが、中国地域でPARC Audioを取り扱っていただける販売店様が出来そうです。まだ最終確定ではないので今日は名前は書けませんが、名前を言えば皆さんよくご存知のところなので、今から楽しみです。また正式決定しましたらご報告させていただきますね。


というわけで、六本木工学研究所様のご厚意にすっかり甘え、いかにもPARC Audioのブースのような図々しい顔をして話をさせていただきましたが、何とか無事デモを行うことができました。明日は第一回目のデモが12:00スタートです。皆さんのご来場を心からお待ちしております。

では今日はこの辺で。




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