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No1350『緋牡丹博徒 お竜参上』~ 藤純子の立ち姿と発声の美しさに魅せられる~

お竜さんを演じる藤純子の、落ち着きがあって、
りんとした響きの、よく通る声を聞いているだけで、とても気持ちがよい。
「どげんすっと」とか、熊本弁の優しい響き。

そして、藤純子の立ち姿、歩く姿、
仁義の挨拶で、少しかがんだ姿といい、
とても美しく、気品があって、様になっている。
ぴんと背筋が張った立ち居振る舞いが、絵になる。 

お竜さんは、若い男女が添い遂げるのにそっと手を貸し、
自分は、任侠の世界で、
一人、体を張って、ドスを懐に、勝負に挑む。
ひたすらかっこいい。
それでいて、菅原文太といった気になる渡世人には、
傘を渡したり、果物を差し入れたり、
さりげないやりとりに終わり、
美しくも切ない。
鈴木則文さんと加藤泰監督の脚本だから、
よくできていて、テンポもよく、
映画の世界にすっかりはまる。

お竜さんのピンチに、いきなり助太刀で登場する、
お竜さんに惚れっぱなしの兄貴分の若山富三郎さん。
観客としては、すっかりお竜さんに肩入れして、
大丈夫か心配でどきどきしながら観ているから、
ワカトミさんの登場は、頼もしくて、まるでウルトラマンみたい。

今戸橋で、藤純子と菅原文太が会うシーン。
しんしんと降りしきる雪に泣けた。

クライマックスで、太鼓橋ほどではないが、ゆるやかに勾配のついた、
橋の向こうから現れるお竜さんの、なんと美しいこと。
カメラ、すなわち観客の視点と、映っているお竜さんとの距離、
橋に白く積もった雪、
スクリーンの余白の部分に
万感の思いが漲る。

シネスコの画面が、本当に生き生きとしていて、
写真のように、奥行のある構図がすばらしく、
特に、この場面、奥で仁義の挨拶するお竜さんに惚れた。。。

『男の顔の履歴書』では、
確かに、安藤昇の、どこかつかみどころのない不気味さと、
ぼっとしたようにも見える、すごみのある顔に
見入りながらも、
銃やピストルの応酬は、刀に比べると、どこかおもしろくなく、
私には、断然、お竜さんの方が、おもしろかった。
女性におすすめしたい。 

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