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「Pygmalion」京都市立芸大の学園祭でミュージカルを観てきた。

今年も秋、11月5日、桂からバスに乗って、
京都市立芸術大学の芸大祭に行ってきた。
GMGのミュージカルは「Pygmalion」(ピグマリオン)
「マイ・フェア・レディ」の翻案。

東京オリンピックを4年後に控えた
1960年の東京の下町で、
音声学の教授樋口先生は、花屋の少女、直子と出会う。

身体にこびりついた癖、下町の汚い言葉遣いや荒っぽいふるまいは、
なかなか剝がれてくれない、
でも、教授に教えられるまま、理想に向かって努力を積み重ねる直子。

でも、ふとつまずく。自分にとっての理想って何だろう。
まわりからの期待との中で、模索しながら、
直子は、自分の本当の気持ちに気が付いていく‥。

本当に楽しくおもしろい舞台で、
歌も踊りもうまく、学園祭とは思えないレベルの高さ!

主役の直子役は、声楽の学生さんとあって、美しい高音は見事で、
優しい声で、きれいに響いていた。

個人的には、一郎という、
直子に心魅かれる青年の一人、一郎にがつん!でした。
最初はどもって、うまくしゃべれなかった一郎が、
最後の方では、愛を歌い、愛することの喜びを歌いあげる。
うまく話せなくても、
歌にのせてなら、想いを伝えられる‥、
小柄で細身の体から発せられる響きに、聞きほれ、涙が出るほど。 

友達の娘さんも、家政婦さんのような役で出演。
てきぱきした立ち居振る舞いが爽やかで、
時に優しく、繊細でもあり、役作りの苦労を思い、
すごいなあと思った。

脚本もよくできていて、
直子が、求婚者たちに、
かぐや姫の物語にもある、実現不能な課題を出した時は、
場内も爆笑。

最後の終わり方が、ミュージカルっぽくなく、映画のようで、
直子と教授と二人だけで、初めて、想い合っていることに気付く。
「ほんとう?」という直子の言葉とともに、
静かに幕が下りていく。 
ひとつの世界が形作られ、
その余韻がいつまでも残り、涙があふれてしまった。

人の声はすばらしいなあと実感。
いろんな声があって、みんな懸命で笑顔で、堂々としてて、
軽快に走り、踊り、歌う‥。まさにミュージカルの醍醐味。

直子の求婚者の中に、若干音程が不安定なときがあったが、 
逆に、それだけ、ほかの人が完璧だということがわかり、 
あらためて、完成度の高さ、レベルの高さを感じた。

去年も食べた、ワッフルがすごくおいしくて、
休憩中にぱくつき、 
終わってからは、台湾からの留学生の模擬店で、
台湾版豚丼みたいなのを一人、かきこんでいたら、
隣のサブステージで、女子学生の朗読が始まった。 
寺山修二とかもあり、寒い中、聞き入ってしまったた。

上演前、入口付近で可愛いアクセサリのブースを見つける。
人口芝をつかった鮮やかなグリーンがめっちゃステキで、
思わず手に取る。
「池ポチャ」というアクセサリを置くトレイ。
水面に波紋まであって、さすが。
夜の値引きで、ぐい飲みのおちょこのようなのも手に入れ、日々愛用している。

今年の学園祭のテーマは
「じごくのファン!ファン!ファーレ!」。
学園祭パンフレットに
大嶋義実音楽学部長がいいことを書かれていたので引用します。

「フェルメールの絵からは静寂とともに音楽が聞こえてきます。モーツァルトの音楽には暗闇とともに煌めく光の粒を見ることができます。
どうやら人間には、聞こえないものを聞いたり、見えないものを見たりする力が備わっているようです。
芸術家であろうとする者はすべからくこの能力に磨きをかけなければなりません。それはこの世界の向こう側にアプローチする力です」

向こう側ときくと、私が一番に思い浮かべるのは、「河童の三平」という水木しげるさんの漫画や、
つげ義春さんの漫画。
「無いのに在るもの」との間を行き来する技、と大嶋部長さんは書いておられます。

学長の鷲田清一さんは、
「生みの苦しみは、芸術の特権でもあります。だれも見たこと、聞いたことのないものを創りだすことで、だれも未だ立ったことのない、見晴らしのいい場所に立とうというのですから。」
「芸術においては、何を創りたいか、創る本人にだって見えていません。未来の社会を創るときもおなじ。何がほんとうに「よい社会」か、だれにも見えません。だから小さな光を手がかりに、まずは身のまわりでその小さな「よい社会」を実現してゆくこと、「よい社会」がどういうものかを話しあい、イメージしあう、その過程でもうその「よい社会」が部分的に日ゲインしていなかったら、「よい社会」を創ることはできません。その意味で、やがて来るべきはずのものをいまここで揺らめかせよう、そのことから始めようというのが、この「ファン!ファン!ファーレ!」なんだろうと、勝手に想像しました。」

私は聴くばかりですが、アーティストの皆さま、来年も頑張ってください!
皆さまのおかげで、私たちは、いい歌に出会い、いい夢をみられるのだと思います。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ぢょん でんばあことご存知)
2017-01-21 14:56:57
こんにちは~。いつまでも寒いね~。

年始からバタバタしていて、せっかくの記事を読めておらず失礼しました!

いつも丁寧に舞台を見てくださるだけじゃなく、ステキな記事にしてくれて、ありがとうございます。

娘も卒業だし、芸祭に出かけるのもこれで最後かなあ?でももしGMGの舞台をまた見てくれるなら、喜んで手配させます!

じゃあまた、春に!…と言いつつ、ちょっとしたご案内を送るので、よければまた見てください。
 
 
 
でんばあさま (ぱらぱら)
2017-01-22 00:41:12
拙ブログ、のぞいてくださって、ありがとうございます!!!
最近、書きたいことはあっても、まとまった時間がとれず、なかなか書けなくて、もっとコンパクトに書けたらいいのですが、そういう器用さもなく、思うようにいかないです。

感想まとめるのに、とても遅くなってしまい、すみません。読んでもらえて、嬉しいです。娘さんのきりりとした舞台姿、今もはっきり覚えてます。もう卒業なんて、本当に早いですね。
また来年行けそうでしたら、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。
案内、楽しみにしていますね。
 
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