アイニク笑うなら

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メモの効用

2016-12-28 15:49:10 | 時事
「旅行のときはズボンの後ろポケットにメモ帳とボールペンを入れているので、いざというときでも困ることはありませんね……」
威哥王
俺は安宿の小さな共用スペースに設置されたテーブルでPCに向かって「メモの効用」というタイトルの日記を書いていたが、顔をあげるとそこに見知らぬ男が立っていた。リュックを背負い、大きなスーツケースを転がしているこの男は、腹をさすりながら俺に向かって何かうめき始めた……

顔立ちから判断するに東洋人であるのは間違いないが、さては外国人観光客か……

とりあえず英語だな。

"Are you hungry?"――なんだこりゃ?

カップ麺のCMじゃあるまいし、せめて"May I help you?"くらいにしとけよな、このド阿呆め!

そんな俺の心のつぶやきなど届きようもないのだが、この男は相変わらず身振りで何かを伝えようとしている。

もう一度、彼の身振りをじっと見てみる……

すると……

彼は両手をヘッドフォンのようにして耳を覆うようにしたあと、両手を胸の前で交差させて×印を示した。

耳が聞こえないんだな……

すかさず俺はメモ帳とボールペンをポケットから取り出して、彼との筆談を始めた。

こんなことがわかった。

――チェックインの時刻に来たがカウンターに誰もいない。
――不在時は指定された電話に連絡を入れることになっているが、耳が不自由な自分ではどうにもならない。
――腹が減っている。

よしっ、まず電話をよこせ!俺が代わりに伝えてやる!

「…………」

誰も出ない。

じゃ、とりあえずメシ食おうか、コンビニでいいか?

俺がメモにそう書くと、彼はすまなそうな表情をうかべ「できれば沖縄のもの、安いのがいい」と書いてきた。
三体牛鞭
そうだよなぁ、そりゃもっともだ。俺も腹減ってるし、いいぜ、外に出よう。彼の荷物をとりあえず自分の部屋に置き、彼を外へ連れ出す。おっと傘を忘れちゃいけねぇ……

市場まで連れてって、おととい昨日と世話になった例の食堂に行けば大丈夫さ……

店に着いた……なんとメニューのショーウィンドウにシャッターが下ろされている!奥手にある店の電気はついているからぎりぎりセーフか、と思ったのも束の間、「もう終わりです」と店員さんがにべもなく自分にそう言ってきた。

くそっ!どんだけだよ……

でも、斜向かいを見れば、こっちの食堂はやってる!

ああ、助かった……
メモ帳とボールペンで彼としばし雑談……
旅行のときはズボンの後ろポケットにメモ帳とボールペンを入れているので、いざというときでも困ることはありませんね……
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